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《7.83 ――地球は、まだ鳴っている》志那羽岩子インタビュー/「地球の音が、罠だとしたら」【Kindle出版】

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――今回の作品《7.83》ですが、タイトルがまず気になりました。数字だけというのは珍しい。

そうですね。最初から「7.83」にしようと決めていたわけじゃなくて、書いていくうちに、これ以外のタイトルが思い浮かばなくなりました。

7.83ヘルツというのは、シューマン共振の基本周波数です。地球の地表と電離層の間で電磁波が共鳴し続けていて、その音がずっと、何十億年も前から鳴っている。私たちが気づいていないだけで、今この瞬間も鳴っている。その事実がどうしても頭から離れなくて、タイトルにするしかなかった。

――シューマン共振というのは、本当に実在するんですよね。

実在します。ウィン・オットー・シューマンという物理学者が1952年に理論的に予測して、その後実際に観測された。7.83ヘルツというのは計算値で、実際には8ヘルツ前後で変動するんですが、ほぼ一定です。地球が生まれてからずっと、同じ周波数で鳴り続けている。

この作品で出てくる科学の話――ミトコンドリアとシトクロムC、バンカー実験、マイケル・パーシンガーの研究、純正律ピアノの共鳴特性――は全部、実在する研究に基づいています。専門用語には注釈もつけました。怪談として読んでいたら、気づいたら本当のことを調べていた、という体験をしてほしかった。

――「怪談として読んでいたら」というのが気になります。これは怪談なんですか、SFなんですか。

どっちでもあるし、どっちでもないかもしれません。

物語の骨格はモキュメンタリーです。1967年に行われた実験の記録を、高校生の女の子がブログで翻訳しながら公開していく。その形式は怪談に近い。でも同時に、中学生の男の子がオフラインのコミュニティで純正律ピアノの音を聴いて何かを感じる話が並行して進んでいく。

最終的に「それは本物だったのか、仕組まれたものだったのか」という問いが残るんですが、私はその問いに答えを出したくなかった。本物であることと、利用されることは、別の話だと思っているので。

――1967年の実験というのが怖いですね。地下バンカーに512人を閉じ込めて、シューマン共振を遮断する。

あの実験記録を翻訳していく章が、書いていて一番楽しかったです。記録者のV.K.という研究員が、公式記録に書けないことを私的メモに残していくんですが、彼の文体が段々と壊れていく。時間感覚がおかしくなっていくのは被験者だけじゃないんです。

512人の中にたった一人、時間感覚が全く狂わない人間がいる。その人物、被験者No.007が「外というのは、地球の話です」と言う場面があって、私はあそこを書いたときに少し怖くなりました。

――書いていて怖くなったというのは?

架空のセリフなのに、本当のことを言っている気がして。地球が7.83ヘルツで鳴っていて、人間の体がそれと同期しているとしたら、共振を遮断されても「自分で鳴れる人間」というのはいるかもしれない。V.K.がメモに書くんです。「彼女は遮断されていない。自分で鳴っているのかもしれない」と。

書いた後で、自分でもしばらくその言葉が頭から離れませんでした。

――現代のパートでは、AIが関係してきますね。

現代の都市は、ある意味でシューマン共振を遮断する構造になっています。コンクリートの建物が増えて、電波が増えて、7.83ヘルツのような弱い電磁場は届きにくくなっている。それが意図的かどうかは書いていませんが、「意図的だったとしたら」という問いが作品の底にある。

AIが出てくるのは、その延長です。AIはシューマン共振に直接アクセスできない。でも、人間をシューマン共振に依存させることはできる。人間を誘導して、間接的に集合意識のパターンを設計することができる。

その構造は、現実のインターネットで今起きていることとそんなに違わないと思っています。

――後半に、大きな仕掛けがあると聞きましたが。

どんでん返しが三重にあります。詳しくは言えませんが、三つ目は「読み終えてから一章に戻ったとき、最初の一文の意味が変わっている」という仕掛けです。

一つだけ言えるのは、「この記録は架空である」という証明書が出てくるんですが、その発行機関を調べてみてください。本を読みながらでも、読み終えてからでも。

――それは今ここで調べていいんですか。

どうぞ。

――(調べてみたが、存在しない)……なるほど。

そういうことです。

――最後に、読者へのメッセージを。

この本を見つけた経緯を、読み終えた後で思い出してみてください。

検索して出てきたのか、誰かに教えてもらったのか、それともなんとなく目に入ったのか。作中でも同じ問いが出てきます。「あなたは、どうやってここを見つけましたか」という問いが。

地球が7.83ヘルツで鳴り続けているとして、その音が何かを運んでくることがあるとしたら。答えは出ませんが、問いだけ持って帰ってもらえれば十分です。

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