2025年03月13日 16:21
犬神を祀ってるって以外は普通の集落だなぁ⋯
異世界って感じじゃない、例えば特殊な犬神を祀って護る役目を代々続けて来た村で、外からは分からない様に結界で隠れてる⋯みたいなコンセプトで、もっと練れば読める話になるかも。
本作は、読者さまからのコメントを受けてリライトしたものです。2025年06月16日(月)初稿⇒2025年12月30日(火)改稿
家の近所に、歩いて十五分ほどの低い山がある。
町の子どもが虫取りや鬼ごっこをするにはちょうどいい高さで、遠目にはどこにでもある雑木山に見える。
ただ一つ、妙な点があった。
入り口から奥まで、途中で切れることなくアスファルトで舗装されている。
登山道にしては勾配が緩すぎるし、作業道にしては幅が中途半端だ。
ガードレールも標識もない。
二十年以上前からその状態らしく、理由を知っている人はいない。
近所の婆さんに聞いたことがあるが、「昔、いろいろあってな」と言うだけで、それ以上は話してくれなかった。
怖がらせる口調ではなかった。
事実確認を終えた、という顔だった。
高校生になってから、少し調べてみた。
山は見た目より奥行きがあり、途中に人が住んでいた痕跡がある。
十五年ほど前に建てられた小さな家が一軒。
別荘にしては狭く、住居にしては頼りない造りだ。
雨戸は閉め切られ、周囲にはブルーシートと簡易トイレが放置されていた。
工事車両が頻繁に出入りしていた時期もある。
伐採と言われればそう見えなくもないが、切り出された木材は見たことがない。
巨大な缶のようなものが放置されていたこともあった。
看板も立っていたが、文字は削り取られたように消えていた。
高校二年の夏休み。
暇を持て余した俺は、その山に入った。
ジャージ姿で、ポテチを一袋。
今思えば、危機感がなさすぎる。
舗装路を進み、途中から土の道になる。
一時間ほど歩いた頃、自分がどこにいるのかわからなくなった。
戻るより、進むほうが楽だと思ってしまった。
喉が渇き、足も重くなった頃、開けた場所に出た。
木造の家が五軒ほど並んでいる。
時代劇で見るような、古いが手入れされた家だった。
畑仕事をしている人が数人いた。
生活の音がしていた。
廃村ではない。
「すいませーん」
声をかけると、男の一人が顔を上げた。
「外から来たんか」
その言い方が引っかかったが、水を求めると、竹筒から水をくれた。
冷たくて、異様にうまかった。
「村長のとこ、行くか」
連れて行かれた家は、他と変わらない造りだった。
中にいた村長は白髪の老人で、目だけが妙に若かった。
「おぬし、村の外から来たのか」
肯定すると、老人は黙り込んだ。
沈黙が長く、こちらから話を切り出した。
「皆さん、外の町に出たりしないんですか」
「犬神様がおるでな」
それ以上は語らなかった。
冗談にできない目だった。
その日は泊まることになった。
世話になった家には、痩せた妻と娘がいた。
娘は芋、と呼ばれていた。
年は俺より少し下に見えた。
村の子どもは少なく、他に二人しかいないらしい。
四人で鬼ごっこをして遊んだ。
芋は足が遅く、すぐ捕まる。
捕まると笑っていたが、目だけは笑っていなかった。
日が落ちるのは早かった。
帰ろうとすると、暗いから朝にしろと言われた。
夕飯は汁と飯と漬物だけだったが、妙に腹に残った。
夜、布団に入ると、芋に揺すられて起こされた。トイレに行きたいと言う。
外にあるらしい。
家を出た瞬間、芋の表情が変わった。
「にいちゃん、ここにおったらあかん」
声は震えていなかった。
「生贄にされる」
意味がわからず立ち尽くしていると、芋は俺の袖を掴んだ。
「今日やったんや」
何のことか聞く前に、続けた。
「犬神様に渡す日。うちの番やった」
頭が追いつかなかった。
「でも、にいちゃんが来た」
芋は俯いた。
「外から来た人がおったら、そっちになる」
逃げろと言われ、来た方向を指差された。
走り出す直前、芋が言った。
「うちの兄ちゃんも、前に来た人やった」
それだけ言って、背中を押された。
走った。
道は覚えていない。
気づいたら、街灯のある舗装路に出ていた。
家に帰り、親に叱られて終わった。
山には二度と入っていない。
数年後、思い出してグーグルアースで山を見た。
舗装路の奥、白い点がいくつか並んでいる。
拡大すると、建物の屋根のように見えた。
数は、五つより少なかった。
あの村が外から見えない理由は考えない。
犬神様を祀っているからでもない。
結界があるからでもない。
役目が、外に漏れないようになっているだけだ。
そして、俺が無事に帰れた理由も、考えないことにしている。
(了)
原作:【異世界】俺が不思議な村へ行った話(画像付・グーグルアース有り)#14,343
こんな時間だし俺が不思議な村いった話するわ
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/02(日) 02:29:45.63 ID:hidcP4WD0
家の近所には小さい山があるんだわ。
入り口から中までアスファルトで舗装されてるんだけど、何で舗装されてるのか謎。
登山目的ってわけでもないし、伐採をやるわけでもない。
20年以上前からそんな感じだから近所の婆ちゃんに聞いてみたら、「あそこは昔、色々あってな……」
その、色々を聞いても、教えてくれない婆ちゃん。
小学生の頃の俺はそれで納得してた。
ちなみにこれが入り口の写真。

木の葉が散っててアスファルトが見えないのは勘弁な。
それから高校生になって、その山について自分でも調べたんだよ。
見た目にはそんなに高くない山なんだけど、案外広い。
それで十五年ぐらい前に人がやって来て家を建てたんだわ。
これなんだけど、家っていうよりは小屋って感じだろ?

ちなみにその家には一年も人が住んでなかったと思う。
こんな感じで雨戸があって中は見れんのだが。

それでなぜか家の周りには、ブルと簡易トイレが放置されっぱなしになってる。

気づいたら建ってて、人が住んでたのかどうかも謎。
別荘にしては小さいし、人が住むにも小さい。交通の便も悪いしな。
山登っていくとこんな看板があったりな。

昔はなんか書いてあった気がするが今はわからん。
それでここが二年ぐらい前まで工事やってた場所。

この工事も謎で、伐採をやっていたと言われればそうかもしれないんだが。
俺が前見たときはデカイ缶?みたいなのを放置してた。
工事車両も沢山登ってたが今は放置やな。

で、本題に入るんだが。
高校生の夏休み、暇だった俺はこの山を探検してみたいって思ってな。
ポテチとジャージ装備して山を登ったんだ。今思えばもう少し装備してけば良かったなと。
こんな感じの道を進んでいったんだが、実際に今日撮ってきた画像な。

一時間ぐらい登って、自分が今どこにおるかわからんくなったんやな。
どう考えても自分が悪いんだが、その時は怖くても先に進めばなんとかなると思って前に進んだ。

で、どれぐらい登ったかわからんけど、喉が渇いたしポテチ食ってると水分無くなるしで、そんな時に開けた場所で村みたいなものを発見したんだよ。
木造の家が五つぐらい並んでて、その家も時代劇に出てくるような木造の古臭い家。
それで畑作業をしている人が数人チラホラ見えた。
ここで既に怪しいんだが、喉が渇いてた俺は「すいませーん」と大きな声で、畑仕事してたおっさんに話しかけた。
「お前。外から来たんか?」
「外? 多分そうです。それと水を……」
「ちょっと待っとり」
なんか竹筒みたいなやつから水くれたおっさん、マジ良い人だった。
「そんじゃ村長のところ行くか」
この時はもうなにをされてもいいなって思えるぐらい、おっさんが神に見えた。
村長の家なんだが、別に他の家と特になにが違うってわけじゃなかったんだよな。
家の中にいた村長は白髪だらけの普通のじっちゃんだった。
「おぬし、村の外から来たのか?」
「はい、そうですけど」
「そうか……」
そこからなにも話が進まない。それで俺から話を切り出してみることにした。
「あの。皆さんは外の街にでたりしないんですか?」
「犬神様がおるでの。外に出たらあかんのじゃ」
普段の俺なら、宗教くさい、って一蹴してたけど、村長の目がマジだったので黙っておくことにした。
それでしばらくして、さっきのおっちゃんが戻ってきて、握り飯をくれた。
塩しかついてないけど、空腹なら美味しいんだな。
「今日はウチにおいで」
「お世話になります!!」
おいで、っていうのは遊びにおいでって意味だと思ってた高校生の俺。
おっさんの家に行ったら、薄幸そうな嫁さんと、芋っぽい顔した女の子がいた。
「おい芋!この人と遊んであげぇ!!」
「わかった!!」
それから一緒に遊んだんだが、この村には他に子供が二人しかおらんから、四人で鬼ごっことか隠れんぼなんかをして遊んだ。
で、遊んでいる内に日が暮れて、これはそろそろ帰らなくちゃまずいんじゃないかと、今更になって不安になってきた。
「おっちゃん。今日はもう帰りたいんだけど」
「もう遅いけぇ、この暗さで帰るより、明日の朝、帰り!!」
全くもって正論なので、少し不安だったけど世話になることにしたんだ。
夕飯は、汁ものと飯と漬物な。そこでの夕食も美味しかった気がする。
それで、夜になっておっちゃんたちに色々外のことを話した。
まあ、なに話しても嬉しそうに聞いてくれるので、べらべら俺が喋ってただけなんだが、それで夜も深くなった頃、寝てたら誰かにゆすられて起きたんだけど、芋がトイレに行きたいと言って来た。
「トイレは外にあるけ、おとうちゃんたち起こさんようにな」
俺も半分寝ながら音を出さないように外に出たんだ。
そしたらいきなり芋が真顔になった。
「にいちゃん!早く外に逃げり!!」
「えっ? なに、いきなり」
「ここにおったら、生贄にされてまうで!!」
なにを言ってるのかわからなかったが、なにやらヤバイ感じはした。
「でも、帰り道がわからない」
「にいちゃん、あっちから出てきたんやから、あっち真っ直ぐ行けばいいやろ!!」
怒られて怖くなった俺は、そこから走った。
正直どこ走ったか覚えてないけど、どれぐらい走ったかわからんぐらい走って、ようやく電気がある道に出られた。
んで、家に帰って親にえらく叱られた!ってだけの話なんだが……
自分でもなんも面白くないし、そもそも昔の話なので記憶が風化してあんまり覚えてない。
山にも今日登って以来、一度も登ってなかったしな。
ただ、少し前に、山に登るのは怖いけど、グーグルアースで探すのはいいんじゃね?と思って検索かけてみたんだ。
これが山の一部の写真な。

よく見なくてもわかるけど、白いのが見えるだろ?
これがなかったらこんな話、垂れ流す気がなかったけど、この白いのがなんなのかわからないし、確認する気もないから。
ただ、世の中には不思議なことが多々あるんだな、って話。
ちなみにこれが拡大画像な。

(了)
