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短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚 n+2026

閉まっていたはずの内側 nc+

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息子が二歳のときに、今の家を建てた。

それまで畑だった土地で、さらに遡っても雑木林程度だったと聞いている。地盤調査も問題なく、ごく普通の新築だった。

入居して間もなく、息子が「鈴の音がする」と言い始めた。二歳なりたてで言葉も拙く、詳しい話にはならない。ただ、何度も同じことを言う。耳の検査を受けても異常はなかった。
そのうち「廊下をおじいちゃんが通った」と言うようになった。うちは核家族で、同居の老人はいない。ダイニングとリビングをつなぐ扉に細い飾り窓があり、その向こうを、奥の部屋から廊下に出て玄関の方へ歩いていく姿を見たらしい。

同じ頃、一階にいると二階で、陶器を床に置いたような重たい音が数日に一度聞こえた。ある日、二階の床に平積みにしていた文庫本が崩れていた。誰も触っていないはずだった。
不安に耐えきれず、ハウスメーカーに点検を頼んだ。床下から屋根裏、通風孔まで調べてもらったが、動物の可能性はないと言われた。音がしたときの天気や風向きも記録していたが、規則性はなかった。

ある日の昼、寝室で私がうたた寝をしていた。横で息子を遊ばせていたら、突然火がついたように泣き出した。
「ドアのところに、目が白い女の人がいる」と叫び、私のタオルケットに頭から突っ込んできた。寝室のドアは閉まっていた。私は抱き寄せながら、なぜかドアノブから手を離せなかった。触ると、冷たさがいつもより長く残っていた。

息子は三歳になる直前で、言葉はまだ不確かだったが、「気づいたら立っていて、こっちを向いていた」と言った。その日を境に、何も言わなくなった。すぐに下の子が生まれ、忙しさの中でその出来事も薄れていった。

下の子が二歳を過ぎた頃、真夜中にまったく同じことが起きた。突然泣き叫び、「ドアに白い目の人がいて、こっちを見てる」と言う。やはりドアは閉まっていた。私は布団をかぶり、子どもを抱いてやり過ごした。その晩、ドアノブは朝まで冷たいままだった。

それ以降、何も起きていない。
寝室は今も私一人で使っている。音もしないし、誰も立たない。
ただ、夜中にふと目が覚めると、無意識にドアノブを見ている自分がいる。
そこに何もないことを、毎回確かめるために。

[出典:909 :本当にあった怖い名無し:2019/04/24(水) 17:19:28.02 ID:CqjwhYRa0.net]

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