ネットで有名な怖い話・都市伝説・不思議な話 ランキング

怖いお話.net【厳選まとめ】

「奇妙な話・不思議な話・怪異譚」 一覧

きれいな着物 nw+

湿った苔と、古びた樟脳が混ざり合ったような匂い。 記憶の蓋に指をかけると、まずその粘着質な嗅覚が蘇る。私の生まれ育った土地には、山の中腹にへばりつくようにして建つ古い神社があった。観光ガイドに載る由緒 ...

八本指の歩幅 nc+

今でも、真夏の昼下がりにアスファルトが焦げるような匂いを嗅ぐと、ふいにあの日の記憶が蘇り、胸の奥がざわざわと泡立つような感覚に襲われる。 あれから四十年近くが経った今、私は東京の乾いた空調の中で暮らし ...

返された皮膚 nw+132

四つか五つの頃だったと思う。左手の中指に、粒みたいな盛り上がりがひとつできた。 爪の付け根に近い場所で、触れると冬の石鹼みたいに乾いた感触が残った。 放課後の教室で、こっそりそれを押しては離すのを繰り ...

通りのほうが逃げた nw+133

去年の秋のこと。乾いた風が吹く夕方、大須観音の鐘の音がかすかに揺れていた頃だ。 中古や古物の匂いが混じる街を歩くのが癖になっていた彼は、その日もいつもの骨董屋に向かった。ところがシャッターが降りている ...

不在の家族 rc+5,256

これは、かつて配達の仕事をしていた友人から聞いた話だ。 個人宅への配達は、しばしば「奇妙な人々」との遭遇を意味する。その日も、いつもと変わらない配達先に向かった。平屋建ての一軒家。チャイムを鳴らすが応 ...

梁の上から降りてきたもの nc+

仕事を辞める少し前、同僚だったTさんと残業明けにファミレスへ寄った夜のことだ。 深夜に近い時間帯で、店内には油と暖房の混じる乾いた匂いが漂っていた。コートを椅子に掛けた直後、Tさんが唐突に「娘がさ、四 ...

来年も、またどうぞ rw+4,435

ある青年が、仕事の都合でK県を訪れた際の出来事。 長時間の移動で疲れ切り、宿に戻る前に何か温かいものを食べようと、人気のない路地を歩いていた。すると、煤けた木造のとんかつ屋が目に入った。派手さはない。 ...

人ももう死んだよ nc+

寝返りのたび布団が擦れる微かな音の向こうで、何かがひとつだけ浮いているような白さが目の裏に残る。 あのとき、暗闇を裂いたのは、天井の隅の豆電球ではなく、手元のスマホだった。 深夜の部屋は湿気を含んでい ...

窓の高さ nw+152-0121

「この前、聞かされた話があるんですよ」 そう前置きして、同僚のAは語り始めた。 残業明けの事務所は乾いた空気に満ちていたが、彼の声だけが妙に湿っていた。その夜は深夜一時過ぎ。家族は全員寝静まり、一階の ...

……ついてきてますよね、これ nc+

今でも、あの乾いた響きだけは耳の奥に残り続ける。 子どもの頃から、私は何かのきっかけになる場所を通るだけで、妙な反応が起きていた。火災報知機の赤いガラスがかすかに熱を帯びるように見えたり、積み上げられ ...

天井から下半身が垂れ下がっている n+

あのタワマンの一階駐車場に入ると、排気ガスでも油でもない、どこか湿った布を絞ったような匂いが微かに混じる。 建て直してまだ数年のはずなのに、空間だけ古びているように感じる瞬間がある。 エレベーターホー ...

掘った場所に戻る rw+2,542

これは、自衛隊に長く務める知人の先輩から聞いた話だ。 自衛官になってから、妙に怪談や奇妙な出来事に縁ができたという。その先輩自身も、はっきり説明できない体験をいくつかしており、ある演習での出来事が今で ...

サイレンの残響 nc+

今でもあの夜のサイレンの音を思い出すと、胸の奥がじんと熱くなるような、冷たくなるような変な感覚になる。 数年前のちょうど今くらいの時期、盆の少し前だったと思う。湿気を含んだ空気がまとわりつく中、私は久 ...

発信者名:長瀬 rw+13,177

【ゆっくり怪談】現役僧侶が遭遇した怪奇現象 九州在住の某宗派の現役の僧侶である。 宗派の教義上、いわゆる霊や祟りといったものは原則として想定しない。だから、これから書くことは自分の立場としても非常に扱 ...

音が山になる夜 nw+227-0217

音に形があると知ったのは、あの山を見た夜だった。 私の故郷は福岡の奥まった盆地で、四方を山に囲まれている。幼い頃はそこが世界の端だと思っていた。夏は蛙の声が重なり、冬は霧が谷を満たす。その霧が濃く出た ...

上を歩くもの ncw+143-0209

三月の終わりだというのに、その夜の空気は妙に粘り気を帯びていた。 卒業式から三日後、二十人ほどの同級生が、級友Kの実家である山間の古刹に集まった。座敷は本堂の脇にある大広間で、襖を外して一つにした空間 ...

一拍遅れて振り向く rw+3,348

布団の中で握った母の手は、氷よりも静かだった。 それが最初の違和だった。 親父が死んで一年になる。 教会の一周年という区切りに意味は薄いと教義では言うが、残された側にとって暦は刃物だ。否応なく、その日 ...

家にいた幼虫の影の話 nw+114-0203

今でも、あの家の壁の湿りを思い出すと、胸の奥で何かがわずかに身動きする。 築年数の古い平屋で、木は乾ききらず、夜になると梁が低く鳴った。風が通るたび、家全体が一度息を吸ってから吐くようで、その合間に自 ...

それ、出たらダメな電話 ncw+194-0207

六月の半ばを過ぎた頃だった。 梅雨前線が関東平野の上空に居座り続け、私の住む木造アパートの壁紙は、指で押せばじっとりと指紋が残るほどに湿気を吸い込んでいた。深夜二時を回っている。 窓の外では、雨足が強 ...

二度死んだ同級生 rw+4,311-0215

【ゆっくり怪談】噂の同級生 あれは小学生の頃、教室の空気がねっとりと淀んでいた時期の出来事だ。 八月に入ったばかりで、蝉の声が耳の膜を押し広げるように響いていた。窓の外は白く、教室の床はどこか湿って見 ...

桃骨の窯 nc+

十一月の雨は、山間部では氷のような匂いを孕む。 車のワイパーが払いきれないほどの細かな霧雨が、フロントガラスを叩き続けていた。 私が叔父の工房を訪ねたのは、彼からの執拗な電話があったからだ。 陶芸家で ...

二時三十五分の通話 n+

今でもあの夜の話を耳にすると、周囲がそっと息を潜めるらしい。 語ったのは、四年前に親友を亡くしたAの友人で、彼は「聞いたまま」を落ち着いた声で繰り返すだけだった。 当時、Aには大学で知り合った○恵とい ...

同じ苗字の家 rw+4,353

ポストに入っていた一通の封筒が、間違いだったと気づいたのは、開封してからだった。 昨年のことだ。ある住宅街では同じ苗字の家がやけに多く、番地も似通っているせいで誤配送が日常茶飯事になっていた。彼女の家 ...

読まれた名前 rw+3,515-0219

私はこれまで何百件もの式を進行してきたが、あの日のことだけは忘れられない。 郊外の小さなチャペルだった。木立に囲まれ、午後の光がステンドグラスを透かして床に落ちていた。予定通り、誓いの言葉が交わされ、 ...

数えられる朝 rw+866-0109

昔、半島の先にある小さな漁村で、ひとりの老人から聞いた話だ。 今では夏になると観光客で賑わうその浜も、かつては祈りと生活が曖昧に混じり合う場所だったという。漁師たちは日の出前、仕事に出る前に必ず海へ入 ...

切符のいらない車両 nrw+191-0109

あの晩、私は病室の白い天井を見上げていた。 夜九時。身体はほとんど動かず、鼻と気管に差し込まれた管が、呼吸のたびに微かな摩擦音を立てていた。消毒薬と古い床用ワックスが混ざった匂いが、視覚の代わりに意識 ...

山の奥の停留所 nw+223-0109

古い友人と二人、目的もなく山の方へ車を走らせたのは、もう七年ほど前のことだ。 都会の熱気を引きずったままの、夏の終わりだった。アスファルトの上に溜まった昼の名残が、夜になっても逃げ場を失い、窓を半分開 ...

増える背丈 nc+160-0203

この話を彼が打ち明けたのは、酒席でも気が緩んだ夜でもなかった。 帰省した折、台所で湯気がくゆるのをぼんやり眺めていたとき、ふいに思い出したように口を開いたのだと、自分に語った人がいた。彼によれば、いま ...

確実でないならば rw+3,845-0122

夜中の二時。男は薄暗い部屋でテレビをつけたまま、身動きもせずに座っていた。 眠れない理由は分からない。疲労は確かに溜まっているはずなのに、瞼の裏に暗闇が落ちてこない。頭の奥が妙に冴えていて、理由を探す ...

これ、おっちゃんの子 rw+3,854-0121

小学校五年の夏、アメリカでワールドカップが開かれていた。 理由はよく覚えていないが、その年の俺と幼馴染の康雄は、毎日のようにサッカーボールを蹴っていた。 いつもの公園に飽きたある日、康雄が「別のとこ行 ...

雀荘で世界がズレた話 rw+3,477-0205

仕事が早く終わった日のことだった。 帰り際に友人から連絡が入り、いつもの雀荘に集まることになった。特別な理由はない。打てる時間がある。それだけで十分だった。 牌を握り始めたとき、外はもう暗かった。店内 ...

壁と一致しないもの nw+

暖房の乾いた風と、廊下に漂うアルコールの匂いが混ざり、胸の奥に薄い膜が張りついたまま剥がれない。 最初に見たのは、登校前の自室だった。視界の端を、細い黒い線が掠めた。糸のように張りつめ、次の瞬間には光 ...

見上げたのはどちらか nw+

今でも、あの夏の青を思い出すと、胸の奥に水が溜まる。 奈良の吉野の谷へ降りた日の空気は、生ぬるく重かった。吉野川沿いのキャンプ場は、川幅が一瞬だけ緩む場所にあった。本流は速いのに、そこだけはせき止めら ...

分け隔てなく接した結果 rw+3,931-0122

2004年、激務薄給の仕事を辞めた俺は、しばらくのあいだ、時間だけが余っている抜け殻のような生活をしていた。 朝起きても行く場所はなく、金もない。テレビをつけても頭に入らない。気がつくと、ほぼ毎日、近 ...

名簿に載らない名前 rw+3,754

あの年の夏は、街全体がどこか薄かった。 震災の後で、T県に出向していた。仮設住宅の白い壁と、ひび割れた歩道と、立ち入り禁止の札。昼は復旧の音で騒がしく、夕方になると急に静まる。その落差が、妙に耳に残る ...

無視すんなよ nw+202-0120

六月の、雨が上がったばかりの生ぬるい空気。窓は少しだけ開いていた。 今でも、あの夜の匂いを思い出すと胸の奥がざわつく。夕食の支度が始まったばかりの台所から流れてくる、醤油と焦げかけた油の混ざった匂いだ ...

嘘の欠片 rw+4,746

その日はエイプリルフールだった。 いつものように、僕らは僕の部屋に集まっていた。大学の講義が休みで、外は妙に暖かく、桜も中途半端に散り始めている。誰かが提案して集まったわけでもない。ただ、気づけばここ ...

花屋の記憶と喫茶店 r+2,259

これは、同級生から聞いたある不思議な体験談である。 彼は幼少期、街の商店街の端にある「花屋」に強く惹かれたという。彼にとって、その花屋はただの店以上の何かだった。鮮やかな花々や独特の香りが彼の好奇心を ...

釜臥山の残響 nc+159-0119

この話を打ち明けると、必ず周囲が黙り込む。 配属されたばかりの青森・釜臥山(かまふせやま)。標高千メートルを超す場所に、第四十二警戒群のレーダーサイトはあった。空が近く、月光が異様に強い場所だった。 ...

布団の下にいなかった子ども n+

小学生のころの話をしようとすると、まず鼻の奥に、あの夜の匂いがよみがえる。 煮詰まった味噌汁と、焼け残った魚の脂と、畳に染みこんだ湿気が混ざった、少し重たい匂いだ。 その日が土曜日だったことは、今でも ...

止まっていたのは誰か rw+5,853-0220

自転車鬼ごっこをしていた日のことは、いまでも季節ごとに思い出す。 近所に、やたらと広い墓地があった。俺と弟、儀一、茂吉、清助の五人で公園を走り回っていたが、儀一が「墓地まで広げよう」と言い出した。鬼は ...

取らなくても鳴る rw+4,957-0105

俺は、ある古びたアパートの一室、104号室に住んでいる。 二階建てで、築年数だけが自慢のような建物だった。薄い壁、軋む階段、夜になると外灯が半分しか点かない通路。安い。理由はそれだけだ。住人同士の交流 ...

掃除した場所 rw+4,116-0119

俺が某飲食店で働いていた頃の話だ。 郊外にある全国チェーンの古い店舗で、内装も什器もほとんど開店当時のままだった。油と埃が長年染み込み、掃除しても完全には取れない匂いが常に漂っていた。それでもこの店は ...

夜中の食事 ncrw+163-0124

この話をすると、たいてい相手は黙る。 途中で視線を逸らし、空気を確かめるように息を止める。語られている内容より、語っているこちらの輪郭が、少しずつ削れていくのがわかるからだと思う。 今でも、あの夜の匂 ...

私より先に光るもの ncrw+158-0121

今でも、あの午後の匂いを思い出すと、胸の奥で何かがざらりと崩れる。 乾いた校庭の砂塵と、日に焼けた鉄棒の鉄臭さが混じった、あの季節だけの空気だ。光はやけに白く、地面の反射が目の裏を刺していた。 私はド ...

乾いた手 nw+184

田んぼの泥が温まりきらずに冷気をまとい始める頃、空気の底だけがじわり湿る。 あれは中学二年の夏休みの終わりで、昼間に遊び疲れた身体のまま息を合わせるように夜へ滑り込んだ夜だった。家に帰って飯をかき込ん ...

四階に増えた一室 rw+2,847-0128

今でも、四階の匂いを思い出すと喉がひりつく。 消毒液とも古い金属とも判別できない、湿り気を含んだ匂いだ。あの階にだけ、季節とは無関係の湿度があった。 私は当時、雑居ビルの管理会社で事務をしていた。築四 ...

観客と証人のいないベンチ n+

今でもあの夜の匂いを思い出すと、胸の奥がざわつく。 それは埃っぽさと、湿った土、そして僅かな鉄錆が混ざったような、団地の夜に特有の鈍い匂いだ。友人のMが語った、あの出来事の中心にあるのは、その匂いと、 ...

花壇の向かいに座るひと n+

小学二年の私が、庭の隅にある小さな盛り土に水を垂らしていた頃の話だ。 夕方の光が斜めに差し込み、花壇の土を赤く照らしていた。 風はほとんど動かず、空気は薄い膜のように肌へ張りついていた。 日が傾ききる ...

かわって ncw+204-0120

茨城県南部の湿った風が、車の窓から吹き込んでくる。 七月半ばの筑波は、緑とアスファルトが混じり合った独特の匂いがした。父親の転勤に伴う引っ越しは、中学三年の夏という最悪の時期に決まった。助手席の父親は ...

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