短編 ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間

女の怨念【ゆっくり朗読】5500

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ツレの体験した怖い話。

そいつ、バンドでメジャーになる為に上京したのね。

金無いから四畳半のワンルーム(かなりボロ)家賃三万円。

上京して一年ほど経ったぐらいからそいつ、不眠症になったんだ。

理由が、毎日、夜中になると玄関扉の郵便窓から誰かが覗いてくるとか、台所窓の隙間から誰かが覗いてくるとか……

最初は幻覚とか夢だと思ってたんだって。

ある日、そいつなけなしの金で安いボロ軽自動車買ったのよ。

アパート前に停めてたんだけど、夜中に

「ガッシャーン!」

って音して、見に行ったら車のフロントとサイドガラス割られて、車内に牛乳が撒き散らされてたんだって。

呆然として、とりあえず、その場で携帯から警察に連絡したんだって。

んで現場検証&事情徴収。

怪しい指紋も出てこなかったんだって。

事情徴収も終わり、部屋に戻ると、何と部屋の中が牛乳まみれ。

天井や壁に至るまでグショグショ。

外で警察と事情徴収している一時間ぐらいの間にやられたらしい。

またまた警察に連絡して、さっきの警察が再び登場。

またまた事情徴収。

交友関係など根掘り葉掘り聞かれて、

「最近夜中に毎晩誰かに部屋を覗かれてる気が……」

等々話したんだって。

んでとりあえず付近のパトロール強化して貰うことに。

警察が帰った後、とりあえず部屋の掃除して、布団とか衣服を全部玄関前通路に出して、取り敢えず寝ることに。

その日の夜中、

「ドンドン!」

って突然玄関が凄い勢いで誰かが叩くから慌てて起きて扉を空けると、そこには警官の姿が。

「どうかしました?」と言うと、警官が「この子に見覚えあります?」と。

そこには警官に腕を捕まれた女が一人。

「……いえ、知らないです」

そう答えた瞬間、その女、狂った獣のように歯を剥きだし、襲い掛かってこようとしたんだって。

警官がすかさず押さえ込んだが。

警官の話によるとパトロールしていると、この女が玄関先の布団にライターで火を付けようとしていたらしい。

取り敢えず、警察に出頭して事情徴収をしていると、

その女、連れのバンドの熱狂的なファンで、

連れが一度、ライブ後の打ち上げで、酔った勢いで抱いた事があるらしい。

その後、その事も忘れ、他の女(彼女)と歩いているのを見、逆恨みの犯行らしいのだが。

被害届けは出さなかったらしいが、やはり、幽霊より生きている人間の怨念のほうが怖い……

(了)

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