ネットで有名な怖い話・都市伝説・不思議な話 ランキング

怖いお話.net【厳選まとめ】

「n+2026」 一覧

触っていない nc+

朝の申し送りが終わる前から、病棟がざわついていた。 「飛び降りがあったらしい」 誰かがそう言って、誰かが「またか」と舌打ちした。 その病院は、糖尿の患者が散歩に使うという名目で屋上が常時施錠されていな ...

足元の助手席 nc+

エンジン音とアイドリングの微振動が、腹の奥に溜まっていた疲労をかき混ぜるように響いていた。 その日は、理由のはっきりしないだるさが朝から抜けなかった。寝不足でもなく、仕事が立て込んでいたわけでもない。 ...

たんぽぽの帽子 nc+

私の祖母は、編み物が得意な人だった。 いわゆる霊感だとか不思議な力だとか、そういう言葉で説明されがちな人でもあったが、私にとっての祖母は、冬が来るたび黙々と毛糸を編む、少し無口で、少し心配性な人だった ...

通り道 nc+

休日の午後だった。 外出の予定はなく、母も私も家にいた。母は居間で新しく買ったテレビゲームに没頭していて、私は床に座り、猫たちとだらだら過ごしていた。窓は閉まっている。外は静かで、風の音も聞こえない。 ...

戻った者 nc+

山の奥に、集落の者が決して近づかない場所がある。 地図には載っていない。載せる必要がないからだ。そこへ至る道は、途中で必ず消える。舗装は途切れ、獣道になり、最後は踏み跡そのものが消失する。方向だけは皆 ...

降霊陣 nc+

これから書くことは、かつて出版社に勤めていた父が、ある人物から預かっていた体験談である。 事情があって長く表に出なかったが、書いた本人は「自分のような軽率な人間が一人でも減るなら、それでいい」と言って ...

正午の影 nc+

昔、小学四年の終わりまで、雇用促進住宅と呼ばれる団地に住んでいた。 いわゆる典型的な団地で、一号棟と二号棟が向かい合い、その間に広めの公園が挟まっている。ベランダ同士も真正面に向き合う配置で、洗濯物や ...

二階で叱られる子供 nc+

子供の頃、埼玉との県境に近い場所にある古い団地に住んでいた。 いわゆるニュータウンの成れの果てで、建てられた当初は相当な世帯数があったらしいが、私が物心ついた頃にはすでに空き部屋が目立ち、夜になるとい ...

一歩先が無かった nc+

谷川岳に行ったのは、私が小学生の頃だった。 群馬に住む母方の祖父母の家へ、両親と三人で出かけるのは年に数回の恒例だった。仏壇に線香をあげ、霊園で墓参りを済ませ、そのまま東京へ戻る。その途中で、どこか観 ...

反射しない鏡 nc+

七月の終わりだった。 東京で生まれ育った一人っ子の自分は、ほぼ毎年、夏休みを丸ごと使って母方の祖父母の家に預けられた。両親は共働きで、いわゆる鍵っ子だったから、祖父母の家に行くのはたいてい自分ひとりだ ...

帰らなかったもの nc+

晩秋のある日、幼い私は家の玄関先でひとり遊びをしていた。 学校から帰ってくる兄たちを待つ間、牛乳瓶やワンカップの空き瓶に小石や木の実を詰めては並べる、他愛のない遊びだった。 しゃがみ込んで下ばかり見て ...

祭りの日の余分な椀 nc+

私の祖母はいわゆる「みえる人」だったらしく、私は子どもの頃から、祖母にさまざまな怖い話や不思議な話を聞かされて育った。 これは、その中でも今になって考えると、妙に喉の奥に引っかかる話だ。 祖母は料理が ...

数が合わなくなる道 nc+

沈丁花の香りがすると、足が止まる。 それがいつからなのか、自分でもはっきりしない。気づけば春先になるたび、理由もなく歩調が乱れ、視線が低くなり、無意識に道端の植え込みを探すようになっていた。 中学生の ...

学校で女子生徒が次々倒れる「集団パニック」——“霊感の強い子”の噂と集団心因性疾患の正体 nc+

学校で、女子生徒が一人、また一人と床に倒れていく。過呼吸を起こし、泣き叫び、中には聞き慣れない低い声を出す者もいた——。こうした「集団パニック」は、特定の地域や時代に限った話ではありません。日本でも海 ...

山に残った火 nc+

炭焼きの仕事というものが、どれほど人を山に縛りつけるものだったのかを、いま正確に想像できる者は少ない。 かつて各地の山中には、炭窯と小屋だけを頼りに、長いあいだ泊まり込みで炭を焼く杣人たちがいた。朝も ...

猫の視線 nc+

隣の家には猫がいた。名前はキクという。 白と黒のまだらで、背中の毛が少しだけ逆立って見える、妙に年寄りくさい猫だった。 その猫は、隣家の婆ちゃんにだけ懐いていた。畑に行くときも、寄り合いに出るときも、 ...

ディアトロフ峠事件~死の山の九人 nc+

ディアトロフ峠事件を調べると、最後に必ず同じところへ戻ってくる。 なぜ死んだのか、ではない。 なぜ、外へ出たのか。 一九五九年の冬、ソ連のウラル山脈へ向かった九人の登山者は、全員が帰らなかった。彼らは ...

光の糸 nc+

散歩の途中だった。 季節は覚えていない。湿り気のある空気と、舗道脇の雑草の匂いだけが、今もやけに鮮明に残っている。私は当時まだ若く、高校で漢文を教え始めて数年目だった。歩くことが好きで、授業の合間や放 ...

山の神の日 nc+

毎年一月十二日は、その土地では「山の神の日」と呼ばれている。 山の神が山に生えている木の数を数える日であり、その日は理由を問わず誰も山に入らない。森林組合でも伐採や巡視は完全に止まり、林道の入口には簡 ...

反応 nc+

夜の工場というのは、昼間とはまるで別の顔を持つ。 機械の稼働音が止まり、照明も最低限に落とされた空間では、広さそのものが不自然に膨張する。音が消えることで、距離感と時間感覚が曖昧になり、普段なら気にも ...

腹が減る話 nc+

私の祖母はいわゆる見える人だったらしい。 少なくとも、そういうふうに周囲から言われていた。 私は祖母に育てられたようなものだった。両親が共働きで、放課後や長期休みはいつも祖母の家にいた。だから怪談も不 ...

歌っていた nc+

俺が小学校一年から六年までを過ごしたのは、オランダのユトレヒトという街だった。 親の仕事の都合で移り住んだだけで、特別な理由があったわけじゃない。 在蘭日本人の子どもは、たいてい日本人学校に通う。けれ ...

本当に欲しい人:モノバコに届いた、削除できないコメント/志那羽岩子【Kindle出版】

「本当に欲しい人」は本当にそこにいるのか。削除できないコメントから始まる現代怪談 怖い話を読んでいて、いちばん嫌な気持ちになるのは、はっきりした幽霊が出てくる場面よりも、「これ、現実でも少しありそうだ ...

最初の利用者 nc+

久しぶりに実家へ帰ったとき、母がぽつりと「近所に火葬場が出来た」と言った。 声の調子が妙に沈んでいたので、最初は反対運動でもあったのかと思った。どこかには必要な施設だし、煙や騒音が出るわけでもない。田 ...

神より高い場所 nc+

小さい頃、盆と正月だけは必ず父方の田舎に帰っていた。 四国の山間部で、最寄りの国道から車で一時間以上かかる。集落といっても十数軒が谷に沿って点在しているだけで、夜になると人の気配は完全に消える場所だっ ...

客席のそば nc+

深夜、ベッドに横になっていると、必ず同じ音で目が覚めた。 ずり……ずり……と、床を引きずるような音。 最初は気のせいだと思った。古いアパートだし、配管の音か、隣の生活音が反響しているだけだと自分に言い ...

間に立つもの nc+

山行六日目。 三千メートルの稜線から一気に高度を下げる行程は、その一年坊にとって、ほとんど拷問に近いものだった。 歩き始めて十分もしないうちに、俺は異変に気付いた。 背中越しに見える彼の顔色が、はっき ...

根が絡む場所 nc+

前にどこかで読んだ話だ。誰が書いたのかも、どこに載っていたのかも思い出せない。ただ、山に入るたびに、必ず頭の片隅に浮かぶ。 山菜目当てで山をうろついていた男がいた。 春先で、まだ人の入りも少ない時期だ ...

雪が降っている場所 nc+

珍しく大人数となったその日の登りは、事前の打ち合わせ通り、パーティーを二つに分けて行動した。 小型無線機を装備し、二つのパーティ間で一時間ごとに定時連絡を取る。通信訓練も兼ねた、いわば余裕のある山行だ ...

黄色い線の内側 nc+

子どもの頃、霊感が強いと言われていた。 正確には、見えてはいけないものが見えていただけだと思う。人の後ろに立つ影、夜の部屋の隅で動かない気配、そういうものが、他の子には見えないのだと後から知った。 成 ...

母が拭いたもの nc+

いつもと変わらずに布団に入った。 その日は少し疲れていた気がするが、特別な出来事は何もなかった。部屋の電気を消し、仰向けになり、天井の暗さをぼんやり眺めながら目を閉じた。耳の奥で血の流れる音がして、意 ...

二週間だけの家族 nc+

隣の部屋に夫婦が引っ越してきたのは、去年の夏だった。 自分は写真の専門学校に通っていて、学校の近くの木造アパートで一人暮らしをしている。風呂なしトイレ共同、四畳半一間。畳はところどころ黒ずみ、壁は板切 ...

音だけが先に来る nc+

夜の山では、音だけが先に来る。 父がその話をしたのは、酒が少し回った冬の夜だった。昔話として語るには、妙に具体的で、妙に余白が多い話だった。 父が十代の頃、熊本の山で炭焼きの手伝いをしていた時のことだ ...

一度目の落下 nc+

沢登りは三人だった。 経験も装備も揃っていたし、無謀な計画ではなかった。問題は、途中で出てきた十五メートルほどの滝だった。 水量が多く、岩は濡れて苔が厚い。直登は無理だと判断し、滝の左岸を大きく巻いて ...

凍った足音 nc+

親父がまだ二十代の頃、冬山に取り憑かれていた時期の話だ。 当時は今ほど装備も整っておらず、上高地へ入るにも命がけだったという。親父たちは数人のパーティーで、厳冬期の縦走計画を立てたが、天候と行程の都合 ...

首までの場所 nc+

郷土史家から聞いた話だ。 長野県の東信地域に伝わる、ある姨捨(おばすて)の話である。楢山節考で知られる姨捨山伝承とは別系統の、より生々しい口減らしの記録だった。 明治期、道路拡張工事の際に、奇妙な遺構 ...

逃げろ nc+

友人から聞いた話だ。 彼の家は、祖父の代から山を持っている。檜と唐松を植え、定期的に枝打ちや間伐をしてきた。山仕事は日常であり、特別なものではない。 その日も、彼は一人で檜の間伐に入っていた。 エンジ ...

夢の話は外に出る nc+

年長さんの頃の話だ。 その日は婆ちゃんの家に泊まっていて、夜中にひどく怖い夢を見た。内容はもう覚えていない。ただ、目を開けた瞬間に胸の奥がぎゅっと縮んで、このまま一人でいたら何かが起きると確信するよう ...

数えられた弾 nc+

明治も半ばを過ぎた頃の話だ。 山に生きる猟師は、鉄砲の扱いだけでなく、弾を作るところから自分の仕事だと教えられていた。鉛は町で買えるようになっても、弾だけは自分の手で丸めたものしか信用しない。夜なべ仕 ...

人数の欄は空白 nc+

夏山開きの直前になると、必ず一通の案内状が届く。 山奥のその小屋は、年に四ヶ月ほどしか営業せず、残りの八ヶ月は完全な無人になる。 夏でもスキーができるほどの場所で、以前は小屋の周囲から雪が消えることは ...

階段の裏側 nc+

小学校を卒業するくらいまで、俺は市の外れにある古い団地の四階に住んでいた。 築年数は分からないが、外壁はところどころ剥がれ、階段の鉄柵は赤茶け、夜になると蛍光灯が半分ほどしか点かないような場所だった。 ...

祓われなかった順番 nc+

二年ほど前の話になる。 その年の夏、俺は立て続けに不運に見舞われていた。仕事では考えられないような初歩的なミスを何度も繰り返し、追突事故を起こし、隣県に遊びに行った際には駐車中の車に悪戯までされた。原 ...

祝詞を上げた者 nc+

先日、以前勤めていた職場の同僚と再会した。 私の前職場は地方の神社で、同僚は今も神主を続けている。酒席での他愛ない昔話が一段落した頃、彼がふと思い出したように、ある神主の名前を出した。 その人物は、県 ...

両手に残った感触 nc+

小学生の頃、家から自転車で三十分ほど走った先に、小さな山があった。 舗装路から外れ、最後は土と石ばかりの道になる。人が来るような場所じゃない。だから俺と、いつも一緒に遊んでいた友達二人にとっては、完全 ...

来ないで下さい nc+

高校に入ってしばらくした頃から、なんの前触れもなく女の幽霊を見るようになった。 心霊スポットに行った覚えもなければ、罰当たりなことをした記憶もない。事故や病気に遭ったわけでもない。きっかけらしいきっか ...

見られているだけの部屋 nc+

今から八年前の今頃の出来事だ。 当時の私は、学校のコネで入った会社でパートの古株から露骨な新人いびりを受け、気付いた時には拒食症になっていた。親から「鶏ガラ」とあだ名を付けられるほど痩せ細り、心身とも ...

入れなかった女 nc+

4年前くらいの話になる。 当時住んでいた部屋は、なぜかやたらと人が集まる部屋だった。 誰かが「落ち着く」と言い出してからは、ほぼ毎日のように友達が遊びに来て、そのまま泊まっていくことも珍しくなかった。 ...

ペダルの感触が消えた夜 nc+

高校生の頃の話だ。 部活が終わって、だいたいいつも二十一時前後に家へ帰っていた。場所は秋田のかなり田舎で、街灯はあるにはあるが、等間隔というには心許なく、田んぼと用水路と空き家が交互に続くような道だ。 ...

栓は触っていない nc+

高校生の頃、私はファストフード店でアルバイトをしていた。 そこで一つ年上の彼氏ができた。 同じ店に、彼の元カノも働いていた。 付き合う前に一度だけ顔を合わせたことはあるが、会話を交わした覚えはない。私 ...

手を離さない nc+

今はもう辞めてしまったが、少し前まで、とある公共施設の管理人兼受付の仕事をしていた。 入場無料で、冷暖房完備、特に利用制限も厳しくない施設だったから、昼夜を問わずいろいろな人間が出入りしていた。近所の ...

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