短編 ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間

こどくな隣人の秘密【ゆっくり朗読】7007

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知人から聞いた話

友達の宮崎は一階の角部屋に住んでるんだけど、ベランダから柵を乗り越えると裏口への通路になっている。

裏口に続く道みたいのはベランダに面しているので、各部屋のベランダとガラス戸は丸見えになっているが、まあ普通裏口は使わないし、大抵カーテンがかかっているので別に危ないことはない。

んで、ある日布団干しにベランダに出たそうな。

するとなんか変な臭いがする。

なんか子どもの頃に、カブトムシ入れっぱなしにしてたら、死んじゃってた時のひどいバージョンみたいな。

なんか気になってベランダを越えてキョロキョロしてみると、隣のベランダに黒い布をかけた箱があったそうだ。

部屋を見てみるとカーテン閉まってるし、真っ暗だから隣人が居ないと踏んで、ちょっとした好奇心から布をまくってみた(柵越しに)

覗いた瞬間「ヒッ!」って声あげてすぐ布を離したらしい。

宮崎が言うには、なんか黒い塊でたぶん虫がいっぱい入ってた、とのこと。

もぞもぞしてるし、たぶん共食いとかしてたっぽくて気持ち悪かった、と言っていた。

虫飼うの趣味で結局放置しちゃってんかな、とか思ってふとガラス戸を見ると、隣人がカーテンの隙間からこっち見てたらしい。

へへへ、すいません、洗濯物飛んじゃって、とか言い訳したら無言でスッとカーテン閉じられてしまったそうな。

やべーと思って足早に裏口から出て、正門に入って部屋に入ろうとしたら鍵が開かない。
宮崎はベランダから外に出たんだから当たり前。アホである。

また裏口通ってベランダから入ろうとしたら……、隣の部屋から謎の箱消えてるし。

自分が見てたから家の中に入れたんかな?

って思って自分の部屋の柵を越えようとしたら、自分ちのベランダに、例の箱の中身がぶちまけられてたそうな。

ふざけんなよ!扱い切れなくなった虫の死骸を人んちに!と言って宮崎は憤慨していた。
気持ち悪かったんで、大家さんを呼んで片付けていただいたらしい。

一応、隣人のことをそれとなく言ってみたがスルーされ、普通に宮崎も隣人も引っ越していない。

今までどおり近所付き合いも皆無だそうだ。

余談

宮崎に、それ蟲毒(こどく)の呪いかなんかだったんじゃ……
と言ったら、「コドク?独りぼっちの呪い?ってことか?なんじゃそら」と言われた。

説明もめんどかったから、それ以上特に何も言わなかった。

(了)

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