「 kowainetの記事 」 一覧
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五人目の座席 n+
2025/09/18 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あれは十年以上前のことだ。 いまも時おり、どうしても忘れられず、夢の中にまで入りこんでくる夜がある。自分の口で語っておきながら、まるで他人の体験を借りているような奇妙な感覚もある。それほどまでに、あの ...
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松明の夜、島の半分 r+8,067
二十年前のことだ。人口百人ほどの小さな島に、教授の研究のため長く通った。 何年もかけ、季節ごとの暮らしや祭り、言葉の端々に滲む古い習俗を調べる。だが私は助手でも研究者でもなく、ただ同行者として島に出入 ...
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昼下がりの訪問者 r+5,361
2025/09/18 -短編, r+, ほんとにあった怖い話
あれは、私の人生でいちばん背筋の冷える出来事だった。 何か直接的な被害に遭ったわけじゃない。ただ、思い返すと、どうしてあの場面で笑って応対できたのか、自分でも不思議でならない。 昼下がり、時計の針は三 ...
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【完全版】禁后(きんごう)~パンドラの箱 #5,921
2025/09/18 -中編, r+, 定番・名作怖い話
★人気ベスト300, ネットで有名な怖い話【ゆっくり怪談】禁后(きんごう)~パンドラの箱【完全版】 私の故郷に伝わっていた「禁后」というものにまつわる話です。 どう読むのかは、最後までわかりませんでしたが、私たちの間では「パンドラ」と呼ばれて ...
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晴れ間に現れた狩衣 n+
2025/09/17 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
ネットで見つけた話。 京都の上賀茂神社へ出かけたという女性の投稿だった。理由は単純で、雑誌に載っていた八咫烏のおみくじが格好よかったからだという。神の由来などは知らぬまま、軽い気持ちで足を運んだらしい ...
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イトウを知っているか r+1,176
2025/09/17 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
高校一年の夏休み明けだった。 その日、教室の空気はまだ蝉の死骸みたいにじっとりしていて、机の木目からは古い汗の匂いがした。席に着いて間もなく、前の席の男が唐突に振り向き、妙に湿った声で言った。 「イト ...
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《名古屋市西区主婦殺害事件》未解決事件推理考察 n+
未解決の影 ― 名古屋市西区主婦殺害事件 1999年11月、名古屋市西区の閑静な住宅街で一件の凶行が起きた。アパートの一室で、32歳の主婦が首を刃物で刺され命を落としたのだ。幼い長男が居合わせながらも ...
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仮母女(かもめ)《ホラーテラーさん》#11,854
【ゆっくり怪談】仮母女(かもめ) 若干の脚色ありますが、友人の兄の体験を本人目線で書いたものです。 今日は、カノジョの洋子と初めての一泊旅行。と言っても、家から電車で二時間ほどの、県内北部にある温泉旅 ...
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【名作怖い話】喜一じいちゃんシリーズ・全話コンプリート #5,055
【ゆっくり怪談】喜一じいちゃんシリーズ【全話コンプリート】 喜一じいちゃんの昔話をします。 家は昔質屋だった、と言ってもじいちゃんが一七歳の頃までだから私は話でしか知らないのだけど結構面白い話を聞けた ...
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樵面 r+3,800
2025/09/17 -中編, r+, 家系にまつわる怖い話, 定番・名作怖い話
★人気ベスト300, ネットで有名な怖い話私がこの話を耳にしたのは、父が死ぬ二年前だった。 もっとも、話の大半は私が生まれるよりも前の出来事で、直接見たわけではない。父の口ぶり、残された古い資料、そして私の想像が混ざっている。だから、どこまで ...
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埃の扉 r+3,335
2025/09/17 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
先週の土曜日のことだ。 この話を誰かにうまく伝えられる自信はない。うまく文章にできる気もしない。でも、胸の奥を圧迫するようなこの感覚を、どこかに吐き出しておかないと、自分がどうにかなってしまいそうで。 ...
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練馬二時の足音 n+
2025/09/16 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あれは、五年前のことだった。 東京の練馬にあるロフト付きのワンルームアパートに住み始めた頃の話だ。 前の会社を辞めたとき、会社が借り上げてくれていた住まいも同時に失うことになった。上司と大喧嘩して辞め ...
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いんびの夜 r+7,470
もう十数年以上も前のことになる。正確な年齢は定かじゃないが、五歳くらいだったと思う。 記憶の端は、あの山の冷たい空気と、深く染み込んだ土の匂いから始まる。 暮らしていた村は、地図にも載らないほど奥まっ ...
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背後の女 r+5,061
2025/09/16 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
あれは、真夏の夜のことだった。 仕事中に鳴った携帯の画面には「村上」の文字があった。声を聞くのは一年ぶりだ。 受話口から流れ込んできたのは、乾いた笑い声と、「……ちょっと相談があってさ」という曖昧な言 ...
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袋の底から笑う声 r+4,833
あれは、まだ信仰に入りたての頃だった。 私はエホバの証人という名を知って間もなく、週に数度、王国会館へ通っていた。何もかもが新鮮で、同時に底の見えない深淵を覗くような不安もあった。 初めて聞いた怪談は ...
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五歳上の従姉妹の話 【シリーズ全7話コンプリート】#3,895
【ゆっくり怪談】五歳上の従姉妹の話 【シリーズ全7話コンプリート】 第1話:せいちゃん 何だかおかしな人で、彼女と関わったことで奇妙な体験をいくつかした。 今から話すのはその中の一つ。 まだ俺が小学生 ...
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四階奥の声 r+4,988
2025/09/16 -短編, r+, 不動産・物件の怖い話
東京都上京して間もない頃、部屋探しをしていた。 いくつも内見を繰り返し、候補を潰していく日々。あの時は、駅から近く、外観がきれいで、家賃が手頃なら即決でいいと思っていた。それで見つけたのが、世田谷区にある四 ...
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もう一人の俺 n+
2025/09/15 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あれはまだ中学生の頃だった。 学年もようやく落ち着いてきて、クラスの人間関係も固まってきた頃。ある朝、教室に入った途端、女子のひとりに声をかけられた。 「ねぇ、A学院通ってるんだぁ」 言われた瞬間、意 ...
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《未解決事件考察》岡山県男子中学生失踪事件/梶谷恭暉さん行方不明事件 n+
【行方不明者の情報提供のお願い】 倉敷市の中学3年生・梶谷恭暉(かじたに・みつき)さんが令和4年11月13日から行方不明になっています。 些細な情報でも構いません。 心当たりのある方は、最寄りの警察署 ...
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【小倉美咲ちゃん事件】再考察まとめ n+
本動画では、母親と姉の証言を軸に、美咲ちゃん失踪の時間軸を徹底検証します。 母親は「美咲はここまでは来ない」 姉は「理由もなくこんな場所には来ない」 両者は単独登山による事故を否定しているのです。 さ ...
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掌の影 r+6,833
2025/09/15 -短編, r+, カルト宗教, 家系にまつわる怖い話
★人気ベスト300小学生の頃から、うちは妙な宗教をやっていた。 名前は言えないけれど、首にかける護符のようなものを与えられ、それをぶら下げて手をかざすと病気や怪我が治る、という教義だった。子どもながらに半信半疑だったが ...
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見返りの神さま r+3,817
2025/09/15 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
初めてここに書き込みます。これは作り話ではありません。事実をそのまま書きます。 ただ、どう説明していいのか分からない。怖い、というより、ずっと頭の中で澱のように沈んでいる、不思議な出来事です。 母方の ...
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ワラスッコの部屋 r+2,946
中学の頃まで過ごした故郷は、岩手県の二戸市金田一という小さな町だった。 山の匂いと湿った土の感触が、いまでも鼻の奥にこびりついている。 この町に、昔から妙な宿があった。緑風荘。表向きは、座敷童子の出る ...
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沈黙の予言 n+
2025/09/14 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
小学校の記憶なんて、曖昧で穴だらけになっているはずなのに、不思議とあの名前だけは忘れない。 陽三。小柄で、声はか細く、目はやけに落ち着いていて、いつも妙に静かに立っていた。クラスの誰ともうまく馴染んで ...
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石井舞ちゃん行方不明事件~未解決事件の考察 n+
一九九一年七月二十四日、福島県田村郡船引町で七歳の小学二年生、石井舞ちゃんが忽然と姿を消した。「石井舞ちゃん行方不明事件」と呼ばれるこの事件は、十五年後に公訴時効を迎えてしまい、いまも未解決のまま残っ ...
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献金の手 n+
古い畳の部屋に十数人が正座していて、窓はすべて新聞紙で塞がれていた。 裸電球がひとつ、黄色く滲んで揺れていた。線香の甘い煙と、誰かの汗の酸っぱい匂いが混じり、胸に重く沈んでいった。 膝を抱えたまま、私 ...
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黒衣の読経 n+
2025/09/14 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
血の気が引くような出来事が、あの日立て続けに起きた。 季節は梅雨の始まり、湿った空気がじっとりと肌にまとわりつく日だった。 その日の午後、俺はとある案件で郊外の貸家へ向かった。古びた屋敷……ではない。 ...
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幕が下りない町 #和解劇場 n+
2025/09/14 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
昔、町外れに「和解劇場」と呼ばれる小さな芝居小屋があった。 舞台では、互いに争っていた人々が最後には必ず手を取り合い、抱き合って幕を下ろす。観客は涙を流し、劇場はいつも満員だった。 ある夜、一人の青年 ...
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#誤解陸上 n+
2025/09/14 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でも、あの走り出す直前の風の音を思い出すと、背中がじっとりと汗ばむ。 耳の奥で、あの奇妙な声がまだ囁いているような気がするのだ――「おまえの番だよ」と。 高校二年の秋、部活をやめてからしばらく無気力 ...
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ご本尊は燃えない r+1,262
生まれついて、もうすでに「信じていることになっていた」。 俺が何を信じているのか、なんて、考えたこともなかった。気づいたときには、あの金属的に黒光りする仏壇が、リビングの隅に鎮座していた。 親は学会員 ...
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三回ノックの家 r+6,887
これは、警察官をしている友人から聞いた話だ。 いや、正確には、彼が「聞いた」話ではなく、「関わった」話だと言っていた。だから、どこまで語っていいのか、いまでも判断に迷う。だが、あの日、彼の顔色があまり ...
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【コンプリート完全版】邪霊の巣窟《ホラーテラーさん》 #5,711
2025/09/14 -長編, r+, 定番・名作怖い話
★人気ベスト300, ネットで有名な怖い話【ゆっくり怪談】邪霊の巣窟【コンプリート完全版】 この話は十数年にも渡り自分と現妻や実兄、町をも巻き込み、恐怖のどん底に引きずり込んだ実話です。 原著作者:ホラーテラー 2009/10/17 01:5 ...
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二十三分間の祈り r+2,461
2025/09/14 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
……あの日の教室の匂いを、いまでも思い出せる。 窓から吹き込む、八月の朝の空気は生温く、どこか鉄の匂いがしていた。鉛筆と汗と……あと、血のような。いや、本当に血があったわけじゃない。けれど、あれはもう ...
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さいま n+
2025/09/13 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
訳がわからない出来事がある。 誰かに説明しても、どうせ信じてもらえないだろう。けれど、ここに書いておかないと、自分の存在そのものまで溶けていきそうで恐ろしい。 俺の友人、さいまの話だ。 田舎から上京し ...
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ウィッタカー家 n+
誰にも知られず、血だけが濃くなっていった もう十五年も前の話になる。それでも、あのとき見た家の窓、扉の軋む音、そして何よりも──彼らの目つきだけは、今でもはっきり脳裏に焼きついている。 きっかけは、取 ...
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【連続殺人鬼】大久保清にまつわる怖い話 #11,801
【連続殺人鬼】大久保清にまつわる怖い話【ゆっくり朗読】 僕の実家は群馬にあります。 そして父が警察なのですが、父から聞いた話を一つ。 大久保清という連続殺人犯は知っているでしょうか。 昭和の話になって ...
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神も仏も沈む地 r+5,381
親父が死ぬ直前、病室のベッドで俺と兄貴を呼びつけ、ほとんど息も絶え絶えになりながら言った言葉がある。 「……ムナカタ土建の資材置場の端に、林道があんだろ。……あそこの奥の集落の依頼は、……最優先にしろ ...
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やっかい箪笥 r+4,667
小学校の低学年の頃だったと思う。 自分でも子供の頃の記憶は割と鮮明な方なのに、その夏の記憶だけは、どうも靄がかかっていて曖昧だ。夢だったのか、現実だったのか、確かめようがない。けれど、ひとつひとつ手繰 ...
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耳鳴りの正体 r+1,697
2025/09/13 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
数か月前、俺が体験した話をさせてくれ。 場所は、うちの会社が持ってる某県の山奥にある研修施設。ガテン系の職種で、社員数もけっこう多い会社なんだが、研修のたびに使われるこの施設、どうにも妙な噂が絶えない ...
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供え物を蹴った夜 n+
2025/09/12 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
中学の頃の話だ。 いや、正確に言えば、俺の弟のまわりで起きた出来事を、後から断片的に聞かされ、そしてなぜか俺自身も巻き込まれるように記憶の底に焼き付いてしまった……そんな話だ。 あの頃、弟は高校に上が ...
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七人坊主~七人岬の夜 r+3,587
2025/09/12 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
今でも湿った潮風を思い出すと、胃の奥が重たくなる。 あの夜、角造さんの身に降りかかった出来事を、私は本人の口から聞いた。まるで自分がそこに居合わせたかのように生々しい語り口だったから、今でも忘れられな ...
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ゆうくんのでんわ r+4,709-5,012
2025/09/12 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
学生時代、吉岡くんから打ち明けられた話が、今も耳の奥でこだましている。 ありふれた家庭の光景に紛れ込み、決して拭い去れない影のようにまとわりついて離れない話だ。 彼は高校に入学して間もなく、不器用な立 ...
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【未解決殺人事件】佐賀女性7人連続殺人事件【水曜日の絞殺魔事件】#13,734
【未解決殺人事件】佐賀女性7人連続殺人事件【水曜日の絞殺魔事件】ゆっくり朗読 佐賀県女性七人連続殺人事件とは 1975年から1989年(昭和五十年から平成元年)までに佐賀県で七人の女性が殺された事件。 ...
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ぼおおおー r+5,139
2025/09/12 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
一九九五年の一月、初旬の冷たい空気をいまだ思い出せる。 あの震災の一週間前のことだった。小学生の俺は、冬休みの気の緩みと無駄な元気をたっぷり蓄えていた。 あの日、俺は友達のタケシ(仮名)と、その姉ちゃ ...
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十六センチの境界線 r+3,424
2025/09/12 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
三年前の正月、赤坂の日枝神社へ初詣に行った。 あの日は空が澄んで、陽が柔らかくて、風もないのに頬が少しだけ冷たかった。都心とは思えないほど静かで、まるで神様に会いに行くためだけに用意された朝のようだっ ...
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寒いって、あの人が言った夜 r+2,422
2025/09/12 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
病院の怪談夜勤が好き、なんて言うとだいたい驚かれる。 でも、人と関わるのが苦手な自分にとっては、静かな夜の病棟で淡々と仕事をこなすほうが性に合っていた。とはいえ、何も感じないわけじゃない。霊感があるかって訊かれ ...
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白い教室 r+2,230
2025/09/12 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
病院の怪談あれが何だったのか、いまだに説明がつかない。 夢だったと思いたい気持ちもあるけれど、夢にしては、あの時の湿った空気の匂いや、自分の靴の音、天井の染みの形まで、妙に鮮明すぎる。 小学三年の、確か秋口のこ ...
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八十八の釘 r+1,672
2025/09/12 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
大学三年の夏休み、俺たちは“あれ”をやることにした。 四国八十八箇所――ただし逆に巡る、いわゆる「逆打ち」だ。 誰が言い出したかはもう忘れたけど、きっかけは明らかにホラー映画だった。『死国』ってやつ。 ...
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八月の水面に立つもの r+1,351
2025/09/12 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
もう何年も前のことだが、未だに思い出すと、喉の奥がキュッと締め付けられる。 あのときの雨の匂いと、湿った土の感触。人の気配がどんどん遠ざかっていった、あの異様な静けさ。全部、頭の奥にこびりついて、取れ ...
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影なき女 r+1,444
2025/09/12 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
霊体験ってやつは、連鎖するらしい。 一度なにかに触れてしまうと、それからしばらく、次から次へと妙なことに巻き込まれる。霊感が開花するのか、波長が合うようになるのか、あるいは、自分の中に「見てしまう回路 ...