短編 集落・田舎の怖い話 山にまつわる怖い話

変生(へんじょう)【ゆっくり朗読】5454-1229

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今はもう廃村になってしまった小さな集落の話。

112 :あなたのうしろに名無しさんが:04/05/17 22:12 ID:kbcifIWC

当時はまだ火葬は山で、野火送りで行われていました。

村で強欲、残虐、非常識で有名だった独り者のばあさんが亡くなった時のこと。

祖父や村の人らが火葬場で、そのばあさんの死体を燃やしていたそうです。

薪を積み上げ、その上に死体を乗せ、上にムシロをかけて死体を燃やしていると、ばあさんの頭の部分のムシロがゆっくりと持ち上がっていく。

気味悪く思いながら見ていると、ムシロが崩れて、黒くこげたばあさんの頭があらわに……

そこには二本のツノが生えていたそうです。

爺さんたちは坊さんを呼んできて、燃やしている間はずっと念仏を唱えてもらって、朝までかかって、骨も原型をろくに残さないくらいまでに燃やし尽くしたとのこと。

「あのばあさんは○○の家のもんやったが、あんまし酷いことばっかしとったから、ほんまもんの鬼になってまったんやろな。わしらみんな、あの婆さんは鬼じゃと言うとったが、まさかほんまもんの鬼やとは思いもよらなんださ」

年に一、二回、離村した集落のみんなが集まって飲んだりするたびに、そんな話を爺さんやばあさん達から聞きました。

(了)

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