3年くらい前かな?確か半そで着てたし、夏だったと思う
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/25(金) 19:20:16.02 ID:uRfV8Ob00
当時俺は大学出て社会人になったばかりで、けっこう精神的に参ってた時に、高校時代の友人Aから電話があった。
友人A曰く、
『俺も大学出てから精神的に参ってたけど、○○っていう自己啓発系のセミナーですっごい気が楽になったよ』との事。
まぁ胡散臭いが、Aは高校時代から宗教にハマるタイプじゃなかったし、最悪社会勉強になればいいか程度の気持ちで、
Aと待ち合わせてセミナーに行く約束をした。
駅からAの車で1時間くらい走って、そのセミナーに行ったんだが、
一見工事現場とかによくありそうなプレハブ小屋が山の中に立ってて、
Aと俺が車から降りると、スーツを着た人たちが迎えてくれた。
なんでも、そのスーツの人たちもセミナーの受講者らしいんだが、
休日を返上して、セミナーでボランティアをやっているそうだ。
俺はもう、セミナーの胡散臭さと気持ち悪さで逃げ出したかったが、
Aの車で来てる以上走って逃げ出すわけにもいかず、しぶしぶAのあとについて建物の中にはいっていった。
そのセミナーは、紹介した人間が参加料金を払うというシステムらしく、
Aが受付で俺の分の料金を払っているのをボーっと眺めていると、
先ほどのスーツ男が「新規の方はこちらです」と、俺をパーテーションの中に案内した。
パーテーションの中の、
椅子型のマッサージ器をもっとゴツくしたみたいな感じの、リクライニングチェアまで案内された。
なんでも、その椅子に付属されたスピーカーで、左脳を刺激して脳を活性化させるらしい。
正直もーなんとでもなれと思い椅子に座ると、スーツ男が俺の隣りにあったスピーカーと加湿器のスイッチを入れて、
「呼吸を楽にして下さい。時間が来たら起こします」と言って、パーテーションから出て行った。
なんでこんなことになっちゃったんだろーなーと思いつつ天井を眺めてると、
2~3分くらい経つとやたら鼻がムズムズしてきて、あくびが止まらなくなった。
最初は、眠いのかな?くらいに思ってたんだけど、尋常じゃないくらいあくびが止まらない。
不安になって起き上がろうとすると、数人のスーツ男が飛んできて俺を押さえつけた。
椅子のスピーカーからは、プツプツという連続音が鳴ってて、頭がぐわんぐわんしてやばいやばいと思ったが、
あくび止まらないし、もうアゴが外れそうなくらいあくびが出て痛かった。
口が閉まらない。口の両側の皮がプチプチと切れる音がする。
息が出来なかった。
まるで誰かに口を思いっきり拡張されてるみたいな感覚で、パニックになって、
そこからどうなったのかはよく覚えてないけど、おそらく気を失ったんだと思う。
気が付くとまだセミナーの建物の中にいたけど、誰もいない。
さっきまであった、加湿器とか受付とかパーテーションとかも無くなってて、
プレハブの中は、俺の座ってたゴツい椅子しか無かった。
空が赤くて、朝日なのか夕日なのか分からなかったけど、正直頭の中真っ白でわけわかんなくなってたけど、
とりあえず、犯された…みたいな虚しさと悲しさでだんだんイライラしてきて、絶対訴えてやる!と思った。
どういう精神状態でそうなったか分かんないんだけど、証拠として何か持って帰ろうと思って回りを探してたら、
さっきまで座ってた椅子にまだCDが残ってた。
CDを片手に山の中をウロウロして、どう帰ったのは覚えてない。
もう一度行こうとしても難しいかもしれないし、もう二度と行きたくない。
それからしばらくフツーに生活してたんだが、どうも文字の物忘れやら勘違いが酷くなった。
いや、勘違いと言うよりは、以前いた世界と違う場所に来た感覚?っていうの。
一番酷かったのは、カタカナの『ツ』が、以前いた世界だと点が三つだった。
俺の名前に『ツ』がつくから、ずっと勘違いしてたとは思えないし、気持ち悪い。
Aに電話したら、ケーキ屋さんが出た。
これ書いてたら気持ち悪くなってきた。最近あくびするのが怖い。
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/25(金) 21:32:28.03 ID:uRfV8Ob00
今Aと連絡取ろうと思ってふと思い出したんだが、
卒業アルバム見ればいいじゃんって気付いて見てみたんだけど、
Aの名前なんだけど、あの時会ったAとは違うような感じ?
なんか意図的に勘違いさせられてるみたいな、大掛かりなドッキリに組み込まれたみたいな感じ。
俺のこと病気って言う人がいるけどさ、そりゃあ病気かもしれないけど、
あのツの点が三つだった世界が存在が最初っから存在しないって考えると、すげー悲しくなるのな……
もしも元の世界にいきなり帰っちゃったときのこと考えると何にも手がつかない。
だっておれにとってここは仮の世界なんだから。