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超霊感体質者の男の告白 r+1872

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これは、ある掲示板に書き込まれていた、当事者の男が経験した話である。

彼は昔から「デジャヴ」を超えるような不思議な感覚をしばしば味わっていた。

降り出した雨の終わりを知っている、寝過ごして見たサッカーの試合結果を予測していたことを「既視感」と呼ぶには重すぎるような……そんな直感が、彼の日常に潜んでいたのだ。

だが、彼は幼少期の記憶がほとんど欠けている。断片的に残るのは、白いベッドに横たわる老婆と、慌てふためく大人たちの姿だけだ。

その老婆は彼を見つめ、儚い微笑みを浮かべていたという。どうやらそれは、祖母の最期の瞬間だったのだろうと彼は感じていたが、母に尋ねることもなく今に至っている。

中学時代のある日、体育祭の準備中に異変は突然訪れた。

作業に夢中だった彼の耳に、「キーーーーーン」と耳鳴りが響き渡り、その瞬間、周りの喧騒がすべて消えた。周囲の誰もが遠のき、ただ「何か」が背後に立っている気配を感じた。

振り向くと、そこには真っ白な服を纏った女の姿。驚きと恐怖で動けない彼の記憶は、その瞬間で途切れ、後日になってから女子生徒が「彼の席をじっと見つめている女の人がいた」と語ることで、彼の心はさらに重くなったという。

時は流れ、彼はやがて結婚し、寺町に佇む古い家に住むこととなる。

だがその家は、彼の過敏な感覚をもてあそぶかのように、様々な怪異を彼にもたらした。夜な夜な、階段の下からの視線、風呂場で聞こえる物音、ドアの曇りガラスに映る覗き込む片目。それらはすべて、彼の心を深く蝕んでいった。

そんな彼がようやくリフォームを決意した時、その土地の異変に気づいた義家族が、奈良の有名な僧侶を招いて土地を鎮めることにした。

彼が立ち会うことはできなかったが、その僧侶から「土地の霊的影響を強く受けている」と告げられ、彼は御札を二枚渡される。それらを財布に入れてからというもの、不可解な出来事は不思議と収まり、平穏な日々が戻ってきた。

だが、十年後。彼はうっかり、その財布ごと御札を落としてしまったのだ。

そして、数日後から異様な胸騒ぎが増してきた。僧侶の言葉を思い出し、震えながら「もし誰かがあの財布を拾ったなら、御札に触れてはいけない」と掲示板に書き込むことで、自分を守ろうとしているように見えた。

その御札には、彼が生き延びてきたすべての「何か」が封じられているのだから……

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