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峠の匂い nc+257-0131
2025/11/16 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, 山にまつわる怖い話, n+2025
大学時代の深夜、俺と山根は、夜更けにラーメンを食いに行った帰りだった。 思いつきで隣の市まで行ったせいで、戻りは真夜中をとうに過ぎていた。 街灯の切れた峠道は、昼間と違って肌に貼りつくような匂いを放っ ...
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異界を覗いた出張帰り r+2,352-2,836
2025/11/16 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
三重県これは、転勤族であるAさんが三重県に住んでいた頃に体験した話だ。 出張で大阪へ向かったAさんが、昼過ぎに電車で戻る際のことだ。途中の駅で乗り換えるために降り立つと、薄暗く古びた駅が広がっていた。駅員の ...
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白い板の下 ncrw+177-0117
2025/11/15 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
夜の天井を見上げる癖は、幼稚園の頃から続いていた。 ベッドに体を沈めると、視界のすべてを白い平面が占める。無地に見えて、近づけば筆のかすれや塗りムラがある。街灯の光がカーテンの隙間を抜け、天井の角に淡 ...
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熱がうつる話 nw+205
2025/11/13 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でもあの国の空気を思い出すと、体の芯がざわめく。 旦那の転勤で暮らしたミャンマーの町は、乾いた大地に強烈な陽射しが落ちるはずなのに、家の裏へ回ると湿った土の匂いが鼻を刺した。裏庭の奥には旧日本軍が現 ...
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見られる文字 nw+203
2025/11/12 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
小さな頃の空はいつも身近な図書館で、洗濯物の匂いと鉄の網戸の音が混ざっていた。 あの匂いを嗅ぐと、たとえ十年以上経っても、日の光の温度まで引き戻される。 舞台はいつも午後だった。窓から差す光はしばしば ...
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数を数えるな rw+2,765-0217
2025/11/12 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
同僚が酒の席で漏らした話を聞いた瞬間、場の空気が静かに薄くなった気がした。 「……あれはな、闇とか、そういう言い方じゃ足りない」 そう言ったのはNだ。元警察官だと本人は言う。ただ、その“元”が事実かど ...
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一拍遅れる影 rw+2,331
2025/11/12 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
同じ話を三度聞いた。細部は違うのに、核だけが変わらない。そこが不気味だった。 夜道で彼女と別れたあと、眠れずに天井を見つめながら、あの語りを繰り返し思い出した。他人の体験のはずなのに、思い返すたびに自 ...
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内部から光るもの rw+2,532-0211
2025/11/12 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
この話を思い出すたび、背中の内側をぬめりのある冷たいものがゆっくり這い上がってくる。 正月に帰省した折、友人から聞いた話だ。あまり感情を表に出さない男だが、その夜ばかりは妙に言葉が乾いていた。酒を飲ん ...
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声だけが残った rw+2,841-0122
2025/11/12 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
学生時代から世話になっている米屋がいる。 商店街の外れにある古い店で、精米機の低い唸りと、米俵の乾いた匂いが常に漂っていた。昼下がり、店先で腰を下ろしながら、彼がぽつりと語った話がある。思い出すたび、 ...
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玄関を拭く人 nw+177-0120
2025/11/11 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
仕事に追われ、帰宅が深夜にずれ込む生活が続いていた頃、私は家賃四万円の古いアパートに住んでいた。 狭く薄暗い建物で、共用廊下は常に湿気を含み、壁紙はところどころ剥がれ、雨の日には黴の匂いが濃くなる。息 ...
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四台目のチェーン rw+1,926-0310
2025/11/11 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
夏休みの午後だったはずなのに、その日の記憶だけは、日差しよりも先に黒いものが浮かんでくる。 小学生の頃、友達と公園で遊んでいた。鬼ごっこにも飽きて、ぬるくなったジュースを飲みながら木陰に座っているうち ...
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次は二十三時三分 ncw+220-0120
2025/11/10 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
山奥に帰省すると、どうしても避けられない道がある。 舗装が途切れ、雑草に覆われた坂道を下りきった先、竹藪の影に押し込められるように古い待合所が建っている。屋根は苔に沈み、雨樋は途中で折れて役目を果たし ...
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降りていない客 rw+5,742
2025/11/10 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
これは七年ほど前(平成六年・1994年頃)のある雨の日に、六本木でタクシー運転手から聞いた話だ。 深夜まで遊んでいた帰り、横浜まで乗せてくれる車を拾った。防衛庁の近くで客待ちしていた古い個人タクシーだ ...
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中華屋珍満 r+4,857-5,353
2025/11/09 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
近所の中華料理店でラーメンを食べていた際、支払いをしようとしたところ、店主が「いらない」と言った。店主によると、この店は今日で閉店するという。経営が厳しくなったことや高齢による体力の限界などが理由で、 ...
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気付いた瞬間 nw+
2025/11/09 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あいつがその話をしたのは、二年の夏だった。 サークルの飲み会で、店の奥の丸テーブルに座っていた時だ。まだ誰も潰れていない時間帯で、空調の音と氷の鳴る音がはっきり聞こえていた。あいつは唐突に黙り、ジョッ ...
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その名前で大丈夫ですか rw+2,453-0204
2025/11/09 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
同僚の田村さんから、ある飲み会の帰り道にぽつりと打ち明けられた話がある。 冗談めかした口調だったが、笑い話として処理するには、どうにも引っかかる内容だった。奇妙な“名前”の話だ。 田村さんの家には、代 ...
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揃う時間 rw+4,147-0208
2025/11/09 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
今でも、あの男の目に焼き付いた《黒》を思い出すと、胃の裏がじくじくと熱を持ち始める。 これは、山奥の古い旅館に泊まったという男性から聞いた話だ。話の筋よりも、途中で何度も言葉を切り、しばらく黙り込む癖 ...
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開かれた瞳の奥 r+3,474-3,756
2025/11/09 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
雪が降る日は、決まって呼吸が浅くなる。あれ以来、特にそうだ。 寒気のせいじゃない。肺の奥に、何かが残っている感じがして、無意識に息を浅くしてしまうのだ。まるであのときの空気が、まだどこかに漂っているよ ...
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二人分の水 nw+176+0207
2025/11/08 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でも、あの水のぬるさだけは、はっきりと思い出せる。 夏の終わりだった。 駅前の雑居ビルの二階に入っている、小さなレストラン。外観は改装されたらしく一見すると新しいが、階段を上がった途端、古い建物特有 ...
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出なさいと言われた場所 ncrw+206-0120
2025/11/07 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
俺はもともとオカルトが好きで、洒落怖も相当読み込んでいた。 それに職業柄、いわゆる「説明のつかないこと」に遭遇する機会も多い。だから八百万の神という考え方も、信仰というより業界の常識として受け入れてい ...
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毎年、会っていたはずの子 rw+2,424-0207
2025/11/07 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
夏になると、父方の田舎で過ごした。 海沿いの小さな村で、家と家の間には畑と空き地しかなく、集落のほとんどが親戚筋だと聞かされていた。両親に連れられて行き、数日すると両親だけが先に東京へ戻り、私と弟は祖 ...
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十字に裂かれたサドル r+1,899-2,029
2025/11/07 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
交番の前で信号を待つ時の心細さを思い出すと、どうにも胸の内がざらついて落ち着かない。 私はその夜の話を友人から聞いたのだが、彼が語った情景はあまりに生々しく、まるで自分自身が体験したような錯覚に陥る。 ...
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十一時を過ぎてはいけない rw+2,275-0105
2025/11/07 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
あれは高校二年の夏、台風の夜のことだった。 ……いや、正確には、もっと前から始まっていた。 毎晩のように起きていた出来事を、私はただ生活の一部として受け入れてしまっていた。疑問を挟む余地もなく、理由を ...
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記録できない夢 ncrw+233-0118
2025/11/06 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
夢の話をすると笑われるのが嫌で、ずっと一人で抱えてきた。 子どもの頃から、何度も同じ夢を見る。夢の中では確かに「またこれだ」と分かるのに、目が覚めると内容だけが抜け落ちる。残るのは胸を締めつける喪失感 ...
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七匹目 rw+2,159
2025/11/06 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
私が生まれ育った家は、山の斜面を背負う古い日本家屋だった。 土間と畳敷きの広間。かまどのある台所と仏間。十六畳の和室。障子を開ければ縁側、その先に小さな庭があり、数歩で山肌に触れられる距離だった。 十 ...
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水の舌、蛇の声、名のない呼び声 nc+258-0120
2025/11/05 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でもあの夜の匂いを思い出すと、胸の奥がざわつく。 湿った石の匂い、ぬるい苔、雨を吸った杉皮。山の線が暗く膨らみ、谷から上がる風が舌の裏に金気を残した。私は調査の帰りに、村はずれの境の杭をまたいだとこ ...
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手配 r+2,037-2,361
2025/11/05 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
これは、とある予備校時代の友人の体験談だ。 彼の後輩、仮に「タケ」としようか。そのタケは、身長185cmと長身で、かつては80kgほどあった体格も立派な男だったが、二年前、彼の生活は一変した。 親が亡 ...
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同じ日に見た nw+209
2025/11/04 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
大学二年の夏、祖母に頼まれてお盆の支度をしに車を出した。 午後の陽射しは白く濁り、アスファルトの上で揺れていた。信号待ちで窓を少し下げると、刈り残された草の匂いと排気の臭いが混じり合い、肌に薄い膜のよ ...
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夢の中で開いた扉 rw+5,460-0120
2025/11/04 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
一九九〇年代のはじめ、私は誘拐された。 にわかには信じがたい話だが、事実だ。同じマンションに住む女に声をかけられ、そのまま部屋に入った。用件は曖昧だった。玄関を越えた瞬間、背中に冷たいものが走り、次に ...
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なろうと思った rw+5,031-0211
2025/11/04 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
中学からの友人で、高校生活を共に駆け抜けた政一の告白を受けたのは、卒業式の夜だった。 壇上で名前を呼ばれ、証書を受け取る自分を見つめる彼の視線が、妙に熱を帯びていることには気づいていた。ただ、その意味 ...
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白衣の下の刃 rw+4,823-0218
2025/11/04 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
大学時代の恩師から聞いた話が、いまも頭から離れない。 酒に酔った夜、居酒屋の薄暗い卓で、彼は長い沈黙のあとに言った。 「アメリカ兵を、切ったんだ」 それは冗談でも誇張でもなかった。 背景にあるのは、い ...
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黒い三角は空を覆う nw+272-0219
2025/11/03 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
私は中学生だった。父の車に乗り、釣り場へ向かう途中だった。 朝の空気は澄んでいて、林の向こうから鳥の声が聞こえていた。何も異変はない、いつもの休日のはずだった。 それが、ある瞬間だけ、世界の音が抜け落 ...
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歯型照合 rw+5,472-0216
2025/11/03 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
炎は通報から十分も経たないうちに見えたという。 東北自動車道の闇の中で、まっすぐ立ち上る赤い柱だけが異様に静かだった。 友人は無線の音量を下げ、アクセルを踏み込んだ。近づくにつれ、焼けたゴムと鉄の匂い ...
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差出人不明 rw+1,918
2025/11/03 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
昼過ぎ、編集部の郵便受けに、差出人のない封筒が混じっていた。 私は地方の情報誌で編集をしている。大きなスクープとは無縁だ。飲食店の新メニューや地域イベントを拾い、無難にまとめる。それが仕事だ。面白いか ...
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帰らせたからね rw+3,729-0220
2025/11/03 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
子供の頃の記憶というのは、妙に鮮明な断片と、すっぽり抜け落ちた闇とでできている。 どうしても忘れられない一日がある。 家の湿った匂いと、障子越しに差し込む夕暮れの赤だけは、今もはっきり思い出せる。 両 ...
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存在しなかった三人目 rw+1,924
2025/11/03 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
ネットで有名な怖い話あの夜のことは、いまでも話すたびに喉の奥が冷える。 中学の同級生と再会した席で「怖い体験はあるか」と聞かれたとき、最初に浮かんだのがあの合コンだった。二十代半ば、研究所に籠もる毎日で女の気配とは無縁だ ...
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あの場所に立ったこと rw+2,119-0203
2025/11/03 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
静岡県子供のころ、父に連れられて山へ入ったことがある。 登山というほどのものではなく、集落の裏から延びる獣道を少し外れただけだった。父は何も言わず、ただ前を歩いていた。あの背中だけは、今でもはっきり覚えてい ...
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声のない坂道 nw+188-0203
2025/11/02 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でも、あの風車の音を夢に見ることがある。 くるくると回り、風に引っかかるたびに、キィ……キィ……と紙と竹が擦れる音。どこにでもあるはずの玩具が、どうしてあれほど耳に残ったのか。理由は分からない。ただ ...
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夢で見た家に、私は住んでいた r+2,000
2025/11/02 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
子供の頃から、行ったこともない町の光景を知っていた。 知っている、というより、確信していると言った方が正しい。 夢の中に必ず出てくる町だ。川を渡る古い橋を越えると、まずガソリンスタンドが見える。夢の最 ...
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僕は降ろされた rw+4,656-0211
2025/11/02 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
神奈川県高校時代の記憶は、そこだけが焼け残った紙のように、黒く縁取られている。 あの日のことを語るとき、どうしても一人称でしか語れない。他人の体験として処理すれば楽になるはずなのに、それをすると何かがずれる。 ...
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婆ちゃんの的中 r+2,237
2025/11/02 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
うちの地域には、昔から奇妙な言い伝えや風習が残っている。 浄土真宗の家が多いせいか、葬式の後に清めの塩を使う習慣はほとんどなかった。けれど、私の家では今でも必ず塩をまく。理由は、あの「婆ちゃん」の存在 ...
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隣の家は夢だった nw+218-0121
2025/11/01 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でも、あの夜の夢を思い出すと、体の芯がざらつくように冷えていく。 夢というものは、目覚めた途端に輪郭を失い、朝の光の中で嘘のように溶けていくはずだ。ところが、あの光景だけは違った。忘れるどころか、年 ...
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これならできるよ rw+2,084-0123
2025/11/01 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
小学六年の頃の話だ。 今でもその記憶を思い返すと、皮膚の奥を小さな針で刺されるような寒気が走る。 あの日の出来事は、夢や幻覚で片づけてしまうには、あまりにも手触りが残りすぎている。匂いも、音も、空気の ...
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食べてしまったもの rcw+2,584-0201
2025/11/01 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
子供の頃のことを、今でもはっきり覚えている。 ある朝、寝ぼけたまま布団から起き上がったとき、掛け布団の上に銀色の魚が横たわっていた。 体長は四〇センチほどだった気もするし、七〇センチ近くあったような気 ...
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その部屋だけは使うな rw+1,841-0206
2025/11/01 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
僕は山奥の小さな村で育った。 夜になると、獣の声と風の音しか聞こえない場所だ。街灯はほとんどなく、家々の窓明かりだけが、闇の中に点々と浮かんでいた。 子供の頃、兄と姉にはそれぞれ部屋があったが、僕だけ ...
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右側だけが増えていく n+
2025/10/31 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でもあの夏の午後の熱気を思い出すと、耳の奥で受話器の無音がぶるぶる震えるように感じる。 汗で指先がぬめるたび、ポケットの中の硬い紙片が擦れ合って、小さな音を立てた。小学四年の終わり頃から三年ほど、私 ...
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代わりにこちらで nw+258
2025/10/30 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でも、あの朝の車内の静けさを思い出すと、背中の奥が冷たくなる。音が消えたというより、最初から存在しなかったかのような、妙に完成された無音だった。 二年前の七月二十八日、月曜の朝。夏休みも取れず、実家 ...
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山に残されたもの r+1,981
2025/10/30 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
これは今もって俺自身、まったく信じきれていない。 他人に話したところで、どうせ鼻で笑われるのが落ちだろう。親父の戯言にすぎないのかもしれないし、脳の誤作動から来る幻覚や幻聴だった可能性もある。だが、俺 ...
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【大雑把仮説】 御船千鶴子は自殺していなかった!? #5,706
2025/10/30 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
【大雑把仮説】 御船千鶴子は自殺していなかった!?【ゆっくり朗読】 母から聞いた子供の頃の話です。 104 :本当にあった怖い名無し:2016/02/27(土) 18:11:23.11 ID:baNt ...
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赤い箱は開いていない rw+4,207-0212
2025/10/30 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
あれは去年の夏のことだった。 ひさしぶりに田舎へ帰ったとき、俺は古いものをひとつ壊した。壊したというより、壊してしまったと言うほうが正確かもしれない。それ以来、あの家のことを思い出すたび、胸の奥に冷た ...