「 kowainetの記事 」 一覧
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配置の一致 nc+
2026/10/20 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
品子叔母は、いつも唐突にやってきて、唐突に去っていく人だった。 連絡も予告もない。呼ばれた記憶もない。気づくと玄関に立っていて、気づくともういない。家族の誰も、そのことを不審に思っていなかったのが、今 ...
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三度目を待たない rw+2,686
2026/10/20 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
あれは、夏の終わりの夜だった。 湿気が肌に貼りついて、息を吸うたびに肺の奥までぬるい空気が入り込んでくる。昼間の熱を抱えたアスファルトが、足の裏からじわじわと体温を奪っていくような、逃げ場のない夜だっ ...
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目盛りの外 iwa+
2026/10/20 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, 怪談, n+2026, オリジナル作品
十センチで折れた物差しに、見えない残りが続いている。父の道具箱に残された短い木片から始まる、志那羽岩子名義の創作怪談。
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未来人が残した世界線~2062年未来人とジョン・タイターを原ログから読む
2062年未来人の2010年の発言と後年の発信を分け、ジョン・タイターの原ログ、IBM 5100の実像、世界線と予言の検証を読み解きます。確認できた資料と考察を区別した、未来人を読み込む人のための記事です。
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中立の立場 rw+5,016
2026/10/20 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
これは、誰かに聞かせるための話ではない。 口に出すだけなら独り言で済む。そう思って、長いこと胸の中に残っているものを、今こうして言葉にしている。誰かに伝えたいわけではない。ただ、黙ったままでいると、と ...
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たきにかえった nc+
2026/10/19 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
私の住む集落の近くに、「拾いの滝」と呼ばれる滝がある。 子供のころから、そこに行けば子供が拾えるのだと聞かされてきた。拾うと言っても、迷子を見つけるとか、捨て子を保護するといった話ではない。滝壺で何か ...
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動く跡 rw+3,039
2026/10/19 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
二階の奥の部屋に、ひとつだけ残っていた。 不動産営業をしていた頃の話だ。売却理由は借金。珍しくもない。築十数年の二階建てで、外壁も床もまだ使える。軽く手を入れれば十分に売れる。同行した業者も同じ見立て ...
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返却口の内側 iwa+
2026/10/19 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, 怪談, n+2026, オリジナル作品
返却箱から出した一冊だけ、重さが戻らない。紙一枚を挟んで触れたものは、やがて箱の外へ。志那羽岩子名義の創作怪談。
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向かいに建っていた家 rcw+5,522-376
物心ついたころには、すでにその家はあった。 いつ建ったのかは誰も知らない。少なくとも、僕が小学校に上がる前から、あぜ道の先にそれは立っていた。田んぼを埋め立て、川を直線に引き直し、新しい分譲住宅が少し ...
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針山の奥 iwa+
2026/10/18 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, 怪談, n+2026, オリジナル作品
母の裁縫箱に残った針山。抜いた針の穴が塞がらず、布の下のものが針を手放そうとしない。独立した創作怪談。
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水深1m以上 nc+
2026/10/18 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
時々、雨も降っていないのに、水たまりができていることがある。 たいていはただの水たまりだ。アスファルトのくぼみに溜まった水で、しばらくすれば蒸発して消える。だから誰も気に留めない。だが、ごく稀に、見て ...
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日米合同委員会とは?「秘密会議」の都市伝説を公開資料で読み解く
日米合同委員会は何を決める会議なのか。議事録の非公開、横田空域、刑事裁判権を外務省・国土交通省・沖縄県の公開資料で確認し、動画の主張と確認できる事実を分けて読み解きます。
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ショッピングモールで世界がズレた話 rw+6,345
2026/10/18 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
先日、あのときの少年と再会した。 その顔を見た瞬間、忘れていたショッピングモールでの出来事を思い出した。記憶がまた薄れる前に、書き留めておこうと思った。 五年ほど前のゴールデンウィーク。私の現実は、確 ...
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持ち帰ったのは誰か rw+4,784-365
2026/10/18 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
十年ほど前のことだ。高校を卒業する直前で、進路はすでに決まり、進学でも浪人でもなく、ただ地元の工場に就職するだけの未来が待っていた。 教師も親も安心しきっていて、俺自身ももう何も選ばなくていい立場にな ...
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縫い目はほどけない rw+5,472
2026/10/18 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
韓国あの夜、伯父は俺の部屋の後ろに立っていた。 三月の終わり、まだ肌寒い夜だった。両親は旅行で不在、家には俺と伯父だけ。俺はいつものように洒落怖まとめサイトを開き、ランキングを下へ下へとスクロールしていた ...
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鎧の音が来る rw+4,551
2026/10/18 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
これは私自身、いまだに現実だったと断言できない出来事だ。 夢だったと言われれば否定する材料もない。だが、あの音だけは、今も身体の奥に残っている。だから書き残す。 物心ついた頃から、私の家は落ち着く場所 ...
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発見 rcw+2,970
2026/10/18 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
突然だが、俺の話をさせてほしい。 小学校二年生のある日、母に激しく叱られた。理由は思い出せない。ただ耳に残っているのは「お前なんかうちの子じゃない」という言葉だ。叫び声のように投げつけられ、胸の奥が冷 ...
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雨樋の順番 iwa+
2026/10/17 -短編, 怪談, 不動産・物件の怖い話, n+2026, オリジナル作品
雨がやむと、四本の雨樋が決まった順番で鳴る。最後の音を止めたあと、音の場所だけが変わり始めた。独立した創作怪談。
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一度、受け入れられた nw+296
2026/10/17 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でも、あのとき見た深海の青を思い出すと、胸の奥が静かにざわつく。 それは恐怖ではない。だが、安らぎでもない。 もっと厄介な何かだ。 数年前の夏、私は趣味のスキンダイビングで沖に出ていた。酸素ボンベは ...
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高さが合う日 nc+
2026/10/17 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
私の姉は、首吊り紐に付きまとわれている。 今も続いている話だ。 最初にそれを見つけたのは、姉が小学校五年生の時だった。校庭の隅にある、懸垂用の背の高い鉄棒。使われていない時間帯だったはずなのに、その一 ...
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混ざる声 ncw+485
2026/10/17 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
学生時代に一度だけ、口外すまいと固く決めた出来事がある。 だが年月を経ても胸の底に沈殿したまま、夜になると耳鳴りに紛れて浮かび上がってくる。黙っていれば腐るだけだと、最近になって思うようになった。だか ...
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何もしないから rw+20,652
夜勤明けで、旧犬鳴トンネルの前に立ったのは、偶然だったと最初は思っていた。 道路管理課に配属されて三年目。老朽化した林道とトンネルの封鎖状況を確認する、ありふれた業務の一環だ。地図にもほとんど載らない ...
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一人じゃねぇ rw+7,632
2026/10/17 -短編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
★人気ベスト300田舎で家業を継ぎ、農機具の販売と修理をしている。 町内といっても範囲は広く、山奥の集落まで行けば車で四時間近くかかる。修理はたいてい一泊仕事で、終わると決まって言われる。 「今日はもう暗い。泊まってい ...
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定刻通りに来ない駅 rw+2,830
2026/10/17 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
京急大師線に乗っていた日のことだ。 あれが現実だったのか、それとも眠気に引きずられて見た夢だったのか、今でも自分では判断がつかない。判断できないまま、あの時間だけが記憶の底に沈まず残っている。 午前中 ...
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誰も知らない常連客 rw+2,937
2026/10/17 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
あの婆さんを、店の誰も知らなかったと聞いたのは、何年も後のことだ。 けれど俺は、その人の家へ行った。 菓子を食べ、話をして、また店へ戻ってきた。 平成の始め頃、俺は小学一年生だった。 親父は、近所のス ...
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的場浩司のテンシンキアクリョウキョウ/聞いちゃいけない歴史的都市伝説 rw+5,789
2026/10/17 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, 都市伝説
そのノック、三回目だけ場所が違う これは、テレビ番組『やりすぎ都市伝説』で紹介されたエピソードをもとにした話だ。 奇妙な伝承の数々が語られる中でも、この話は特に不気味で、人々の記憶に焼き付いているらし ...
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祖母もいた nw+431
2026/10/16 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
祖父が亡くなったことを知ったのは、葬儀が終わったあとだった。 そのころ私は引っ越したばかりで、携帯料金も払えず、親にも新しい住所を知らせていなかった。実家から何度も連絡が来ていたらしいが、私には届かな ...
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六地蔵は五つしかない nc+
2026/10/16 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
私の住む集落には、六地蔵がある。 だが、どう見ても地蔵は五つしかない。 小学校二年生の頃の話だ。 学校の帰り道、六地蔵の前を通った。 どれも相当古く、風化していて顔の判別はつかない。苔に覆われ、ひとつ ...
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消灯確認票 iwa+
2026/10/16 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, 怪談, n+2026, オリジナル作品
週に二度、小さな集会所の閉館を任されていた。 夜の利用者が帰ったあと、机を拭き、忘れ物を確かめ、部屋の電気を消す。鍵を掛ける前に点検票の四つの欄へ印をつける。会議室、和室、調理室、廊下。それで終わる仕 ...
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聞こえる部屋 rw+600
2026/10/16 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
平成の始め、高校一年の夏休みを前にして、父の会社が潰れた。 床が抜けた、という比喩は正確じゃない。音もなく、気づいたら立っている場所がなかった。担任に頭を下げ、夕方から弁当工場で働き始めた。昼は授業、 ...
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【閲覧注意】ド カルト映画の決定版『エル・トポ』#3,744
【プロが選ぶ超オススメ映画】ド.カルト映画の決定版!!!『エル・トポ』【閲覧注意】 モグラは穴を掘って太陽を探し、 時に地上へたどり着くが、太陽を見たとたん目は光を失う… 山賊を始め、哲学者、自然主義 ...
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天窓の向こう rw+2,366
2026/10/16 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
小学生の頃、近所の英語塾に通っていた。 田舎町では少し浮いた存在だった。日英ハーフの先生が、自宅を改装して開いていた塾で、授業はすべて英語。先生は町の大人たちとは雰囲気が違い、髪も瞳も明るく、どこか遠 ...
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いとこの子 nc+384
2026/10/15 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あれは、真夏の午後だった。 陽炎が立つような暑さのなか、畳の匂いと蝉の声に包まれた縁側で、俺はぼんやりと座っていた。足元には、幼い子どもが一人。いとこの子――まだ二歳かそこらの、小さな男の子だった。 ...
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化け猫に見つけられた話 nc+
2026/10/15 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
子供のころ、実家近くを縄張りにしている野良猫がいた。 近所では有名な化け猫だった。 見事なアカトラのオスで、いつも不機嫌そうな顔をしていた。長い尻尾をぶんぶんと振り回しながら、集落の道をのしのしと練り ...
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【考察】メイデイミステリー:謎のほうから来た~Mayday Mystery~ nc+301-1002
2026/10/15 -長編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
1995年――最初に広告を見た年 1997年5月1日、アリゾナ大学の学生新聞『デイリー・ワイルドキャット(Daily Wildcat)』に、一ページを丸ごと使った広告が載った。 商品名も会社名もない。 ...
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前任者への連絡は不要|第一章 閉鎖までの仕事 iwa+
志那羽岩子『前任者への連絡は不要』、第一章 閉鎖までの仕事。最初に渡された鍵は二本だった。
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📖前任者への連絡は不要|作品案内・全12章 iwa+
志那羽岩子『前任者への連絡は不要』の作品案内と全12章。閉鎖を控えた共同作業室。書類整理を引き受けた「私」に渡されたのは、二本の鍵だった。
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前任者への連絡は不要|第五章 黒田の修繕 iwa+
黒田恒一さんは、作業室をやめた理由から話し始めた。 勤め先が変わり、以前の時間に来られなくなった。もともと長く続けるつもりはなく、野間さんが引き受けると言ってくれて助かったという。 「何か、渡し忘れ ...
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前任者への連絡は不要|第三章 杉浦の控え iwa+
杉浦千里さんは、作業室を離れて六年たっても、手帳を捨てていなかった。 近所の喫茶店で会うと、彼女は最初に、私の依頼が佐伯さんから来ていることを確かめた。閉鎖すると聞き、残したものが気になっていたとい ...
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前任者への連絡は不要|第四章 六畳と台所 iwa+
成瀬さんの家は、作業室から歩いて十分ほどのところにあった。 細い道の奥にある平屋で、玄関の庇だけが薄いトタンだった。引戸の脇に曇りガラスの窓があり、内側のカーテンが途中まで閉まっていた。 家主の片 ...
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前任者への連絡は不要|第七章 最初の六週間 iwa+
最初の引継ぎは、青灰色のファイルには入っていなかった。 杉浦さんが持ってきた大学ノートの、裏表紙につけた封筒にあった。レシートや部品の注文票と一緒に、四つ折りになっていた。 十一月十四日、杉浦さん ...
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前任者への連絡は不要|第六章 一人分の空欄 iwa+
十一月十二日、私は四枚の紙を作業台に並べた。 成瀬さん、杉浦さん、黒田さん、野間さん。それぞれについて、資料と証言から確認できた行動だけを書いたものだった。 調査のための作業表であり、作業室の正式 ...
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前任者への連絡は不要|第八章 連絡のつかない人 iwa+
成瀬さんの連絡先は、二つあった。 一つは作業室の古い連絡帳に載っていた携帯電話で、現在は使われていなかった。もう一つは私宅の固定電話だった。電話機そのものが、もう家に残っていなかった。 片桐さんは ...
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前任者への連絡は不要|第九章 本人の所在 iwa+
成瀬さんの現在の勤務先は、紙製品を扱う小さな発送作業所だった。 夜の裏口には、無地の灰色の金属扉があった。その上の白い灯りが、雨の上がったアスファルトに細く映っていた。扉の脇には、畳んだ段ボールの束 ...
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前任者への連絡は不要|第十章 返す相手 iwa+
立会いの日までに、用事を三つへ分けた。 作業室の仕事。 成瀬さん本人が決めること。 他の人が、すでに自分の判断で続けていること。 第三の区分には、名前をつけるのが難しかった。私用の代行と書けば ...
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前任者への連絡は不要|第十一章 本人立会い iwa+
十一月二十九日の朝、片桐さんは先に玄関を開けていた。 空は明るかったが、風は冷たかった。トタンの庇から、前の晩の水が一滴ずつ落ちていた。 私が着いたとき、成瀬さんは道の入口に立っていた。約束の時刻 ...
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前任者への連絡は不要|第十二章 引き継がなかったもの iwa+
作業室は予定どおり、十一月末で閉まった。 引戸の内側にあった利用時間の紙が外され、ベージュの書棚は空になった。作業台は建物と一緒に残された。 私は分類した記録を佐伯さんへ渡した。会計として保管する ...
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📖下りだけの道|作品案内・全12章 iwa+
下りだけの道:全十二章 帰らない姉と、二十一年前の記録 石積みから樺平まで、ずっと下りだった。樺平から石積みまで、ずっと下りだった。 姉に頼まれた山道の絵。向かう先の違う二つの記録をたどるうち、二十一 ...
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下りだけの道|第二章 母のいない写真 iwa+
翌朝、姉の店へ行くと、入口の自動ドアに紙が貼ってあった。開きにくいときは一歩下がってください、と丸い字で書かれている。僕が言われたとおりに下がるより早く、奥から姉が出てきて、手でドアを押し開けた。 「 ...
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下りだけの道|第一章 逆向きの下り iwa+
石積みから樺平まで、ずっと下りだった。 樺平から石積みまで、ずっと下りだった。 別々の筆跡を読み、僕が書き出した二行だった。二枚とも、向かう先は違うのに、足元は下っていた。最初の人が勾配を誤ったの ...