今はもう廃村になってしまった小さな集落の話。
112 :あなたのうしろに名無しさんが:04/05/17 22:12 ID:kbcifIWC
当時はまだ火葬は山で、野火送りで行われていました。
村で強欲、残虐、非常識で有名だった独り者のばあさんが亡くなった時のこと。
祖父や村の人らが火葬場で、そのばあさんの死体を燃やしていたそうです。
薪を積み上げ、その上に死体を乗せ、上にムシロをかけて死体を燃やしていると、ばあさんの頭の部分のムシロがゆっくりと持ち上がっていく。
気味悪く思いながら見ていると、ムシロが崩れて、黒くこげたばあさんの頭があらわに……
そこには二本のツノが生えていたそうです。
爺さんたちは坊さんを呼んできて、燃やしている間はずっと念仏を唱えてもらって、朝までかかって、骨も原型をろくに残さないくらいまでに燃やし尽くしたとのこと。
「あのばあさんは○○の家のもんやったが、あんまし酷いことばっかしとったから、ほんまもんの鬼になってまったんやろな。わしらみんな、あの婆さんは鬼じゃと言うとったが、まさかほんまもんの鬼やとは思いもよらなんださ」
年に一、二回、離村した集落のみんなが集まって飲んだりするたびに、そんな話を爺さんやばあさん達から聞きました。
(了)