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奇妙な造りの家 r+3734

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家屋の解体作業をしていると、時折、普通では考えられない造りの家に出くわすことがある。

たとえば、行き止まりになっている階段や、袋小路になった廊下だ。こうした不可解な構造は、おそらく増改築を重ねるうちに生まれたものだろうと推測できる。

さらに、解体中には、隠し部屋のような小さな空間を発見することもある。これに関しては、家主の趣味が反映されているのだろうと納得がいく。

しかし、先日出会った家屋は、それらとは一線を画す、説明のつかない不思議な物件だった。

それは古びた平屋の日本家屋で、長い間空き家になっていたようだ。見た目こそかなり年季が入っていたものの、廃屋というほどではなく、壊すには惜しいように思えた。しかし家主は、それでも完全に解体し、更地にしてしまいたいと希望していた。

解体が始まり、油圧ショベルで家を崩していくうちに、六畳ほどの部屋を削り当てた。その部屋は奇妙なことに、天井以外の壁や床がすべて瀬戸物のタイルで覆われていた。当初はただの風呂場だと思ったが、すぐに違和感に気づいた。

部屋の中央には排水口らしき金属のふたがあるものの、浴槽がない。さらに、水道の配管も見当たらないため、風呂場と断定することはできない。そして何よりも異常だったのは、四方の壁に出入り口が一切存在しないことだった。

入り口のない、完全に孤立した空間。ではタイルを張った職人は、どうやって外に出たのか?理屈としては、外側からタイルで壁を嵌め込めば可能だが、そこまでして作る理由が思いつかない。それどころか、そもそもこの部屋の用途自体が全く想像できなかった。

不気味な感じがしたが、余計な詮索をせず、そのまま取り壊した。

その跡地は現在も更地のまま放置されている。なぜ更地のままでいるのか、ふと思うことがある。家主は何かを知っているのだろうか。あるいは、何かを建てることで厄介なことが起こるのを恐れているのかもしれない。

今でもあの場所を通りかかるたび、その疑念が胸をよぎるのだ。

(了)

[出典:964 :本当にあった怖い名無し :2007/03/29(木) 23:02:43 ID:+cbmUODl0]

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