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かぼちゃ屋敷の闇 r+3657

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十数年前の話。大学三年生だった俺と、友人のキヨシ、後輩のヨシオは、いつものようにくだらない話で盛り上がっていた。

キヨは当時、自称霊感が強いという彼女と付き合い始めたばかりだった。彼はクールで強引で、いつも女性にモテたが、その恋愛は長続きしないのが常だった。今回の彼女も例に漏れず、独特の感性を持っていた。

彼女が言うには、近くの国道沿いの山中腹に「パンプキンタワー」という名の廃墟があり、そこは「とにかくヤバい」場所だという。ヤクザの取引現場、地縛霊が出る、などと物騒な噂がついて回るらしい。そんな話を聞いて俺たちは興奮し、彼女の反対を押し切ってその日の夜10時、懐中電灯を手に探検に向かった。

車を山裏に止めると、そこには既に彼女が軽自動車で待っていた。四人で鬱蒼とした林に足を踏み入れる。腰まで伸びる藪をかき分けて進むと、ヨシが「これじゃないっすかー!」と叫ぶ声がした。その場所には高さ170センチほどの門があり、その奥に獣道が続いていた。俺たちはその道を恐る恐る進んでいった。

やがて竹林に囲まれた朽ちた東屋が見えてきた。林の向こうには国道があり、車のヘッドライトが頻繁に通り過ぎる。なんだ、大したことないじゃないかと全員が肩透かしを食らったような気分になった。その時、キヨが「おい!こっちにヤバいのがあるぞ!」と叫び、懐中電灯で照らした先を指差した。そこには南国の植物が茂り、その奥にはまるでサザエさんのエンディングに出てきそうな建物が姿を現した。かぼちゃ色の塔が竹林の中にそびえ立っていた。

「これがパンプキンタワーか!」
「本当にあったんですね……」

期待と恐怖で胸を高鳴らせながら、俺たちは塔に続く道を探した。南国植物が生い茂る庭の中に小さな門があり、その先には塔がそびえていた。塔は三階建てで、意外と狭い造り。各階の部屋は八畳程度で、中央にはベッドが置かれていた。三階の窓からは、先ほどの東屋が見えた。塔にはさらに四階部分があったが、屋根裏部屋のような場所で階段はなかった。

一通り塔内を探索した後、再び東屋に戻ることになったが、キヨの彼女が「塔の階段裏に蓋があった」と話す。興味をそそられた俺たちは再び塔に戻り、彼女の言う蓋を探した。蓋は木製で、枝を使ってこじ開けると簡単に外れた。その下には小さな地下室が広がっており、中心には天井まで届く巨大な岩が立っていた。その岩は注連縄でぐるりと囲まれていた。

地下室を覗き込むと、岩の裏で何かが蠢いているように見えた。同時に、「ブッ、プッ」と空気が漏れるような音が聞こえた気がした。緊張感が高まる中、突然「ジーーーーー!」と高い音が響き渡った。その音は塔に隣接する長屋の方から聞こえたようだった。俺たちはパニックになり、慌てて外に飛び出した。

「今の音、なんだ?」
「チャイムみたいな音だったよな?」
「誰も押してないよな!?」

そんなやり取りをしていると、異様な静けさが俺たちを包んだ。その中で俺は背筋が凍る光景を目にした。キヨの後ろにいたはずの彼女が、不自然に細長く、180センチの俺よりもさらに高く伸びていたのだ。その女は、馬のような顔をしており、不気味なほど静かに立っていた。

「行こう!」というヨシの声を合図に、俺たちは逃げるように林を走り抜け、東屋に戻った。だがそこで気づいた。キヨの彼女の車がない。そして塔の三階の窓を照らすと、例の細長い女がこちらを覗いているのが見えた。

その夜の体験は今も忘れられない。翌日、キヨの彼女は無事だと確認できたが、彼女は塔に入る前に怖くなり、すでに帰宅していたという。以来、俺たちはあの場所には近づいていない。

パンプキンタワーが作られた理由、そこで何が行われていたのかは、今も謎のままだ。あの夜の記憶だけが、薄暗い霧の中でくすぶり続けている。

[出典:14 :本当にあった怖い名無:2015/08/03(月) 00:17:07.67 ID:TC4im/Xa0.net]

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