短編 心霊

霊視で暴かれた戦慄の秘密【ゆっくり朗読】5755-0102

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私の親戚に霊視ができる叔母がいました。

その叔母のところに私の知人の吉田さん(仮名)が勤めるテレビ局から問合せがありました。

『いなくなった父親を探す』という企画に協力してほしい、ということでした。

で、まずは簡単なインタビューを撮影。

母親、息子、娘の3人家族だったそうです。

母親や子供達はテレビ局の計画通り涙ながらに父親の事を話してくれました。

良いモノが撮れそうで、吉田さんは喜んだそうです。

そして、霊視おばさん登場!霊視が始まりました。

父親が着ていた服から霊視(サイコメトリー)をする様でした。

服を握り締める霊視おばさん。

長い沈黙……

沈黙……

……沈黙。

またまた沈黙。

……困った。

いつもは図々しいぐらいに喋りまくると言う霊視おばさんが、何故か今日は期待に反して、霊視についてのコメントがしどろもどろ……

コメントを引き出そうとする吉田さんの努力の甲斐もなく、霊視の良いコメントは撮れませんでした。

スタッフは沈黙。

これでは番組が作れない。吉田さんはパニック。

裏山と池の撮影素材ではどうしょうもね~ぞ!……やばいな。……やばいぞ!仕切直しだぁ!

帰りのマイクロバス内のスタッフ達は無言。

吉田さん一人がエキサイトしながら、電話で誰かと話していました。

そんな吉田さんに、ゆっくりと近づいて来た霊視おばさん。

吉田さんが携帯電話を切ると同時に、霊視おばさんは呟きました。

「惨殺されてるよ」

「え!」

「惨殺されてるよ、あの家族に」

「家族に!」

「殺人者の前では、わしゃ、言えんよ。……裏山の土管みたいなもんが有るところに埋められているな」

(了)

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