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短編 怪談

三角屋敷の怪

投稿日:

いつのころかあるのかは知りません。私が小学校に通い始め、物心ついたころにはその家はすでにありました。

319:2005/02/12 01:04:26 ID:yLlZQABK0

結構田舎で学校に通うのにあぜ道を毎日通っていました。

現在はもうその土地を引越して住んでおりません。

その途中にある一軒の家の話です。

その家は昔からあるというわけではなく、和風建築の割と新しい家でした。

小学校一年から五年生までの間はなんの噂もなく、私も気にとめておりませんでした。

五年生の夏の時期に大場君が転校してきてから、その家が何なのか分かりました。

その家の話を書く前にひとつ予備知識として、その家のお向かいの家について説明しないとなりません。

便宜上お向かいの家を「家A」、問題の家を「家B」として書きます。

問題の家の建っている区画は、私が生まれるころくらいからのいわゆる新興住宅地と呼ばれるところでした。

実際に家が建ち川が整備され、畑もなくなっています。

さて家Aについてですが、非常に奇妙というか異常というか玄関のどまん前に祠がたっております。

どれくらいどまん前かというと、玄関あけて一メートルの場所

《道路 門 階段 祠 玄関》

という、普通の一戸立ての家ででかい屋敷というわけでもありません。

なぜそんなことになっているのか?

私が聞いた話では、家を建てたのはそこに土地をもっていた方で昔から住んでいたと、元々は田んぼでとりわけ何かしら因縁話もなかったと聞いております。

新しく県道が通るためにその土地を売って、自宅もまぁ開発のために建て直したとよくある話です。

その際に、その場所にあった道祖神ですか?おじぞうさまも丁寧に祈祷して場所も移しました。

家Aは何事もなく新築で建ち、その家の方も普通に住むようになりました。

しばらくしてある日を境に家Aの中で赤ん坊の泣き声がするようになったそうです。

家の人は最初近所に赤ん坊のいる家族が近くに引越してきたのと思ってたそうなんですが、夜昼関係なく一日中聞こえるようになって、これはおかしいと思ってご近所にたずねたみたいです。

するとご近所の人全員、近くに赤ん坊のいる家族が引っ越してきたと。

家Aの人と近所の方が声の発生場所を探しあてたところ、家Aの地下から声がすると大騒ぎになりました。

いろいろお祓いとかやったそうですが効き目がなく、偉い霊能者さんかお坊さまがお地蔵様が原因なのでもとの場所にもどしなさいと。

そういった経緯で家Aは、私たちの間ではかなり有名な場所でした。

小学五年生の時に引っ越していた大場君は、そのいえの向い側の家Bに住んだ友人でした。

大場君はたしか一ヶ月もしないうちに家Bから引越しました。

まぁその時はとくに何事もなかったように時間はすぎ、小学五年の冬の時に私は別の土地に移りました。

生まれ育った場所であり幼馴染もいましたから、しばらくは連絡をとっていましたが、進学し社会人になりすっかり忘れていました。

 

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先日、幼馴染が結婚するということで十年ぶりくらいに生まれ故郷にもどり再会しました。

昔話に花をさかせてワイワイとしてましたが、私があの地蔵の家まだあるなぁ……といった所から話が変わっていきました。

ここからは友人の木内の話ですが

「地蔵の家よりその向かいの家おぼえてるか?」と。

大場君家族がたしか住んでたなと答えました。

「すぐに引越したの知ってるか?」

もちろん私が転校する寸前だったんで覚えてると答えました。

「なんでか知ってるか?」

それは知らないなと答えました。

どうもその家Bはなにかしらが出るというのです。

十年ほどの間に十世帯以上が出たり入ったり、ボヤが三度あったそうです。

大場君家族が引っ越したのもそのひとつだと。

家Bが何か出るようになった原因はまったくわからないそうですが、木内いわく、あの家に一ヶ月以上住んでいた家族はいないと。

大場君家族は何番目に入居したかは知らないが、家の中で老婆が徘徊していたり、庭に女の子がうろうろしていたり、屋根に男が立ってじっと外をみている、と大場君のお母さんが精神的にまいって家を引っ越したと。

そのあとも何度かお祓いをしたと聞いたけども全然おさまっていない。

高校の時にTV局かラジオ局かが霊能力者をつれて撮影をやったらしいが、霊能者がその家の敷地に入るなりぶっ倒れて大騒ぎになってそのままおじゃんになったと。

私は、家Bてなんだよ?ときいたら

「生まれた時からすんでる俺らもわからん。お墓の土使ってるとか地下に死体埋まってるとか噂はあるけどどれもほんとかは怪しい。ただ事実として人は定着しないし俺も窓に何人も人が立っていてこっちをじっとみてたのを見たことある。あそこは何かおかしい。あぁそうだ、家Bてさ、何て呼ばれてるか知ってるか?」

「知るわけないだろう」

「あそこの家ってさなんでか知らないけど敷地が三角形なんだよ。だから三角屋敷て今呼ばれてるんだ。今も空き家だぞ。帰るときに見たらいいよ」

そういう感じで別れ帰路に着きました。

もちろん気になったので帰りに家Bの前を通り覗きました。

県道沿いのその家の前には土嚢が積んであり入り口が見えない状態になっていました。

見た瞬間にあからさまにおかしい。

それ以上は近づかないようにして家に帰りました。

その話を聞いて思い出したことがありました。

十年以上たって記憶がおかしくなっていたのかと思っていましたが、あの家Bの屋根の上に何人も人が立ってこっちを見ながらゲラゲラ大笑いをしてたのを集団下校してた友人たちと見て、泣きながら走って帰ったことがあったな……と。

(了)

 

怪談実話二人衆 [ 川奈まり子 ]

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