-
-
祖父と山神の記憶 r+5,900-6,928
小学生時代に遡る、三十数年前の記憶である。 それは、冬の日に祖父の家を訪れたときの出来事だ。 寒さが訪れる季節になると、その出来事がまるで昨日のことのように鮮明に蘇る。 夏休みや冬休みになると、私は毎 ...
-
-
戦火の残響と夏の怪 r+2,728-3,125
僕の友人に、オカルト愛好家で霊感がそこそこ強いKという男がいる。 ある日、彼に「今までで一番怖かった体験って何だ?」と聞いてみた。 Kは少し考えた後、微笑みながらもどこか遠くを見るような表情で答えた。 ...
-
-
某テレビ局封鎖フロア r+2,716-3,025
2025/11/17 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
これは私がテレビ局でアルバイトしていた頃の話です。 一部フェイクを入れていますが、特定されないようにしていただけると助かります。 大学生の頃、私は水曜日が全休だったため、大抵水曜日にシフトを入れていま ...
-
-
声なき森が告げるもの r+1,260-3,568
2025/11/17 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
これは、旧友の坂本さん(仮名)から聞いた話だ。 坂本さんは中学時代、酷いいじめに遭っていた。周りの無関心さも手伝って、彼の毎日は暗闇に覆われていたらしい。教師も見て見ぬふり、家庭では両親が互いに別の相 ...
-
-
神隠しの町~呪われた祠の囁き r+5,163-5,759
三年前の夏の出来事 大学に入学して間もなく、親しくなった斉木と中島と共に、夏休みの暇を持て余し、斉木の親戚が経営する某山陰地方の民宿へ旅行に出かけることにした。二泊の予定だった。 町に到着し、夕暮れ時 ...
-
-
祖父の代償 r+5,080-5,646
今でも、祖父の家の裏山に漂っていた湿った匂いを思い出す。 夏休みごとに弟と訪れていたその古い家は、瓦屋根が低く沈み、庭先に錆びた農具が積み上げられていた。夕方になると裏山から蝉の声と湿った土の匂いが重 ...
-
-
闇夜に消えたサーチライト r+4,358-4,671
これは、あるバイク好きの男性が体験した、十五年経っても忘れられない奇妙な話だ。 バイクの免許を取ったばかりの若者だった彼は、林道を駆け巡ることに胸を踊らせ、地図を頼りに未踏のルートを探し求めていた。 ...
-
-
【18禁】カルト教団の性奴隷 r+7,253-7,895
私が小学校五年生のとき、交通事故で両親を亡くし、祖父に引き取られることになった。 その日を境に、私の時間は凍りつき、思考が停止したようだった。胸の中には深い空虚感が広がり、事故前の記憶はぼんやりとして ...
-
-
ケン君の部屋 r+3,570-4,023
2025/11/14 -中編, r+, ほんのり怖い話
ネットで有名な怖い話この話を思い出すたびに、どうにも体の奥が冷える。 まるで自分の骨の髄にまで、あの夜の寒気がまだ残っているように。伝聞で聞いたことをここに書きつけるが、語った本人は終始うつむき加減で、途中から声が震えて ...
-
-
袈裟代さん 《ホラーテラーさん》r+5,109-5,540
兄が精神的に不安定になった。 旅行中に何か異常な出来事があったのだろうか、その詳細は定かではないが、彼の態度が一変してしまった。 昨日、彼が彼女との一泊旅行から戻ってきたのだが、その様子は明らかに異常 ...
-
-
奇妙なアパート r+5,294-5,727
2025/11/13 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
これは、夜の仕事をしていた二十歳の女性から聞いた話だ。 彼女はその当時、同じ店で働く一つ年上の女性とアパートで同居を始めたのだが、その住まいが奇妙な出来事の舞台となったらしい。 繁華街に近い二階の一室 ...
-
-
あの日のマネキン r+4,159-4,669
2025/11/13 -中編, r+, 洒落にならない怖い話, 人形にまつわる怖い話, 定番・名作怖い話
★人気ベスト300彼女には霊感がなかった。そのため、幽霊や霊的な存在を感じ取ることはできなかった。 彼女はこれまで一度も幽霊の姿を見たことがなく、霊の声を聞いたこともなかった。しかし、それがかえって彼女の恐怖体験を際立 ...
-
-
赤いランドセルの少女 r+1,500-1,700
これは、ある大学の友人たちが経験した奇妙な出来事だ。 大学は田舎にあり、遊び場が少ないため、彼らはよく車で夜のドライブに出かけていた。その日も同様に、友人たちは隣町の峠へ向かい、景色を楽しんだ後、帰り ...
-
-
没落家系のおぞましい秘密 r+5,877-6,564
2025/11/12 -中編, r+, 家系にまつわる怖い話
★人気ベスト300これは、知り合いの古い友人から聞いた話だ。 その友人が小学生だった頃、家は農村の中でも特に貧しかった。家も古びていたし、家族はいつも節約の話ばかりだったので、ずっとそういう家柄だと思っていたのだ。 し ...
-
-
人肉館(長野県松本市)r+4,851-5,362
都会暮らしの主人公が、久々に帰省した夏の長野の実家。澄んだ空気と山々に囲まれた故郷に安らぐ彼だったが、旧友から「なぁ、人肉館に行かないか?」と誘われ、町外れにある噂の心霊スポットへと足を踏み入れてしま ...
-
-
謎の歌声 r+3,229-3,639
2025/11/12 -中編, r+, 山にまつわる怖い話
ネットで有名な怖い話, 中国地方とある夏のキャンプでの話。 1年前、大学の夏休み直前、高校時代からの友人・江崎から電話があった。「久々に集まって何かしようぜ」ってことで、高校時代の仲間4人、俺、江崎、小林、青山で、江崎のアパートに集 ...
-
-
後悔と恐怖の記憶 r+3,351-3,779
これは、九年前にある保険会社で働いていた男性から聞いた話だ。 彼は職場での順調なキャリアを築き、部下たちと親しくしながら、少しの誇りとともに日々の仕事を楽しんでいたという。 その中でも特に信頼していた ...
-
-
埼玉のいわくつき敷延物件 r+6,744-7,262
2025/11/11 -中編, r+, 不動産・物件の怖い話, ほんとにあった怖い話
★人気ベスト300, 埼玉県これは、不動産業のSさん(仮名)から聞いた話である。 彼が担当したのは埼玉県の住宅地。20棟の新築分譲住宅地で、すでに販売から三年が経っても売れ残りが続いていた。売れない区画は特に「N」「Q」「R」と ...
-
-
抱擁の夜に現れたもの r+1,600-2,037
今でもあの夜の冷えた空気を思い出すと、背筋の奥に針を刺されたような感覚が蘇る。 三年前、冬のある晩。疲れと不安で気力をすり減らしていた私は、いつものように由香利に救われていた。彼女は友人以上恋人未満の ...
-
-
帰省:封印された記憶が目覚めるとき r+5,695-6,258
去年の夏、約十年ぶりに実家へ帰省したときのことを書こうと思う。 この体験には非常に複雑な感情と不安が絡み合っており、長文になるかもしれないので、興味のない方は読み飛ばしていただいて構わない。 私は現在 ...
-
-
さっちゃんの赤ん坊 r+6,164
2025/11/10 -中編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
俺は霊感なんて一切ない人間だ。幽霊を見たこともなければ、心霊スポットに行っても寒気すら感じない。 けれど、あの時だけは、どう説明していいかわからない体験をしてしまった。 大学を出てすぐの頃、俺は上京し ...
-
-
六本木「バー 舞姫」の謎 r+3,909-5,437
これは七年ほど前(平成六年・1994年頃)のある雨の日に、六本木でタクシー運転手から聞いた話だ。 2ちゃんねる投稿者の百太郎氏が夜遅くまで遊んでいた際に拾ったタクシーの運転手が、自らの不思議な体験を語 ...
-
-
笑う少女たちの完全犯罪 r+9,094-9,898
2025/11/09 -中編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
★人気ベスト300これは、とある県立高校に通っていた女性から聞いた話だ。 彼女が通っていた高校は、女子が圧倒的に多く、男子の比率は3割ほどしかいなかった。そこそこの競争率、穏やかな学内の空気。誰もが問題なく過ごせる普通 ...
-
-
階下の旋律 r+4,089
あの音を、いまも耳の奥で聞いている。 低い階から立ちのぼる響き。誰にとってもただのピアノの音色だったのだろう。だが、わたしにとっては、骨の髄まで染み入る毒にしか聞こえなかった。 昭和四十九年、八月の終 ...
-
-
見たい?見たい? r+3,257-3,522
2025/11/09 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
ネットで有名な怖い話高校二年の夏、俺と川村、大塚、笹原の四人は、ふとした思いつきでキャンプに出かけた。 笹原の親戚が教えてくれた川辺を目指していたはずなのに、道を間違え、辿り着いたのは全く別の川原だった。だがそこは石がご ...
-
-
フタモノの夏 r+6,644
忘れもしない。小学三年の夏休みのことだった。 盆が近づいたある晩、父が母に「明日連れて行くことにした」と言った。寝る前の居間、父の声は低く、母はため息をひとつついて私の分の着替えを鞄に詰めていた。 「 ...
-
-
笑う上司 r+2,138
出張に行ったときの話をしようと思う。 あの夜のことを、忘れたくても忘れられない。いや、正確に言うと「忘れるのが怖い」とでも言えばいいのだろうか。曖昧な夢だったと処理できれば楽なのに、現実の感覚が肌にこ ...
-
-
椅子の鬼 r+1,753
これは、俺が小学校六年の夏前に体験した、寛二という同級生との出来事だ。 そいつは最初から変わった奴だった。教室の隅で、授業中はいつも目を閉じて突っ伏し、給食だけは人並みに食べて、終わればただ帰る。話し ...
-
-
白い首輪 r+1,675
俺が子供の頃、祖父の家には一匹の犬が居ついていた。 名前はコロ。柴犬の血が混じっているらしく、けれど野良犬にしては不自然なほど真っ白で、陽の光を浴びるとまるで毛皮ごと発光しているみたいに見えた。触れる ...
-
-
霊道の子供 r+1,583
僕は山奥の小さな村に生まれ育った。 周囲は山ばかりで、夜になれば獣の声と風の音しか響かない。街灯もほとんどなく、家々の窓から漏れる明かりが唯一の灯火だった。今にして思えば、あの土地全体が、日常と非日常 ...
-
-
八木山橋のデジタル亡霊 r+1,627
2025/11/01 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
宮城県俺の地元は宮城県の仙台だ。 大学四年の夏、くだらない好奇心に突き動かされて友人と実験を試みたことがある。題して「幽霊はデジタル化されるのか?」。酔狂な遊びと笑ってくれて構わない。だが、あの日以来、俺は ...
-
-
右側だけが増えていく n+
2025/10/31 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でもあの夏の午後の熱気を思い出すと、耳の奥で受話器の無音がぶるぶる震えるように感じる。 汗で指先がぬめるたび、ポケットの中の硬い紙片が擦れ合って、小さな音を立てた。小学四年の終わり頃から三年ほど、私 ...
-
-
mixiで出会った彼女~後日談 r+9,763
2025/10/31 -中編, r+, ほんとにあった怖い話
★人気ベスト300, 韓国良かった!そのスレ続いていたんですね。 523 :本当にあった怖い名無し:2016/09/09(金) 18:14:40.54 ID:487gVfrj0.net 七年くらい前に投稿した者です。 ⇒ ht ...
-
-
mixiで出会った彼女 r+9,746
2025/10/31 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
★人気ベスト300, 背乗り2005年の出来事。いまだに謎であり、トラウマとなっている体験。 2004年、mixiで一人の女性と知り合った。仮に雅子(25歳)と呼ぶことにする。彼女とはメッセージのやりとりから始まり、何度か会うう ...
-
-
みな殺しの寺事件 r+6,316
みな殺しの寺事件【ゆっくり朗読】 1934年(昭和九年)三月十九日午前零時過ぎ、福井県武生町(現・越前市)にある双竜寺(仮名)で火災が発生。 あの日のことを、どうしても忘れることができない。武生町の空 ...
-
-
【大雑把仮説】 御船千鶴子は自殺していなかった!? #5,706
2025/10/30 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
【大雑把仮説】 御船千鶴子は自殺していなかった!?【ゆっくり朗読】 母から聞いた子供の頃の話です。 104 :本当にあった怖い名無し:2016/02/27(土) 18:11:23.11 ID:baNt ...
-
-
雷鳴の駅舎で r+1,990
2025/10/29 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
大学生の頃の話をしようと思う。 十年以上経った今でも、野宿をするたびに思い出してしまう夜がある。夢にも何度か出てきた。雷鳴と豪雨の中、駅舎に眠る俺、その隅に体育座りでうずくまる男。叫びながら逃げる自分 ...
-
-
足のないオルガン弾き r+2,158
2025/10/27 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
家に、古いオルガンがあった。 母が私を産む前に、中古で手に入れたものだと聞かされた。 リビングの片隅にずっと置かれていたが、家族の誰もほとんど触らなかった。埃をかぶった木製の鍵盤カバー、黄ばんだ象牙風 ...
-
-
海鳴りの糸 r+1,927
2025/10/27 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
これは、私の母に起きた出来事を、私の視点から語る話です。 半年前の七月から九月の終わりごろまで続いた長い顛末。思い返すたび、まだ胸の奥がざわつくのです。 七月某日。結婚を控え、私はそれまで住んでいたア ...
-
-
お守りばばあ r+5,562
2025/10/26 -中編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間, 定番・名作怖い話
★人気ベスト300小学生の頃、俺の地元には「お守りばばあ」と呼ばれる女がいた。 誰が最初にそう呼んだのかは知らない。ただ、その呼び名があまりにもぴったりで、町の子どもは皆そう呼んでいた。 夕方になると必ず小学校の正門前 ...
-
-
廃病院からの着信 r+3,480
まだ俺が大学にいた頃のことだ。二、三年前になるだろうか。 ある夜、実家から婆ちゃんが倒れたと連絡があった。小さい頃からずっと面倒を見てくれていた婆ちゃんだ。いてもたってもいられず、すぐに帰省して病院に ...
-
-
忘却のエレベーター r+5,761
2025/10/18 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
先日、かつて出会った「元少年」と再会した。 その顔を見た途端、あの出来事が堰を切ったように甦り、私はどうしても書き留めておかずにはいられなくなった。 五年ほど前のゴールデンウィーク、私の現実は音を立て ...
-
-
夢魅の玉 r+4.376
2025/10/18 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
十年ほど前のことだ。高校を卒業する間近、俺は進路も決まり、進学ではなく就職することになっていた。 そのせいか、もう授業もまともに身に入らず、毎日ひたすら暇をどう潰すかしか考えていなかった。 ある晩、友 ...
-
-
アシュラさんが眠る海 r+5,003
2025/10/18 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
韓国今年の三月の終わりだったと思う。 いつものように洒落怖まとめサイトを開いて、ランキングの新しい投稿を読み漁っていた。薄暗い部屋で、パソコンの画面だけが青白く光っている。家には俺と伯父しかいなかった。両 ...
-
-
鎧の音 r+4,139
2025/10/18 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
これは私自身、いまだに現実だったと信じきれない出来事だ。 けれど、確かにこの身に刻まれたことなので、言葉にして残しておこうと思う。 幼いころから、私は落ち着いて暮らすことができなかった。借金を背負った ...
-
-
詰め込まれた軽 r+4,528
2025/10/16 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
何年か前のことだ。 あれ以来ずっと口にするのもためらっていたが、こうして言葉にでもしておかないと、自分の中で現実だったのか幻だったのか、ますます分からなくなってしまう。 夕方、まだ空の底に朱が残ってい ...
-
-
祠に手を合わせた日 r+3,110
ずっと心に引っかかっていることがある。 誰かに聞いてもらいたくて、この話をする。長くなるのを先に謝っておく。 きっかけは、もう四十年近く前のことだ。両親が離婚し、私は母に連れられて母の故郷の山あいの集 ...
-
-
笑う被害者 r+5,281
2025/10/12 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
中学時代の同級生から聞いた話。 小さな町の、古びたコンクリート校舎の中で起こった出来事だという。雨に濡れた黒板の匂いがまだ残るような、そんな時代の話。 授業中にふと消えるノート。体育のあと気づけばなく ...
-
-
十七年目の午後、あの声がした:真犯人に会ってしまった男の記憶 r+3,589
あれは、よく晴れた午後だった。 陽が真上から地面を叩きつけるような、何の変哲もない一日だった。 足利の駅を降りて、渡良瀬川までの道を歩いていた。ちょうど、事件から十七年が経った日だった。いや、「事件」 ...
-
-
電子音が止まったとき r+4,490
2025/10/03 -中編, r+, 意味がわかると怖い話
あの日のことを、私はまだはっきりと思い出せる。 机の上に置いたICレコーダー。赤く点滅する録音ランプ。そして病室の中で、まるで世界がそこだけ切り離されたような静けさ。 可美村貴代――私の姪。十三歳のと ...