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残置物の処理【ゆっくり朗読】

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前にあった話なんだけどね。

628 :本当にあった怖い名無し:2021/06/18(金) 10:52:56.44 ID:OJlPFISL0.net

不動産の営業していた時に、とある中古住宅の買取の手続きをしていて、
業者さんと一緒に室内の状況確認と、販売の為のリフォームの計画を立てにいったんだ。
その物件自体はよくある2階建ての中古住宅で、結構状態もいいからすぐ売れるんじゃないかなんて話をしていた。

売却理由は借金で首が回らなくなってしまって、売らざるを得なかったってよくある理由だったな。

でも、その物件で一つ不思議なことがあったんだ。

2階の一番奥の部屋、多分物置に使っていたんだと思うんだけど、そこにやたら高級そうなキャリーバッグが置かれていたんだ。

家の中にはほかに荷物なんか何もないのに、キャリーバッグが一つだけポツンと置かれているのが、なんだか異様な雰囲気だったな。

ところで、こういう会社と一個人の人が物件の売買のやり取りをするときって、
基本的にお金のやりとりが終わって以降は、物件に荷物残したのなら、後はどう扱おうと文句言わないでねって内容を契約書に記載するんだ。

残置物の処理について、後からもめごとになるケースがあったから、そういうのを防ぐためにね。

だから、解体屋や廃品回収の業者、後は不動産屋の人なんかは、
買い取ったり作業したりする家に高価なものが残されていると、それを持って帰ったりすることって多いんだよね。

ほんとはダメなんだけど、黙認されてるところも多い。
その時も、業者さんがそのキャリーバッグ持ち帰って、中開けて調べてみますよって言いだしたけど、別に止めはしなかった。

実際、後で調べてみたら結構高級なものだったみたいだし、そうなると廃棄するのももったいない。

ただ、しっかり鍵がかかっていたから、その場では開けられなくて、業者さんが事務所に戻って工具使って開けてみるって言って車で持ち帰っていったんだ。

その日の夜に、業者さんから電話が来たんだよね。

キャリーバッグを工具使って開けるから、中に何が入っているか報告しますよ!って感じで。

でも、工具ガチャガチャしながら作業している業者さんと電話している途中で、おかしなことに気が付いたんだ。

なんか雑音が凄いんだよ。お祭りの人ごみのど真ん中にいる感じっていうと伝わるかな?
誰か周りにいるんですか?って聞いても、誰もいないっていうし、でも作業が進むごとに雑音がどんどん酷くなっていった。

業者さんがもうちょっとで開きますよ、って言いだしたときに、その雑音が一瞬フッと消えたんだ。

スマホの電波って混線するのか?って思った次の瞬間、物凄い沢山の人の笑い声が聞こえてきたんだ。

あんまりにも怖くなって、それ開けない方がいいんじゃないんですかって言おうとしたら、
「あ、開いた」

って声が聞こえた。と思った次の瞬間には、電話切れちゃってね。

急いでかけ直したんだけど、業者さんに全くつながらなくなっちゃった。

次の日に出勤したら、業者さんのところで働いている職人さんから電話かかってきてね。
「昨日から、社長がいなくなっちゃったんですが、どこ行ったか知りませんか」
って聞かれた。

申し訳ないけど、知りませんねって答えちゃった。
でも、言えないじゃない。姿消した原因が、キャリーバッグを開けたからかもなんてさ。

その後、社長さんは蒸発扱いになってしまってね。

残されたキャリーバッグは他の物件の廃棄物と一緒に業者さんが処分したみたい。

みたい、ってのは、廃品処理の業者さんがそのキャリーバッグに目を付けて持ち帰っていないとは保証できないからさ。

もうどこのブランドの物かも覚えてはいないけど、真っ黒いキャリーバッグで結構しっかりしたタイプのものだったなあ。

どうしても開かないキャリーバッグを見つけた時には、むやみやたらとあけようとしないことをお薦めするよ。

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