春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
538 :本当にあった怖い名無し:2016/07/22(金)18:34:13.72 ID:ynGRxLfKSd.net
百人一首にも出ている持統天皇の有名な歌。山にかかった夏の白い雲を、天女が干す衣に例えている。衣替えの季節……のような爽やかな印象の歌。
この歌について、歴史評論家の関裕二氏の共同研究者である梅澤恵美子氏の解釈が意味深なので紹介したい。
彼女の発見の中で最も感動したのは持統天皇のこの歌だ。彼女はこの歌の意味を解いたと言う。
「春が過ぎて夏がやって来るらしい。天の香具山の青々とした緑の中に、白い服が干してある」
これは普通に考えた歌の意味だが、梅澤氏にとっては全く別に見えたという。
天の香具山というのは大和三山の霊山の一つで、大変な霊山。そんじょそこらの山と訳が違う。
そんな山に洗濯物を干す馬鹿がどこにいる?
これは常人の服じゃない。じゃあ誰の服なのかと言えば、当然、天の羽衣伝説、天女の天の羽衣が干してあるんだというわけだ。
そうすると天の羽衣伝説がどういうのだったかというと、こういう伝承だと言うのだ。
”京都府の丹後の、丹波の比治の里の辺りに真名井という井戸があって、ある時、8人の天女が降りて来て沐浴をしていた。
たまたま通りがかった老夫婦が、1人の天女の羽衣を奪ってしまったので天女は恥じて水から出られないで困っていた。
そこでおばあさんが、「私たちは子供がいないから留まってほしい」と懇願されて子供になるんです。天女は酒なんかを造ったりして、その家はものすごく豊かになるんです。
豊かになったらその天女を追い出してしまったと。彷徨い歩いて、高野郡の所に行って、奈具という村の所まで行って、「ようやくここに来て我が心は穏やかになりました」と言ってそこに住むようになった。”
そういう天女の伝説があって、その奈具の社という所に、豊宇賀能売命(トヨウカノメノミコト)という、天の羽衣を盗まれた天女、豊宇賀能売命が祀られている。こういう伝承がある。
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解説
豊宇賀能売命……蘇我氏の重要な面々はみんな豊が付いている。推古天皇の名前は豊御食炊屋姫(トヨミケカシキヤヒメ)、神功皇后の系列、神功皇后、応神天皇、武内宿禰、そして蘇我。これらは同じカテゴリーに属します。
神功皇后は、豊浦宮という名前で全部豊が付きます。聖徳太子も上宮厩戸豊聡耳太子(うえのみやのうまやととよとみみのひつぎみこ)。蘇我と豊は完全に密接に繋がっているのです。
つまりこの歌の真意は、豊宇賀能売命という豊という名前が付いている天女の羽衣を盗んでしまえば、天女はもう自ら出られない。身動きできない。蘇我氏から権力を奪うことのできる今ことそのチャンスなのだというのです。
では、天の羽衣とは何か?蘇我氏の羽衣とは何か?それが律令制なのです。律令制という蘇我氏の天の羽衣を今奪ってしまえば、蘇我氏はもう身動き出来ない。我々のものだというのです。
結局天武天皇は律令制を完成させられず、持統天皇と藤原不比等によって成し遂げられました。そのことで律令制は根本的に違うものになってしまいました。
蘇我氏の律令制は天皇を中心とする中央集権国家なのです。周りの家臣は天皇を扶けるもの。ところが藤原の律令制は全く違い天皇は飾りで藤原が牛耳る……それが藤原が絵図を描いた律令制なのです。
一方、蘇我氏の律令制は藤原の絵図と全く違い、天皇が政治をするための律令制だったのです。