短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

記憶が合わない【ゆっくり朗読】1800

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もしかしたら自分の勘違いかも知れないんだが、どうにも納得が出来ない話がある。

972 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2017/09/07(木) 13:23:40.14 ID:0cppgHn+0.net

何故か小さいころの記憶とかが結構スッポリ抜けてて、切っ掛けがあれば思い出すかなと思ってるんだけど思い出せない。

それでも印象に残っているものは細部まで覚えているという、そんな偏った記憶がある。
高校生までの記憶が結構抜けてるのに気がついたのも最近。

だけどその記憶全てが、両親とか年配の親戚とかに話すと、
そんなこと無かったとか、記憶違いじゃないかとか言われて、相手にして貰えない。

下手に昔の思い出したことを話しても、相手に記憶がなくて変な顔をされるようになった。

もちろん共通している記憶もあるにはあるよ。
でも少ない。

で、自分自身でもそうなのかと思っていたんだけど、
道を歩いている時に、10年以上前からそこにあったはずの居酒屋が何故か建築中になっていて、
近所の人に建てかえですかと聞くと、はぁ?みたいに言われた。

その時初めて知ったんだが、今度居酒屋になると言う。
しかも、その前はずっと空き地だったでしょと言われた。

自分の記憶では、10年以上前から居酒屋があった。

で聞くと、出来上がるのも記憶にある同じ名前の居酒屋。

記憶違いなのかそういうことがたまにあって、周囲の人と話が噛み合わなくて変に思われることがある。

だから両親とも親戚の集まりでも変に思われるのが怖くて、会話が自然に無くなっていったのも仕方ないのかな。

両親に対しては、自分が7歳のころに、
母親が間違って雨の日にフロントガラスが大雨で見えなくてそのままバックしたら、
後ろに停めてあった父親の車に激突し、母親は大怪我を負った。

倒れこむ血まみれの母親の姿とか、焦る父親の姿とか、鮮明に記憶に残っている。
救急車に運ばれるシーンとか。

なのに、両親も親戚もそんなことなかったと言う。

何かと混合してるんじゃないかって彼らは言うんだけどね。

子供って記憶をすりかえるときがあるから。

自分もその時はそう思った。

ただ居酒屋の件は別。
つい最近の話なんだ。

居酒屋以外にも、あったはずの建物が無くて別の建物があって、
そこは自分が生まれる前からその建物があったと言われる。

こんな記憶違いが頻発した。

もしかしたらと思う切っ掛けの記憶はある。

それが何って感じで、やっぱり自分が変なのかも知れんが。

20歳くらいの頃、商店街を歩いているときに、向こう側から何か変なものが来た記憶がある。

だけどその変なものの記憶は無い。
何を見たのかまったく覚えていないんだ。

覚えているのは強烈な立ち眩みで、けれど立ち止まってそのまま立っていられた。

他の歩行者からは迷惑だったかも知れないけど。

その時の状況は、
カメラの撮影時に物凄いスピードで移動すると、撮られている物体が流れるように見える現象があるたろ?
えーと説明、下手でごめん。
わかるかな。

そんな感じで周囲がグルグルと回っていた。

立ち眩みも1分無かったと思う。

でも、そのあとは普通に歩いて帰ったよ。

なんだったんだろうと今でも思うけど、このあとからだったと思う。
周囲との記憶が合わなくなったの。

最近、時空とか異世界とか流行っているのを目にして、まさか自分もなんて最初は笑っていたんだけど、
記憶が合わないことを考えるとかなり怖い。

今いる世界がもしかしたらズレた世界なんじゃないかと思うと、洒落にならないんだ。

両親とも親戚とも疎遠になってしまったし、小さなころから付き合っている友人とも話題が合わなくて疎遠に。

小学校、中学校の同窓会にも一度出たけど、居たはずの人が居なかったり、居なかった人とかが居て困惑。

仲が良かったのにと言われても、知らない人との記憶があるわけが無いよ。
だから同窓会にも行けなくなった。

これも関係あるのかわからないけど、有名な気功師の人がいて、仕事はマッサージがメインらしいんだけど、
友人に肩凝り治す理由で連れていって貰った。

昔テレビで気の力で相手を思うように動かしたり、気を放って吹っ飛ばしたりってあったじゃない?
そういうことが出来る人らしくて、実際に友人とか来ていた人とかが吹っ飛ばされていた。

集まっていた人たちは面白いって笑っていたけど。

で、自分の番になって、後方にはマットレスをたくさん敷いてあって、いつ吹っ飛ばされるのかとワクワク身構えていた。

言わばデモストレーションみたいなやつ、客集めって感じの。

でも気功師が何度か試してみたらしいんだけど、最後に気功師のほうが吹っ飛んでいた。
周囲は仰天していたよ。
え?何?って感じで。

自分は何が起こっているのか、わけもわかんなかったけど、
気功師は、たまにありますよーみたいなこと言っていたけど、
自分が近づいて話し掛けようとするとさりげなく離れてしまう。

帰り際に、あなたの気は常人とは違うようです、と言われた。

何が違うんですかって怒って責めたんだけど、
困惑してるその気功師の顔と隣りにいた友人を見て、それ以上はやめた。

もしかしたら気功師も説明できなかったのかも知れないし。

ただ、なんか自分が完全否定されたようで悔しかったよ。

で、その友人もいつのまにか連絡が途絶えた。

中学の頃からの友人だったけど、話が噛み合わない時とかあって変に思ってたのかもな。
無理やり話を合わせようとした時もあったしね。

異世界だの、時空だのと盛り上がっている人たちには悪いけど、自分にとって笑い話にも楽しい話にもならない。

もし仮に世界を移動していたとして、もう一度戻れたとしてもすでに10年以上経過してるから、また話が噛み合わなくなる。

何とか前向きに生きようと思うけど、人と会うのが正直怖いよ。

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