ネットで有名な怖い話・都市伝説・不思議な話 ランキング

怖いお話.net【厳選まとめ】

「 kowainetの記事 」 一覧

過去から見つめられていた r+2,017

あれは小学校六年の春先、桜がまだ枝に残っていた頃だった。 放課後、近所の公園で友達とドッジボールをしていたんだ。遊具のそばには他の子どもたちもいたし、母親らしき人たちがベンチに座っておしゃべりしていた ...

歌の残る墓地 r+1,710

山に入って三日目、ようやく最初の目的地にたどり着いた。 古地図にだけ記され、国土地理院の地形図ではただの雑木林とされているその場所は、実際、道など存在しなかった。高巻きしながら枝を払い、沢を跨ぎ、獣道 ...

観察者の呪い r+1,650

泊まったホテルの名前は、もう思い出せない。 いや、思い出したくないのかもしれない。場所は東北だったはずだ。学会での発表があり、大学から派遣された私は、前乗りして一泊する必要があった。地方都市の駅前にぽ ...

裂け目の夜道 n+

あの日のことは、どうしても頭の隅から離れてくれない。 五年前の十二月、残業が珍しく長引いて、終電でようやく帰ることになった夜のことだ。 当時の住まいは、最寄り駅から徒歩二十五分もかかる古びたアパート。 ...

封印された廃屋と呪縛 r+7,008

禁断の記憶 これは、私が少年時代に足を踏み入れた、呪われた土地の物語だ。 私が小学五年生だった夏。東京で生まれ育った鍵っ子の私は、毎年恒例となっていた母方の祖父母の家で、一ヶ月ほどの日々を過ごしていた ...

月の景色が見えたら r+2,601

ああ、これはもう五十年も前のことになる。 俺がまだ小学生だったころ、川崎の工場地帯のど真ん中に住んでいた。空気は金属と油の臭いが混ざってて、運河は濁った緑のドブ色。空気に触れてるだけで目が痛くなるよう ...

籐椅子の女 n+

九州の奥、山と藪に囲まれた集落にある古い家で、正月に一族が集まった。 年始の陽射しが縁側から差し込み、外は冷たい空気、座敷には酒と湯気が満ちていた。その上座、籐の揺り椅子には、笑みだけを残したまま記憶 ...

祝福と呪詛の桃色袋 r+6,698

母の故郷の話を初めて知ったのは、大学進学の準備をしていた数年前のことだった。 進学先は東京。地方の静かな街で暮らしていた私には、それだけで大きな転機だった。駅前にはスタバもなければ、大型チェーン店も見 ...

天安河原に名を呼ばれて r+2,767

宮崎に行ったのは、ちょうど十年前。 あの頃はまだ学生で、夏休みの終わりに仲間内で旅行したんだ。五人くらいで。車を借りて、ルートを決めたのは、妙に霊感と自己啓発を履き違えたような先輩だった。名前は伏せと ...

ボディバッグの夢 r+2,769

ヒッピーに憧れてた。 きっかけは、ビート・ジェネレーションの詩集と、場末の中古レコード店で見つけたジャニス・ジョプリン。あの時代の連中が見てた幻覚や、行き場のない魂の震えに、なぜか強く惹かれた。 そん ...

猫の声がする r+1,580

猫が人間を操るなんて、冗談でも言いたくなるようなことだと思っていた。 いや、今でもそう思いたいのかもしれない。ただ、それを頭から否定できない自分が、ここにいる。 うちには猫が五匹いる。どいつも野良出身 ...

笑い声の向こう n+

大学一年の春、ふとした瞬間に思い出す出来事がある。 あれを「錯覚だ」と片付けられれば、どれだけ気が楽だっただろう。 最近まで、二LDKの少し手狭なアパートで家族三人で暮らしていた。 私の部屋といっても ...

幼少期に宮崎勤と遭遇した話 #10,250

幼少期に宮崎勤と遭遇した話【ゆっくり朗読】 宮崎勤死刑に思い出すこと。(2008-06-18) 幼少時、私は宮崎勤死刑囚に遭遇している。 これまでこのことについて他人に話したことはほとんどなかったけれ ...

勝手口の家 r+4,646

三歳の頃の記憶が、私のいちばん古い記憶だ。 木枯らしの吹く夕暮れ、公園のブランコにひとり座っていた。鉄の鎖が軋み、耳がちぎれそうに冷たい。手も足もかじかんで、呼吸すら痛かった。それでも帰れなかった。家 ...

白髪の門番 r+1,823

実家は、端的に言って、広い。 田舎にしては異様なほどに敷地がだだっ広くて、畑に温室、竹林に動物小屋跡まである。 門が五つもあって、まるで旧家というより廃寺のような趣がある。 父方の先祖は、昔このあたり ...

夏の訪問者 n+

『そういえば叔母さんは元気?』 あの夜、どうしてあんなことを口にしてしまったのか、今でもわからない。夕食を終えて、台所で母が食器を片付けていた時だった。急に思い出したのだ。三歳か四歳の頃、夏の夜。母方 ...

コトリバコ【コンプリート・完全版/語り継がれる定番名作怖い話】#6,405

ナオキマンによる解説 【ゆっくり怪談】コトリバコ【コンプリート・完全版/語り継がれる定番名作怖い話】 この話は、霊感の強い友達の話。 912 小箱 2005/06/06(月) 12:57:48 ID: ...

過去改ざんテスト r+1,946

正直、最初は「母親に無理やり連れて行かれた」と言ったほうが近い。 自己啓発系のセミナーだって聞いた時点で帰りたかったが、親戚が最近ハマってるって話で、逆らいにくかった。場所は地元の公民館、和室。六畳く ...

無念だ n+

あれは、先月のまだ寒さが抜けきらない頃だった。 曇天の下、次男を連れて河原へ蕗の薹を探しに行った。春の匂いを探すつもりだったのに、季節はまだ少し手前で立ち止まっているらしく、足もとには枯れ草と小石ばか ...

鏡のなかのおまえ r+14,362

大きめの姿見がある家に住んでいる人は、一度試してみてほしい。 ただし、くれぐれも“継続”はしないように。 ――鏡のなかの自分を、じっと見つめながら、言ってみるんだ。 「お前は誰だ」 霊的な話じゃない。 ...

三月の隣人 r+3,362

引っ越ししてきたのは、もう何年前になるだろうか。 駅から徒歩五分、築二〇年ほどの古びたマンション。間取りは二LDK。部屋の広さのわりに家賃が妙に安かったのを、今でもはっきり覚えている。付き合っていた彼 ...

出前の青年 r+2,405

俺が二十歳を少し過ぎたころだった。 あの頃、近所の小さな和食屋で、毎晩のように出前をしていた青年がいた。年齢は俺より三つほど下。高校へは行かず、十五か十六の頃から、あの店で住み込みで働いていた。人当た ...

三つの『ツ』 r+1,739

三年前の夏だったと思う。腕が日に焼けてヒリついていた記憶がある。 あの頃、就職したばかりの俺は、ただ生きてるだけで手一杯だった。なにかを考える余裕もなく、朝起きて、電車に揺られて、ただ席に座ってるだけ ...

叩いていたのは n+

今年の黄金週間、家族は二泊三日の旅行に出た。俺ひとりを置いて。 二階建ての家は、古びているくせにやけに広い。もとは他人の家だったのを親父が買い取り、柱や壁には、前の住人の暮らしの痕がそのまま沁みついて ...

霊視の黙 r+6,652

2025/08/21   -短編, r+
 

叔母は、生まれつき、見える人だった。 霊とか、気配とか、過去とか……そういう曖昧なものが、布の皺や汗の染みから浮かび上がるらしい。 若い頃は隠していたが、五十を過ぎてからは人の相談事を引き受けるように ...

忌箱 r+7,915

あれは平成八年、高三の秋口だった。 俺は北のほうの寒村に生まれ育って、何もない町で、娯楽も刺激もろくにない。そんな町に腐る寸前の俺たちが、当然のように憑かれたように集まっていたのが、例の廃神社だった。 ...

雨の日の花屋 r+2,425

自分が小さい頃に通っていた保育園。 今、その保育園で、昔の友達が働き始めた。久しぶりに会ったそいつと、酒を飲む機会があった。話してるうちに「そういや、あの頃の担任の先生、まだ働いてるよ」って聞かされて ...

スピリチュアル系 r+1,776

スピリチュアル系【ゆっくり朗読】 現在進行形で起こっている『呪い』に関するネタ投下 473 :パワーストーンやヒーリングバカに付ける薬なんかないよ1:2011/08/24(水) 19:48:55.33 ...

時を隔てて n+

あれは、もう何年も前のことだ。 ある晩、馴染みの客に引っ張られて、場末のスナックに行った。店の灯りはやけに白々しく、グラスの底に沈む氷の音だけが耳につくような、妙に湿った夜だった。 その店で働く女が、 ...

苗字の由来 #10,844

苗字の由来【ゆっくり朗読】 自分の苗字由来の話。 田舎の方に行くと、地域に同じ苗字の家が密集してる集落なんてのは割とよくあると思う。 で俺の住んでた地域も二、三種類の苗字が大半を占めていてました。 俺 ...

階下の奇妙な住人 r+6,511

【ゆっくり怪談】階下の奇妙な住人 西東京のアパートに引っ越した時のことです。 2DK、2階建て軽鉄骨の築2年、ごく普通の物件です。 私の部屋は3戸ある2階の左端でした。 当時、私は独身でフリーの仕事を ...

世界一残虐非道な女-ビヴァリー・アリット(Beverley Allitt)#5,309

世界一残虐非道な女-ビヴァリー・アリット(Beverley Allitt)【ゆっくり朗読】 「ミュンヒハウゼン症候群(Munchhausen Syndrome)」と呼ばれる病気がある。 語源は『ホラ吹 ...

カーテンの奥の足 r+3,704

出張で長野に行ったときの話だ。 地方の話をするのに「田舎」って言葉を使うのは少し気が引けるけれど、やっぱり都市部とは空気の濃度からして違う。呼吸するたび、肺の内側まで冷えていくような感覚がある。 長野 ...

白い靄の男 r+1,851

もう異動してしまったが、あれは去年の冬のことだった。 社会人になって六年目、誰に話しても信じてもらえないと思う。だが、あれを体験して以来、俺は毎朝手を合わせてから職場に入るようになった。 名前も場所も ...

開けてはならぬ n+

修学旅行の夜って、あんなに異様な雰囲気になるものなんだろうか。 いまだに夢の中の出来事だったんじゃないかと思うくらい、現実味がない。だけど、Aのあの目……、あれだけは絶対に現実だった。 中学二年の冬、 ...

山宿の怪 r+6,813

山宿の怪【山にまつわる怖い話・ゆっくり朗読】 祖母の法事があり、先日、十数年ぶりに故郷の山奥の町に帰ってみました。 法事の後宴会があり、そこで遠縁の爺さんに面白い話を聞いたので書いてみます。 爺さんは ...

黒階のある家 r+4,340

あの家のことを、私はまだ夢に見る。 長崎の、地図にも小さくしか記されていない島。祖父の家。もう取り壊されて存在しないはずの、その屋敷のなかを、私は夜ごと彷徨っている。 父が生きていた頃は、一切語られな ...

二階にいる嫁 r+4,199

転職して半年。部署は違うが、喫煙室でよく顔を合わせる五つ上の先輩と仲良くなった。 最初は軽い挨拶程度だったが、似たような苦手上司の愚痴でもこぼした拍子に打ち解けて、それからというもの、休憩のたびに煙を ...

目が合ったときから n+

義両親の家に呼び出された日のことを、私は一生忘れないと思う。 季節は春だった。花粉で目の周りがかゆくて、だけどそれ以上に息が詰まるような空気が、玄関をくぐった瞬間に肌にまとわりついてきた。 応接間のテ ...

ミルクのにおいがする r+7,405

上京して、ちょうど一年が経とうとしていた。 バンドで食っていこうなんて、今になれば正気の沙汰じゃなかったと思うけど、その頃は本気で「音楽で生きていく」つもりだった。金はなかった。だから四畳半のボロアパ ...

ラッパの前に畳むもの r+3,505

予備自衛官補だった頃の話だ。 もう十年以上も前になるだろうか、季節は夏、湿気の張りついた空気が制服の下を這いまわるような日々だった。大学の講義を終えて電車を乗り継ぎ、郊外の駐屯地に入ったのを、今でも鮮 ...

Nの拳 r+2,324

あれから六年が経った。 岡山の夜のことは、記憶の底で湿った石のように、どこまでも冷たく居座っている。日常に紛れて薄れていったはずのそれが、今年またNと再会したことで、ぐらりと姿を現した。 正月、大学三 ...

偶然率、ゼロじゃない n+

あれは、妙に湿った夜だった。 雨が降っていたわけじゃない。ただ空気が重たくて、吸い込むたびに肺の奥で水音が鳴るような、そんな感覚だった。友人の田代と、僕のマンションで飲もうという話になって、酒のつまみ ...

池袋通り魔殺人事件 r+7,284

池袋通り魔殺人事件【ゆっくり朗読】 わし以外のボケナスのアホ殺したるけえのお! わしもボケナスのアホ殺したるけえのお! アホ、今すぐ永遠じごくじゃけえのお! 1999年9月8日午前11時40分頃、東京 ...

白帽の後ろ影 r+10,449

先週のことだ。あれが何だったのか、ようやく少し冷静に考えられるようになったので、書いてみる。 登山、というほど大げさなものじゃないが、ウルトラライトの装備で山道を歩くのが最近の趣味になっていた。地元の ...

濁りの兆し r+4,118

あれは数年前のことだ。 小さな会社で働いていた。社員十人足らず、バイトも合わせて十五人に満たない程度の、小規模な事務所だった。業界は伏せるけど、いわゆる「勢いだけはある」ってやつで、外から見ればギラギ ...

同じ顔の亡霊 r+2,301

五年前の秋口のことだ。 大学を辞めて地元に戻って間もない頃、短期バイトで入った老人ホームで、夜勤の休憩中に年上の職員から聞かされた話がある。その人は、自衛官を目指していたある少年の家庭教師をしていたと ...

西はこちら側 n+

危険人物扱いされるのが怖くて、誰にも言えずにいた。でも、そろそろ限界かもしれない。 五年前から始まったんだ。きっかけは、テレビで野球を見ていた夜。気がついたら目の前のテーブルに、一枚の紙切れがあった。 ...

茨城上申書殺人事件~映画『凶悪』のモデルとなったおぞましい事件 #4,6748

茨城上申書殺人事件~映画 『凶悪』 のモデルとなったおぞましい事件【ゆっくり朗読】 雑誌の記者に話を持ちかけたのは、あれが初めてだった。 自分の喉の奥に長い針が刺さったような感覚が続いていて、黙ってい ...

隣室の壁 r+7,420

あれは数年前、まだ学生上がりのバイト生活をしていた頃だった。 当時住んでいたアパートの隣にいた、ひとりの女のことを思い出すと、いまだに息苦しくなる。 俺の部屋は一階の一番端。隣には、二十代後半くらいの ...

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