短編 洒落にならない怖い話

魔の三角地【ゆっくり朗読】6000

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実家の近くに賃貸マンションがある。

465 :本当にあった怖い名無し:2012/06/19(火) 03:55:48.59 ID:wHEb0Gnd0

狭い三角地に造られたから世帯数は二十五ぐらい。

三角地は縁起が悪くて商業には向かない。必ず潰れる。

だからか、建てられるまえは墓石屋さんの無人展示場になってて、隅には無縁さんの墓石が積んであった。

俺のオヤジは石工だったから、墓石の扱いについて少し知識がある。

今でも墓石は特定廃棄の対象だ。

無縁さんにしろ墓の立替にしろ手順がある。

まず、お坊さんが墓から魂抜きのお経を唱え、墓石を撤去する。

そして戒名をノミで削る。

廃棄された墓石は通常ならばまっぷたつにされ、一般の目に触れないようにするが、たまに土地に置かれる事がある。

墓石は仏さんが入ったものは不浄の扱いなので、置く土地は不浄の土地となる。

その賃貸マンションはなにか起こるぞと噂がされてて、やっぱり殺人が起きた。

三角地で繁盛するのは葬儀屋。

俺の経験上、紹介された物件で気が乗らないもの、いやな感じのするものはやめといたほうがいい。

空き物件はそれなりの理由があって空いてるわけだから。

あと、不動産屋の営業さんは以外と内情は知らないよ。

大家に短刀直入で聞いて反応で判断がいいかも。

これも実家からそう遠くないところにある、三角形の土地の話。

三角形で道の行き止まりにあたる場所に空き地があって、行き止まりで不便なこともあり、加えて三角形ということで買い手がつかず。

けれど、やっと買い手がついてそこに家を建てた。

近所の人の噂話では、安値に惹かれて買ったのだとそこの住人から聞いたらしい。

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そこに最初に住んだ一家は両親と娘二人だけど、娘達が発狂して引っ越した。

具体的には、夜中にベランダで祈っていたり歌っていたり踊っていたり。

しばらくして別の家族が引っ越してきた。

それから五年くらい経ったけど、不幸になっている。

定年後の夫婦とその息子だったけど、息子は精神を病んで家の中から出られない。

雨戸を閉め切って三百六十五日、家の中にいる。

たまに玄関先にいるけどすぐ中に入るらしい。

奥さんは急死。原因は判らない。

旦那さんもまた精神を病んでしまったのか、ハーモニカを吹いていたり、一人でブツブツ何かにずっと話していたり。

目が完全におかしい。

引っ越してくるまで、普通の幸せそうなご家族だったらしいのに。

単なる引きこもりと奥さんに先立たれた老人と言ってしまえばよくある話で、ただの偶然かもしれない。

ただ、前住人も発狂し、今の住人も精神を病んだというのは気持ち悪い。

(了)

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