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先に出ていったもの nw+412-0215
2025/09/05 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
三日目の夜に、私は発見された。 それ以前の記憶は、湿った空気の重さと、水気を失った浴槽の冷たさしか残っていない。 十年近く経った今でも、風呂場に入ると、あのときと同じ匂いが立ちのぼる。洗剤でも、カビで ...
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【怖すぎ】島根の山中で発見された“記憶喪失モヒカン男”まとめ【現金60万】#657-0217
2025/09/05 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
【不可解】記憶喪失のモヒカン男【島根】 1 :本当にあった怖い名無し:2025/09/05(金) 01:14:22.22 ID:AbCdEf12島根の山の中で、モヒカン頭の男が倒れてたらしい。頭痛がし ...
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回すな rw+2,540
2025/09/05 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
それは、私がまだ土木事務所に入ったばかりで、現場の名前もろくに覚えていなかった頃の話だ。 事務所のいちばん奥に、ほとんど声を出さない老人がいた。書類の束を前にして、毎日同じ姿勢で座っている。誰かに話し ...
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あの日、目を覚ましたのは誰か nw+
2025/09/04 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あの日の朝だけが、記憶の中で異様に鮮明だ。 三十年近く経つのに、そこだけ輪郭が削れない。ほかの幼少期は霞んでいるのに、その朝の空気だけは冷たい刃物のように残っている。 目を覚ましたとき、家の中は音がな ...
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外側に貼られた札 nw+
2025/09/03 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あの日のことを思い返すと、胸の奥に重たい沈殿物のような感覚が残る。 十四年前、多摩川の河原で見つけた穴に、私は自分の意思で入り込んだ。 親戚の葬式だった。同年代はおらず、読経と湿った線香の匂いに飽きて ...
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七十六の火と、三十年の猶予 r+2,305
2025/09/03 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
嘘か本当かは、わからない。でも、思い出すたび、背中がひやりとする。 小学校の頃、毎日のように遊んでいた「じいちゃん」がいた。血のつながりはなかった。近所に住んでた、妙に物静かな老人。母は「変わった人だ ...
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もうひとりの支援員 r+1,581
2025/09/03 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
X学童の話をしてくれたのは、元支援員のMさん(仮名)。 十年以上も前の話になるが、今も細部を忘れられないのだという。 勤務先は住宅街の一角にあった公立の学童保育所。建物はふたつ、A館とB館に分かれてい ...
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止まったままの車 rw+1,824
2025/09/03 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
研究棟を出たとき、構内はすでに閉鎖時間を過ぎていた。 大学三回生の秋だった。湿り気の残る空気に、夜だけが先に冷えていく。山の上に建つ小さな大学で、周囲に店も民家もない。最終バスはとうに行ってしまい、残 ...
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わたしの隣に立っていた子 rw+2,365-0212
2025/09/03 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
エジソンの竹で知られる京都市のはずれ。 暑さが肌に貼りつく初夏の日、母に連れられて遠縁のFさんの家を訪ねた。 まだ「市松人形みたい」と言われていた頃の話だ。あれは褒め言葉ではない。そう言われるたびに、 ...
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虹色は戻らない rw+2,571-0206
2025/09/03 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
あれは、ほんとうにあったことだったのか。 そう問われると、いまでも答えに詰まる。ただ、夢だったと言い切るには、あまりに手触りが残りすぎている。 四歳か五歳の頃のことだ。 記憶は遠く、ところどころ欠けて ...
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数が合わない夜 ncw+361-0126
2025/09/02 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
中学の同級生から聞いた話を、あたしはいまだに自分の記憶から切り離せずにいる。 忘れようとしても無駄だった。思い出そうとしなくても、匂いや音のほうから勝手に戻ってくる。湿った夜気のざらつき。夏の終わり特 ...
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玄関に立つもの rw+4,467-0119
2025/09/02 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
ヤクザ俺の実家には、なにか“いる”。 正確に言えば、いるらしい。 自分には見えない。昔からそういうものが一切わからない。 だが、見える人には、はっきりと見えるという。 身長は二メートルを超え、肩幅は門柱みた ...
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二度目の夕方 nw+
2025/09/01 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
中学三年の、秋の終わりだった。 放課後、五人で誰かの家に集まるのが習慣だった。クラスはばらばらだったが、塾までの空白を埋めるにはちょうどよかった。菓子を広げ、テレビをつけ、漫画を回し読みする。時間はい ...
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同じ声で呼ばれる村 rw+12,387-0108
石川県の深い山あいに、地図からも行政記録からも半ば消えかけた集落がある。 舗装の途切れた林道をさらに進み、沢を二度越えた先で、唐突に霧が濃くなる。その霧の中に、古い家屋が肩を寄せ合うように並んでいる。 ...
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溶けた棒アイス rw+2,097-0104
2025/09/01 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
福岡県福岡の山あいの盆地に住んでいる。 夏になると湿気が逃げ場を失って溜まり、息をするだけで体にまとわりつく。 その日も朝から茹だるような暑さで、庭の草むしりなどするんじゃなかったと後悔していた。腰を伸ばそ ...
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呼び出しだけが残る rw+1,741-0203
2025/09/01 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
もう十年ほど前の話になる。 それでも、あのカラオケ屋で働いていた三年間のことは、いまだ現実だったのか疑わしい。夜中に目が覚めると、あのフロントの端末の光だけが、今もどこかで瞬いているような気がする。 ...
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呼ばれ方 rw+1,872-0118
2025/09/01 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
小学生の頃、近所に〈アイ〉と呼ばれている中年の男がいた。 誰も本名を知らなかった。 彼はいつも同じ声を発していた。「あいっ」。それだけで十分だった。 午後三時すぎ。ランドセルの列が商店街を流れ始める頃 ...
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数が揃っていた理由 nw+368-0202
2025/08/31 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
中部の山奥で育った。 集落は杉林に囲まれ、家々は互いの屋根を確かめ合うように斜面に貼りついていた。夕暮れになると、獣の声が山に反響して、近いのか遠いのか分からなくなる。音の距離感が狂うあの感じは、今で ...
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顔咲 r+1,335
2025/08/31 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
タクシー運転手をやっていた頃、暇な時間によく乗客に話しかけていた。 世間話や天気のことが多かったが、ときどき「怖い話、聞いたことありません?」なんて訊くこともあった。そういうのが好きだったんだ。だが、 ...
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作業灯の灯るはずのない場所 r+1,404
2025/08/31 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
うちから歩いて十分ほどのところに、もう使われなくなった鉄道用の古いトンネルがある。 名は伏せるが、地元では少しばかり名の知れた心霊スポットで、地元の人間であれば誰もが「そういう場所」として認識している ...
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ごめんねを言いに来た nw+399-0105
2025/08/30 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
義姉が死んで、二年が経つ。 それでも私は、いまだにその事実を生活の中に収めきれずにいる。悲しいとか寂しいとか、そういう言葉では足りない。あの人は、私の人生の中で初めて現れた「奪われなかった家族」だった ...
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視界の端の白 rw+3,119-0215
2025/08/30 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
あの子が死んだ。心臓発作、十三歳だった。 朝ごはんを食べて、窓辺で丸くなって、そのままだった。毛並みはつややかで、まだ温かかった。けれど、触れた瞬間にわかった。これは、もう戻らない温度だと。 泣きなが ...
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私を覚えているのは誰か ncw+658-0107
2025/08/29 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
私は自分のことを、自分で説明できない。 記憶というものは、私の中では粗末な布切れに似ている。少し力をかけるだけで縫い目が裂け、縫い留められていたはずの中身が、音もなく零れ落ちていく。 小学校の記憶は、 ...
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帳簿の合わない部屋 rw+2,881-0220
2025/08/29 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
帰ったはずの男の声が、まだ部屋に残っている気がする。 「それは見えているんじゃない。帳簿が合っていないだけです」 あの一言を最後に、彼は二度と来なくなった。 それまでは、天井の角にいた。 押し入れの上 ...
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呼んだのはどちらか nw+318-0217
2025/08/28 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
平成が始まった翌日、塾へ向かう夕暮れの新宿で、私は一人の幼子を見た。 二歳ほどの男の子だった。母親に手を引かれ、こちらを見上げていた。 その黒い瞳だけが妙に澄んでいた。 私は胸の奥が熱くなり、勝手に名 ...
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役に立たない存在 rw+4,490-0124
2025/08/28 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
私は数年前まで、ある一家に飼われていた。 今でもこの言い回し以外に、あの期間を説明できる言葉が見つからない。監禁でも誘拐でもない。洗脳とも少し違う。あれは生活だった。私が私である必要のない、完成された ...
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□□は最初から一人だった nw+
2025/08/27 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
大学二年の春、ひとり暮らしを始めた。 街の中心から少し外れた、古びた鉄筋コンクリートのマンション。共用廊下には雨水の黒い筋が残り、夜になると蛍光灯は半分しか点かない。窓からは線路が見える。終電後もしば ...
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視線の往復 rw+2,017
2025/08/27 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
放課後の公園に、スーツ姿の男が立っていた。 小学校六年の春先。桜は半分散り、砂場の縁に花びらが溜まっていた。ドッジボールをしていた俺たちは、誰かの「お前に似てる」という声でいっせいに振り向いた。 入口 ...
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分類できないもの rw+1,901-0209
2025/08/27 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
泊まったホテルの名前は、もう思い出せない。 いや、思い出せないのではなく、意識的に引き出さないようにしている。 場所は東北だったはずだ。学会での発表があり、大学から派遣され、前泊が必要になった。地方都 ...
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裂け目の夜道 nc+
2025/08/26 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あの日のことは、どうしても頭の隅から離れてくれない。 五年前の十二月、残業が珍しく長引いて、終電でようやく帰ることになった夜のことだ。 当時の住まいは、最寄り駅から徒歩二十五分もかかる古びたアパート。 ...
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心臓部は誰のものか rw+2,601
2025/08/26 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
ああ、五十年も前の話だ。 小学生だった俺は、川崎の工場地帯のど真ん中に住んでいた。金属と油の臭いが空気に溶け、運河は濁った緑色に沈んでいた。目の奥がひりつくのが当たり前の時代だった。 放課後は駄菓子屋 ...
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指しているのは誰か nw+410-0214
2025/08/25 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
正月になると、九州の奥の集落に一族が集まる。 山と藪に囲まれた古い家だ。舗装の剥げた坂を上がり、竹を押し分けるようにして辿り着く。縁側から差す年始の陽射しはやわらかいが、外気は骨に染みるほど冷たい。座 ...
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天安河原で見た二人 rw+2,767
2025/08/25 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
宮崎に行ったのは、十年前の十一月だった。 大学の仲間五人で、夏休みをずらしての旅行だった。車を借り、ルートを決めたのは先輩の女だ。霊感だの波動だのを半分本気で語る人間だったが、面倒見はよく、誰も逆らわ ...
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沖縄で拾った軍袋の話 rw+3,169-0211
2025/08/25 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
ヒッピーに憧れていた。 きっかけはビート・ジェネレーションの詩集と、場末の中古レコード店で見つけたジャニス・ジョプリンだった。あの時代の連中が見ていたという幻覚や、居場所のない魂の震えに、自分の輪郭を ...
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一匹分の隙間 rw+1,884-0217
2025/08/25 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
午前三時。 目が覚めた理由がわからなかった。物音も、風も、雨もない。ただ、頭の奥がざわついていた。 縁側を見ると、五匹が並んでいた。 横一列。背筋を伸ばし、尾も揺らさず、カーテンの向こうを見ている。 ...
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一番小さい電車 nw+450-0120
2025/08/24 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
大学一年の春になると、決まって思い出す出来事がある。 思い出す、というより、向こうから浮かび上がってくる感覚に近い。 あれを錯覚だと断定できれば、今も両親と同じ布団で眠ることに、ここまで神経を使わずに ...
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白髪の門番 rw+2,189-0219
2025/08/24 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
広い家だった。 田舎の地主の家らしく、門が五つあり、敷地は竹林と畑と古い家屋の残骸で曖昧に広がっている。初めて来た人間は、どこからがうちの土地なのか分からない。 だから昔から、知らない人間が庭を歩いて ...
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母にいない妹 nw+
2025/08/23 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
『そういえば叔母さんは元気?』 その一言を口にするたび、家の空気が変わる。 きっかけは、三歳か四歳の頃の記憶だ。夏の夜、母方の祖父母の家。縁側の奥で、母の妹と、その婚約者が並んでいた。蚊取り線香の煙が ...
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接続済みの人生 rw+2,458-0212
2025/08/23 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
正直、最初は母親に無理やり連れて行かれたと言ったほうが近い。 自己啓発の集まりだと聞いた時点で帰りたかったが、親戚が最近通い始めたらしく、「若い人も来たほうがいい」と半ば強引に予定を押さえられた。場所 ...
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救われたのはどちらか nw+
2025/08/22 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あれは、先月の、まだ寒さが地面に残っている頃だった。 曇天の下、次男を連れて河原へ蕗の薹を探しに行った。春の匂いを拾うつもりが、足もとには枯れ草と小石ばかりが続く。袋は軽いまま、私たちは下流へ流される ...
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出前の青年 rw+2,781-0219
2025/08/22 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
俺が二十歳を少し過ぎたころの話だ。 近所の小さな和食屋で、毎晩のように出前をしている青年がいた。俺より三つほど下で、高校へは行かず、十五か十六の頃から住み込みで働いていた。人当たりがよく、配達先でも評 ...
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三つ目の『ツ』 rw+2,201-0201
2025/08/22 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
三年前の夏だった。腕が日に焼けてひりつく感覚だけが、やけに鮮明に残っている。 就職したばかりで、毎日が薄い膜を一枚ずつ剥がされていくようだった。朝起きて電車に乗り、席に座り、定時までそこにいる。それだ ...
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内鍵 ncrw+412-0121
2025/08/21 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
今年の黄金週間、家族は二泊三日の旅行に出た。俺ひとりを家に残して。 二階建ての家は、古びているくせに無駄に広い。もとは他人の家だったものを親父が安く買い取り、最低限の補修だけで住み始めた。柱や壁には、 ...
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雨の日の空席 rw+2,425
2025/08/21 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
雨の日だけ、俺は思い出から抜け落ちている。 自分が通っていた保育園で、昔の友達が働き始めた。久しぶりに会って酒を飲み、「あの頃の担任、まだいるよ」と聞かされた。軽い気持ちで飲み会を開いた。担任も来て、 ...
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スピリチュアル系 #1,776
2025/08/21 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
スピリチュアル系【ゆっくり朗読】 現在進行形で起こっている『呪い』に関するネタ投下 473 :パワーストーンやヒーリングバカに付ける薬なんかないよ1:2011/08/24(水) 19:48:55.33 ...
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霧の向こうの客 nw+462-0121
2025/08/20 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あれは、もう何年も前のことだ。 馴染みの客に引っ張られて、場末のスナックに入った。白すぎる蛍光灯の光が、酒で濁った空気をむき出しにしていて、氷が溶ける音だけが妙に大きく響く夜だった。 カウンターに立っ ...
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泣かない子 rw+6,511
2025/08/20 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
★人気ベスト300西東京のアパートに越したのは、三月の終わりだった。 軽鉄骨二階建て、二階左端の2DK。築二年。可もなく不可もない、ごく普通の物件だった。 私は三十を過ぎた独身で、在宅中心のフリーの仕事をしている。大家 ...
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いなくなったあと rw+2,102-0118
2025/08/20 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
もう異動してしまったが、あれは去年の冬のことだった。 社会人になって六年目になる。誰に話しても信じてもらえないと思う。だが、あれを体験して以来、俺は毎朝、職場に入る前に必ず手を合わせるようになった。 ...
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戻されていないもの nw+
2025/08/19 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
夜があれほど重く沈むとは、あのときまで知らなかった。 中学二年の冬、京都への修学旅行。古い木造旅館に泊まり、軋む廊下の音にいちいち騒いでいた。二日目の夜、夕食と風呂を終えたあとの自由時間、隣室の連中と ...
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泊まらなかった理由 rw+4,799-0114
2025/08/19 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
転職して半年。部署は違うが、喫煙室でよく顔を合わせる五つ上の先輩と親しくなった。 最初は会釈を交わす程度だった。だが、似たような苦手上司の話をぼやいたのをきっかけに、自然と同じ時間に煙草を吸うようにな ...