短編 奇妙な話・不思議な話・怪異譚

【異世界】俺が不思議な村へ行った話(画像付・グーグルアース有り)【ゆっくり朗読】10.3k

更新日:

Sponsord Link

こんな時間だし俺が不思議な村いった話するわ

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/02(日) 02:29:45.63 ID:hidcP4WD0

家の近所には小さい山があるんだわ。

入り口から中までアスファルトで舗装されてるんだけど、何で舗装されてるのか謎。

登山目的ってわけでもないし、伐採をやるわけでもない。

20年以上前からそんな感じだから近所の婆ちゃんに聞いてみたら、「あそこは昔、色々あってな……」

その、色々を聞いても、教えてくれない婆ちゃん。

小学生の頃の俺はそれで納得してた。

ちなみにこれが入り口の写真。

木の葉が散っててアスファルトが見えないのは勘弁な。

それから高校生になって、その山について自分でも調べたんだよ。

見た目にはそんなに高くない山なんだけど、案外広い。

それで十五年ぐらい前に人がやって来て家を建てたんだわ。

これなんだけど、家っていうよりは小屋って感じだろ?

ちなみにその家には一年も人が住んでなかったと思う。

 

こんな感じで雨戸があって中は見れんのだが。

 

それでなぜか家の周りには、ブルと簡易トイレが放置されっぱなしになってる。

気づいたら建ってて、人が住んでたのかどうかも謎。

別荘にしては小さいし、人が住むにも小さい。交通の便も悪いしな。

 

山登っていくとこんな看板があったりな。

昔はなんか書いてあった気がするが今はわからん。

 

それでここが二年ぐらい前まで工事やってた場所。

この工事も謎で、伐採をやっていたと言われればそうかもしれないんだが。

俺が前見たときはデカイ缶?みたいなのを放置してた。

工事車両も沢山登ってたが今は放置やな。

Sponsored Link

で、本題に入るんだが。

高校生の夏休み、暇だった俺はこの山を探検してみたいって思ってな。

ポテチとジャージ装備して山を登ったんだ。今思えばもう少し装備してけば良かったなと。

こんな感じの道を進んでいったんだが、実際に今日撮ってきた画像な。

一時間ぐらい登って、自分が今どこにおるかわからんくなったんやな。

どう考えても自分が悪いんだが、その時は怖くても先に進めばなんとかなると思って前に進んだ。

で、どれぐらい登ったかわからんけど、喉が渇いたしポテチ食ってると水分無くなるしで、そんな時に開けた場所で村みたいなものを発見したんだよ。

木造の家が五つぐらい並んでて、その家も時代劇に出てくるような木造の古臭い家。

それで畑作業をしている人が数人チラホラ見えた。

ここで既に怪しいんだが、喉が渇いてた俺は「すいませーん」と大きな声で、畑仕事してたおっさんに話しかけた。

「お前。外から来たんか?」

「外? 多分そうです。それと水を……」

「ちょっと待っとり」

なんか竹筒みたいなやつから水くれたおっさん、マジ良い人だった。

「そんじゃ村長のところ行くか」

この時はもうなにをされてもいいなって思えるぐらい、おっさんが神に見えた。

村長の家なんだが、別に他の家と特になにが違うってわけじゃなかったんだよな。

家の中にいた村長は白髪だらけの普通のじっちゃんだった。

「おぬし、村の外から来たのか?」

「はい、そうですけど」

「そうか……」

そこからなにも話が進まない。それで俺から話を切り出してみることにした。

「あの。皆さんは外の街にでたりしないんですか?」

「犬神様がおるでの。外に出たらあかんのじゃ」

普段の俺なら、宗教くさい、って一蹴してたけど、村長の目がマジだったので黙っておくことにした。

それでしばらくして、さっきのおっちゃんが戻ってきて、握り飯をくれた。

塩しかついてないけど、空腹なら美味しいんだな。

「今日はウチにおいで」

「お世話になります!!」

おいで、っていうのは遊びにおいでって意味だと思ってた高校生の俺。

おっさんの家に行ったら、薄幸そうな嫁さんと、芋っぽい顔した女の子がいた。

「おい芋!この人と遊んであげぇ!!」

「わかった!!」

それから一緒に遊んだんだが、この村には他に子供が二人しかおらんから、四人で鬼ごっことか隠れんぼなんかをして遊んだ。

で、遊んでいる内に日が暮れて、これはそろそろ帰らなくちゃまずいんじゃないかと、今更になって不安になってきた。

「おっちゃん。今日はもう帰りたいんだけど」

「もう遅いけぇ、この暗さで帰るより、明日の朝、帰り!!」

全くもって正論なので、少し不安だったけど世話になることにしたんだ。

夕飯は、汁ものと飯と漬物な。そこでの夕食も美味しかった気がする。

それで、夜になっておっちゃんたちに色々外のことを話した。

まあ、なに話しても嬉しそうに聞いてくれるので、べらべら俺が喋ってただけなんだが、それで夜も深くなった頃、寝てたら誰かにゆすられて起きたんだけど、芋がトイレに行きたいと言って来た。

「トイレは外にあるけ、おとうちゃんたち起こさんようにな」

俺も半分寝ながら音を出さないように外に出たんだ。

そしたらいきなり芋が真顔になった。

「にいちゃん!早く外に逃げり!!」

「えっ? なに、いきなり」

「ここにおったら、生贄にされてまうで!!」

なにを言ってるのかわからなかったが、なにやらヤバイ感じはした。

「でも、帰り道がわからない」

「にいちゃん、あっちから出てきたんやから、あっち真っ直ぐ行けばいいやろ!!」

怒られて怖くなった俺は、そこから走った。

正直どこ走ったか覚えてないけど、どれぐらい走ったかわからんぐらい走って、ようやく電気がある道に出られた。

んで、家に帰って親にえらく叱られた!ってだけの話なんだが……

自分でもなんも面白くないし、そもそも昔の話なので記憶が風化してあんまり覚えてない。

山にも今日登って以来、一度も登ってなかったしな。

ただ、少し前に、山に登るのは怖いけど、グーグルアースで探すのはいいんじゃね?と思って検索かけてみたんだ。

これが山の一部の写真な。

よく見なくてもわかるけど、白いのが見えるだろ?

これがなかったらこんな話、垂れ流す気がなかったけど、この白いのがなんなのかわからないし、確認する気もないから。

ただ、世の中には不思議なことが多々あるんだな、って話。

ちなみにこれが拡大画像な。

(了)

 

Sponsored Link

Sponsored Link

-短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
-,

Copyright© 怖いお話.net【厳選まとめ】 , 2024 All Rights Reserved.