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《知っていた人》nw+
2025/08/18 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
義両親に呼び出された日のことを、私は忘れられない。 春だった。花粉で目がかゆいはずなのに、それよりも先に、玄関の空気が喉を締めつけた。 応接間のテーブルに封筒が三つ並んでいた。 ひとつは、私のメールの ...
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判断しただけ rw+2,745-0120
2025/08/18 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
あれから六年が経った。 岡山の夜のことは、記憶の底で湿った石のように沈んだまま、動かずに残っている。忘れたつもりでいても、何かの拍子に指先が触れると、冷えだけが伝わってくる。 今年、Nと再会したことで ...
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先に呼んだのは誰か nw+
2025/08/17 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あれは、湿り気を帯びた夜だった。 雨は降っていないのに、空気だけが濡れていた。息を吸うたび、肺の奥で水が鳴るような錯覚があった。 友人の田代と、部屋で飲み直そうという話になり、コンビニ袋をぶら下げてマ ...
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塩は乾かなかった rw+4,458-0211
2025/08/17 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
あれは数年前のことだ。 社員十人にも満たない、小さな会社で働いていた。外から見れば威勢がよく、勢いだけで走っているような会社だった。だが内側は違った。社長は派手好きで、金の動きは荒かった。数字の話にな ...
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残ったほう rw+2,301
2025/08/17 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
五年前の秋口のことだ。 大学を辞めて地元に戻ったばかりの頃、短期で入った老人ホームの夜勤で、年上の職員から奇妙な話を聞いた。 深夜の仮眠室。白い蛍光灯が低く唸り、紙コップのコーヒーがやけに苦かった。 ...
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西はこちら側 nc+404-0201
2025/08/16 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
危険人物扱いされるのが怖くて、誰にも言えずにいた。でも、そろそろ限界かもしれない。 五年前から始まったんだ。きっかけは、テレビで野球を見ていた夜。気がついたら目の前のテーブルに、一枚の紙切れがあった。 ...
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敷地外の部屋 rw+3,098
2025/08/16 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
もう四十年も前の話だ。 埋立地にできたばかりの団地に住んでいた。空き地ばかりで、風が吹けば砂が舞い、自転車で同じ道を何周もしているだけで日が暮れた。昼間でも静かで、人の気配より潮の匂いのほうが濃かった ...
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死角の扉 rw+2,668-0217
2025/08/16 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
ミルクと砂糖をたっぷり入れたコーヒーを口に含んだ瞬間、喉の奥にいやな感覚が残る。甘いはずなのに、どこか粉っぽい。 あれから一年が過ぎた。 七月の終わりだった。暑さが飽和して、夜の空気まで重く沈んでいた ...
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空白はいつも隣にいる nw+449-0116
2025/08/15 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あの男から話を聞いたのは、深夜の喫茶店だった。 照明は弱く、空調の効きが悪いのか、店内には湿った空気が溜まっていた。 彼はグラスの縁を指でなぞりながら、思い出すように、途切れ途切れに語り始めた。顔色は ...
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黒い三角の飛行機 #2,176-0221
2025/08/15 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
愛知県黒い三角の飛行機【ゆっくり朗読】 UFOの話もあったので、自分の体験をひとつ 301 :本当にあった怖い名無し:2011/01/31(月) 08:27:47 ID:OsJCGR1o0 自分が中学生のと ...
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ビデオの中の友人(6)#1,722
2025/08/15 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
ビデオの中の友人(6)あとがき【ゆっくり朗読】 B著です。ホラーテラー『ビデオの中の友人』の後書きです。 投稿者「B ◆06fMZ3gA」 2014/07/12 まぁ、後書きというより、その後。 Tが ...
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橋の下に埋めた名前 nw+
2025/08/14 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
両親が営んでいたのは、町で三代続く文具店だった。 ノートや鉛筆のほか、小中学校への納品も請け負っていたから、うちは自然と町の内側にいた。役場の職員、地元議員、消防団、葬式帰りの親戚連中。レジ越しに交わ ...
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弟と行くから nw+455-0206
2025/08/14 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
その日の朝も、夏の湿気が肌にまとわりついていた。 中学二年だった俺は、陸上部の朝練のため、夜明け前に家を出るのが日課だった。階下を通ると、弟の布団は空だった。珍しいことではない。弟は昔から、机の下やタ ...
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一拍遅れる足音 rw+3,229
2025/08/14 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
深夜二時を回ると、あの病院は生き物のように息を潜めた。 医師になって間もない頃、大学の関連で地方の精神病院に当直へ出されていた。昼間はただ古びているだけの建物が、夜になると別の構造を持ちはじめる。湿気 ...
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腹の奥から伸びる手 rw+1,837
2025/08/14 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
母の実家は寺だった。 東北の盆地にある小さな寺で、夏は湿り気を帯び、冬は音が消える。私は三歳になるまで、母とそこで暮らしていた。 寺には子どもの癇を祓うまじないが伝わっていたらしい。祖母は檀家が訪れる ...
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ビデオの中の友人(5)#1596
2025/08/14 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
ビデオの中の友人(5)代償【ゆっくり朗読】 Bです。ホラーテラー『ビデオの中の友人』のその後4です。 投稿者「B ◆06fMZ3gA」 2014/07/12 前々々々作からの著者T(本文中「オレ=○○ ...
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黒い画面の余地 nw+333-0217
2025/08/13 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
テレビを買ったのは、寮に移って四か月ほど経った頃だった。 部屋には何もなく、夜になるとやけに静かで、物音が自分の呼吸だけになるのが嫌だった。だから深夜、眠れないときに流しっぱなしにしておける安物のテレ ...
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五月の刃 rw+6,131-0216
2025/08/13 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
五月の節句の頃のことだ。 あの家には、仏壇のある部屋があった。昼でも薄暗く、線香の匂いがいつも畳に染みついている。その部屋にだけは、子供の俺も勝手に入らなかった。 その年、俺のために兜飾りが用意された ...
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足跡のない雪 rw+1,286
2025/08/13 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
夜ごとに鳴る声よりも、いま思い出して汗ばむのは、最後に見た「あれ」の在り方だ。 東北の外れ、地図を拡大しなければ出てこないような小さな集落で、私は一年も暮らしていない。 第二子を産んだ直後、横浜から夫 ...
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ビデオの中の友人(4)#1436
2025/08/13 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
ビデオの中の友人(4)復讐【ゆっくり朗読】 Bです。ホラーテラー『ビデオの中の友人』のその後3です。 投稿者「B ◆06fMZ3gA」 2014/06/16 前々々作からの著者T(本文中『オレ』)が2 ...
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三人目の記憶 nw+
2025/08/12 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
七月の終わり、土曜日の午前中。 Aから連絡が来る。十年前から変わらない文面で、「今年も行くぞ」とだけ書かれている。 年に一度しか会わない友人が二人いる。 AとB。高校の同級生だった……はずの二人だ。 ...
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見てしまった者 rcw+5,921-0108
祖母の葬式の日のことだ。 あれから長い時間が経った。けれど、あの日の一場面だけは、古い写真のように色も動きも変えず、頭の奥に貼り付いたまま残っている。思い出そうとしなくても、ふとした瞬間に勝手に浮かび ...
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ビデオの中の友人(3)#1672
2025/08/12 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
ビデオの中の友人(3)準備【ゆっくり朗読】 Bです。ホラーテラー『ビデオの中の友人』のその後2です。 投稿者「B ◆06fMZ3gA」 2014/06/12 前々作からの著者T(本文中「オレ」)が20 ...
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覚えていてね nw+402-0217
2025/08/11 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
わたしには、男だった頃の記憶と、女だった頃の記憶がある。 どちらが先だったのかは思い出せない。思い出そうとすると、必ずどちらかの季節が崩れる。夏のはずなのに、窓から入る風は冷たく、白いレースのカーテン ...
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ビデオの中の友人(2)#1793
2025/08/11 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
ビデオの中の友人(2)原因究明【ゆっくり朗読】 Bです。 投稿者「B ◆06fMZ3gA」 2014/05/31 ホラーテラー『ビデオの中の友人』のその後1です。 前からの著者T(本文中「オレ」)が2 ...
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止まらない手 nw+
2025/08/10 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
大学三年の夏だった。 蝉の声が空に張り付いて離れないころ、俺はジェンベのサークルにいた。手のひらの皮が剥け、豆が潰れても叩き続けた。音を出すというより、何かを叩き起こしている感覚があった。リズムを合わ ...
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ビデオの中の友人(1)#2,273
2025/08/10 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
ビデオの中の友人(1)【ゆっくり朗読】 去年の夏に体験した話。 原著作者「怖い話投稿:ホラーテラー」「匿名さん」2012/02/19 01:58 最初に言っておくけど、実話だから短いしつまらないかもし ...
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一歩ずれる nw+
2025/08/09 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
たぶん、あれは中学のときだ。 友人のTのことを、今でもふと思い出す。 当時は変なヤツだな、で済ませていた。今ならもう少し、ちゃんと怖がってよかったんじゃないかと思っている。 最初にTを変だと思ったのは ...
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行けと言った夜 nw+
2025/08/08 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
私はいま、夫と子どもと一緒に地元の集落に暮らしている。 山と田畑に囲まれた、夜になると蛙と風の音しか残らない土地だ。都会から移住してきた人は口をそろえて「星がすごい」と言う。でも私は、もっと別のものの ...
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七月六日の現場で会った男 rw+4,598-0205
2025/08/08 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, 事故・事件
東京都これは、今でも思い出すと背中の内側がゆっくり冷えていく、平成十一年七月六日の夜の話だ。 当時、俺は大学の夏休みを利用して、常磐新線の敷設工事に日雇いで入っていた。いまの呼び方で言えば、つくばエクスプレ ...
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着せるための場所 rw+2,139-0113
2025/08/08 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
あれが夢だったのかどうか、もう確かめようもない。 ただ、足の裏にまとわりついた土の冷たさと、畳の目に深く染み込んだ線香の匂いだけは、今でもはっきりと身体に残っている。 私が七つのときのことだ。両親に連 ...
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戻された席 nw+
2025/08/07 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あの夏の入道雲は、逃げ場のない白さで空を塞いでいた。 二〇二五年六月、私はほとんど食べられなくなった。食欲がないのではない。喉が拒んだ。水すら通らない。検査は増え、数値は並び、結果は「異常なし」か「経 ...
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影の家系 #1,814
2025/08/07 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
オンドウサマ【ゆっくり朗読】 元嫁の実家の本家筋にあたる家が、代々女が当主になる家らしい。 259 :本当にあった怖い名無し:2011/07/27(水) 12:34:05.24 ID:udysT07m ...
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祀られない神 rw+2,974-0211
2025/08/07 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
霊なんて、子どもの遊びか都市伝説だと思っていた時期がある。 今は違う。断言はできないが、否定もできない。きっかけは、幼い頃に体験した、家に伝わる妙な風習だった。 父方の家系には代々続く「顔見せ」という ...
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葬式のあとに来たもの nw+
2025/08/06 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あれが見えるようになったのが、いつからなのかは思い出せない。 はっきりと輪郭が浮かぶことはほとんどない。四十九日を迎えるまでのあいだ、亡くなった人は時折、こちら側に薄く残る。その名残が、ふとした瞬間に ...
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『3.11』とタイムスリップ・ゾーン #5,889
3.11時空の揺らぎ現象【ゆっくり朗読】 東日本大震災の被災地で『時空の揺らぎ現象』が起きていた。 アメリカの超常現象誌『アトランティス・ライジング』2011年9・10月号に掲載された英文の取材レポー ...
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守護霊の会議 rw+2,112
2025/08/06 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
眠りに落ちる直前、決まって誰かが集まる。 耳元でひそひそと、こちらを気遣うような、それでいて値踏みするような声が交わされる。内容ははっきりしない。ただ、ときどき混じる「はい、すみませんでした」という謝 ...
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六人目は誰 nw+
2025/08/05 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
十二月の半ば、吐く息が白く固まるような寒さだった。 地元の古い公共施設を貸し切ったコスプレイベントに参加していた。天井の高いホールと、四方を壁に囲まれた中庭のある建物で、屋内は撮影用のセットや小道具で ...
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△△.jpg rw+2,443
2025/08/05 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
高校三年の春だった。 雨で窓が白く曇った午後一番の日本史。眠気に沈みながら、俺はノートを開いていた。 次に意識が戻ったとき、ペン先はまだ紙の上にあった。 ほんの一瞬、落ちたのだと思う。 黒板には「応仁 ...
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苦いなら、話すな rw+1,570
2025/08/05 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
中学の卒業アルバムの奥から、黄ばんだメモが一枚落ちた。 薄い藁半紙に、震えのない古い筆致でこう書かれている。 ――水を飲ませろ。味を聞け。苦いなら、話すな。触れるな。命が惜しければ。 この字は、母方の ...
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時空のおじさん nw+
2025/08/04 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あれは昨日の晩だったと思う。いや、もう正確な時間は思い出せない。 思い出せないというより、あの時間帯だけが、最初から存在しなかったみたいに抜け落ちている。 仕事が早く終わった日だった。まだ空が青さを残 ...
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焦げた産声 rw+2,056
2025/08/04 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
あの家は、火事で一度焼けている。 公式には、そうなっている。 俺はその日のことを覚えていない。覚えているのは、匂いだけだ。焼け焦げた布団、甘ったるい羊水、そして焦げた髪。誰のものかは、考えないようにし ...
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社長の名前を出した夜 rw+3,000-2012
2025/08/03 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
別の寺から頼まれて法事に出たのは、雨がぱらつく夕暮れだった。 本堂に入った瞬間、わずかに匂いが違うと感じた。線香の種類が変わったのかもしれない。あるいは自分の体調のせいか。だが胸の奥に、理由のない引っ ...
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混ざっているのはどちらか rw+1,972
2025/08/01 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
あの寺に勤めてから、夜というものの形が変わった。 昼間は観光客で溢れる。文化財の仏像、古い梁、磨き上げられた廊下。だが門を閉め、最後の参拝者を送り出すと、建物は急に静かになる。音が消えるのではない。こ ...
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乾かない駅名 rw+2,063
2025/07/30 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
高校二年の春だった。もうすぐ日が落ちる頃、名鉄神宮前の駅から少し離れた道を、自転車で走っていた。 その日、友人の家に泊まる予定だった。熱田神宮の裏手を抜け、車通りの多い大通り沿いを走っていた時、音が遠 ...
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水道カメラが拾った《目》nw+
2025/07/29 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
もう五年以上前の話だ。 あの現場の記録番号はいまでも覚えている。だが番号より先に浮かぶのは、あの“目”だ。 当時、俺は下水道の調査を請け負う設備保全会社にいた。暗く、臭く、酸素濃度を気にしながら作業す ...
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撮れない教室 rw+12053-0124
2025/07/29 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, ほんのり怖い話, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
★人気ベスト300俺が小学校六年だった頃の話だ。 あの年の記憶は、今でもやけに湿っている。 夏の終わり、蝉の声が途切れる瞬間があるだろう。あの間が来ると、決まって思い出す。汗とは違う、背中の内側からにじむような濡れた感 ...
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四十九日まで動かすな rw+2,829-0201
2025/07/29 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
死んだ祖父の話だ。 いや、あれが本当に「死んだ」と言っていいのかどうか、今でも判断がつかない。 祖父は八十四歳で息を引き取った。戦後の焼け跡を生き延びた世代で、背中には色の抜けた不動明王の刺青があった ...
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見られた場所 rw+2,272
2025/07/29 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
うちは父方の祖父が出雲地方の神主の家系だったらしい。そのせいか、子どもの頃、よく「白い人」を見ていた。 初詣に行くと、みんなは決まって本殿に向かう。あれが不思議で仕方なかった。俺はというと、本殿ではな ...
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部屋の中に急にアリが出るようになった #3,105
2025/07/28 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
部屋の中に急にアリが出るようになった【ゆっくり朗読】 個人的に怖かったというか不気味だった話。 815 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2017/07/16(日) 06:27:42.43 I ...