ネットで有名な怖い話・都市伝説・不思議な話 ランキング

怖いお話.net【厳選まとめ】

「奇妙な話・不思議な話・怪異譚」 一覧

音のない海 nc+

祖父母の家は海に近かった。 家を出て五分ほど歩き、古いトンネルを抜けると海沿いの道に出る。そこからさらにもう一つトンネルを抜けた先に、ちょっとした砂浜があった。観光地というほどではないが、民宿がいくつ ...

六月十二日 rw+4,783-0322

お祓いに行く前に、これだけは書いておく。 書いておかないと、何があったのかだけではなく、私がどこからおかしくなったのかまで曖昧になる気がする。ここ数日、物の名前や順番はまだ思い出せるのに、匂いだけが先 ...

母の再婚相手 nc+

今でも、宅配便の段ボールが擦れる音を聞くと、喉の奥に金属の味が戻ってくる。 梅雨の終わり、部屋にこもった湿気とインクの匂いが混ざり合い、息を吸うたびに肺の内側がじっとりと重くなっていた頃の感覚だ。 当 ...

更新者不明 ncw+

冬の昼下がりだった。 外はよく晴れているのに、部屋の中だけが薄く灰色で、カーテンの隙間から差し込む光がモニターに反射し、文字がにじんで見えた。暖房は入れている。だが、指先だけが冷たかった。 職探しをし ...

今日はどちらが抱いてくれるんですか rw+3,342-0320

僕が黒田に出会ったのは、高校一年の春だった。 政令指定都市ではあるが、中心街から少し外れると、急に時間の流れが鈍くなる街だった。家から三分歩けばローソンが三軒ある。どれも似たような白い光で夜を照らして ...

塀の向こうの猫 ncw+

上手く説明できる自信は、正直ない。ただ、あれは確かに見た。 今から二十年ほど前のことだ。当時住んでいた家の近所で、古い家屋の解体工事が行われていた。建物そのものはすでに壊され、更地になっていたが、なぜ ...

誰が欲しがった ncw+

夜中の作業というものは、時間の感覚を鈍らせる。 針がどこを指しているのか分からなくなり、疲労と集中が同じ重さで混ざり合う。 あの夜も、たぶんそういう状態だった。 スパコミ前日の夜、私は友人Aの部屋に泊 ...

受け取られた記憶 rw+1,897-0316

今でもあの冬の日の息の白さを思い出すと、胸の奥がざわつく。 小学四年の十二月だった。北風が頬を裂くように冷たく、友達と秘密基地を見に行った。場所は埼玉の郊外、低い林に埋もれるように残っていた古いホコラ ...

吠えた場所が違った rw+5,284-0316

実家は築四十年を超えている。 柱は日焼けして黒く、床板は歩くたびに湿ったような軋みを返す。冬になると壁の隙間を風が抜けて、家のどこかで細い笛みたいな音が鳴る。昔からそういう家だった。台所の奥で何かが落 ...

わたしじゃないほうのわたし nrw+300-0316

父の会社が潰れたのは、俺が高校二年の夏だった。 それまで小さな会社とはいえ、社長の息子として育ってきた。家も、進路も、就職先も、なんとなく既定路線の先にあるものだと思っていた。それが一日で消えた。 父 ...

在庫が塞いでいた部屋 nc+

同人誌にまつわる、妙に後味の悪い話。 昔、同人界隈ではそこそこ名の知れた、いわゆる壁大手だった人がいた。当時は商業もやらず、完全に趣味で18禁オンリー。イベントのたびに刷る部数も多く、在庫の量が尋常じ ...

またその顔で rw+2,717-0315

数年に一度、決まって現れる人たちがいる。 爺さんのときもあれば、婆さんのときもある。作業着のおっさんだったことも、喪服のおばさんだったこともあった。全員、別人だ。顔も声も、着ているものも、暮らしぶりも ...

まだ会っていない恋人 nw+372-0315

今でも、盆の夕暮れの匂いを思い出すと、胸の奥がざらつく。 線香の煙が、仏間の天井をゆっくり撫でていた。 俺とAは黙ったまま、黒い位牌の前に座っていた。 家そのものは何も変わっていないはずなのに、前に来 ...

焚き火 nc+

焚き火を囲んでいたら、来た。 長野県の、スキーバスが転落した湖のほとり。 事故から何年も経っていて、場所も対岸側だったから、 「まあ大丈夫だろう」と、バーベキューをした。 片付けが終わって、残り火の周 ...

時刻表どおりに来たバスに乗ったら、清助が先に乗っていた rw+3,877-0313

あの夜のことを思い出すたび、最初に引っかかるのはバスじゃない。清助だ。 母の親友の息子で、物心つく前から同じ家にいた。兄弟というには近すぎて、他人というには説明がつかない。飯を食う速さも、寝返りの癖も ...

見つかる前の話 rw+3,866-0312

大正生まれの祖母が、生きているあいだ何度も繰り返し語ってくれた話がある。 私自身の体験ではない。けれど、祖母がその話をするときの顔だけは、いまも妙にはっきり思い出せる。目の焦点は合っていないのに、口元 ...

最初に見えた人 nc+

湿り気を含んだ初夏の風が窓から入り、カーテンがわずかに揺れていた。 深夜に近く、部屋には時計の秒針の音だけが残っていた。 その女性――仮にAさんとする――の話し方に、誇張はなかった。ただ、言葉の切れ目 ...

玄関を閉めない家 rw+1,940-0311

俺が子供の頃、祖父の家には一匹の犬が居ついていた。 コロという名だった。柴犬の血が混じっていると聞いたが、どこかそうは見えなかった。野良にしては不自然なくらい真っ白で、晴れた日に庭へ出ると、毛並みだけ ...

洗ってはいけない実 rw+2,349-0311

これは、ある男から直接聞いた話だ。 その男は、生まれつき、死んだ人間やこの世のものではない何かが見えるという。 ただし、祓えるわけでも、未来がわかるわけでもない。ただ見えて、向こうも自分に気づくことが ...

🚨少し遅れている iwa+

午前二時ちょうどに、毎晩、非通知の電話が鳴った。 出ても、相手は何も言わない。 最初の二晩は、それだけだった。 三日目の夜、受話器の向こうで水の音がした。 細く、切れずに落ちつづける音だった。 そのあ ...

女の子はいなかった rc+3,575-0311

ずっと、あの子の顔だけは忘れられない。 両親が離婚したあと、母に連れられて山あいの集落に移り住んだのは、まだ小学校に上がる前だった。人は少なく、ほとんどが顔見知りで、店といえば小さな商店が一軒あるだけ ...

【名作】四つ年上の姉シリーズ【全話コンプリート】#9,196

四つ年上の姉シリーズ~コンプリート【ゆっくり朗読】 1.秘密の友達 四つ上の姉にまつわる話だ。 これから書き記す話は、姉の人生のほとんどを占めた『縁』あるいは『呪い』と呼ぶべきものと、自分でもその力の ...

まだ家のもの rw+2,255-0311

親父は五十になった年、経営していた紡績工場を唐突に売った。 身内は全員反対したが、親父は聞かなかった。工場も機械も土地もまとめて手放し、莫大な金だけを残して会社を畳んだ。 「もう三代先まで食っていける ...

背中の重み ncw+

その店は、地下へ続く階段の踊り場に立った時点で、すでに空気が重かった。 酸化した油と、安煙草の煙が混ざり合い、澱のように沈殿している。換気が機能していないというより、ここでは匂いが逃げるという発想自体 ...

押し入れの上段 rw+9,834-0106

大学時代の友人と久々に飲んだ。 懐かしさに油断して気づけば終電はとっくに終わっていた。タクシーで帰るのも面倒で友人が「職場の後輩の部屋、泊めてもらえるかも」と言い出した。俺は軽い気持ちで頷いた。終電を ...

場所がわからなくなっただけ ncw+

二年ほど前、私は地方の学校に通っていて、敷地内にある古い女子寮で暮らしていた。 鉄筋造りではあったが、築年数はそれなりで、夜になると配管が鳴き、壁の奥を水が流れる音が時間差で響いた。人の気配が消えた後 ...

川の持ち主が戻る日 nc+

インドネシア人の友達、Sから聞いた話だ。 彼の実家の近くには、大きな川が流れている。 地図で見ればそれなりの規模だが、実際に近づくと拍子抜けするほど穏やかで、 岸のあたりは浅く、流れも緩やかだという。 ...

🚨認知バイアスの正体、脳じゃなかった説 nc+

「バイアス」って言葉は、今ではただの心理学用語みたいに扱われてる。 人間には考えの癖がある。物事を都合よく見る。損を嫌がる。先に信じた説明に引っ張られる。そういう話だ。 でも、昔からネットの一部では、 ...

忘れたはずの色 nc+

幼稚園に入る前くらいまで、私には人の顔が見えていなかった。 そう言い切りたいが、本当はもう少し曖昧だ。 見えていなかったのか、見ていなかったのか、自分でも区別がつかない。 少なくとも、今のように「顔」 ...

おはようございます nc+

会社の先輩と、同じ地元だと知ったのは入社してしばらく経ってからだった。 意気投合して飲みに行き、地元の怖い話をしようという流れになった。 話題になったのは「青い○○の家」だった。一家心中した家で、坊さ ...

押し出された男 nc+

先日、車で人を轢きそうになった。 正確に言うと、「人が飛び出してきた」のではない。 押し出された。 その違いに気づいたのは、すべてが終わってからだ。 その日は、特別なことは何もなかった。 仕事帰り、夜 ...

帰りたくなる nc+

もう2~3年以上前になるかしら。 以前行き付けだったゲーセンは、なぜだか知らないが必ず10時に閉店してた。 元々寂れた店じゃあなかったし、大学の近くだったせいか夜でも客は常にいた。 それでも親爺はわざ ...

夜にだけ長くなるトンネル nc+

Aの家は、I山の中腹にある。 俺の家はそのふもとだ。地図で見れば直線で五キロほどしか離れていない。だが実際に行くには、山をぐるりと回る道を使うしかなく、十キロ以上かかる。 泊まりに行く前日、Aに地図を ...

座席の境界 nc+

その日は、ただ疲れていただけだった。 珍しく電車に乗った。 いつもは車移動か、せいぜい徒歩圏内で済ませる生活だが、その日はどうしても電車を使う必要があった。 時間帯は夕方。帰宅ラッシュの少し手前で、車 ...

おんぶの位置 nc+

火葬場で拾骨をしているときだった。 骨壺の前に立った瞬間、急に肩が重くなった。痛みはない。ただ、何かがのしかかっている。ちょうど、人を一人おぶったときの重さに近い。 最初は気のせいだと思った。立ちっぱ ...

You opened it. nc+

1990年10月。ミシガンの大学に留学していた頃の話だ。 あの頃、学生はとにかくレポートを書かされた。ラボには五十台ほどのコンピューターが並び、夜になるとほぼ満席になる。ブラウザは《Mosaic》。検 ...

砂嵐の予告 nc+

中学生の頃、眠りに落ちる直前に、必ず見る映像があった。 夢と呼ぶには浅すぎて、現実と呼ぶには輪郭が曖昧な時間帯。目は閉じているのに意識はまだ起きていて、体だけが先に沈んでいく。思考がほどけ、言葉が形を ...

ベランダの外 nc+

住んでいる場所の「音」に、人はすぐ慣れる。 車の走行音、遠くの踏切、夜中のサイレン。 最初は気になるのに、いつの間にか生活の一部になる。 それが、どれだけ異常な音でも。 俺が住んでいた学生アパートは、 ...

入ってはいけないサークル ncw+

高校時代の担任は、普段ほとんど自分のことを話さない人だった。 淡々としていて、余計な雑談をしない。生徒との距離も一定で、踏み込みすぎず、突き放しすぎず、どこか線を引いたまま教壇に立っている。感情の起伏 ...

空車の助手席 nc+

ポケモンGOが出た頃、俺は東京に住んでいた。 あの夏の東京は、夜の街に「目的」を増殖させた。終電が過ぎても人が歩いている理由ができて、深夜の路地の息づかいが少しだけ明るくなったような気がした。 俺もそ ...

婚姻届の名前 ncw+

深夜二時を回った部屋の空気は、水を張ったまま忘れられた水槽のように重く澱んでいた。 換気扇が古びたベアリングを擦る低い唸りを続け、その単調な振動だけが耳の奥に貼り付いて離れない。テーブルの上には婚姻届 ...

記入者は誰ですか? iwa+

放課後の教室に、わたしはひとりで残っていました。 たぶん、ひとりだったと思います。 みんなはもう帰ったはずです。 でも、さっきから変な感じがしています。教室がいつもより少し広いというか、音があまり響か ...

もじもじ社 nc+

新しい就職先に選んだのは、「もじもじ社」という会社だった。 ビルの入口にはその四文字だけが貼られている。業務内容は一切説明されなかった。ただ面接で一つだけ言われた。 「目立たない方が向いています。」 ...

K村の神隠し nc+

「神隠し」って言葉は、いまどき軽く使われがちだ。 迷子になった子ども、山で消えた登山者、都会で連絡が途絶えた人。 でも田舎の村でその言葉が出るときは、冗談じゃ済まない。 それは「説明の付かない空白」を ...

弁当箱が空になるまで ncw+

子どもの頃、祖母の畑仕事についていくのは退屈だった。 大人が黙々と土をいじる時間は、子どもにとっては途方もなく長い。太陽は容赦なく照りつけ、蝉の声は頭の中まで入り込んでくる。やることがない。だから俺は ...

返事をしないこと iwa+

知人が体験した話として聞いた。四年ほど前だという。 その知人は、建物の裏側を見るのが好きだった。豪華なエントランスよりも、客が通らない通路の方に興味を持つ。どこがどう繋がっているのか、それを把握してい ...

祖母の手が消えた ncw+

俺が四、五歳のころ、親に預けられると決まって祖母の家だった。 祖母はよく笑う人で、笑うたびに目尻に刻まれる皺が、そこにいるだけで大丈夫だと教えてくれるようだった。子どもにとっての祖母は、場所そのものだ ...

ここに にいます iwa+

同期入社の建築士——几帳面で読書家の女が、珍しく私の席まで来て言った。 「変な部屋を見つけたの」 事故物件ではない。事件の記録もない。ただ、いられない。誰も長くいられない。そう言う。 彼女と夫は三か月 ...

花火のない夏祭り nc+

夏祭りの記憶は、ふつう甘ったるい。 焼きとうもろこしと汗、子どもの手を引く大人の熱、遠くで鳴る太鼓の腹の底を揺らす音。でも俺のそれは、どうしても「空」を見上げられない。 あの年、親戚一同で花火大会に行 ...

押し入れの奥はまっすぐ《月うさぎ9》iwa+

たぶん、もう分かってきました。 怖いって思ってたのは、最初だけでした。 押し入れの音も、丸も、影も、全部。 いまは、少し違います。 押し入れの中で動いてるのは、何か悪いものじゃないです。 たぶん、ずっ ...

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