ネットで有名な怖い話・都市伝説・不思議な話 ランキング

怖いお話.net【厳選まとめ】

「奇妙な話・不思議な話・怪異譚」 一覧

祠の裂け目 n+

これは、あの夏に友人から聞いた話ではなく、私自身の身に起きた出来事として語らざるを得ない。 実家のある町は、電車も一時間に一本しか通らないような田舎で、周囲は見渡す限りの田んぼだった。空は広く、風の音 ...

黒い封筒 r+4,754

一昨年の冬、婆ちゃんが死んだ。 静かな死だった。あっけないとも言える。高齢だったし、震災の後、急に弱っていったから、仕方がないとは思った。それでも、あの人のいない仏間の冷たさには、何か底知れぬものがあ ...

黒羽の前触れ r+1,818

東日本大震災の直前、福島の沿岸部、原発から十キロほどの町で暮らしていた。 あのときの胸騒ぎは、今でもうまく言葉にできない。理由もないのに、ただ恐ろしくて、逃げ出したくてたまらなかった。たぶん、これは誰 ...

ひとつだけ空いていた席 r+3,479

今でもあの出来事を思い出すと、背中がじっとりと湿ってくる。 もう何年も前の話だ。三十代に入ったばかりの頃、真夏の昼下がりだった。その日も私は、青梅線に乗って都内の実家に向かう途中だった。あの路線は、都 ...

ヒロマルが通る道 r+2,730

昔、おばあちゃんがまだ小さかった頃に体験した話を、生前に何度か聞かされたことがある。 夕飯の後、決まって玄関先の縁側に腰かけて、梅干しを指でつぶしながらぽつりぽつり語るのが癖でね。決して大きな声では話 ...

父の最期の言い間違い n+

親父が死んだ日のことを、今でもはっきり覚えている。 いや、正確には死ぬ前日のことだ。あの、よく分からない言葉を口にした夜のことが、ずっと頭の中にこびりついて離れない。 食道静脈瘤という病気で、血を吐き ...

帰れない道 r+3,866

大正生まれの祖母が、生きているあいだ何度も繰り返し語ってくれた話がある。 私自身の体験ではないけれど、祖母の語り口や、そのときの目つき――うつろなのにどこか嬉しそうなあの表情が、今でも忘れられない。 ...

かずだま r+2,841

拘置所にいたことがある。 たったの四ヶ月、だが、あの灰色の空間は時間の長さと無関係に人間の中の何かを削っていく。 八人部屋。みんな起訴されたばかりか、裁判中かのどちらかで、懲役と違って毎日が宙ぶらりん ...

最期の采配 n+

十年以上も前のことだ。 あれは俺の体験じゃない。けれども、あまりにも妙な出来事だから、こうして人に話さずにはいられない。話してくれたのは昔からの友人で、彼にとっては血のつながった祖父の最期の晩に起きた ...

笑わない女 r+1,809

オカルトには興味がある。むしろ人一倍ある。 だからこそ、信じたくない――信じた瞬間、世界のルールが壊れるようで怖いのだ。 そういう性分だから、心霊現象に出くわすたび、まず疑う。風の音だろう、建付けが悪 ...

『良栄丸遭難事件』未だ謎が残るミイラ船の真実・幽霊船ミステリー r+16,448

良栄丸遭難事故とは? 1926年(大正15年/昭和元年)12月。和歌山県の漁船:良栄丸が千葉県銚子の沖で遭難し、乗組員12人が全員死亡・行方不明となった事故である。 漁業従事中にエンジンが故障、北太平 ...

夕焼けの中学校 n+

俺が通っていた中学校は、今はもう存在しない。 取り壊されて更地になり、今では地元の老人たちが犬を散歩させたり、夕方にゲートボールをしたりしているだけの場所だ。けれど俺の記憶の中では、あの学校は今も、薄 ...

侵入者の記憶 n+

小学三年の冬から、四年生の五月までの記憶が、まるごと抜け落ちている。 自分の口でこんな話をすると、たいていは「冗談だろ」とか「夢でも見てたんだろ」と返される。けれど本当に、そこだけ真っ黒に途切れている ...

両手を重ねるだけで r+3,786

これは、幽霊の話でもなければ、怪奇現象の話でもない。おそらく、どこにでもある「夢」の話だ。 ただ、夢というものが脳のどこで、どんなふうに生まれるのかを思えば──あるいはその深部に、ほんの少しだけ「恐怖 ...

忌みことば r+4,033

俳句をやっていると話すと、決まって少し意外そうな顔をされる。 まあ、教師なんていうものは、生徒の前では常に「こうあるべき人間」を演じる職業だから、俳句のようなものにうつつを抜かす余裕はないと思われてい ...

夢に現れた救済者 n+

十年近く前の出来事を、いまだ鮮明に語れる。 あれを思い出すたびに、風呂場の湿気の匂いが鼻の奥にまとわりつくのだ。 同じマンションに住む女の人に、唐突に拉致された。部屋へ引きずり込まれるようにして、風呂 ...

【怖すぎ】島根の山中で発見された“記憶喪失モヒカン男”まとめ【現金60万】n+

【不可解】記憶喪失のモヒカン男【島根】 1 :本当にあった怖い名無し:2025/09/05(金) 01:14:22.22 ID:AbCdEf12島根の山の中で、モヒカン頭の男が倒れてたらしい。頭痛がし ...

時間の延滞 r+2,540

 それは、わたしがまだ新米として土木事務所の雑用をしていた頃の奇妙な話だ。 事務所の隅でいつも黙々と書類を整理している、寡黙な老人と話す機会があった。彼は、若い頃にダム建設の現場で働いていたという。顔 ...

雨の朝に消えた人 n+

あの日のことを、三十年近く経った今でも鮮明に覚えている。 小学校に上がる前だったと思う。まだ幼かったから記憶はぼんやりしていていいはずなのに、なぜかその朝だけは、輪郭が鋭く焼きついている。まるで誰かが ...

龍王峡へ続く影 n+

あの日のことを思い返すたび、胸の奥で黒く重たいものが蠢く。 十四年前、多摩川の河原で見つけた穴に、なんの気なしに身を滑り込ませてしまったのがすべての始まりだった。 親戚の葬式の最中、同年代の者は一人も ...

七十六の火と、三十年の猶予 r+2,305

嘘か本当かは、わからない。でも、思い出すたび、背中がひやりとする。 小学校の頃、毎日のように遊んでいた「じいちゃん」がいた。血のつながりはなかった。近所に住んでた、妙に物静かな老人。母は「変わった人だ ...

もうひとりの支援員 r+1,581

X学童の話をしてくれたのは、元支援員のMさん(仮名)。 十年以上も前の話になるが、今も細部を忘れられないのだという。 勤務先は住宅街の一角にあった公立の学童保育所。建物はふたつ、A館とB館に分かれてい ...

山の音を背負って r+1,824

あれは、大学三回生の秋口だったと思う。 はっきり季節を覚えているわけじゃないけど、空気がじっとり重くて、でも夜になると肌寒い。そんな中途半端な気候の夜だった。 俺が通ってた大学は、町からはずれた山の中 ...

竹林の案内人 r+2,035

エジソンの竹で知られる京都市のはずれ、暑さが粘りつくような初夏の日。 わたしは母に連れられて、遠縁にあたるFさんのお宅を訪ねた。 まだ市松人形に似ているなんて、心底嫌なことを言われていた頃の話。そのた ...

油膜の街と黒い男 r+2,217

あれは、ほんとうにあったことだったのか……自信がない。 四歳か、五歳の頃。遠い記憶の底に沈んでいる、ひどく静かな異常のことだ。 うちは、田舎の造りでね。母屋の裏に、かまどのある作業小屋がぽつんと建って ...

同じ夢のゆくえ r+2,057

駅前のロータリーを歩いていたとき、肩を叩かれた。 午後三時過ぎ、重たい雲の隙間から微かに光がこぼれていたのを、はっきりと覚えている。 振り返ると、地味なスーツ姿の女が立っていた。口元を引き結び、神妙な ...

カチリと鳴る闇 n+

中学の同級生から聞いた話を、あたしはどうしても忘れられずにいる。 あれはもう十年以上前のことになる。あの夜の匂いや、空気のざらつきさえ、いまも皮膚の裏に張り付いているようで、ふとした拍子に蘇る。 当時 ...

守護の鬼神、玄関に立つ r+4,095

俺の実家には、なにか“いる”。 いや、正確に言うと「いるらしい」が正しい。自分には見えない。霊感の欠片もないタチだから。けど、見える人には――はっきりと見えるそうだ。 身長は二メートルをゆうに超え、肩 ...

ついてきたもの r+2,275

祖母が亡くなった夜のことだった。 通夜を終え、俺は弟とふたり、父の車を借りて家に戻る道中だった。夜はすでにとっぷり暮れて、月も雲に隠れていた。街灯のない農道を走ると、ヘッドライトの光が妙に心許なく感じ ...

脳で視るもの r+1,858

目が覚めた時、景色が……違って見えた。 いや、最初はそんな大げさなことを考えてたわけじゃない。ただ、あの朝、布団から起き上がったとき、天井の木目がやけに繊細で美しくてね。ああ、こんな細かい模様だったん ...

二回目の夕刻 n+

中学三年の頃の話をしようと思う。 もう十年以上前のことになるけど、あの瞬間の気味の悪さは今も抜けない。 仲の良い五人組でつるんでいた。クラスはそれぞれ違ったけど、学校が終わるといったん家に帰り、塾まで ...

令和十八年の訪問者 r+1,639

福岡の田舎に住んでる。山あいの盆地で、夏は湿気がまとわりつくように重い。 今日も朝から茹だるような暑さで、庭の草むしりなんてやるもんじゃなかったと、汗だくになりながら後悔してたところに、見知らぬ若い男 ...

コール音の向こう側 r+1,513

もう十年ほど前の話になる。 けれど、あのカラオケ屋で働いていた三年間のことは、いまだ夢のようで、時々ふいに夜中、目が覚める。何かが戻ってきたような、あの場所から視線だけが追いかけてくるような、そんな感 ...

アイという名の男 r+1,613

小学生の頃、近所に〈アイ〉と呼ばれていた中年の男がいた。 いや、正確には、誰も彼の本名を知らなかった。みんな、彼がいつも発していた奇妙な声、「あいっ!」から、そう呼ぶようになったのだ。 毎日決まった時 ...

忘れられた八人目 n+

中部の山奥で育った。 家々は杉林のあいだから顔をのぞかせ、夕暮れには獣の声が近いのか遠いのか分からないほど反響した。子どもの数は少なく、同じ年に生まれたのは八人だけ。全員が男子だった。 学校では否応な ...

作業灯の灯るはずのない場所 r+1,404

うちから歩いて十分ほどのところに、もう使われなくなった鉄道用の古いトンネルがある。 名は伏せるが、地元では少しばかり名の知れた心霊スポットで、地元の人間であれば誰もが「そういう場所」として認識している ...

顔咲 r+1,335

タクシー運転手をやっていた頃、暇な時間によく乗客に話しかけていた。 世間話や天気のことが多かったが、ときどき「怖い話、聞いたことありません?」なんて訊くこともあった。そういうのが好きだったんだ。だが、 ...

義姉の謝罪 n+

義姉が死んで、二年が経つ。 未だにその事実を受け入れられずにいる。あの人は、誰よりも私のことを理解してくれていたからだ。 兄と私は複雑な家庭に育った。両親は気まぐれに家を出て行き、帰ってくる時期も定か ...

視界の端にいるもの r+2,793

あの子が死んだ。心臓発作、十三歳だった。 前触れも、伏線も、なんにもない。朝ごはんを食べて、陽のあたる窓辺で丸くなっていたそのまま、ぴくりとも動かなくなっていた。 生きているとしか思えなかった。毛並み ...

削除完了 n+

私は自分のことを、自分で説明できない。 記憶というものが、まるで粗末な布切れのように、少し引っ張ると縫い目が裂けて、中身がぽろぽろ零れていく。 小学校のことなど、ほとんど何も覚えていない。友達がいたは ...

ズラが這う r+2,582

あんまり怖くも面白くもない。 それは自分でもわかってるんだけど、今夜は寝つけなくて、ふと思い出してしまった。……だから、書く。 仕事は、いわゆるIT土方ってやつで、古びたマンションで一人暮らし。現場の ...

平成生まれのコージくん~追憶の声 n+

平成が始まった翌日のことを、今でも鮮明に覚えている。 その頃の自分は中学生で、受験を控えた不安を抱えながらも、塾へ向かう道をいつものように歩いていた。新宿の住宅街の夕暮れ。ビルの影に差し込む橙色の光が ...

ポチの家 r+4,163

私は数年前まで、ある一家に「飼われていた」…… 今こう書いてみて、なんとも奇妙な言い回しだとは思うけれど、他に説明のしようがない。思い違いや夢にしてはあまりに生々しく、かといって現実だと信じ切るには、 ...

隣人はひとり、なのにふたり n+

大学二年の春、ひとり暮らしを始めた。 街の中心から少し外れた、古びた鉄筋コンクリートのマンション。共用廊下に雨水が染みた跡が残り、夜になると灯りの半分は点かない。それでも、家賃の安さに釣られて即決した ...

過去から見つめられていた r+2,017

あれは小学校六年の春先、桜がまだ枝に残っていた頃だった。 放課後、近所の公園で友達とドッジボールをしていたんだ。遊具のそばには他の子どもたちもいたし、母親らしき人たちがベンチに座っておしゃべりしていた ...

歌の残る墓地 r+1,710

山に入って三日目、ようやく最初の目的地にたどり着いた。 古地図にだけ記され、国土地理院の地形図ではただの雑木林とされているその場所は、実際、道など存在しなかった。高巻きしながら枝を払い、沢を跨ぎ、獣道 ...

観察者の呪い r+1,650

泊まったホテルの名前は、もう思い出せない。 いや、思い出したくないのかもしれない。場所は東北だったはずだ。学会での発表があり、大学から派遣された私は、前乗りして一泊する必要があった。地方都市の駅前にぽ ...

裂け目の夜道 n+

あの日のことは、どうしても頭の隅から離れてくれない。 五年前の十二月、残業が珍しく長引いて、終電でようやく帰ることになった夜のことだ。 当時の住まいは、最寄り駅から徒歩二十五分もかかる古びたアパート。 ...

月の景色が見えたら r+2,601

ああ、これはもう五十年も前のことになる。 俺がまだ小学生だったころ、川崎の工場地帯のど真ん中に住んでいた。空気は金属と油の臭いが混ざってて、運河は濁った緑のドブ色。空気に触れてるだけで目が痛くなるよう ...

籐椅子の女 n+

九州の奥、山と藪に囲まれた集落にある古い家で、正月に一族が集まった。 年始の陽射しが縁側から差し込み、外は冷たい空気、座敷には酒と湯気が満ちていた。その上座、籐の揺り椅子には、笑みだけを残したまま記憶 ...

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