「 kowainetの記事 」 一覧
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カルトな村~山道に消えた軽トラの謎 r+7,067-7,679
大学の先輩と行ったドライブ旅行の帰り道。 「ちょっと待って、これ本当に合ってるのか?」 運転席の先輩が、少し苛立った声で言った。俺はスマホの地図アプリを必死に睨んでいたが、どうにも見覚えのない道だった ...
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茶色いカーディガンの記憶 n+
2025/11/25 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
小学校の裏手に、使われなくなった汲み取り式トイレがあった。 鉄の臭いと湿気がまとわりつく、昼でも薄暗い場所だった。 少年は、壁に立てかけられた鉄の棒で蓋をこじ開け、中を覗き込むのが日課になっていた。底 ...
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【祟られ屋シリーズ】呪いの器 #6,192-6,905
2025/11/25 -長編, r+, 洒落にならない怖い話
★人気ベスト300, 韓国※関連話 → 傷【祟られ屋シリーズ】(こちらを先にお読みください) 日本国内には、いたる所に神社や祠がある。 48 :呪いの器 ◆cmuuOjbHnQ:2008/07/23(水) 04:00:57 そ ...
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変わった隣人 r+2,600-3,585
2025/11/25 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
背乗り私が住むマンションのお隣の家族は、一般的な枠に収まりきらない存在だった。 お隣には、お婆ちゃん、母親、娘の三人が暮らしていた。父親の姿は見たことがなかったが、その不在が家族の奇妙な雰囲気を強調している ...
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雨の岩場に立つもの r+2,971
高校二年の頃、よく友達と埼玉県飯能の岩場に通った。 首都圏から近く、岩質もしっかりしていて、昔から人工登攀の練習場として知られていた場所だ。きっと六〇年代にはすでに開かれていたのだろう。僕たちは当然の ...
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精霊灯を返された日 n+
2025/11/24 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
まだ小学校に上がる前、祖父母の家に預けられていた頃のことだ。 どうして自分がそこにいたのか、両親は今でも理由を言えないらしい。あの沈黙を思い返すと、聞き返す気にもなれなかった。 祖父母の家は山の裾にへ ...
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タイムリープ~時間の裂け目とにゅうめん r+5,820-6,325
2025/11/24 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
★人気ベスト300今でもあの昼の匂いを思い出すと、胸の奥がざわつく。 油の熱で立ちのぼる揚げ物の甘い香りと、にゅうめんの湯気が入り混じる、あの一瞬の空気だ。 子どもの頃、一日に何度か、時間が巻き戻るような感覚に襲われて ...
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【厳選名作】山祭り r+5,083
久しぶりに休みが取れた。たった二日だけど、携帯で探される事もたぶんないだろう。 ボーナスも出た事だし、母に何か旨いものでも食わせてやろう。 そう思って、京都・貴船の旅館へ電話を掛けてみた。 川床(かわ ...
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初心者の登山 r+4,803
【ゆっくり怪談】初心者の登山【山にまつわる怖い話】 2007年、5月頃。 俺は静岡にある高ドッキョウ(たかどっきょう)という山を登ろうと考えた。 まだ山に登るようになって一年程度で、1,000m以下の ...
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裏山の呪い r+3,507
2025/11/24 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
ネットで有名な怖い話これは、幼なじみの坂口から聞いた話だ。彼が中学生だった頃の出来事だという。 彼の住む村はどこか時間が止まったかのように感じられる閉鎖的な場所であった。夏になると子どもたちは川で遊び、秋には裏山でキノコ ...
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笑い女の呪縛 r+2,828
2025/11/24 -短編, r+, ほんのり怖い話
ネットで有名な怖い話先週の金曜日、会社の先輩である大村が亡くなった。 マンションの自室で、両耳にボールペンを突き刺した状態で発見されたという。警察は、彼の手がしっかりとペンを握っていたことから事件性を否定し、自殺とすぐに ...
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夜の心霊訪問 r+2,500-3,313
2025/11/24 -長編, r+, 洒落にならない怖い話
背乗り七年前の6月、夜の10時ごろ、家の電話が鳴った。 電話の音がなんだか不気味だった。電話の相手は、馬場くんだった。 「なんか変なんだ。うまく説明できないけど、すぐに来てほしい」 馬場くんは最近、川越の近 ...
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あなた、私が見えるんですか!? n+
2025/11/23 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
駅前のタクシー乗り場は、終電を逃した人たちで薄くざわめいていた。 舗道にこぼれた雨粒が、街灯の光を跳ね返して、足元を曖昧にする。 私は携帯を耳に当て、友人の声に相槌を打ちながら、いつもの位置に並んだ。 ...
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霧に消えたベンツ r+4,169-4,764
今でもあの夜の霧の濃さを思い出すと、胸の奥がざわつく。 夏とはいえ標高が高いせいか、窓を閉めていてもじわじわと湿気が染み込んでくる。ワイパーが絶え間なく曇りを拭っても、視界は白い膜に覆われ、数メートル ...
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封鎖された隣室 r+3,198
2025/11/23 -中編, r+, ほんとにあった怖い話
背乗り十一時半頃、玄関のチャイムが甲高く鳴った。 予期しない来客は、休日の午前にしては場違いな響きだった。足音を殺して覗き窓を覗くと、紺色のジャンパーを揃いで着た三人組が、玄関灯の下に並んで立っていた。胸板 ...
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十年ぶりの同窓会 r+2,200-3,204
2025/11/23 -短編, r+, ほんとにあった怖い話
これは久しぶりの同窓会での話だ。 数か月前、中学時代の同窓会の案内状が届いた。前回の開催は20歳の時で、今回の同窓会は10年ぶり。仲が良かった友人たちとも長らく疎遠だったが、どこか懐かしい気持ちが芽生 ...
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余計な事しやがって n+
2025/11/22 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でもあの夜の匂いを思い出すと、うっすら喉の奥がざらつく。 乾いた紙と、焦げる寸前の埃が混じったような匂い。あれが合図みたいにまとわりついて、胸の奥に沈んでいた何かがじりじりと立ち上がってくる。 あの ...
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死守りの夜 r+1,500-2,244
これは、高校の時の同級生から聞いた話だ。 彼の故郷では、独特な葬式の風習が今も残っているらしい。 その話は、彼の祖父、通称「爺」が亡くなった時のことだったという。爺は柔道五段、日焼けした顔にがっしりと ...
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戻れぬ浅瀬 r+7,781-8,252
2025/11/22 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
★人気ベスト300海が近いためか、地元ではよく漁師たちの迷信を聞かされていた。 「入り盆や送り盆には漁に出るな」とか、「お盆の時期には海や川に入ってはいけない」といった話だ。しかし、こういった迷信はこの地域だけでなく、 ...
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犬と父の影が交わる夜に r+4,685-5,129
2025/11/22 -短編, r+, 山にまつわる怖い話, ほんとにあった怖い話
今でも、あの夜の湿った風を思い出すと胸の奥がざわめく。 仕事で通夜に参列した帰り道のことだ。ホテルのプランナーをしていた頃、十月に挙式を控えた新郎の父が亡くなった。長い闘病の末だったという。通夜の席で ...
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絶対に手放すな~呪いの継承者 r+3,797-4,463
2025/11/22 -短編, r+, ほんのり怖い話
ネットで有名な怖い話俺は来年、二十歳になる。 これまで平穏に生きてこられたのが奇跡だと思う。そう考える理由は、この話を聞いてもらえれば分かるはずだ。 これは俺がまだ幼かった頃、夏祭りで出会った「得体の知れない店」と、そこ ...
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父の不思議な夢 r+1,600-2,340
2025/11/22 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
これは、私が小学校2年生の頃に体験した事象である。 当時、父は頻繁に出張してビジネスホテルに滞在していた。夜間には、父は外出して飲みに行くことが多く、家庭に連絡をすることは極めて稀であった。しかし、そ ...
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闇に浮かぶ顔は、誰のものか r+1,400-2,114
大学四年の夏、就職が決まって、友人たちは海だの合宿だのと騒いでいた。 だが私は急に空いた時間を持て余し、ふと思い立って母方の田舎に住む祖父を訪ねることにしたのだ。 山の奥、地図で見れば灰色の国道から脇 ...
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穴の裏に書かれた名 n+
2025/11/21 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でも正月の炬燵の匂いを思い出すと、胸の奥にざらつく感触が浮かぶ。 皆が眠って静まり返った居間で、薄暗い電球が畳の上に滲むような影を落としていた。 年越しの余熱がまだ室内に残っていて、鼻の奥には餅を焼 ...
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根絶やしの記憶 r+8,497-9,027
事の発端は、夫が風邪をひいて寝込んだことでした。 今年七月の終わりの土曜日、夫と二人で久しぶりに出かけた帰りのこと。家に着いた途端、夫が「頭が痛い、寒い」と訴え、見るからに具合が悪そうでした。すぐに熱 ...
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モンスターペアレント r+4,994-5,555
2025/11/21 -中編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間, ほんとにあった怖い話
以前、販売業に従事していた友人が社員研修用の資料を見せてくれた。 【クレーム内容とその対応について】 クレーム対応は、 【A】『正当な事由がある場合』と 【B】『正当な事由がない場合』に大別できる。 ...
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居留守の癖 r+4,189-4,626
2025/11/21 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
この話を耳にしたのは、同僚の先輩が酒席でふと漏らした時だった。 冗談めかして始められたものの、周囲はすぐに笑うのをやめた。妙に湿った空気をまとった語り口で、続きに引き込まれるしかなかった。 登場するの ...
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朱の印の向こうで鈴は鳴らない n+
2025/11/20 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でもあの夜の匂いを思い出すと、舌の奥に鉄の味が立つ。 雨上がりの舗装に染み出す土の匂い。濡れた電線から、かすかにじりじりと音が漏れていた。友人Aの親から連絡が来て、駅前の喫茶店で話を聞いた帰り道だっ ...
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黄ばんだ歯 r+5,871-6,414
2025/11/20 -短編, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
★人気ベスト300今でもあの夏の病室の空気を思い出すと、胸の奥がざわつく。 手術後の痛みがまだ尻に残っているような鈍い違和感の中で、夜の病棟は薄い布団と蛍光灯の光だけでできていた。窓の外はわずかに夕焼けの紫を残していて ...
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赤い瞳の娘 r+2,1752,535
私の中学校の同級生に、左眼が赤い生徒がいた。 彼女の名前は君島典子。入学直後からその美貌が男子生徒の間で評判となったが、同時に奇妙な噂も広がっていた。「赤い目は呪いの目で、彼女が嫌った者は不幸に見舞わ ...
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神の領域に踏み込むな~消えた宮司の警告 r+2,350-2,984
2025/11/20 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
これは、以前同じ神社に勤めていた元同僚から聞いた話だ。 先日、久しぶりにその同僚と再会し、懐かしい顔を見ながら雑談をしていた。彼は今も変わらず神主をしている。話題は自然と神社のことになり、ふと、以前そ ...
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身内の恥 r+2,643-3,219
2025/11/20 -短編, r+, ほんとにあった怖い話
両親が商売を営んでいることから、地域社会のさまざまな情報が私の耳にも入ってくる。 その中には、時効を迎えた迷宮入りの事件についての話も含まれている。商売は単に物やサービスを売るだけでなく、地域の人々と ...
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ダイヤモンドダストの社 r+1,415-1,739
2025/11/20 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
今でもあの冬の日の吐く息の白さを思い出すと、胸の奥がざわつく。 小学四年の十二月、北風が皮膚を刺すような寒さの中、友達と秘密基地へ向かった。場所は埼玉の郊外、低い林に抱かれた古びたホコラの裏手だった。 ...
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あの家 r+1,401-1,821
2025/11/20 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
もう10年以上前のことになる。 617 : 本当にあった怖い名無し:2022/05/02(月) 12:40:35.85 ID/Y0.net この話には特に結論や恐怖のオチはない。しかし、あの時体験した ...
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水の底を歩く煙 n+
2025/11/19 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でもあの夜の匂いを思い出すと、喉の奥がざらつく。 真夏の夜、湿った土とアスファルトの境目みたいな臭気。あれを吸い込むと、胸の中に古い校舎のような黴の味が広がるのだ。 その夜、家を出たのは午前一時を少 ...
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恐山の秘密:神々が逃れた地、青森 r+4,931-5,600
俺は青森に住んでるんだけど、地元の人なら知ってると思うけど、青森って霊能力者みたいな人が結構いるよな? そういう土地柄っていうか、不思議な話が多い場所だ。 これは黒石市での出来事だ。親父の火葬があった ...
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這いよるストーカー~逃げ場のない視線 r+5,148-5,666
2025/11/19 -短編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
これは、私が中学三年生のとき、家族と出かけた隣町の大型スーパーでの出来事だ。 何気ない日常の一コマとして始まった買い物だったが、あの日の異様な気配は今でも忘れられない。 スーパーに着いてから、私はひと ...
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常時事故物件r+4,267-4,700
2025/11/19 -短編, r+, 不動産・物件の怖い話
不動産賃貸の専門業務に従事している。 拠点は新宿で、様々な人々が集まるエリアだ。風俗嬢、アイドル、モデル、水商売に従事する方々、外国人、さらには振り込め詐欺に関与していると疑われるような人物に至るまで ...
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守り神の箱 r+2,639-3,064
2025/11/19 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
今でもあの夏の倉庫の匂いを思い出すと、鼻の奥に鉄錆と湿った木の粉っぽさが蘇る。 北海道の片隅で暮らしていた祖父は、よく「うちは北前船の末裔だ」と言って胸を張っていた。幼い私には、その言葉の意味は半ば分 ...
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道を尋ねた影 r+2,537-3,093
2025/11/19 -中編, r+, ほんとにあった怖い話
東北地方今でも東北の山間の診療所に勤めていた古参職員の話を思い返すと、あの湿った夏の夜気が蘇るようだ。 山道に面した小さな待合所は、昼でも薄暗い木立に囲まれていた。夜ともなれば、虫の鳴き声と川の水音だけが周囲 ...
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藤原清衡の影:夢と現実を越えた古代の遺恨 r+4,209-4,521
2025/11/19 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
作家、民俗学者として知られる山田野理夫氏の話。 氏が語るこの体験は、日本の民俗的信仰と歴史的事象が深く結びついた稀有な例として注目に値する。この体験は、個人の身体的異常と、歴史的背景を持つ呪術的な要素 ...
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忘れられた写真と未来人の謎 r+2,977-3,410
2025/11/19 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
ある日、うちの本家の祖父が亡くなる少し前に、「俺は未来人を見たことがあるんだ」と話し始めたことがあった。 祖父も高齢だったので、周囲は「もうボケたのではないか」と思ったが、実際には精神的な衰えはなく、 ...
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呼ばれていない席 n+
2025/11/18 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でも、あの夜の匂いを思い出す。 焼き鳥の焦げた脂、タレの甘さ、汗を吸い込んだ畳のにおい。鼻の奥に、それらがまだじっと残っている。大学の仲間と久しぶりに会おうという話になったのは、年明けすぐだった。社 ...
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少女苑 #3,744-4,142
2025/11/18 -短編, r+
ネットで有名な怖い話, 広島県今はなき広島の有名心霊スポット少女苑で、オレが10代のころ体験した話を。 751 :本当にあった怖い名無し:2011/11/30(水) 20:31:01.34 ID:xBj0Nino0 少女苑ってのは ...
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消えぬ焔 r+3,626-4,000
これは、仲間数人と山中でキャンプをした時の体験談である。 夜も更けて、皆がテントに潜り込み寝静まった後、焚き火のそばで火を見つめていたのは彼一人だった。炎の光が揺らめき、静寂の中で火のはぜる音が微かに ...
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あの日の路地で触れた手 r+3,529-3,904
2025/11/18 -短編, r+, ほんとにあった怖い話
この話を打ち明けると、必ず周囲が黙り込む。 語り手は私ではない。友人から伝え聞いた、彼の弟に起きた出来事だ。けれど、妙に湿った空気や、あの場に居合わせた者たちの口調までが、まるで私自身がその場を体験し ...
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ミヤウチ様 r+3,788-4,151
2025/11/18 -短編, r+, 家系にまつわる怖い話
私の家では、特定の神様を祀っており、家庭内に8畳の部屋を丸ごと使った祭壇を設けている。 その祭壇には、小さな米俵が積まれており、縄が張られ、酒瓶が並べられている。また、なぜかビールやスナック菓子、袋の ...
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未来人浮浪者 r+3,426-3,863
2025/11/18 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
ネットで有名な怖い話これから述べるのは、ムラ氏(仮名)から聞いた極めて不可思議な逸話である。 あの日、私はムラ氏の部屋で二人の男がいつものように酒を酌み交わしていた。古びた家具に囲まれた落ち着いた部屋だった。ムラ氏の机に ...
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音声入力の夜 n+
2025/11/17 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でも、あの夜の録音を再生する勇気が出ない。 スマホのストレージに残っているのはわかっているのに、指が勝手に止まる。削除すればいい。そう思っても、なぜか消せないまま三年が経った。 その録音は、大学最後 ...
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祖父と山神の記憶 r+5,900-6,928
小学生時代に遡る、三十数年前の記憶である。 それは、冬の日に祖父の家を訪れたときの出来事だ。 寒さが訪れる季節になると、その出来事がまるで昨日のことのように鮮明に蘇る。 夏休みや冬休みになると、私は毎 ...