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蛍光の球が転がる先 r+4,160-4,521
2025/11/10 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
今もこうして文章に書き起こしていると、背中に氷を押し当てられたような感覚が甦る。 これは私自身の体験ではなく、由美子さん――仮名だが、実在する知人から聞かされた話だ。けれど聞いてしまった瞬間から、その ...
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ウラギリ者の小屋 r+4,264-4,532
2025/11/09 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
今もあのとき鼻を突いた匂いを思い出すと、食欲が消える。胃の奥がひっくり返るような、不快で生々しい臭気だった。 子供の頃は、そんなことを感じたことは一度もなかった。祖父母の家に行けば、外で遊ぶのが当たり ...
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見たい?見たい? r+3,257-3,522
2025/11/09 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
ネットで有名な怖い話高校二年の夏、俺と川村、大塚、笹原の四人は、ふとした思いつきでキャンプに出かけた。 笹原の親戚が教えてくれた川辺を目指していたはずなのに、道を間違え、辿り着いたのは全く別の川原だった。だがそこは石がご ...
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怪しい貸別荘 r+4,725-5,085
2025/11/08 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
ネットで有名な怖い話これは、友人の友人から聞いた話だ。 二年前、高校三年生の夏、受験勉強で疲れ切った彼と友人たちは、最後の夏休みをどこか遠くで過ごそうと計画を立てた。しかし、観光地はどこも満室。なんとか見つけたのは、近畿 ...
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遊びに行ってくる r+4,359
2025/11/08 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
あれは、四歳くらいのころだった。 時計の針がどこを指していたのか覚えていない。ただ、明け方の四時くらいだったのだろう。真夜中の気配を引きずりながら、しかし夜と朝の境目の曖昧さを孕んだ時間帯だった。窓の ...
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牛の森 r+3,314-3,524
2025/11/07 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
俺の地元には「牛の森」と呼ばれる森がある。 なぜそう呼ばれるのか?森の奥から、夜でも昼でも、いつでも牛の鳴き声が聞こえるからだ。 これは噂なんかじゃない。ほんの戯言だと思うかもしれないが、あの森の近く ...
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見えざる呪詛の応酬 r+5,242-5,892
2025/11/05 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
これは母から聞いた話だ。 母の親戚に、体格のいい叔父さんがいた。彼は特にスポーツをやっていたわけでもないのに、腕っぷしがとても強かった。農家に生まれた彼は、幼い頃から田畑での重労働を手伝い、自然と筋肉 ...
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【自己責任系】二人の老女が見つめる場所 r+3,091-3,372
2025/11/04 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
これは、ある男性が三年前に関西へ出張に行った際に体験した出来事だ。 その日は、仕事が予想以上に長引き、ホテルにチェックインできたのは午前二時半を回っていた。深夜の疲れた体で、彼はエレベーターに乗り、自 ...
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ご自由にお使いください r+6,238
2025/11/02 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
★人気ベスト300最初は、ほんの出来心だったんです。 今でもあの日の自分を殴りつけてやりたい気持ちでいっぱいですが、時間は巻き戻せないし、あの森の奥で見た光景を消すこともできません。 きっかけは二年ほど前に放送されてい ...
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八木山橋のデジタル亡霊 r+1,627
2025/11/01 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
宮城県俺の地元は宮城県の仙台だ。 大学四年の夏、くだらない好奇心に突き動かされて友人と実験を試みたことがある。題して「幽霊はデジタル化されるのか?」。酔狂な遊びと笑ってくれて構わない。だが、あの日以来、俺は ...
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おばあちゃんを探しています r+4,018
2025/10/31 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
これは、ある地方の消防団に所属していた元団員から聞いた話だ。 大学を卒業して地元に戻った彼は、地元の習慣で消防団に加入することになった。田舎の消防団では火災だけでなく、行方不明者の捜索なども重要な任務 ...
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mixiで出会った彼女 r+9,746
2025/10/31 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
★人気ベスト300, 背乗り2005年の出来事。いまだに謎であり、トラウマとなっている体験。 2004年、mixiで一人の女性と知り合った。仮に雅子(25歳)と呼ぶことにする。彼女とはメッセージのやりとりから始まり、何度か会うう ...
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墜落の縁 r+5,125
2025/10/31 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
一年経った今になってようやく、あの日のことを冷静に思い返すことができるようになった。 去年のちょうど今頃の話だ。 その日は金曜日で、会社の同僚たちと飲み歩いていた。二軒、三軒と店を変えて、気付けばみん ...
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バス停に立つもの r+4,173
2025/10/28 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
俺が十八か十九の頃の話だ。 生まれ育った家は山の中の田舎にあり、夜になると人通りが消え、虫と風の音しか聞こえなくなるような場所だった。 そこに、不釣り合いなほど新しいバス停がぽつんと建っていた。壁のな ...
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兄の名を呼ぶ者 r+4,162
2025/10/27 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
二十年前に死んだ兄のことを、いまも鮮明に覚えている。 血がつながった者同士だからというより、まるで双子のように息が合い、私は兄のあとを影のようについて歩いていた。学校から帰るとすぐ、ランドセルを放り投 ...
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二番目の人柱 r+4,833
2025/10/26 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
母の話をしようと思う。 いまも鮮明に残るのは、祖父の低い声と、親戚の神主が告げた冷たい言葉だ。だが順を追って話さなければならない。 母は地方の女子高で教師をしていた。そこは噂に聞くだけでも背筋が冷たく ...
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病室に来た者たち r+5,134
2025/10/25 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
あれは、もう随分前のことになる。 けれど、骨の奥にまだ痛みが残っているせいで、決して忘れることはできない。ある日の朝、いつも通りの通勤経路を歩いていた。慣れた道だし、特別なことはなにもなかった。空も曇 ...
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八〇三号室の女 r+3,895
2025/10/24 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
私が新しい部屋に越して三日目の夜のことだった。 その日は珍しく仕事がうまくいって、取引先と深夜まで繁華街で飲んでいた。駅から徒歩二分という便利な立地のマンションを借りたばかりで、終電ぎりぎりまで遊んで ...
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崖に立つ浴衣の男 r+4,970
2025/10/23 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
和歌山県穢れある悪戯~自殺の名所でやっちまった洒落にならない行為【ゆっくり朗読】 二、三年程前の夏に、海水浴場で有名な和歌山県の白良浜(しらはま)でバイトしてた知人から聞いた話の一つを紹介します。 話題を提供 ...
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湖畔訓練 r+5,277
2025/10/22 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
地元のキャンプ場のことを話す。 俺の小学校では五年と六年の夏、必ずそこで宿泊訓練があった。山の中腹にある湖の岸辺に、小屋が点々と並んでいた。大きな五十人用の小屋が二つ、それ以外に六人用、四人用、二人用 ...
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秘宝のデータ r+4,486
2025/10/22 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
俺にとって『Sa・Ga2 秘宝伝説』は、ただのゲームソフトじゃない。 思い出すたび、胸の奥に棘が刺さったみたいに切なくなるんだ。 子どもの頃、俺は酷い小児喘息を抱えていた。夜中に何度も発作で苦しみ、か ...
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共犯者の眠り r+4,515
2025/10/20 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
これは俺の口から出る限り、ただの独り言だ。誰かに聞かせるためじゃない。 ただ自分の中で燻って腐りかけているものを、どうにか吐き出して空気にさらさなければ、夜も眠れないからだ。 俺が地元の零細企業に勤め ...
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夢魅の玉 r+4.376
2025/10/18 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
十年ほど前のことだ。高校を卒業する間近、俺は進路も決まり、進学ではなく就職することになっていた。 そのせいか、もう授業もまともに身に入らず、毎日ひたすら暇をどう潰すかしか考えていなかった。 ある晩、友 ...
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アシュラさんが眠る海 r+5,003
2025/10/18 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
韓国今年の三月の終わりだったと思う。 いつものように洒落怖まとめサイトを開いて、ランキングの新しい投稿を読み漁っていた。薄暗い部屋で、パソコンの画面だけが青白く光っている。家には俺と伯父しかいなかった。両 ...
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合法という言葉の影 r+7,275
2025/10/18 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
★人気ベスト300特殊清掃の仕事をしていたことがある。 死人の出た部屋をそうじすることもあれば、ペットの死体を処理することもあった。もっと軽いもので言えば、ゴミ屋敷の撤去。だが、そういう現場ほど、重たい空気をまとってい ...
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詰め込まれた軽 r+4,528
2025/10/16 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
何年か前のことだ。 あれ以来ずっと口にするのもためらっていたが、こうして言葉にでもしておかないと、自分の中で現実だったのか幻だったのか、ますます分からなくなってしまう。 夕方、まだ空の底に朱が残ってい ...
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渡れない道 r+1,536
2025/10/15 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
叔母からずいぶん前に聞かされた話だ。 なぜか折に触れて思い出してしまう。ふと夜道を歩いている時とか、車が横断歩道で減速する瞬間とか、そういう時に。誰かに話してしまえば薄まると聞いた。だから今、こうして ...
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封じられた顔 r+4,238
2025/10/14 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
関西に住んでいた頃のことだ。もう十三、四年も前になる。 当時の私はろくな職にも就けず、日銭を稼ぐため港湾でコンテナの荷降ろしをしていた。 コンテナといっても、あの海を渡ってやってくる鉄の箱だ。二トン、 ...
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家に火をつける女 r+4,258
2025/10/14 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
三年前のことを、いまでもはっきり覚えている。 あれは確か、妻と三歳になる長男を連れて、温泉宿へ一泊で出かけた時のことだった。仕事の疲れを癒やすつもりの、平凡で穏やかな旅行のはずだった。夕食の前に、大浴 ...
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六体半のお稲荷 r+3,924
2025/10/13 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
埼玉県卒業まで、もう数えるほどの日しか残っていなかった頃のことだ。 学年主任の皆藤先生が、ぽつりと口にした「この中学校の怖い話」を、いまだに忘れることができない。 あのとき教室にいた同級生の顔を思い出すと、 ...
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郵便受けの女 r+6,884
2025/10/12 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
★人気ベスト300二週間前に今の家へ引っ越した。 新居に慣れようとしている最中だが、どうしても前の部屋で体験したことが頭を離れない。誰かに話さずにはやっていられない。だから、これは俺が確かに体験したことだと前置きして聞 ...
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笑う被害者 r+5,281
2025/10/12 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
中学時代の同級生から聞いた話。 小さな町の、古びたコンクリート校舎の中で起こった出来事だという。雨に濡れた黒板の匂いがまだ残るような、そんな時代の話。 授業中にふと消えるノート。体育のあと気づけばなく ...
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黒い袋 r+5,820
2025/10/12 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
心の整理がついてきたから、こうして文字にしている。 俺には二人の大切な友達がいた。原田と大場。小学校からの付き合いで、社会人になってからも三人でよく酒を飲んでいた。去年のちょうど今頃も、同じように集ま ...
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写り込んだ未来の屍体 r+3,910
2025/10/09 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
宮城県宮城県の八木山橋って知ってるだろ。 自殺の名所としては割と有名で、地元じゃ洒落にならないくらいの数が飛び降りてるって噂がある。 ただ、俺にとってはあの橋の下に広がる竜ノ口渓谷の方がずっと魅力的だったん ...
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リゾートバイト【完全版】#4.954
2025/10/09 -長編, r+, 洒落にならない怖い話, 定番・名作怖い話
★人気ベスト300, ネットで有名な怖い話, 韓国約40,000文字リゾートバイト【完全版】 ネット史上最高レベルの怖い話 【作業用・睡眠導入】【ゆっくり怪談】 これは俺が大学三年の時の話。 夏休みも間近にせまり、大学の仲間五人で海に旅行に行こうって ...
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納屋の口 r+7,654
2025/10/08 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
★人気ベスト300二十年以上前のことになる。 今でもはっきりと覚えているのに、夢の中の出来事みたいに、記憶の輪郭がぐにゃりと歪んでいる。 私の実家は、山に抱かれるようにして建つ古い集落の外れにあった。舗装の途切れる細道 ...
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誕生日に来た女 r+4,696
2025/10/07 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
自分が育ったのは、四国の瀬戸内海沿いにある小さな村だった。 港には古い木造の船が並び、潮風にさらされて軋む音を立てていた。夜になると虫の声がやけに大きく響き、外灯もまばらで、闇はすぐそこに迫っていた。 ...
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追いかける塊 r+4,506
2025/10/07 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
四、五年前のことだ。 取引先の藤木さんから、酒席で聞かされた話を、今でも忘れることができない。酔いもすっかり醒めるような内容で、聞いた当時は、冗談めかして笑うしかなかった。だが、夜になり布団に潜りこん ...
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カラフルな影 r+4,282
2025/10/02 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
俺は昔から一人で出かけるのが好きだった。 休日になると、行き先も決めずにふらりと電車に乗り、見知らぬ町を歩き回る。誰にも予定を合わせる必要がないのが心地よかった。 あの日も、何日か休みが続いたせいで、 ...
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昼の夜、木の手 r+3,441
2025/09/30 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
十年ほど前のことだ。この時期になると、夏の夜の熱気とアルコールで、みんな妙に口が軽くなる。 あの日も例外じゃなかった。居酒屋のテーブルで酔いが回りはじめたころ、一人がぽつりと口にした。最近、地元で有名 ...
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供養を振り切る影 r+4,399
2025/09/29 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
母方の家系は、どういうわけか代々「見える」人間が多い。 祖母、母、妹、それに兄の娘まで、みな程度の差こそあれ、何かしら感じ取ることができる。けれど、それは神主のように祓える力ではなく、「何となく、いい ...
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黒経の間 r+4,626
2025/09/29 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
小学生の頃の自分を思い返すと、胸の奥がむず痒くなる。 悪ふざけと衝動だけで動いていて、今思えば自分でも呆れるような行動ばかりしていた。あの日もそうだった。八月の、夕立の後のむっとした熱気が部屋にこもっ ...
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二重の顔 r+4,544
2025/09/28 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
十年ほど前のことだ。 あの頃、俺はまだ学生で、日々の暮らしをアルバイトで繋いでいた。居酒屋の薄暗いカウンター、その向こうで笑う二つ上の女――由紀子。当時はまだ、今のような擦れた下衆女ではなかったと、そ ...
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首を絞められても r+3,856
2025/09/26 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
親父が死んで、今日でちょうど一年になる。 教会には一周忌なんて習慣はない。けれど、心の奥で何かの節目だと感じてしまう。親父は神父だった。十字架を掲げ、聖書を読み上げる男だったくせに、幽霊の存在も認めて ...
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センジュさんの返事 r+3,927
2025/09/26 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
宮城県来年、結婚する。 その前に、ずっと胸の底に沈めていたものを吐き出しておこうと思う。厄落としだと思えば、少しは気が楽になるだろうか。 あれは、小学生の夏休みのことだった。母が少し厄介な病気になり、遠くの ...
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黒く塗られた招待状 r+8,337
越してきた当初から、この村にはどこか息苦しい匂いがあった。 畑の向こう、見渡す限りの屋根は皆、同じ苗字を背負った家々。笑い声も、足音も、まるで土に吸い込まれてしまうような静けさが支配している。 私は地 ...
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髪を掴むもの r+4,226
2025/09/25 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
中学生の頃、一人の友達を失った。 表向きの死因は精神の病だとされていたが、私だけは知っている。本当は“何か”に憑かれたのだと。 もう何年も封じ込めてきた記憶だ。触れれば夜に眠れなくなる。だが先日、偶然 ...
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葉の証 r+4,126
2025/09/24 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
中部地方部の奥山に、小さな集落があった。 あたしは、そこで生まれたわけじゃない。幼いころ、両親を相次いで亡くし、兄は奉公に出された。行き場を失ったあたしは、村の庄屋に引き取られたんだ。そこで二つ年上のお嬢さん ...
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三十三枚目 r+4,435
2025/09/23 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
二十年来の幼馴染、隆一郎の話だ。 ……いや、正確には、あいつの口から聞いたはずの話だが、本当にあいつの声だったのか、今となっては自信がない。 あの日、久しぶりに再会した。互いに年齢を重ね、髪には白いも ...
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立ったままの死 r+6,906
アルバイトの面接なんて、気楽な気持ちで行くものだと思っていた。 だが、その日案内されたのは、古い木造の事務所。雨で湿った木の匂いが鼻にまとわりつき、床は少し沈むように軋んだ。机の向こうで、面接官の男が ...