ネットで有名な怖い話・都市伝説・不思議な話 ランキング

怖いお話.net【厳選まとめ】

「短編」 一覧

鷲駿の影 r+5,076

あれは、もう何年も前のことだ。 山に入るたび、あの日の匂いを思い出す。湿った土と、夏草が腐りかけた甘い匂い……そこに混じる、かすかに血の匂い。あのとき拾ったもののことを、まだ誰にもきちんと話したことは ...

五年の空白 r+2,724

二十歳の春の朝だった。 前の晩は遅くまで友達と電話をしていたせいで、少し眠たげなまま庭に出た。陽はやわらかく、まだ冷たい風が頬をなでていた。片手にホースを持ち、しゃらしゃらと水を撒く。その瞬間だった。 ...

引き出しの底 r+3,553

あれは、酒場の片隅で友人に聞いた話だった。 テーブルに置かれた焼酎のグラス越しに、彼がぽつりと名前を漏らした瞬間、胸の奥にひやりとした空気が入り込んだ。――N。営業マンで、口先だけは妙に上手い男だった ...

元の時代に帰りたい r+1,429

小さい頃から、何度も同じ夢を見る。 夢の中で「ああ……まただ」と思う。けれど、目が覚めた瞬間、その内容は霧のように消え失せる。ただ、同じ夢を見たという確信だけが残り、胸の奥を押しつぶすような懐かしさと ...

教師と少女と、夜の病院 n+

俺の母は、小学校の教師をしていた。 それだけなら何の変哲もない話だ。けれども、母は「普通の教師」ではなかった。霊を感じる力を持っていたのだ。本人はそれを大っぴらに語ることはなかったけれど、赴任する学校 ...

帰還葬 r+7,411

先日、祖母が亡くなった。 眠るように、あっけなく。長く患っていた痴呆が、最後の数か月で急に深まり、その先は転げ落ちるように逝ってしまった。悲しみよりも先に、妙な空洞だけが胸に広がった。この土地は戦時中 ...

掛軸と子供の声 r+3.488

助けてくれたあの人の話を、ここで書いておこうと思う。 あの人とは、私を川岸で引き上げてくれた祖母のことだ。幼いころ、溺れて、息が詰まり、視界が真っ暗になった時、泥だらけの手で私の腕をつかんだ祖母の顔が ...

南方からの呼び声 r+2,319

大学生の頃、ひょんなことから南方の島へ行くことになった。 戦中に亡くなった兵隊たちの遺骨を日本へ帰す活動だ。正直、霊だの祟りだのには全く興味がなかったし、そんなものがあるなら一度くらい見てみたいと思っ ...

赤い月と銅鍋 r+2,407

中学に上がる前の頃だったか、囲炉裏のそばで、じいさんが火箸をいじりながら話してくれたことがある。 それはどうにも頭から離れず、歳を重ねた今でも、思い出すと背筋がひやりとする。 じいさんは畑も耕してはい ...

鏡の向こうの乗客 r+1,967

友人の部屋に行くのは、これで三度目だった。 あいつが住んでいるのは築十五年ほどのマンションで、外観は古びているが内装はやけに清潔だ。玄関の脇にあるエレベーターは、入ってすぐの奥が全面鏡張りになっている ...

霧の境界で待つもの r+1,433

あの夜のことを思い出すと、今でも胸の奥に冷たいものが落ちてくる。 数年前、顔見知りに連れられて場末のスナックに入った。カウンターの奥には、派手なドレスを着た女がグラスを磨いていて、連れは「ここのホステ ...

お歯黒の男 r+1,971

もう何年前のことだったか、正確な年はもう曖昧だ。 ただ、その日程の狂い具合と、あの夜の異様さは、今でも鮮明に思い出せる。 夏の終わり。親が京都へ行くというので、便乗することにした。当時、私は趣味全開の ...

虹色の飴玉 n+

もう十年も経ったし、そろそろいいだろうと思って書く。 自分の記憶の中でいちばん不可解で、いまだに何だったのか説明できない出来事だ。 小学校六年の秋だった。授業を終えて、ランドセルを背負ったまま帰り道を ...

死後の世界を科学的に検証してみた #10.228

2025/10/02   -短編, r+
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死後の世界を科学的に検証してみた【ゆっくり朗読】 「死後の世界はない」ということをあなたは証明できない!? 人は心臓が止まっても、3分間意識がある!? 生物学・池田先生>>> イギリ ...

カラフルな影 r+4,282

俺は昔から一人で出かけるのが好きだった。 休日になると、行き先も決めずにふらりと電車に乗り、見知らぬ町を歩き回る。誰にも予定を合わせる必要がないのが心地よかった。 あの日も、何日か休みが続いたせいで、 ...

ミロと兵隊 r+2,152

子どもの頃から、ずっと誰かに見られていた。 正確に言えば、同じひとりの男だった。顔を上げると、そこに立っている。距離は少し離れている。だけど視線はまっすぐ、確かに私に注がれている。 男はいつも同じ格好 ...

裏返った名札 n+

今でも編集部の夜を思い出すと、湿った紙と古いインクの匂いが喉の奥にひっかかる。 あの話をしてくれたのは、地方紙から移ってきた校閲担当の女性だった。彼女はいつも名札の角を親指で擦っていて、それが妙に落ち ...

香水の記憶 n+

父の会社が潰れたのは、俺が高校二年の夏だった。 それまで小さな社長の息子として、なんとなく「自分の人生は決まっている」ような気でいた。倒産の知らせを聞いた瞬間、床が抜け落ちるみたいに、足場を失った感覚 ...

神の子と呼ばれた島の兄 r+8,457

2025/10/01   -短編, r+, 怪談
 

私が生まれ育ったのは、地図にやっと載るくらいの小さな島だ。 海は澄んでいるが、底の暗がりはいつも濁って見える。幼い頃、島の人々が「神の子」と呼ぶ中学生がいた。私の家のすぐ近くに住む、背の高い、日に焼け ...

二時の供物 r+1,769

茨城県の常磐道を南へと走ると、とあるインターチェンジがある。 深夜、そこを降りると空気が変わる。工業団地へ向かう道は、昼間でも人影が薄く、夜になると別世界のように音が消える。私がその場所を初めて訪れた ...

金色の魚 n+

子どもの頃から、ずっと胸の奥に沈んでいた奇妙な記憶がある。 幻覚だったと思い込み、大人になるにつれて心の引き出しの奥底に押し込んでいたのだが、四ヶ月前、ある出来事をきっかけに、あの記憶がぐらぐらと浮か ...

『呪いのビデオ』のスタッフへ108つの質問!その答えがマジで怖い…#48,294

【ゆっくり怪談】『呪いのビデオ』のスタッフへ108つの質問 2ちゃんねるに「呪いのビデオのスタッフだったけど質問ある?」という伝説のスレッドがたちました。 質問してください。知ってるところは全部教えま ...

赤く塗られた窓 r+4,296

小学四年の夏、俺たちは郊外の新興住宅地に引っ越した。 丘陵を切り崩して造られたばかりの街で、家々はみんな真新しく、植え込みもまだ痩せた苗木のように細かった。舗装の匂いが夕立のたびにむっと立ち上がり、夜 ...

昼の夜、木の手 r+3,441

十年ほど前のことだ。この時期になると、夏の夜の熱気とアルコールで、みんな妙に口が軽くなる。 あの日も例外じゃなかった。居酒屋のテーブルで酔いが回りはじめたころ、一人がぽつりと口にした。最近、地元で有名 ...

みほちゃんの微笑み n+

この話をすると、必ず誰かに「作り話でしょう」と言われる。 でも、あれは幻覚や妄想なんかじゃなかった。今でも、あの笑顔と声を思い出すと胸が締めつけられる。 看護学生の頃だった。まだ技術も知識も半端で、た ...

供養を振り切る影 r+4,399

母方の家系は、どういうわけか代々「見える」人間が多い。 祖母、母、妹、それに兄の娘まで、みな程度の差こそあれ、何かしら感じ取ることができる。けれど、それは神主のように祓える力ではなく、「何となく、いい ...

ガマの中で燃えた目 r+3,428

2025/09/29   -短編, r+
 

中学一年の六月、梅雨が明けたばかりの、空気がぬめりつくような日だった。 沖縄戦の課外授業で、近くにあるガマ――自然洞窟で防空壕として使われた場所――へ行くことになった。バスで数十分、エンジンの唸りとと ...

黒経の間 r+4,626

小学生の頃の自分を思い返すと、胸の奥がむず痒くなる。 悪ふざけと衝動だけで動いていて、今思えば自分でも呆れるような行動ばかりしていた。あの日もそうだった。八月の、夕立の後のむっとした熱気が部屋にこもっ ...

夜の交差点でSingを r+3,079

僕が黒田に出会ったのは、高校一年の春だった。 政令指定都市ではあるが、華やかな都心から外れた、どこか時間が余ったまま固まったような街。家から歩いて三分もすればローソンが三軒、どれも似たような光の色で夜 ...

紐を引く爺さん n+

小学生の頃に見たことだから、思い違いかもしれない…… けれど、今になっても、あの夜の光景は頭から離れない。家族と出かけた帰り、夜の九時を少し回った頃だった。人気の薄い駅のホームで電車を待っていた。母は ...

人の目をしたカラス r+4.920

2025/09/28   -短編, r+

寺に霊感や祓いの力があるかどうか…… そんな話題は、飲み会や夜更けの雑談でたまに出る。 俺の場合、その疑問に一番答えてくれたのは、幼馴染であり、今は寺の住職を務めている友人だった。酒の席でぽつぽつと語 ...

ドッペルの街 n+

近所のスーパーFに通うのは、会社帰りのほんの気晴らしだった。 安くてそこそこ品揃えも良く、アイスでも摘んで帰ろうか……そんな程度の場所だったのに、ある日を境にどうにも居心地の悪い場所になってしまった。 ...

二つの声 r+7,089

俺がまだ子どもの頃、母がふとした拍子に話してくれたことがある。 それは、俺が生まれるずっと前……母がまだ二十代のOLだった頃の出来事だ。 春の空気はぬるく、どこか埃っぽい匂いを孕んでいたらしい。大阪の ...

光の抜け殻 r+4,029

両親は、俺が母の腹に宿った夜と、この世に生まれ落ちた夜に、同じ夢を見たらしい。 腹に、淡い金色の光がすうっと吸い込まれていく夢だ。光は小さくもなく、大きくもなく、けれど温かさと冷たさを同時に放ち、脈打 ...

本気の蕎麦 n+

あのときの記憶は今も舌に、いや、もっと奥に――骨の髄にまで焼き付いている。 きっかけは、一本のメールだった。大学時代の友人から、題名も本文も妙にぞんざいな一文だけのメールが届いた。「今日、本気で蕎麦打 ...

林道へ向かう声 r+3,212

2025/09/26   -短編, r+

これは、いまだに説明のつかない、自分が直接体験した出来事だ。 四六歳、菓子工場で副工場長をしている。仕事柄、毎朝五時には出社しなければならず、四時には目を覚ます習慣がついている。眠気を誤魔化すため、起 ...

夕暮れの鳥居 r+3,204

俺には霊感なんてものはないと思っている。 少なくとも、自分が何かを見た記憶は一度もない。だが両親は、俺が二歳のときにそのおかげで命拾いしたと、今でも親戚中に吹聴して回っている。 その日、俺たちは内陸の ...

首を絞められても r+3,856

親父が死んで、今日でちょうど一年になる。 教会には一周忌なんて習慣はない。けれど、心の奥で何かの節目だと感じてしまう。親父は神父だった。十字架を掲げ、聖書を読み上げる男だったくせに、幽霊の存在も認めて ...

お姉ちゃんと鬼ごっこ n+

あれは小学校一年の夏休みのことだった。 思い出すたびに胸の奥がざわつき、体の芯から冷えていくような感覚に襲われる。今ではもう誰に話しても「子供の妄想だったんじゃないか」と笑われるだけだが、あの体験が作 ...

ユニバース25(Universe25)#4,097

2025/09/25   -短編, r+, 都市伝説

ユニバース25(Universe25)【ゆっくり朗読】 人類はどこへ向かうのか?という問いに対する答を生態学から探求しようという試みとして、過去にとても面白い実験が行われた。 動物の特定の種の個体数は ...

風を連れてきた獣 r+4,863

2025/09/25   -短編, r+

中学時代からの友人、ジョンのことを思い出すと、なぜか夏の湿気を思い出す。 アメリカ南部生まれの彼は、幼い頃から信仰の中に育った。日曜ごとに家族全員で礼拝に行くのは当たり前。熱気と讃美歌と祈りの声が混ざ ...

夢枕の卵酒 r+2,896

2025/09/25   -短編, r+

上京してまだ間もない頃だった。 街は私を受け入れているようで、どこか突き放してもいた。見知らぬ人々の吐く息、排気ガスの匂い、夜遅くまで明かりの消えない雑居ビル。すべてが知らない音と色で、少し楽しく、少 ...

《佐久間奈々さん誘拐事件》千葉県・女子中学生誘拐未解決事件推理考察 n+

2025/09/24   -短編, 未解決事件, n+2025

深夜のコンビニへ“夜食クエスト”に出た4人の中学生。帰路、転倒のドタバタに割り込んできた中年男性が「代表でついてこい」。ここから、佐久間奈々さん(当時13)の行方は途切れる。動画は、当時の通説をいくつ ...

背に刻まれた主 n+

高校三年の頃、古典を担当していた年配の先生がいた。 白髪をきっちり撫でつけ、動作はゆったりしているのに、妙にこちらの気を引く人だった。普段、授業なんてほとんど聞き流していた俺だが、その先生の言葉だけは ...

葉の証 r+4,126

部の奥山に、小さな集落があった。 あたしは、そこで生まれたわけじゃない。幼いころ、両親を相次いで亡くし、兄は奉公に出された。行き場を失ったあたしは、村の庄屋に引き取られたんだ。そこで二つ年上のお嬢さん ...

朝方の訪問者 r+3,034

2025/09/24   -短編, r+

中学生の頃に聞いた父の話が、どうしても頭から離れない。 父は六〇代をとうに過ぎた今も、あの出来事のことを語るときだけ、声の奥が妙に湿っていた。 北海道の田舎で生まれ育った父が、親元を離れたのは大学進学 ...

偶然の一致 n+

人は死んでしまえば、あらゆる出来事が一本の線に収束していくのだろうか。  ばらばらに散らばっていた点が、亡き後に結ばれて、運命のように見える。 そう考えるようになったのは、身近な死をいくつも目にしてか ...

《山本美保さん失踪事件》未解決事件推理考察 n+

2025/09/23   -短編, 未解決事件, n+2025

「図書館に行く」と言い残して出かけた20歳の女性の足跡が、甲府駅前のバイクでぷつりと途切れる。ほどなく新潟・柏崎の海岸でバッグだけが見つかり、その後、家には4年半にわたって“無言電話”が続く。タイムラ ...

赤い鎖の夜 r+8.981

2025/09/23   -短編, r+
 

中学生の頃、俺は山奥の古い家に住んでいた。 今はもうじいさんとばあさんがそこに住んでいるけど、あの家を思い出すと胸の奥がじっとりする。壁はひび割れ、雨の日には屋根裏が獣の匂いで満ちる。携帯は完全圏外。 ...

三十三枚目 r+4,435

二十年来の幼馴染、隆一郎の話だ。 ……いや、正確には、あいつの口から聞いたはずの話だが、本当にあいつの声だったのか、今となっては自信がない。 あの日、久しぶりに再会した。互いに年齢を重ね、髪には白いも ...

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