短編 洒落にならない怖い話 ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間

ポコさん【ゆっくり朗読】5160

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私の体験談での洒落怖話

720: 本当にあった怖い名無し:2010/07/24(土) 03:23:49 ID:FKv3ogQo0

私の近くの公園にいつも、ポコさんという大道芸人みたいなおじさんが週に三回来てた。

顔は白粉か何かで白く塗り、眉毛を太く塗り、ピエロの様な格好でいつもニコニコしてた。

ある日は紙芝居をしたり、また別の日にはジャグリングをしたり、風船で動物を作ったりと多才な人だった。

ポコさんが来る時には何時も決まって、ラッパの様な笛で「ポーポー」と音を鳴らしながら、空いてる手で小太鼓を叩く。

「だからポコさんって呼ばれてまーす。」と本人が言ってた。

そのポーポーコンコンの音を合図に近所の子供は勿論の事、中学生や子連れのママさん達も集まるぐらいに人気だった。

それがある日、急にぱったりと来なくなった。

楽しみにしていた子供達は今日こそは、今日こそはと待つも、とうとう四ヶ月たってもポコさんは来なかった。

それから四ヵ月後、ポコさんの笛の音と太鼓の音が公園から聞こえた。

ワイワイガヤガヤと子供達が集まっていく。

私も同様に友人達とそこへ向かった。

すると公園の中央で、笑い声とも叫びともつかぬざわめきが聞こえてきた。

私達がそこに着く頃には、十六人ぐらいの子供達がポコさんの前で座ってたが、何故か子連れのママさん達は皆帰っていった。

そして何時もなら「ポコさーん」と声を掛け合っている子供の集団も、不安げに静まり返っていた。

それらの違和感の正体は、ポコさんの顔を見て直ぐ分かった。

事も在ろうに、ポコさんは白塗りの顔に、赤い血を目や口から出してるペイントをして、髪の毛を白髪にしていたのだ。

ポーポーコンコンの音を鳴らしながら、見開かれた目は血走っていた。

しかし、それも演出の一つなんだろう。という思いから、私や友人もみんなの和に入り、座って演目の開始を待った。

それから数分後、その日用意されたのは紙芝居だった。

いつも通りの明るい声で「さーて、始まるよー。今日の紙芝居はー」と捲った瞬間、子供達は悲鳴をあげた。

『最愛(さいあい)の死(し)』とタイトルされた赤い手書きの文字。

そして正真正銘の死体の写真(グロでは無く死装束で棺おけに入ってるもの)が紙芝居には掲げられていた。

子供達のあまりの悲鳴に大人が何人か来て、その写真を見つけ「おいおい、ポコさんこれはあまりにもひどいよ・・・。」と言うのを無視して、ポコさんは話を進める。

さらに捲られた一枚には、血まみれの死体(グロ写真)が。

流石に子供達は散散と逃げまわり、二人の大人がポコさんを止めにかかったが

「お、おーまーえーか!!!」

と大声をあげながら、持っていた太鼓の鉢や笛で叩いて錯乱状態。

取り押さえられて、連絡をうけた警察に連れていかれた。

どうやら紙芝居の中身は、大人が吐く位のものだったらしく、片付けを手伝ったママさんの一人がもどし、伝播したおじさんの一人も吐いた。

あとで聞いた話では、ポコさんの身内で不幸があったとの事だった。

町内の噂では、ポコさんの目の前で起きた轢き逃げ事故だったらしい。

犯人は捕まったもののやりきれない思いから、壊れたのだろう。

との事だった。

この話には続きがある。

ある朝の五時ごろに、ポーポーコンコンという音を聞いた。

八時ごろ学校に行く為に外へ出たら、公園の方向が騒がしく、向かうとビニールシートで囲まれていた。

いつもの格好のままポコさんは自殺したらしい。

それからというもの、誰もいない公園から笛と太鼓の音が聞こえたとか。

朝、家の前の道を誰かが、ポーコン鳴らしながら歩いてたという噂が後を耐えない。

私も何度か体験しているが、それは何だか悲しい音色でした。

以上です。

ポコさん、そんだけ奥さん愛してたんだろうね。

でもやりすぎです。

トラウマになってピエロを見るとそれを思い出すし、子供を巻き込んじゃだめだよ。

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