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奇妙な村人【ゆっくり朗読】5633-0101

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友人の奥山とある村に行ったときの話。

メアさん 2008/08/31 00:59「怖い話投稿:ホラーテラー」

俺と奥山は仕事がらいろいろな地方を旅して回ることが多い。

仕事はテレビ局関係ではなく、雑誌の記者みたいなものだ。

その日は、ある村の心霊現象についての取材だった。

昔何かがあって村人の大半が死んだことで有名な村だった。

しかし、このての取材は時期になるとよく派遣されるものでそれもきまってただの見間違いや風や雨などによる自然現象が原因なのが落ちだった。

まあそこをうまくするのが俺たちの仕事なのだが。

このときも俺たちは、どうせデマだろうと思いさっさと変えって打ち上げでもしたいと考えていた。

しかし、ことはそう簡単には進まなかった。

東京から車で出て四時間、県境を越えたあとは山奥をさらに奥へと進む。

そんなへんぴな場所にその村はあった。

家はけっこう建っていたが、見た目のぼろさや、ところどころはがれ落ちた壁などで、もう長いこと誰も住んでいないことは一瞬で見て取れた。

村じたいは周りを高い木で囲まれており、まだ少し昼を過ぎたくらいだというのに、太陽の光も当たらないなんとも暗い場所だった。

俺と奥山はさっそく取材を始めた。

まずはボロ家の写真をかたっぱしからとり、その後いかにもふいんきがありそうな沼や、学校を取ったりした。

……とりたい写真がとり終わる頃にはもうあたりは暗くなっていた。

俺と奥山は相談した結果。暗いと山道は危険だし、取材もはやく終わったから、今晩はここで過ごそうといことになった。

俺たちは車で学校の前まで行き、そこに車を止め、軽い夕食をとると、夢の世界へと落ちていった。

どのくらたっただろうか。

ふと目が覚めた俺は軽く伸びをすると、携帯で時間を確認した。

時刻は午前一時五十分。

あまりにも早く起きすぎたと思い、もう一眠りしようと、ふと窓の外の廃校に目をやった。

俺は、目の前の光景に目を疑いそうになった。

学校の教室の電気が全てついていたのだ。

しかもよく見ると人らしき陰も見える。

おかしい。だってこんな時間だ。

普通に考えてこんな時間に学校の電気が、ましてや人が学校にいるわけないし、第一ここは廃村だ。

俺はもってきていたビデオカメラをズームにして中の様子を見てみた。

……やっぱり人だった。

それも老若男女とわずさまざまだった。

そんな俺の気配にきずいたのか奥山が起きてきた。

俺は眠気まなこをこする奥山にビデオカメラを渡して、黙って学校のほうを指差した。

するとみるみるAも、驚いた顔になり、その光景に釘付けになった。

俺たちはしばらくそれを見ていた、しかし、奥山がもっと近くで見よう。

これはスクープになるっと言い出した。

いつもの俺なら、こんな大チャンス絶対に手放そうとは思わなかっただろう。

だがこのときの俺は違っていた。

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何かよく分からないが、すごく嫌な予感がした。

だから俺は奥山にこれだけはやめておこうと反対をした。

だけど奥山は大チャンス大チャンスと言ってまったく聞く耳をもたなかった。

しばらく口論を続けていたが、奥山がもういいと言って、無理やり車のドアを開けようとした。

俺は必死になって止めた。なぜだか必死になって止めようとした。

しかし奥山はついに扉を開けてしまった。

そう、それはごくわずかな音だった。

車の戸が開く音など、とてもごくわずかだ。

しかし俺は見てしまった。

俺は見てしまった。

奥山が扉を開けたと同時に一斉に学校にいる人が俺たちのことを見たことを。

俺は驚いて怖くて息をするのさえ忘れてしまいそうだった。

俺の様子にきづいた奥山にも俺の視線の先をたどった。

そして驚愕した。

そのとき、学校の電気が一斉にフッと消えた。

俺と奥山はびくっとした後二人して顔を見あわせた。

することはお互い決まっていた。

逃げよう。

俺は急いで車のエンジンを作動させた。

さあ、いざ発進っと思ったときまた学校のほうを見た。

……俺は今度は悲鳴を上げた。

なんと学校にいた人間が昇降口からもうダッシュで追いかけてきていて、しかも手には、おのおのそれぞれ何か持っているのだ。

しかし、あれが鉈や鎌などの凶器だと悟ったときにはもう車は発進していた。

俺はこれまでのなかで一番まじめに身長に運転をした。

車に追いつくことはないと思うが、それでも出している速度は80キロを越していた。

俺たちはただ前だけを見ていた。

けっして左右を見ようとは思わなかった。

だって、家という家から女子供が顔を出して、俺たちを睨んでいたから。

村を出た。

狭く荒れた山道もなんとか越えることができた。

本当にここはなんて村だ。

雛○沢、羽○田村、杉○村。

俺の中に、空想のなかの村がいくつも頭に浮かんだ。

多分どれも正解にはならなかった。

高速にのり、サービスエリアについたときは二人とも汗びっしょりだった。

俺たちはこんどこそ、ちゃんとした安眠をとることができた。

ぐっすりと眠れた。

俺と奥山は記者をやめた、俺も奥山も会社は別だが、サラリーマンをやっている。

生活は充実している。

たまに奥山と会ったときにはいつもあのときの話をする。

本当にあれは怖かった。

……あのあと会社に戻った俺たちは、部長に必死にあのときの体験を説明した。

だけど部長を含め誰も俺たちの話を信じなかった。

学校をとったビデオカメラにもなんにも映っていなかった。

でも俺は信じてる。

あのときの体験を。

だってげんに会社に帰った後車の後ろを見てみると、傷がたくさんついていたから。

あれは、あの人達……

いや村民たちが投げた石の傷だと、そう今ならはっきり言えるきがする。

(了)

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