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家にいた幼虫の影の話 nw+114-0203
2025/12/12 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でも、あの家の壁の湿りを思い出すと、胸の奥で何かがわずかに身動きする。 築年数の古い平屋で、木は乾ききらず、夜になると梁が低く鳴った。風が通るたび、家全体が一度息を吸ってから吐くようで、その合間に自 ...
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それ、出たらダメな電話 ncw+194-0207
2025/12/12 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
六月の半ばを過ぎた頃だった。 梅雨前線が関東平野の上空に居座り続け、私の住む木造アパートの壁紙は、指で押せばじっとりと指紋が残るほどに湿気を吸い込んでいた。深夜二時を回っている。 窓の外では、雨足が強 ...
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桃骨の窯 nc+
2025/12/11 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
十一月の雨は、山間部では氷のような匂いを孕む。 車のワイパーが払いきれないほどの細かな霧雨が、フロントガラスを叩き続けていた。 私が叔父の工房を訪ねたのは、彼からの執拗な電話があったからだ。 陶芸家で ...
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数えられる朝 rw+866-0109
2025/12/09 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, ほんのり怖い話
ネットで有名な怖い話昔、半島の先にある小さな漁村で、ひとりの老人から聞いた話だ。 今では夏になると観光客で賑わうその浜も、かつては祈りと生活が曖昧に混じり合う場所だったという。漁師たちは日の出前、仕事に出る前に必ず海へ入 ...
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切符のいらない車両 nrw+191-0109
2025/12/08 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あの晩、私は病室の白い天井を見上げていた。 夜九時。身体はほとんど動かず、鼻と気管に差し込まれた管が、呼吸のたびに微かな摩擦音を立てていた。消毒薬と古い床用ワックスが混ざった匂いが、視覚の代わりに意識 ...
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山の奥の停留所 nw+223-0109
2025/12/07 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
古い友人と二人、目的もなく山の方へ車を走らせたのは、もう七年ほど前のことだ。 都会の熱気を引きずったままの、夏の終わりだった。アスファルトの上に溜まった昼の名残が、夜になっても逃げ場を失い、窓を半分開 ...
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増える背丈 nc+160-0203
2025/12/07 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
この話を彼が打ち明けたのは、酒席でも気が緩んだ夜でもなかった。 帰省した折、台所で湯気がくゆるのをぼんやり眺めていたとき、ふいに思い出したように口を開いたのだと、自分に語った人がいた。彼によれば、いま ...
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【語り継がれる怖い話】カン、カン……【前編・後編】#6,842-0525
私は、あの音を聞いた家には長くいない方がいいと思っている。 そう言うと、たいていの人は笑う。金属が鳴っただけで大げさだと。でも、私には分かる。あれは音そのものが怖いのではない。音が鳴ったあと、家の中の ...
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元信者告白「エホバの証人の活動のなかで、最もつらかったこと」(いしい・さや)#6,832-0114
2025/12/07 -中編, r+, カルト宗教, ほんとにあった怖い話
★人気ベスト300漫画『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』が話題になっている。 この漫画は、エホバの証人の母のもとで育った著者・いしいさやさんが、自身の壮絶な体験を描いた作品だ。反響を呼んでおり、多くの人が共感 ...
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これ、おっちゃんの子 rw+3,854-0121
2025/12/07 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
ネットで有名な怖い話小学校五年の夏、アメリカでワールドカップが開かれていた。 理由はよく覚えていないが、その年の俺と幼馴染の康雄は、毎日のようにサッカーボールを蹴っていた。 いつもの公園に飽きたある日、康雄が「別のとこ行 ...
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壁と一致しないもの nw+
2025/12/06 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
暖房の乾いた風と、廊下に漂うアルコールの匂いが混ざり、胸の奥に薄い膜が張りついたまま剥がれない。 最初に見たのは、登校前の自室だった。視界の端を、細い黒い線が掠めた。糸のように張りつめ、次の瞬間には光 ...
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分け隔てなく接した結果 rw+3,931-0122
2025/12/06 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
2004年、激務薄給の仕事を辞めた俺は、しばらくのあいだ、時間だけが余っている抜け殻のような生活をしていた。 朝起きても行く場所はなく、金もない。テレビをつけても頭に入らない。気がつくと、ほぼ毎日、近 ...
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名簿に載らない名前 rw+3,754
2025/12/06 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
あの年の夏は、街全体がどこか薄かった。 震災の後で、T県に出向していた。仮設住宅の白い壁と、ひび割れた歩道と、立ち入り禁止の札。昼は復旧の音で騒がしく、夕方になると急に静まる。その落差が、妙に耳に残る ...
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無視すんなよ nw+202-0120
2025/12/05 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
六月の、雨が上がったばかりの生ぬるい空気。窓は少しだけ開いていた。 今でも、あの夜の匂いを思い出すと胸の奥がざわつく。夕食の支度が始まったばかりの台所から流れてくる、醤油と焦げかけた油の混ざった匂いだ ...
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嘘の欠片 rw+4,746
2025/12/05 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
ネットで有名な怖い話その日はエイプリルフールだった。 いつものように、僕らは僕の部屋に集まっていた。大学の講義が休みで、外は妙に暖かく、桜も中途半端に散り始めている。誰かが提案して集まったわけでもない。ただ、気づけばここ ...
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釜臥山の残響 nc+159-0119
2025/12/04 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
この話を打ち明けると、必ず周囲が黙り込む。 配属されたばかりの青森・釜臥山(かまふせやま)。標高千メートルを超す場所に、第四十二警戒群のレーダーサイトはあった。空が近く、月光が異様に強い場所だった。 ...
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夜中の食事 ncrw+163-0124
2025/12/03 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
この話をすると、たいてい相手は黙る。 途中で視線を逸らし、空気を確かめるように息を止める。語られている内容より、語っているこちらの輪郭が、少しずつ削れていくのがわかるからだと思う。 今でも、あの夜の匂 ...
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私より先に光るもの ncrw+158-0121
2025/12/03 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でも、あの午後の匂いを思い出すと、胸の奥で何かがざらりと崩れる。 乾いた校庭の砂塵と、日に焼けた鉄棒の鉄臭さが混じった、あの季節だけの空気だ。光はやけに白く、地面の反射が目の裏を刺していた。 私はド ...
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乾いた手 nw+184
2025/12/02 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
田んぼの泥が温まりきらずに冷気をまとい始める頃、空気の底だけがじわり湿る。 あれは中学二年の夏休みの終わりで、昼間に遊び疲れた身体のまま息を合わせるように夜へ滑り込んだ夜だった。家に帰って飯をかき込ん ...
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観客と証人のいないベンチ n+
2025/12/01 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でもあの夜の匂いを思い出すと、胸の奥がざわつく。 それは埃っぽさと、湿った土、そして僅かな鉄錆が混ざったような、団地の夜に特有の鈍い匂いだ。友人のMが語った、あの出来事の中心にあるのは、その匂いと、 ...
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花壇の向かいに座るひと n+
2025/12/01 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
小学二年の私が、庭の隅にある小さな盛り土に水を垂らしていた頃の話だ。 夕方の光が斜めに差し込み、花壇の土を赤く照らしていた。 風はほとんど動かず、空気は薄い膜のように肌へ張りついていた。 日が傾ききる ...
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白い人々(The White People)/アーサー・マッケン(Arthur Machen)n+
2025/12/01 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
世界は一枚の皮じゃない。 裏側で、まだ脈打っているものがある。 見たら、戻れない。 世界は整った一枚の皮膜ではない。 その下に、もうひとつの世界が縫い付けられている。 その縫い目が裂け、裏側から“白い ...
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塩を持って歩く rc+4,134-0117
2025/12/01 -中編, r+, ほんとにあった怖い話
時空の歪み職場の同僚と居酒屋で飲んでいたときに語った話を、そのまま書き写す。 あれから二十五年以上が過ぎたが、今も脳の底で黒い水が鳴っている気がする。 高校二年から三年に移る春休み、三月。北浜と天満橋のあいだ、 ...
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縫い目の内側 ncrw+149-0109
2025/11/30 -中編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今でも、あの匂いを思い出すと胸の奥がざわつく。 消毒液と古い布団の湿気が混じった、大学病院の空気だ。覚えているはずがない、と何度も言われた。それでも、天井に広がる黒ずんだ輪郭や、廊下の奥に溜まる湿った ...
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蛇田の駐車場 rc+5,942-0131
2025/11/28 -中編, r+, 集落・田舎の怖い話, ほんとにあった怖い話
自分の住んでいる町は、田舎の中核都市。 あの土地は、もとは「蛇田」と呼ばれていた田んぼだった。小学生の頃から母に「蛇田には近づくな」と何度も言われてきたが、その理由を誰も詳しく話そうとしなかった。湿っ ...
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代わりに呼ばれたもの rw+6,103-0110
俺の田舎には、土地神がいると言われている。 神様と呼ばれてはいるが、誰も拝まない。祀らない。感謝もしない。ただ、触れないようにしてきただけだ。山に入るな、日が落ちたら近づくな、獣の声に応えるな。それだ ...
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死守りの夜 r+1,500-2,244
これは、高校の時の同級生から聞いた話だ。 彼の故郷では、独特な葬式の風習が今も残っているらしい。 その話は、彼の祖父、通称「爺」が亡くなった時のことだったという。爺は柔道五段、日焼けした顔にがっしりと ...
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手を振るな rw+8,500-0612
2025/11/22 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
★人気ベスト300うちの地元では、海に近づいてはいけない日がいくつかあった。 盆の海に入るな、というのはどこにでもある話だと思う。足を引かれるとか、帰ってきた者に連れていかれるとか、大人たちは似たようなことを言った。 ...
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顔を覚えられる rw+2,335-0618
大学四年の夏、就職先が決まった。 友人たちは卒業旅行だ、合宿だと騒いでいたが、私は急に空いた時間をうまく使えなかった。予定のない日が続くと、何かを損しているような気がして、ふと思い立って母方の祖父を訪 ...
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担当者欄 rw+6,101-0106
2025/11/21 -中編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間, ほんとにあった怖い話
以前、販売業に従事していた友人が社員研修用の資料を見せてくれた。 クレーム内容とその対応について。 そこには、クレーム対応を 【A】『正当な事由がある場合』と 【B】『正当な事由がない場合』に大別でき ...
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誰にでもお父さんはいます rw+5,823
青森に住んでると、霊能力者みたいな人が身近にいるのが当たり前みたいになる。 何でもかんでも幽霊に結びつけるつもりはないけど、土地の空気が薄い瞬間があるのは否定しにくい。黒石の冬の夜なんか、息を吐くと白 ...
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水に混ざる家 rw+3,270-0129
2025/11/19 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
今でも、あの夏の倉庫の匂いを思い出すと、鼻の奥がじんと痺れる。 鉄錆と、湿った木の粉が混ざったような匂いだ。北海道の乾いた空気の中で、そこだけが海に近い場所のように感じられた。 祖父はよく言っていた。 ...
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忘れられた写真と未来人の謎 r+2,977-3,410
2025/11/19 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
ある日、うちの本家の祖父が亡くなる少し前に、「俺は未来人を見たことがあるんだ」と話し始めたことがあった。 祖父も高齢だったので、周囲は「もうボケたのではないか」と思ったが、実際には精神的な衰えはなく、 ...
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開いていた七階 rw+3,260-0206
2025/11/17 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
私は大学時代、テレビ局でアルバイトをしていた。 水曜日が全休だったため、ほぼ毎週その日にシフトを入れていた。仕事は楽で、時給も良く、社食も評判通りだった。内部の人間から紹介された仕事で、表向きは非の打 ...
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イースが見ている rw+3,825-0707
2025/11/17 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
坂本さんは、中学のころ、ほとんど誰とも口をきかなかった。 口をきかない子だったのではない。きく相手がいなかったのだという。 教室では、机の中に濡れた雑巾を詰められた。上履きはよく片方だけなくなった。給 ...
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神隠しの町~呪われた祠の囁き r+5,163-5,759
三年前の夏の出来事 大学に入学して間もなく、親しくなった斉木と中島と共に、夏休みの暇を持て余し、斉木の親戚が経営する某山陰地方の民宿へ旅行に出かけることにした。二泊の予定だった。 町に到着し、夕暮れ時 ...
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育てるもの rcw+5,925-0129
今でも、祖父の家の裏山に漂っていた湿った匂いを思い出す。 夏休みごとに弟と連れて行かれたその家は、瓦屋根が低く沈み、庭先には使われなくなった農具が無造作に積まれていた。夕方になると、裏山から蝉の声と湿 ...
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選ばれなかったほう rw+4,671
夜の林道で見た光は、いまも彼の記憶の奥で消えずに揺れている。 十五年前、免許を取りたての彼は、地図に載らない道を走ることに取り憑かれていた。舗装の途切れた林道、崩れかけたガードレール、落ち葉に埋もれた ...
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金曜には戸を開けるな rw+8,252-0406
私が小学校五年生のとき、交通事故で両親を亡くし、祖父に引き取られた。 その日から、何を見ても色が薄かった。転校先でも口をきかず、授業が終われば一人で帰った。祖父は不器用な手つきで台所に立ち、よく鶏の唐 ...
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気にしなかった女 rw+5,948-0122
2025/11/13 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
これは、夜の仕事をしていた二十歳の女性から直接聞いた話だ。 当時の彼女は、同じ店で働く一つ年上の女性と、繁華街に近いアパートで同居を始めたばかりだった。鉄筋三階建ての二階、和室と洋室がひとつずつある、 ...
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四枚目の皿 rw+4,866-0113
2025/11/13 -中編, r+, 洒落にならない怖い話, 人形にまつわる怖い話, 定番・名作怖い話
★人気ベスト300彼女には霊感と呼べるものがなかった。 幽霊を見たこともなければ、気配を感じたこともない。そういう話を聞いても、どこか他人事として受け取ってきた。だからこそ、あの一度の体験は、今も現実として整理できない ...
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嘉衛門と嘉兵衛 rw+7,000-0524
2025/11/12 -中編, r+, 家系にまつわる怖い話
★人気ベスト300その友人は、自分の名前を人前で書くのを嫌がった。 珍しい名前だから、というだけではない。名簿や申込書に書くとき、最後の一文字を入れる前に必ず手が止まる。誰かに読み上げられると、一拍置いてから返事をする ...
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思い出せない場所 rw+5,589
なぁ、人肉館に行かないか。 夏休みを利用して、久しぶりに長野の実家へ帰省した日の夜だった。 東京での生活に慣れきった身体には、山に囲まれた町の空気は驚くほど軽く感じられた。昼間は暑いが、風に湿り気がな ...
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背後の位置 rw+3,822-0114
2025/11/12 -中編, r+, 山にまつわる怖い話
ネットで有名な怖い話, 中国地方とある夏のキャンプでの話。 あれから一年経った今でも、どこからが正確な記憶で、どこからが自分の中で歪んだものなのか、はっきりしない。 大学の夏休み直前、高校時代からの友人・江崎から電話があった。久しぶ ...
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四台目のチェーン rw+1,926-0310
2025/11/11 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
夏休みの午後だったはずなのに、その日の記憶だけは、日差しよりも先に黒いものが浮かんでくる。 小学生の頃、友達と公園で遊んでいた。鬼ごっこにも飽きて、ぬるくなったジュースを飲みながら木陰に座っているうち ...
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抱き寄せられた夜 rw+2,213-0107
今でも、あの夜の冷えた空気を思い出すと、背中の奥に細い針を一本ずつ差し込まれるような感覚が蘇る。 寒さではない。皮膚の表面ではなく、もっと内側、骨と神経の境目を正確になぞられるような冷えだ。 三年前の ...
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二番目の名前 rw+6,641-0614
父は一度も、私の名前の由来を話してくれなかった。 勇二。 珍しい名前ではない。子どものころは、そんなことを気にしたこともなかった。名札に書き、答案用紙に書き、年賀状の差出人にも書いた。二という字が入っ ...
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通話中 rw+6,425-0120
2025/11/10 -中編, r+, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
俺は霊感のある人間じゃない。 幽霊を見たこともなければ、心霊スポットに行って鳥肌が立ったこともない。怪談話を聞いても、せいぜい「雰囲気あるな」と思う程度で終わる。 だから今でも、自分が特別な体質だとは ...
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見たい? rw+3,702
2025/11/09 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
ネットで有名な怖い話高校二年の夏、俺と川村、大塚、笹原の四人は、思いつきだけでキャンプに出かけた。 笹原の親戚が教えてくれたという川辺を目指していたはずだったが、山道で道を一本間違えたらしく、辿り着いたのは地図にも載って ...
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鬼は決まっていない rw+1,753
あれは、小学校六年の夏前だった。 寛二という同級生がいた。最初から、教室の空気に馴染まないやつだった。授業中は机に突っ伏し、目を閉じたままほとんど動かない。給食だけは黙々と平らげ、終われば誰とも目を合 ...