-
-
名前を出すな rw+7,106-0311
高校時代の友人に、仮に竜太郎としておくが、あいつの家には今でも家族の誰も入らない部屋がある。 理由を聞いたのは、卒業してしばらくしてからだ。竜太郎は母親と姉との三人暮らしで、父親はもう何年も家にいなか ...
-
-
玄関を閉めない家 rw+1,940-0311
2026/03/11 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
俺が子供の頃、祖父の家には一匹の犬が居ついていた。 コロという名だった。柴犬の血が混じっていると聞いたが、どこかそうは見えなかった。野良にしては不自然なくらい真っ白で、晴れた日に庭へ出ると、毛並みだけ ...
-
-
洗ってはいけない実 rw+2,349-0311
2026/03/11 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
これは、ある男から直接聞いた話だ。 その男は、生まれつき、死んだ人間やこの世のものではない何かが見えるという。 ただし、祓えるわけでも、未来がわかるわけでもない。ただ見えて、向こうも自分に気づくことが ...
-
-
女の子はいなかった rc+3,575-0311
2026/03/11 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
ずっと、あの子の顔だけは忘れられない。 両親が離婚したあと、母に連れられて山あいの集落に移り住んだのは、まだ小学校に上がる前だった。人は少なく、ほとんどが顔見知りで、店といえば小さな商店が一軒あるだけ ...
-
-
途中で止められた夜 rw+7,998-0105
2026/03/11 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
★人気ベスト300兄の家に泊まった夜のことだ。 古い木造で、ふすま一枚を隔てた隣の部屋に兄が寝ていた。時計の音も聞こえないほど静かで、外からは虫の声だけが薄く流れ込んでいた。布団に横になると、旅の疲れもあって、意識はす ...
-
-
背中の重み ncw+
2026/03/10 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
その店は、地下へ続く階段の踊り場に立った時点で、すでに空気が重かった。 酸化した油と、安煙草の煙が混ざり合い、澱のように沈殿している。換気が機能していないというより、ここでは匂いが逃げるという発想自体 ...
-
-
入ってはいけないサークル ncw+
2026/02/28 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
高校時代の担任は、普段ほとんど自分のことを話さない人だった。 淡々としていて、余計な雑談をしない。生徒との距離も一定で、踏み込みすぎず、突き放しすぎず、どこか線を引いたまま教壇に立っている。感情の起伏 ...
-
-
血の盆 ncw+
2026/02/26 -中編, 山にまつわる怖い話, n+2026
ネットで有名な怖い話その村の夏は、いつも腐った水の匂いがした。 盆地に溜まった湿気が逃げ場を失い、夜になっても空気は重く皮膚に絡みつく。八月に入ると風は止み、呼吸をするたび肺の奥に濁ったものが沈殿していく感覚があった。十 ...
-
-
婚姻届の名前 ncw+
2026/02/25 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
深夜二時を回った部屋の空気は、水を張ったまま忘れられた水槽のように重く澱んでいた。 換気扇が古びたベアリングを擦る低い唸りを続け、その単調な振動だけが耳の奥に貼り付いて離れない。テーブルの上には婚姻届 ...
-
-
鍵のある井戸 rw+7,718-0120
2026/02/25 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
★人気ベスト300, ネットで有名な怖い話, ヤクザ, 東京都これを書いたら、昔の仲間なら俺が誰だか分かると思う。 ばれたら相当まずい。まだ生きていると知られたら、また探される。 それでも書く。俺が黙っていれば、あの場所は完全に闇に埋もれる。 文章は上手くない。 ...
-
-
K村の神隠し nc+
2026/02/24 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
「神隠し」って言葉は、いまどき軽く使われがちだ。 迷子になった子ども、山で消えた登山者、都会で連絡が途絶えた人。 でも田舎の村でその言葉が出るときは、冗談じゃ済まない。 それは「説明の付かない空白」を ...
-
-
弁当箱が空になるまで ncw+
2026/02/23 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
子どもの頃、祖母の畑仕事についていくのは退屈だった。 大人が黙々と土をいじる時間は、子どもにとっては途方もなく長い。太陽は容赦なく照りつけ、蝉の声は頭の中まで入り込んでくる。やることがない。だから俺は ...
-
-
祖母の手が消えた ncw+
2026/02/22 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
俺が四、五歳のころ、親に預けられると決まって祖母の家だった。 祖母はよく笑う人で、笑うたびに目尻に刻まれる皺が、そこにいるだけで大丈夫だと教えてくれるようだった。子どもにとっての祖母は、場所そのものだ ...
-
-
花火のない夏祭り nc+
2026/02/21 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
夏祭りの記憶は、ふつう甘ったるい。 焼きとうもろこしと汗、子どもの手を引く大人の熱、遠くで鳴る太鼓の腹の底を揺らす音。でも俺のそれは、どうしても「空」を見上げられない。 あの年、親戚一同で花火大会に行 ...
-
-
死脈に咲く哄笑 nc+
2026/02/20 -中編, 家系にまつわる怖い話, n+2026
消毒液と腐った果実が混ざり合ったような、病院特有の重たい空気が、病室の低い天井に澱んでいた。 窓の外は鉛色の曇天で、湿気を含んだ風が時折、ガラスを微かに震わせている。 祖父の最期を看取るために集まった ...
-
-
峠の記録データ nc+
2026/02/19 -中編, 山にまつわる怖い話, n+2026
ネットで有名な怖い話冬の入り口に差し掛かった、十一月の半ばだった。 暖冬の予報通り、その夜は季節外れの生温い風が吹いていた。アスファルトに染み付いた油と、枯れ葉の腐臭が混じり合った独特の匂いが、鼻腔の奥にへばりつく。私は ...
-
-
地下一階の階段 nc+
2026/02/18 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
三十年前の夜の記憶を辿るとき、まず私の鼻腔を突くのは、あの特有の消毒液の匂いだ。 それは単に清潔であることを示す記号ではなく、生と死が極めて事務的に、かつ無機質に処理されている場所特有の、鼻の奥がツン ...
-
-
山形の民間霊能者「オナカマ」とは何か nc+
山形県の「オナカマ」は、主に村山・最上を中心に確認される、盲目女性を担い手とする口寄せ(死者の呼び寄せ)・加持祈祷・卜占などの「巫業(ふぎょう)」の担い手である。 ※PDF資料⇒山形県における「オナカ ...
-
-
二度 rw+9,366
吉野さん(仮名)から聞いた話だ。 彼の地元は温泉地として知られているが、地元の人間なら誰もが口を閉ざす場所が一つある。正式な名前を出す者はいない。地図にも載っていない。子どもの頃から「行くな」とだけ言 ...
-
-
切ってはいけなかったもの ncw+
十歳の頃、私はある事情で二年間、山奥の祖父母の家に預けられた。 理由は聞かされなかった。ただ、ある日突然、最低限の着替えだけを詰めた鞄を持たされ、電車とバスを乗り継ぎ、最後は祖父の軽トラックに揺られて ...
-
-
渦人形(うずにんぎょう)#6,520
2026/02/17 -中編, 洒落にならない怖い話, 人形にまつわる怖い話, 定番・名作怖い話
★人気ベスト300, ネットで有名な怖い話【ゆっくり朗読】渦人形(うずにんぎょう)【殿堂入り名作怖い話】 高校二年の夏休み、俺は部活の合宿で某県の山奥にある合宿所に行く事になった。 183:2011/05/19(木)23:27:14.09ID ...
-
-
川辺の赤いお守り nc+
山は昼と夜で顔を変えるが、あの時歩いていたのは、昼間なら何の変哲もない低い尾根の裏側だった。 舗装もない獣道に、古い杉の葉が積もり、踏みしめるたびに乾いた音と湿った音が混じる。月は雲に隠れ、光は頼りな ...
-
-
静止した午後 nc+
その場所には、特有の「重さ」があった。 重力というよりは、湿気を含んだ気圧が、皮膚の表面に絶えずへばりついているような感覚に近い。 私が通っていた大学は、関東平野の縁にある丘陵地帯を強引に切り拓いて建 ...
-
-
コーポ・サツキ二〇三号室 nc+
2026/02/14 -中編, 不動産・物件の怖い話, n+2026
梅雨の走りのような、粘り気のある雨が降る午後だった。 埼玉県の外れ、国道から一本入った路地に建つ「コーポ・サツキ」は、名前の響きとは裏腹に、昭和の終わりに取り残されたような薄墨色のモルタル二階建てだ。 ...
-
-
チョコを食べなかった日のこと nc+
2026/02/14 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
その話の舞台は、姉がまだ独身で働いていた職場だ。 語ってくれたのは、私の姉……ではなく、姉の友人だった人物のことを姉から聞いた私であり、ここに書くことはすべて、私が姉から受け取った形の「伝聞」に過ぎな ...
-
-
コーポ・サツキ二〇一号室 ncw+
2026/02/13 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
不動産管理の仕事をしていると、人の生活が発する匂いに敏感になる。 新築の建材が放つ刺激的な化学臭、長く住まわれた部屋の壁紙に染み付いた煮炊きの油の匂い、ペットの排泄物が床板の隙間で乾いた饐えた匂い。そ ...
-
-
壁一枚ぶんの生活音 nc+
2026/02/12 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
今でも集合住宅の廊下特有の匂いを嗅ぐと、喉の奥がひりつく。 洗剤と湿気と、どこか甘い埃が混じった、昼と夜の境目の匂いだ。 某不動産管理会社に勤めている知人がいる。 酒の席でも仕事の話はあまりしない男だ ...
-
-
上を見るな nc+
2026/02/10 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
警備の仕事に就いたのは二十代の終わりで、深い理由はなかった。 昼の世界から一歩引いた場所で、規則正しく歩き、点検し、異常がないことを確認する。それだけで食っていけるなら悪くない、と思ったのだ。 その工 ...
-
-
【定番怖い話】姦姦蛇螺(かんかんだら)《ホラーテラーさん》 #18,964
2026/02/08 -中編, 都市伝説, 定番・名作怖い話
★人気ベスト300, ネットで有名な怖い話【定番怖い話】姦姦蛇螺(かんかんだら)【ゆっくり朗読】 小中学の頃は田舎もんで世間知らずで、特に仲の良かった啓二、光彦と三人で毎日バカやって、荒れた生活してたんだわ。 原著作者「怖い話投稿:ホラーテラ ...
-
-
山は、つながっている nc+
一度だけ、妙な山の話を聞いたことがある。 語ったのは酒の席で知り合った男で、地元から遠く離れた場所に住んでいると言っていた。年末年始に帰省した折、昔のことを思い出したのだという。 その話の始まりは、今 ...
-
-
副操縦士の席 nw+
2026/02/06 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
四連休を利用して、普段は億劫で手を出しもしない遠出を企てた。 集まったのは、俺とA、B、Cの四人だった。全員が免許持ちで、交代でハンドルを握る予定だった。目的地は、いくつもの県を跨いだ先にある鄙びた温 ...
-
-
多様性脳 nc+
2026/02/05 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026, オリジナル作品
脳科学における性差神話の否定 湿度計の針は六十八パーセントを示しているが、体感では飽和に近い。地下二階にある資料保管室の空気は、常に澱んでいる。埃とカビ、それに微量だが確実に存在するホルマリンの刺激臭 ...
-
-
笑いの研究は笑えない nc+
2026/02/04 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026, オリジナル作品
その部屋は、常に微温い泥のような空気に満ちていた。 大学院の研究棟、地下二階にある第三実験室。防音壁に囲まれた閉鎖空間は、換気扇が低く唸る音と、無数に積まれたハードディスクの駆動音だけが支配している。 ...
-
-
山の牧場【語り継がれる怖い話】#66,268
2026/02/04 -中編, 都市伝説, ミステリー
★人気ベスト300, ネットで有名な怖い話【ゆっくり怪談】山の牧場【語り継がれる怖い話】 山の牧場とは、新耳袋という怖い本で紹介された、オカルトスポットです。 話題になったのは、たとえば、 二階があるのに、行けなかったり階段が無かったり、牧場 ...
-
-
押さえていた ncw+
2026/02/03 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
あれは高校二年の九月だった。 雨上がりのアスファルトから立ち上がる土埃の匂いを嗅ぐと、今でも視界が一瞬だけ暗む。鼻の奥に残るのは、青臭い稲と腐った水の鉄錆みたいな臭気だ。思い出したくないのに、身体のほ ...
-
-
最終アクセス:昭和六十三年 ncw+
2026/02/02 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
十一月の半ばを過ぎたというのに、生暖かい雨が降っていた。 アスファルトを叩く雨音は粘り気を帯びていて、靴底から伝わる感触もどこか頼りない。埼玉県の西部、かつて街道の宿場町として栄えたその地区は、今でも ...
-
-
話が進んでいる rw+11,727-0122
このあいだ、就職活動で山間の村に行った。 条件が妙に良かった。事務職、高卒可、月給二十五万円、賞与六か月、土日祝日休み、寮費と光熱費無料。応募者ゼロ。あまりにも出来すぎていたが、逆に言えば競争がない。 ...
-
-
地図にない滝 nc+
湿気を含んだ風が、首筋にまとわりつく。 六月の山は、生き物の匂いで満ちている。腐葉土が発酵する甘さと、若葉の青臭さ。その奥に、獣の脂のような重たい気配が混じって、肺の奥まで入り込んでくる。 登山靴の紐 ...
-
-
霧の断層 nc+
2026/01/30 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
深夜の県境を跨ぐ山道というのは、どうしてこうも生き物の内臓に似ているのだろう。 車のヘッドライトが切り裂く闇はどこまでも濃く、アスファルトは湿って黒光りしている。カーブを曲がるたびに、老朽化したセダン ...
-
-
第六班の行軍 nc+
2026/01/29 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
七月半ばの湿度は、皮膚にまとわりつく透明な粘膜のようだった。 標高八百メートルとはいえ、埼玉の山間部は夜になっても熱気が引かない。風が止むと、木々の呼吸がそのまま生温かい溜息となって谷底へ沈殿していく ...
-
-
裏返りきるまで ncw+
2026/01/28 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
今でも、湿った羊毛と線香が混じったような匂いを嗅ぐと、内臓がずるりと下がる感覚に襲われる。 恐怖というより、生理的な拒絶に近い。喉の奥が引き攣り、身体が勝手に距離を取ろうとする。 幼い頃の私は、生きて ...
-
-
罪の器 rc+4,976
2026/01/28 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
一月の冷気は、古いコンクリートの建物の隙間から容赦なく忍び込んでくる。 会場となったのは、地元でも長く続いているという割烹居酒屋の二階だった。階段を上がるたびに、古びた木材が軋む音と、煮染められたよう ...
-
-
川に流す日 nc+
2026/01/27 -中編, 人形にまつわる怖い話, n+2026
その日本人形が我が家に持ち込まれたのは、湿度計の針が九十パーセントから動こうとしない、梅雨の最中だった。 本家から譲り受けたというその代物は、長年の湿気と線香の煙を吸い込んだような、独特の酸っぱい臭気 ...
-
-
右肩の祠 nc+
これは、昭和の終わり、湿度の高い記憶の底にある話だ。 一人の少年と、その両親。どこにでもある家族のドライブが、取り返しのつかない「儀式」になってしまった記録である。 今から三十五年ほど昔のことになる。 ...
-
-
シミュラクラ現象 nc+
2026/01/25 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
今でも、あの時期の部屋を思い出すと、喉の奥がぎゅっと縮む感覚が蘇る。 安アパートの四階、北向きのワンルーム。梅雨が長引いていて、薄いカーテン越しの空はいつも灰色で、湿った光だけが床のフローリングに広が ...
-
-
受話器の底で nw+
2026/01/24 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
三十年前、私はまだ十二歳だった。地主の家々が斜面に張り付くように点在する、あの盆地のような村の空気を、私は肌で憎んでいた。 晩秋の湿った土の匂い。祭りのたびに焚かれる薪の煙。そこに混じる、削れた古木の ...
-
-
植木鉢の眼 nc+
2026/01/23 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
この話を打ち明けると、必ず周囲が黙り込む。 夜の空気には湿気が多く、肌に薄い膜を張るようにまとわりついていた。 ここは九州某県、海岸線からさほど離れていないため、潮の匂いと古びた店の黴の匂いが混ざり合 ...
-
-
結び目の山 nc+
泥濘む記憶 今でも、雨の降る前の湿った土の匂いを嗅ぐと、不意に視界が歪むような錯覚に襲われる。 半世紀という歳月が過ぎても、私の身体の深層には、あの「庄原」の夜が黒い澱のように沈殿しているのだ。 五〇 ...
-
-
開かずの神社 rc+4,575
2026/01/22 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
【ゆっくり怪談】開かずの神社 現在進行形の話のためオチはないです。職場の近くに開かずの神社があります。 924 :本当にあった怖い名無し:2013/01/18(金) 21:51:26.00 ID:Qp ...
-
-
山界の境界線 nc+
都会の喧騒を離れ、鬱蒼とした木々に囲まれた山道に足を踏み入れるとき、人は無意識のうちに境界線を跨いでいるのだという。そこは人の理(ことわり)が通用しない場所。神域か、あるいは魔境か。 私の手元には、山 ...