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村の九割が《いとこ結婚》血族結婚・調査報告書

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悪影響なし血族結婚

[出典:昭和16年8月4日付 大阪朝日新聞]
九割が"いとこ結婚" 健康異状なし、五人兄弟従軍の家 血族結婚村報告書

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交通の不便という自然的環境の支配をうけて、粗衣粗食、血族結婚の勇断部落として、源平合戦以来の伝統と習慣に生きる、『徳島県美馬郡東祖谷山村』に、国民優生と近代科学の連繋について、鋭い科学のメスを推し進めている『日本学術反抗会特派』の現地調査隊は、二日も同村役場を中心に、『栃ノ瀬』『落合両学校』を本拠地に、大がかりな健康調査を進めている。

同日までに調査隊が得た総括的「血族結婚を科学する」概論によると

一、部落民全部に血の繋がりをもたないものがないほどに近親結婚が全面的に行われ、村の娘は村の青年以外とは家庭をもたない原則が成立しており、従兄弟で家庭を作っているものが九十%に達している

二、地勢的関係のため麦、馬鈴薯玉蜀黍を主食とし魚肉をとっていないことが判明した

三、この二つの特殊事情に起因して発生する特異体質者は意外に少く、国民優生法の適用を受くべき精神病者は微量で断種せねばならん係累はいまのところ見当らぬ、まず標準型健康部落を誇ってよい

四、したがって血族結婚による遺伝的疾病者は出ていないが特にとり立てていえば粗食のため栄養の平均性がなくビタミンAおよびBの欠乏症、たとえば夜盲症や軟骨性疾患が多く見受けられる、それは含水炭素の植物性食物を摂取し魚肉の動物性食餌の不足を物語っている、この点人為的に一だんの平均的栄養素の吸収につとめねばならぬ

五、また近眼、むし歯の皆無は血族結婚による結果でなく食餌の関係であることが証明された

以上血族結婚なるが故の特異体質者はなく、食物の関係体質者はなく、食物の関係によって多少の特異体質者を出していることが証明づけられたわけである。

なお調査隊は五日まで落合、栃ノ瀬、六、七両日は和田、菅生、深淵に向い検診をつづけ、
健康診断を行い、初期の母区域のため映画などを商栄して衛生思想の普及につとめる、調査隊長和田豊穣博士談(阪大名誉教授)

『いまのところ血族結婚による特異体質者は出ていないも面貌の酷似しているのは遺伝的にみて当然だ、伸び盛りの少年少女が意外に小型なのはやはり食物の関係だよ、しかし中年者が隆々たる健康に恵まれているのでその点については研究を進めねばならぬ』

東祖谷山村の村民の健康優秀なものであることを示すのにこんな例がある。

調査隊が、さあこれからとはり切っていた第二日の二日朝

『長生きはしたいもんです、息子五人が国家の大事変には従事忠義をたててくれました』
と栃ノ瀬国民学校の調査隊本部で和田、鰭崎、懸田博士らの家系質問にてきぱきと答える老婆があった。

栃ノ瀬部落から祖谷川に沿うて約一里の峻嶮な山上にある阿佐在の石川ことさん(八一)で、この朝山越えをして下山したのだ。

長男の佐市さん(五八)は日露戦役には旅館戦に従軍、勲八等の老勇士、二男政時さん(五四)は軽重兵として、
三男弥尾蔵さんは歩兵一等兵として軍隊生活を送り四男音五郎さん(四四)は、シベリア出兵に従軍して瑞八等を賜わり、
五男敏定君は目下北支の池田部隊に従軍、兄弟が仲よくバトンを受けついで出征、
おまけにことさんの愛孫(政時氏長男)は徐州会戦に武勲をたてて、このほど帰還した兵長で、
金筋の光る肩章をみたことさんは「大将さんになった?」と喜んだという。

同家は平家の末孫で、約二十代をもつづき現在五人の息子や愛孫達はそれぞれ近在から嫁をとり、
或は嫁がせて東西十三里、南北七里の祖谷川沿はどこへ行っても親戚ばかりだという

[東祖谷山村にて 西田特派員]

(了)

※関連話: ⇒ 血族結婚の村の真実

 

 

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