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兄の声がした部屋 r+10,900
2025/07/19 -短編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
★人気ベスト300兄の十三回忌の準備で実家に戻ったのは、十月の半ばだった。 朝晩が肌寒くなり、街路樹がぽつぽつと赤みを帯びていたのをよく覚えている。 あの日のことは、いまだに夢と現実の境界が曖昧だ。記憶のなかで音だけが ...
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オサキギツネと犬神 r+4451
オサキギツネと犬神【ゆっくり朗読】 文化人類学の講義に出ていた先輩から聞いた、憑き物筋の話。 115 :本当にあった怖い名無し:2016/10/02(日) 01:55:13.11 ID:y6bQVVk ...
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アフンチャロエクの窓 r+4,594
2025/07/19 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
高校を卒業するまで住んでいた町の外れに、例の白い二階建てがあった。 今では「幽霊屋敷」と呼ばれている、あの家だ。庭は広く、建物も立派で、外から見る分にはなぜそこが空き家なのか不思議だった。だが俺は知っ ...
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サイ〇〇サマの家 r+3,284
2025/07/18 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
昔話じゃない。信じてもらえなくてもいい。でも、これだけはどうしても書き残しておきたい。 これは俺のじいちゃんの話であり――そして、少しだけ、俺自身の話でもある。 じいちゃんは山が好きだった。いや、好き ...
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摺鉢山の足音 r+3,986
2025/07/18 -短編, r+, ほんとにあった怖い話
現役のアメリカ海兵隊士官から聞いた。 酒が入ると口も滑らかになるもので、「あれは本当に……おかしい夜だった」と、ぽつり漏らしたことがあった。 太平洋戦争末期、硫黄島。地獄のような火線が交わる摺鉢山での ...
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吠えるもの r+6,594
2025/07/17 -短編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
★人気ベスト300某チェーンの居酒屋でバイトしてたのは、もう何年前になるだろうか。 少し前のことのような気もするし、十年以上前の出来事のようにも感じる。ただ、あのときの空気、湿ったような匂い、油のはねる音、そして……あ ...
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午前二時、すべての時計が止まる r+3,431
2025/07/17 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
忘れもしない、あれは大学三年の夏のことだった。 学業なんて上の空で、いくつかのバイトを掛け持ちしては小銭を稼ぎ、そのほとんどを酒に換えていた頃。学校の近くにあった居酒屋でのバイトは、同じ大学の連中が多 ...
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封じ箱 r+3,972
2025/07/17 -短編, r+
ネットで有名な怖い話俺が中学三年の春、祖父が死んだ。 胃癌だったと聞いたが、医者の口調も親の反応も曖昧で、真相はよく分からなかった。 初孫ということで、俺はとても可愛がられた。小さい頃は祖父の膝に座りながら、本を読んでも ...
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天明大飢饉の凄惨な記録 #6,348
【ゆっくり怪談】天明大飢饉の凄惨な記録 ウチの地域(山間部)で実際に起きた歴史。 1783~1784年。世に名高い「天明の大飢饉」があった。 我が南部藩でも沢山の人間が死んだ。 南部藩がまとめた『南部 ...
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赤い頁 r+9,318
2025/07/16 -短編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
★人気ベスト300, 病院の怪談私の名は伊部千恵子。 県内の総合病院に勤務してもう十年になる。急性期病棟は常に人が入れ替わり、毎日が慌ただしいけれど、仕事に張り合いはある。それでも、ときどき、思い出してしまう。あの部屋の、あのベッド ...
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俺が車中泊をやめた理由 r+30,114
2025/07/16 -短編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
★人気ベスト300車中泊って、他人にはなかなか理解されない趣味だと思う。 週末や連休前、特に予定もない夜なんか、ただふらっと車を走らせて、静かな場所を見つけては車の中で寝る。泊まる場所を決めてない気ままな移動、それ自体 ...
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写真に宿る声 r+4,747
2025/07/16 -短編, 洒落にならない怖い話
私があの中学に入ったのは、親の見栄のためだった。 地元の公立に行けば、友達もいるし、わざわざ不安な思いをすることもなかったのに、母は「親戚にこれ以上バカにされるのはまっぴら」と言って聞かなかった。兄弟 ...
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見つめる女 r+4,077
2025/07/16 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
あれはもう数年前のこと。関西に住む彼女と遠距離恋愛をしていて、三連休を使って会いに行こうと、知人から車を借りた。 東京から出発したのは、夜の十一時をまわったころだった。 仕事を終えたばかりで体はクタク ...
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信じなかった世界 r+1,098
2025/07/15 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
【犬木加奈子】かなえられた願い【ゆっくり朗読】 隣に住む奥さんが言ってくれたの、「うちは賑やかすぎるくらいだから、たまにはお茶でもどう?」って。 でもね、あの朗らかな声と、窓越しに見える笑い声の重なる ...
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ちょっと鬱になるクレヨンしんちゃんのシロの話 #8,757
ちょっと鬱になるクレヨンしんちゃんのシロの話【ゆっくり怪談】 クレヨンしんちゃんの、シロがメインの話は結構後味悪いのが多い 920 :本当にあった怖い名無し:2015/01/18(日) 16:12:5 ...
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【意味がわかると怖い話】持統天皇のお気持ち #3,867
2025/07/14 -短編, r+, 意味がわかると怖い話
【意味がわかると怖い話】持統天皇のお気持ち【ゆっくり朗読】 春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山 538 :本当にあった怖い名無し:2016/07/22(金)18:34:13.72 ...
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『広島新交通システム橋桁落下事故』にまつわる不思議な話 #60,392
広島新交通システム橋桁落下事故 当時建設中であった広島高速交通広島新交通1号線(愛称アストラムライン)の工事現場で、橋桁が落下し、一般人と作業員23人が死傷した。 1991年(平成3年)3月14日午後 ...
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村の九割が《いとこ結婚》血族結婚・調査報告書 #7,167
2025/07/13 -短編, r+, 家系にまつわる怖い話
★人気ベスト300, 徳島県村の九割が《いとこ結婚》血族結婚・調査報告書【ゆっくり朗読】 悪影響なし血族結婚 [出典:昭和16年8月4日付 大阪朝日新聞] 九割が"いとこ結婚" 健康異状なし、五人兄弟従軍の家 血族結婚村報告書 ...
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白紙の観察者 r+6,523
2025/07/13 -短編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
★人気ベスト300大学に通い出して二年目。 思い描いていたキャンパスライフはどこにもなかった。人と話すのが怖くなって、講義もサボりがちになって、バイトも辞めた。誰かに必要とされていないという感覚が、骨の髄まで沁みてきて ...
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火を持つ者 r+3,972
2025/07/13 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
私は、何度もあの丘を見上げて育った。 見慣れた風景だったはずなのに、ある日ふと気づいた。鳥居だけが、丘の麓にぽつんと立っている。境内も本殿もない。ただの石廟が、鬱蒼とした木立の中にうずくまるように在る ...
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ストーカー殺人が起きるまで r+7,992
2025/07/11 -短編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
★人気ベスト300地元に戻ってきて、あの道を通るたびに、胸の奥がぎゅうと締めつけられる。 通勤路に面した林の縁に、いまだに花が供えられているんだ。色あせたリボンが風に揺れているのを見ると、まるで彼女がまだそこに立ってい ...
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団地清掃記:壁の向こうの静かな狂気 r+9,121
2025/07/11 -短編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
★人気ベスト300知人の紹介で、裁判所関係の清掃バイトを始めたのは、大学三年の春だった。 大学に慣れてきた頃、就活の資金も兼ねて、割のいい日雇いがあると聞かされて、詳しい内容も聞かずに引き受けた。 初日、指定された場所 ...
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刀にまつわる怖い話 #+4,789
2025/07/11 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
怖い話ではないと思うが、現在進行形で起こってる話。 720 刀 2006/12/22(金) 12:38:16 ID:E6ar14uE0 文才もないんで事実だけを並べてくよ。 俺は今、一九歳で二回生に上 ...
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猫だけは殺すな r+3,561
2025/07/11 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
高知県猫だけは殺すな【ゆっくり朗読】 2006年の事、高知県の赤岡という町に行った。 『絵金祭り』という祭を一度この目で見てみたかったというのが第一の理由。 『絵金祭り』というのは祭の夜にろうそくの火で絵金 ...
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空室~失踪した祖母 r+3,798
2025/07/10 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
都内のあのホテル、名前を聞けば誰でも知ってる。 上品な内装に、すました顔の従業員。母方の伯母と祖母が、二週間も前から予約していたはずだった。母に聞かされた話ではない。私自身、伯母に会って直接聞いた。け ...
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白いスーツとブーケの影 r+6,901
2025/07/09 -短編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
★人気ベスト300会社勤めをしていた頃、二十歳そこそこの私は、どこにでもいる普通の事務員だった。 外壁の修復工事で会社に出入りしていた男、市川と出会ったのは、その年の初夏だったか。日焼けした肌にヘルメット、無精髭をたく ...
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姿鏡 r+4,541
2025/07/09 -短編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
ネットで有名な怖い話帰り道、あの日と同じように湿った風が髪を撫でていた。 週末の夜、終電を逃すほどではないにせよ、遅い時間の帰宅だった。会社の最寄り駅を降りてからの道は、静かすぎて、イヤホンを片耳だけ外して歩く癖がついた ...
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庁舎の下、眠る者 r+3,217
2025/07/09 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
あの靭帯を切った日から、左足だけが他人のものみたいに冷たくて、うまく動かせない。 痛みじゃなくて、異物感。誰かの指が、骨と骨の隙間にねじ込まれているような気がする。 東京の将門の首塚の話を知ったのは、 ...
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謎の同棲女(読者参加型リライトコンテンツ) r+1,860
2025/07/08 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
読者さまからのコメントを拝受し、ご指摘いただいた点を踏まえ、リライトしました。修正のポイントは以下の通りです。 ・登場人物の行動の自然さ:主人公の職業設定を具体的にし、深夜に同僚を呼ぶ流れをより自然な ...
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生者の葬列 r+7,454
2025/07/08 -短編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
★人気ベスト300夜、薄闇を裂くようにして蛍光灯の明かりが街を汚していた。 寝付けず、喉も渇いて、近所のコンビニに向かった。午前二時過ぎ。車も人もまばらで、アスファルトの冷たさが靴底から伝わってくる。 交差点の角を曲が ...
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不法侵入に対する正当防衛は、法的に幽霊や化物の存在を、暗黙のうちに前提にしている件 r+4,825
2025/07/08 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
先日、親戚の葬式があった。 421 名前:あなたのうしろに名無しさんが…… 投稿日:2003/04/29 15:53 そこで、検事をやってる叔父と久しぶりに会った。 通夜の席で叔父と二人で酒を飲んでい ...
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二つ枕の儀 r+6,927
地元は山の奥にある集落だった。 舗装の剥げた一車線の山道を登った先にある、小さな盆地のような場所で、いまではもう、墓石と崩れかけた蔵が残るだけだ。 中学を出てすぐ県外の高校に進学し、そのまま地元から離 ...
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子どもたちは、風の中からやってきた r+3,487
2025/07/07 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
職場の休憩室で、何気ない流れから自分の過去の話をすることになった。 子どもの話。ちょっと不思議で、でも妙に納得がいく話たち。いま思い返せば、あれは「始まり」だったのかもしれない。 私は四十代の女性で、 ...
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いのーこの夜 r+3,584
2025/07/06 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
大学を出てからの話だ。 俺は田舎を離れ、大阪で就職した。慣れない仕事に追われ、最初のうちは休みもままならなかった。両親は「無理するな」と言ってくれたので、それを言い訳にして、結局五年も帰省しなかった。 ...
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地下二階 r+4,043
――あれは十年以上も前のこと。 まだ俺が、エレベーターの保守点検の仕事をしていた頃の話。 都内の、繁華街のど真ん中に建つ八階建ての雑居ビルだった。駅前で人通りも多く、テナントもギュウギュウに詰まってる ...
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石の名は r+4,334
2025/07/06 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
盲目の住職、無庵和尚に随行し、恐山を訪れたのは、もう十年以上も前のことになる。 あの旅の後、夢の中であの声がする。名前を呼ぶのだ。……あの石に刻まれていた、あの女の、声で。 当時、私はまだ住職の卵で、 ...
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帰らずの村 r+8,517
職場の飲み会の席で、十年以上前の話だと、上司がぽつりと語った。 その頃、地方に新設された工場の事務所に配属された上司は、山間の寂れた町外れにあるその施設で、夜遅くまでひとり仕事をしていたらしい。 帰路 ...
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濁流の奥に立つもの r+4,408
2025/07/05 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
小学生の頃、うちに叔父が転がり込んできた。 父の弟にあたる人で、工場の職を失い、家賃を払えずアパートを追われた挙げ句、行く当てもなくなったらしい。しょぼくれたスウェットの上下、ぺったんこのサンダル、伸 ...
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開けてはならぬ r+15,040
札幌で暮らしていた従兄から聞いた話。 あいつの表情が変わり始めたのは、あの古本屋に入ってからだった。場所は札幌市中央区、中○公園のすぐそば。今はもう取り壊されてしまった、煤けた木造の店だったらしい。 ...
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八本足の恩返し r+1,354
2025/07/04 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
近所にね、ひとり暮らしの年寄りがいるんですよ。 ことあるごとに、娘さんがうちの店に寄って話してくれるもんで、顔も名前も、よく知ってる気になってました。 九十をとうに越えて、もう骨なんか透けて見えるんじ ...
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こどもの一生【中島らも原作】#6,840
こどもの一生【中島らも原作・超怖い話/ゆっくり朗読】 中島らも原作『こどもの一生』 1990年初演のお芝居で何度か再演されているが、2012年版だけが後味悪い。 こどもの一生/DVD/PCBE-519 ...
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ヨキの夜 r+3,665
2025/07/02 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
あの風景が、いまも頭から離れない。 いつも、裸電球が一つぶら下がった薄暗い部屋で、私はじっと茶色の扉を見つめている。外に誰かがいる。扉に手を伸ばすと、男が現れる。縞模様の服。その色だけが不思議なくらい ...
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婿神 r+13,707
話しても、たぶん誰も信じてくれないと思う。だから、話半分で読んでくれたらいい。 二年前の秋口、臨時職員として配属された町の役場で、俺の時間は止まったように感じていた。周囲は自分より一〇歳以上年上ばかり ...
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ジョン・タイター 2036年から来た男!? その正体と予言 まとめ #38,390
2025/07/01 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
★人気ベスト300, 韓国ジョンタイター 2036年から来た男!?その正体と予言【まとめ・ゆっくり朗読】 「2036年から来たジョン・タイター」について ジョン・タイター(英: John Titor) は、2000年にインター ...
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業を喰う指 r+3,696
2025/07/01 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
仕事を辞めてしばらく経った頃だった。 旧い会社の元請け先から、慰労を兼ねた温泉旅行に誘われた。正直、気乗りはしなかった。あの人間関係と、再び顔を合わせるのは気詰まりだったからだ。だが断る理由も見当たら ...
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あの山の純露 r+3,612
2025/07/01 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
職場の同僚と居酒屋で飲んでいたとき聞いた話。 都内の中小SI企業に勤めていたという男性の話だった。仮に、S氏としておく。 仕事はそれなりにできるタイプだったらしく、責任あるポジションも任されていたらし ...
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包帯の隙間 r+3,940
2025/07/01 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
GWの中日、俺たちは軽い気持ちで山へ出かけた。 といっても登山と呼ぶには生ぬるいハイキングだ。コンビニで買ったおにぎりとペットボトルをリュックに詰めて、近場の低山をいくつか巡っただけ。初夏の風はまるで ...
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焼き場から這い出した男 r+4,669
2025/06/30 -短編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
会社の昼休みに、妙にテンションの高い先輩が笑いながら話してくれたことがある。 「オレのじいちゃんがさ、死んだんだけど……焼かれてる最中に目ぇ覚ましたんだってよ」 飲んでた麦茶が喉に詰まりそうになった。 ...
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謝罪の代償 r+5,680
小学校教諭だった母が最も後悔していたこと── それを聞いたのは、息を引き取る三日前の夜だった。 その日、母が勤めていた小学校の職員室に、何人かの子供が泣きながら飛び込んできたという。喧嘩が起きているか ...
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赤手の幟 r+3,490
お盆休みでの話 高校の同級生五人で集まるのは、実に五年ぶりだった。みんな地元を出て、それぞれの場所で生活してる。会えば昔のまんま、アホみたいな話しかしない。そんなやつらと、今年の盆休みにドライブへ行っ ...