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mixiで出会った彼女 r+7890

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2005年の出来事。いまだに謎であり、トラウマとなっている体験。

2004年、mixiで一人の女性と知り合った。仮に雅子(25歳)と呼ぶことにする。彼女とはメッセージのやりとりから始まり、何度か会ううちに仲良くなり、最終的には付き合うことになった。

自分は東京、彼女は大阪に住んでいて遠距離恋愛だった。しかし、彼女は美容師の自分が連休を取れないことを気にして、毎週末東京まで来てくれた。

雅子は小柄で可愛く、胸も大きい。料理も上手で性格もよく、上品で、非の打ち所がない女性だった。信じられないほど理想に近く、完全に夢中になってしまった。

今振り返ると、それほど完璧な存在がむしろ不自然だったと感じる。

付き合い始めて1年近くが経過したころ、自分は結婚を意識し始めた。そして、互いの両親に会うことになった。

自分の両親は雅子を気に入り、彼女の両親も歓迎してくれた。彼女の家庭は裕福そうだったので、貧乏な美容師の自分との結婚には反対されるだろうと覚悟していたが、そんな心配は杞憂だった。彼女の両親は嫌味なところが全くなく、とても親切だった。そして、結婚の話を心から喜んでくれた。

その時、彼女の家に立ち寄った際、部活帰りの弟とも会った。年が離れている無口な少年だったが、超有名高校の野球部に所属しているという話を聞いて納得した。礼儀正しい態度も印象的だった。彼女の家庭は、まるでドラマに出てくるような幸せで理想的な家族に見えた。「こんな家庭で育てられたから、こんなに素晴らしい女性に成長したのだな」と感心し、雅子をさらに愛おしく思うようになった。

それからも雅子は毎週末自分の家にやってきて、仲睦まじい生活を続けていた。しかし、ある日曜日、事態が急変した。

早朝、彼女が朝食を作る音や香りで目を覚ました。幸福感に浸っていると、突然寝室のドアが勢いよく開かれた。「朝食ができたのか」と思ってキッチンに向かうと、彼女の様子がいつもと違った。おはようと声をかけても無視される。

彼女はヤキモチを焼くことがあり、たまに怒ることもあったので、その類だろうと軽く考え、話しかけ続けた。しかし無視は続き、普段なら「大好きだよ」と言えば機嫌が直るのに、この日は違った。

そんな中、焦げたような臭いが漂い始めた。フライパンを空焚きしている彼女を見て、「火、つけっぱなしだよ!」と声をかけた瞬間、彼女は「思い知ったかッ!!」と叫び、熱々のフライパンで自分の頭を殴りつけた。

突然の出来事に呆然としていると、彼女はそのまま荷物を持って家を出ていき、音信不通となった。

彼女とどうしても話がしたくて、彼女の居場所を探し始めた。しかし、すべてが奇妙だった。

まず、携帯電話は解約されていた。次に、彼女の会社に電話をしたところ、「そのような人は働いていない」と言われた。さらに、彼女のマンションを訪ねると、そこももぬけの殻だった。実家に行ってみても、誰もおらず、表札も外されていた。あれほど愛着があると言っていた家が手放されるとは思えず、不可解で仕方がなかった。

ふと、実家を訪問した際にもらったお父さんの名刺を思い出し、記載されていた京都の某区役所に向かった。しかし、そこでも「そんな人は働いていない」と言われ、見せた名刺も「偽物だ」と断言された。

すべてが謎だった。彼女やその家族は一体何者だったのか。

最後の手がかりとして、超有名高校の野球部でレギュラーを務めているという弟の存在を追うことにした。学校名を間違えることはあり得ない。弟のスポーツバッグにも、学校名がしっかりと書かれていたし、試合中の写真を見た際にもユニフォームにその名前が記されていた。

しかし、実際にその高校を訪れると、弟が着ていた制服はその学校のものとは全く違っていた。学校名を間違えるような凡ミスではなく、明らかに矛盾が生じていた。

彼女が自分を騙していたのだろうか? 家族ぐるみで? そもそも、あの家族は本物だったのだろうか?

理想の彼女や幸福そうな家族が、不自然なほど完璧だったことが、すべて不気味に思えてきた。そして、最後に彼女が言った「思い知ったか」という言葉の意味も、今なお理解できない。

雅子との時間を振り返ると、全身に鳥肌が立つような感覚が湧き上がる。まるで何か得体の知れないものと一緒にいたような恐怖感だ。

最悪、自分の妄想だったという方がマシだったのかもしれない。しかし、両親が「雅子ちゃんとの結婚はいつ?」と聞いてきたり、お店のスタッフから「彼女さん最近来ないですね」と言われるたびに、それが妄想ではないことを突きつけられる。

すべての出来事に説明がつけばいい。自分がただのメンヘラだったというオチでもかまわない。しかし、納得のいく説明がない限り、このモヤモヤは消えないままだ。

復讐を考えたこともあるが、彼女がそこまで手の込んだことをしておいて、フライパンで殴って終わりにするだろうか。もっと自分を苦しめるような行動をする気がする。結婚式をドタキャンするなど、もっと精神的に堪える方法を取るはずだ。

彼女が退会したmixiでは、彼女の職場の人たちも多く「美人で優秀な社員」という紹介文を書いていた。しかし、それも嘘だったのだろうか。彼女の大学の同級生を名乗る二人も退会しており、彼女の複数アカウントかとも思ったが、マイミク数や活動内容を考えると手が込みすぎている。

一時でも美人の彼女がいたことを喜ぶべきだと言われるが、不気味さと恐怖がそれを上回る。

実家の近隣住民に話を聞いてみたが、彼女たちの行き先を知る人はいなかった。かつて見た弟の野球部の写真には、チームメイト数十人が写っていた。しかし、後に見た記事ではユニフォームが違っていた。数十人もの少年たちを巻き込む理由が、全くわからない。

ただ一言、この出来事を説明できる人がいればと願っている。それが自分の妄想であるというオチですら、答えがほしい。

(了)

[出典:170 :本当にあった怖い名無し :2010/05/18(火) 16:13:04 ID:BO9Ukqtd0]

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