みんなは呪いって信じる?
有名どころだと、丑の刻参りとかブードゥーとかあるけど。
これは俺が呪いの存在を信じずにはいられなくなった話。
当時、俺の通っていた中学に、典型的な不良の次郎(仮名)ってやつがいた。
次郎は盗み、暴行は当然で、地元の暴走族の幹部をやってたらしかった。
次郎は学校で好男(仮名)って奴を見てられないぐらいイジメてた。
ある日、次郎はそのイジメてた好男の家に空き巣に入った。
ところが丁度好男の親が帰ってきて鉢合わせになってしまった。
何を思ったか、というか不良だからだろうが、次郎は好男の親に暴行を加え病院送りにしてしまった。
しかし、次郎にはなんのおとがめもなかった。
当時、みんな不思議がってた。
中学卒業後も順調に不良として成長した次郎は、ニュースにもなった高校生がリンチで死んだ事件とか、強力ンとかに関わった主犯格と自慢気に話していたらしい。
でも、どういうわけかおとがめがない。
次郎自身も不思議には思っていたらしいが、ラッキーぐらいに思っていたらしい。
そんな次郎が成人式を前に自殺した。
あの次郎が?ってみんな疑ってたんだけど、成人式で本当だってわかった。
成人式の打ち上げの席で、得意気に話す好男を見つけた。
近くで盗み聞きすると
「親がリンチされた後、通報するか迷ったんだよね。けどさ、中学生で捕まってもたかが知れてるじゃん?
だからさ、一家で二十歳までに死にますようにって呪ってやった。お前らも困ったら方法教えてやるよ」
……と話していた。
そんな好男も最近自殺した。
呪い返しってやつかな?
真偽は分からないけど、地元ではみんなそう噂してる。
(了)