短編 山にまつわる怖い話

陸上自衛隊のレンジャーだった人の話【ゆっくり朗読】5223-0107

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陸上自衛隊のレンジャーだった人の話

以前、陸上自衛隊のレンジャーだった人が話していたが、山の中では、幻覚・幻聴などしょっちゅうのこと。

人間とは生理的にそういう生き物であり、怪異でも不思議でも何でもない。

だから、真夜中の御巣鷹山だろうが、雫石の慰霊の森だろうが、怖いことなど何もない。

また、広報班の写真担当の陸曹も、

「怪奇現象や心霊現象には興味はあるものの、全く怖くない」言っていた。

自衛隊には、基本的にそういう人が集まってくるのか、訓練などによりそういった人間に変化していくのか、ちょっと知りたい所だ。

61 :あなたのうしろに名無しさんが……:04/06/22 06:06 ID:/tIS4+CX

同じ事は、禅の修行でも何百年も前から言われている。

苦行の最中に、いろいろなものを見てしまうんだよね。

神様だったり仏様だったり、鬼や悪魔だったり、世の理を悟った気分に至ってしまったり。

……で、そういうものは全て、人の弱い心(脳)が生み出して見せているものだから、惑わされんなよ、と一蹴しているわけだ。

現代医学では、その多くが生理現象で説明がつけられるようになったけど、ずっと以前から同じ事を言い当てていた点は興味深いよね。

泥臭い話だけど、実際に修行の途中で見ちゃったものに惑わされて、新興宗教(カルト)を始めてしまうドロップアウト組のような、禅僧くずれで胡散臭い連中も、禅の周辺にはゴロゴロいる。

要するに、苦行の最中にそういうもんに出会って、赦しを得たとか徴をもらったとか、神や宇宙との合一を見たとか言ってる奴は、まだまだハンパ者だよ、と暗に言っている訳だ。

修行の最中についに惑わされず、己の弱さや都合のよさを自覚した上で、現実に立ち帰った釈迦は一人前の哲学者だった。

しかし、四〇日四〇夜の修行中ずっと悪魔を斥けておいて、その最後に神の使いに会っちゃったつもりのイエスなんてダメダメじゃん、みたいな感じ。

さらに世の中には、もっと安っぽい教祖や預言者なんかいくらでも居るって事だし。

で、まあ若くて精神力も理性も充実しているうちは、現実と対峙するストレスにも耐えられる。

しかし年とって耄碌してくると、唯物的であった筈の禅僧や医者、軍人なんかでも、やっぱり自分の感覚に惑わされてしまったりする奴が出てくる。

人というのはこのように弱く、すぐに救いを求めてしまい、さらにそれを自分自身で妄想して生み出してしまう生き物だ……という事ですな。

(了)

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