ネットで有名な怖い話・都市伝説・不思議な話 ランキング

怖いお話.net【厳選まとめ】

「オリジナル作品」 一覧

🚨備品庫から戻ってきたもの nc+

真夏の昼、私は沿岸の気象観測所に応援として放り込まれた。 台風期の欠員を埋めるための短期配置で、期間は三か月の予定だった。港から船で一時間ほどの小島で、観測塔と事務棟と宿舎が一体になった、要するに逃げ ...

暗い玄関の革靴と古い金属の靴べら。文字は「靴べら」「創作怪談」。

靴べら iwa+

靴を脱いだあとの玄関で、もう一度だけ踵が鳴った。 右の靴を引き抜いたばかりで、私は椅子に腰を下ろしていた。両足はタイルから浮いていたし、階段を上がってくる人もいなかった。壁に掛けた金属の靴べらが、揺れ ...

🚨火曜日の❌️ nc+

この話を最初に耳にしたのは、ある研修の懇親会だったという。 酒の勢いもあって、誰かが「県立図書館って、閉架書庫が迷路みたいだろ」と軽口を叩いたとき、隣にいた中年の女性職員が、ほんの一瞬だけ箸を止めた。 ...

洋服直し店の作業灯と、黒い糸で深く裾を縫い留めた灰色のカーテン。タイトルは折り返し。

折り返し iwa+

父から引き継いだ洋服直しの店で、カーテンの丈直しも引き受けている。 駅へ抜ける商店街の端にある、間口二間ほどの店だ。ズボンの裾上げを待つお客さんには入口の椅子へ座ってもらい、その場で仕上げる。夕方にな ...

🚨声のない水位 nc+

録音の仕事を請けたのは、まったくの偶然だった。 古い市民ホールの閉館に合わせて、最後の音響テストを記録してほしいという依頼だった。舞台は解体が決まっていて、すでに客席の大半は撤去され、壁の吸音材も剥が ...

🚨影だけが残る村 nc+

この村には、年に一度だけ時間が止まる日がある。 誰も畑に出ず、誰も鍋をかき回さず、子どもでさえ走らない日だ。その日は「影を返す日」と呼ばれている。太陽がもっとも高く昇る季節、正午のひとときに、村全体が ...

🚨逆さの器 nc+

この村では、家に死者が出ると七日間、すべての食器を逆さにして食事をする。 皿も椀も杯も、口を下に向けたまま使う。魂が器の内側に溜まらないようにするためだと伝えられている。誰が言い出したのかは分からない ...

🚨振り向いた名 nc+

この土地では、子どもが五歳になると二つ目の名を持つ。 ひとつは日常で呼ばれる名。もうひとつは「川名」と呼ばれる名だ。 川名は戸籍に記されない。学校でも使われない。家族以外は知らない。五歳の誕生日を迎え ...

🚨境界守の家 nc+

夜の塩撒き競争は、冬至の夜に行われる。 村に移り住んだ最初の年、私はその名を聞いて拍子抜けした。競争といっても、騒ぐわけでも走るわけでもない。ただ各家が黙って塩を撒く夜だと説明された。誰も詳しい理由は ...

🚨誰が聞いているのか nc+

村の外れ、山へ続く細い道の途中に、その木は立っている。 杉でも楠でもない。名を与えようとした者がいなかったのか、あるいは与えられなかったのか。幹は異様に太く、根は地表を押し割るように広がり、雨の後には ...

🚨まだ関わっていない者 nc+

村に入ったのは、誕生日の習わしを記録するためだった。 民俗学の調査という名目だったが、正直に言えば、私はこの村の風習を「倫理的でよく整った儀礼」だと思っていた。未来の子孫のために席を空け、誓いを残し、 ...

🚨燃え残った言葉 nc+

嘘を燃やす夜は、年に一度だけ訪れる。 収穫が終わり、山から乾いた風が下りてくる頃、村の広場に大きな焚き火が組まれる。その夜だけは、誰もが嘘をついてよいとされている。大げさであるほどよい。自分が王だと言 ...

🚨第四例 本書 nc+

村に入ったのは、梅雨が終わった直後だった。 四方を山に囲まれた小さな集落で、地図には辛うじて地名だけが残っている。私は民俗学を専攻する大学院生で、いわゆる「呪物」の実地調査を目的にここを訪れた。信仰や ...

🚨それっぽいから信じた nc+

夜の研究室で、私は実験データを整理していた。 テーマは、人間の判断がどれほど簡単に歪むか。代表性ヒューリスティックと連言錯誤。人は確率ではなく、それっぽい物語で世界を理解してしまうという話だ。 作業は ...

🚨夜だけ応答する窓口 nc+

深夜に原稿をいじっていると、決まって同じ窓を開く。 クラウドの文字起こしサービスだ。音声を投げると数分で戻ってくる。機械のはずなのに、毎回どこか人の気配が混じるので妙に助かっていた。 気配というのは、 ...

🚨常識定数 nc+

「常識」が発見されたのは、二〇四一年だった。 それまで常識は、測れないものとされていた。国が違えば変わり、時代が違えば変わる。同じ家で育った兄弟でさえ、「そんなの常識だろう」と言い合うことがある。常識 ...

🚨返却保管庫 nc+

【記録抜粋:第七岸壁の保管庫・聞き取り音声書き起こし】 ――録音開始。 俺があの場所と再び接続されたのは、運が悪かったからではない。事故でも災害でもない。晴れた平日の午前、会社の搬入口で足を滑らせ、金 ...

折り目 nrw+216

古い畳の部屋に、十数人が正座していた。 窓はすべて新聞紙で塞がれ、外の明るさも時間も分からない。裸電球がひとつ、黄色く滲んだ光を落としている。線香の甘い煙に誰かの汗の匂いが混じり、息を吸うたび、それが ...

🚨正しい位置 nc+

最初のメールは、夜中に届いた。 件名は空欄で、差出人の名前だけが画面の上部に淡く表示されていた。通知音は鳴らなかったはずなのに、なぜかその瞬間、目が覚めた。理由は分からない。ただ、起き上がって受信トレ ...

🚨知っているだけ nc+

彼のことを、変わっているとは思っていなかった。 優しい。気が利く。怒らない。 それだけだ。 付き合い始めた頃から、彼は私の好みをよく知っていた。 どんな飲み物が好きか、どの道を歩くと機嫌が良くなるか、 ...

🚨完成したはずの物語 nc+

最初に気づいたのは、自分の書いた文章が、保存されていなかったことだった。 下書きフォルダにもない。クラウドにも履歴がない。確かに書いたはずの一段落が、最初から存在しなかったかのように消えている。妙だと ...

🚨実体が存在しないため nc+

大学のサーバールームでアルバイトをしている僕は、学内の古いデジタルアーカイブを新しいシステムへ移行する作業を任されていた。 作業の大半は自動化されたスクリプトが処理する。僕の役目は、稀に吐き出されるエ ...

🚨薄い人たち nc+

寺田は、都市部に点在する大規模データセンターを巡回する保守点検員だった。 一年の大半を地下フロアで過ごす。太陽光の届かない通路、空調の唸り、規則正しく並ぶラック。そのどれもが日常であり、異常はログの数 ...

🚨接続不良 nc+

桐谷は物流センターの設備管理を担当している。 首都圏に点在する三つの巨大倉庫を巡回し、空調、照明、防犯設備の保守を一人で請け負う契約社員だった。夜間作業が多いが、現場に人がいない分、仕事は静かで合理的 ...

🚨受領済み工具 nc+

排水区画の落とし物・受領記録 都市の地下深くに張り巡らされた巨大な雨水調整池。設備管理員の佐山は、昼も夜も、澱んだ水とコンクリートの壁に囲まれて働いていた。地下四階より下では湿度が九十パーセントを切る ...

🚨澱みの底の蒐集者 nc+

かつて深海サルベージの現場で「鉄の肺」と渾名された男、瀬戸口がその職を辞したのは、十年前のある潜水作業が原因だった。 沈没した観測船の回収。現場は俗に「海溝の墓場」と呼ばれる海域で、潮流は読めず、常に ...

🚨重複エラー nc+

聴取記録:K印刷工場労災事故に関する参考人供述 ※本記録は当該事故発生の二日前に退職した元従業員S氏への非公式な聞き取りを書き起こしたものである。公式報告書には未収録。 (録音再生開始) 辞めた理由で ...

🚨最終試験の朝 nc+

研修医の俺が当直明けで病院を出たのは、冬至も近い十二月の早朝、午前六時だった。 三十六時間連続の勤務。救急搬送が立て続けに入り、処置室とナースステーションを何度も往復した。心肺停止の患者が一人いた。蘇 ...

🚨助手席は満席だった nc+

録音記録:案件番号904-B ――対象者:K(元長距離輸送業) ――それで、その対策というのは。 ああ。夜の国道を一人で走るのって、想像以上に神経を使うんです。特に女性だと。道の駅で仮眠していると、窓 ...

🚨閉館点呼 nc+

僕が図書館の夜間警備を始めたのは、大学院を中退して三年目のことだった。 研究職への未練はすでに薄れていたし、人付き合いの少ない仕事を探していた。市立図書館の求人を見つけたとき、条件は悪くないと思った。 ...

🚨入れた理由 nc+

最上階のアーカイブ室には、窓がなかった。 正確に言えば、あるはずの壁面に、外光の痕跡が一切残っていなかった。 私が都心の設計事務所でインターンをしていた頃、仲間二人と無断で侵入したその部屋は、建物の最 ...

🚨真ん中だけ、書かない nc+

北国の漁港だった。 観光地としての役割はとうに終わり、錆びたクレーンと廃業した缶詰工場の煙突だけが、防波堤の向こうに突き出している。集落の奥、坂を登りきった先に、小さな診療所があった。週に三日だけ開く ...

🚨街灯の中央 nc+

その話は、ある占い師が酒の席で「昔、実際にあったらしい」とだけ前置きして語ったものだという。 真偽は分からない。ただ、聞いた者の多くが、後になって同じ場所を思い出すたび、説明できない違和感を覚えたそう ...

呼ばれた。 nc+

最初は、音だけだった。 意味はなかった。ただ、空気が少し震れて、その震れが自分の輪郭に触れた気がした。 次に、繰り返された。 同じ音。少しだけ抑揚がついて、今度は確かにこちらを指していた。 それが、自 ...

描かれたのは誰か nc+

ある国に、腕は比類なく、気性だけが歪んだ絵師がいた。 殿の御用を務める身でありながら、媚びもへつらいもせず、命じられた題に対しても一切の妥協を許さなかった。その態度は、忠誠というより挑発に近かった。 ...

使われない四〇二号室 iwa+

間取り図には、確かに載っている——怪談『使われない四〇二号室』 ——出版予定 原稿 一部公開 間取り図には、確かに載っている。契約書にも記載がある。だが、そのドアは、どこにもない。 廊下の壁は、四〇一 ...

学校で女子生徒が次々倒れる「集団パニック」——“霊感の強い子”の噂と集団心因性疾患の正体 nc+

学校で、女子生徒が一人、また一人と床に倒れていく。過呼吸を起こし、泣き叫び、中には聞き慣れない低い声を出す者もいた——。こうした「集団パニック」は、特定の地域や時代に限った話ではありません。日本でも海 ...

青葉台ガーデンヒルズの影:元刑事作家が暴く閉ざされた住宅地の秘密【中編ミステリー】#745-0220

■登場人物 神崎陽一(かんざき よういち) - 45歳、元刑事、現在はミステリー作家 身長180cm、やや痩せ型だが筋肉質。短く刈り込んだ黒髪に少し白髪が混じる。鋭い眼差しと穏やかな表情のギャップが特 ...

《心理サスペンス×叙述トリック》消えた訪問者の夜~わたしは、どちらを殺したのか/志那羽岩子著

密室から消えた男がいる。同じ夜、三キロ離れた路地で死体が見つかった。そして、事件を調べている語り手のノートに、あの夜の記録がない。 志那羽岩子の新刊『消えた訪問者の夜――わたしは、どちらを殺したのか』 ...

抱擁の残り香 nc+

六月の湿った風は、排気ガスとアスファルトの熱を混ぜ合わせ、粘りつくような不快感を街に撒き散らしていた。 会社員の信二は、三ヶ月前から酷い不眠に苛まれていた。まぶたの裏にこびりついた疲労は、どれほど高価 ...

観測許可 nc+

今でも、あの夜の匂いを思い出すと、喉の奥がひりつく。甘ったるい柔軟剤と、湿った埃、金属が擦れるような微かな油臭さ。それらが混ざり合い、肺の奥に薄く膜を張る。 その施設は、駅から二つ先の住宅街にぽつんと ...

読んだあとで、記録者のほうが気になってくる怪談集~『蒐集者の手帳~忘れられなかった十八の怪談』 iwa+

怪談を読んでいて、本当に嫌なのは、派手な一撃そのものではない。 読み終わったあとで、話の細部より先に、なぜか「語った人」や「書き留めた人」の気配が残る時だと思う。 『蒐集者の手帳~忘れられなかった十八 ...

🚨すみません、ここどこですか iwa+

「すみません、ここどこですか」 深夜二時過ぎ、その女は毎月一度、同じ服装でコンビニに現れた。 防犯カメラには映らないのに、自動ドアだけは確かに開いた…… 二〇二四年三月。 茨城。 この話は、偶然聞いた ...

🚨オオカミ少女は実在したのか? インドと鹿児島、ふたつの《獣の姉妹》が暴く百年の嘘 nc+

「人間は愛で人間になる」? 小学生の頃に泣いたあの話、実はほぼ捏造だった件 1920年、インドのジャングルでオオカミと暮らす2人の少女が保護された。四つ足で走り、生肉を貪り、闇夜に目を光らせる「オオカ ...

🚨少し遅れている iwa+

午前二時ちょうどに、毎晩、非通知の電話が鳴った。 出ても、相手は何も言わない。 最初の二晩は、それだけだった。 三日目の夜、受話器の向こうで水の音がした。 細く、切れずに落ちつづける音だった。 そのあ ...

🚨認知バイアスの正体、脳じゃなかった説 nc+

「バイアス」って言葉は、今ではただの心理学用語みたいに扱われてる。 人間には考えの癖がある。物事を都合よく見る。損を嫌がる。先に信じた説明に引っ張られる。そういう話だ。 でも、昔からネットの一部では、 ...

🚨無印現場監督・清助くん物語【昭和レトロ/現場にまつわる怖い話】nc+

ポケットの中の川砂 ポケットの中にはいつも川砂が入っていた。 現場を歩くたびに靴の隙間から砂が入り込み、いつのまにかポケットに溜まる。夜、タコ部屋のような寮に戻って作業ズボンを脱ごうとすると、ジャラジ ...

記入者は誰ですか? iwa+

放課後の教室に、わたしはひとりで残っていました。 たぶん、ひとりだったと思います。 みんなはもう帰ったはずです。 でも、さっきから変な感じがしています。教室がいつもより少し広いというか、音があまり響か ...

もじもじ社 nc+

新しい就職先に選んだのは、「もじもじ社」という会社だった。 ビルの入口にはその四文字だけが貼られている。業務内容は一切説明されなかった。ただ面接で一つだけ言われた。 「目立たない方が向いています。」 ...

返事をしないこと iwa+

知人が体験した話として聞いた。四年ほど前だという。 その知人は、建物の裏側を見るのが好きだった。豪華なエントランスよりも、客が通らない通路の方に興味を持つ。どこがどう繋がっているのか、それを把握してい ...

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