短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

違和感のある文【ゆっくり朗読】

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三年前の話なんだが、その頃色々ストレスがあって自営してたんだが、店をたたんで家で休養してたんだ。

384 :本当にあった怖い名無し:2015/04/06(月) 04:32:27.88 ID:dNfQiWYS0.net

暇だったんでネットを色々見てたらYahooの質問だったかな、違和感がある文があったのでとりあえず読んでみた。

暗号をちょっとかじったことあったからその違和感に気づいて、それを解読したらいくつかキーワードが上がってきた。

《タクシー》

《左後ろにへこみ》

《青いランプ》

《ようこそ》

文にはなってなくてこのキーワードが上がってきた。

あと一つか二つあった気がするんだけど思い出せない。

それを紙にメモって、嫁と子供が出かけるって言ってたから駐車場まで見送りにいったら、うちのマンションの前にタクシー止まってたんだよね。

よく使うタクシー会社だから、特に気にすることもなく嫁と子供と車に向かってたんだ。

歩いてるとタクシーの左後方部が見えて、へこみがあるのに気づいた。

夜で暗かったが間違いなくへこみがあった。

ふと見ると窓の部分が青いLEDか何かで照らされてた(よくある足元を照らすような光)

ちょっと怖くなって、俺は出かける予定なかったけど一緒に車に乗り込んで事情を説明して、嫁と子供にちょっとまってもらうようにいった。

いくらまってもそのタクシーに人が乗り込む様子がなくて、二十分か三十分ずーっと待機してた。

気になって仕方なかったから、しびれを切らしてタクシーに向かっていったらドアが開いて運転手が

「ようこそ」とか言うんだよ。

もうどうしたらいいかわからなくて、周りキョロキョロしてたら数人スーツ姿の男がこっちみてたんだよ。

普通の住宅街だから普段その時間に人を見かけることは少ない(二十一時頃)

何かやばいと思って、俺が乗らなきゃ嫁と子供も危ないかも、とか変な危機感出てきて、とりあえずタクシーに乗ってみたら無言で出発してた。

タクシーの中でラジオが流れてたんだけど、桃太郎の話をしてた。

ただどこかストーリーが違くて恐怖が増したのは覚えてる(記憶があいまいでよく覚えてない)

わけわかんないまんま十分くらい走ったのかな、そのラジオから「桃太郎が大泣きしてる」って聞こえた。

そしたら子供の顔が頭に浮かんで涙が出てきた。

運転手がそれまで無言だったのに

「戻りますか?」って聞いてきたので大きくうなずいた。

結局何事もなく家の前までたどり着いて、俺を下ろした後タクシーはどこかに走り去っていった。

駐車場を見るとうちの車がなかったからあわてたけど、タクシーとすれ違ってるうちの車がみえた。

どうやら俺を探しに行ってたらしい。

心配だから出かけるのを中止して、一緒にいてくれることになった。

家に戻って解読したメモ見せると嫁も顔を青くさせていた。

ただの奇行にしたくなかったから、確認のため俺が乗ったタクシーの会社に問い合わせてみたら

「その時間にそちらには配車してないし付近にうちのタクシーはいません」

「それにへこみがあるようなタクシーはすぐに修理に出すので勘違いではありませんか?」

って言われて青ざめた。

結局あのタクシーはなんだったんだろ。

(了)

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