「 kowainetの記事 」 一覧
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正しい判断 rw+3,161
2026/09/23 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
小さな木造の家だった。 外から見れば、ただ古びただけの一軒家で、近所に並ぶ家と何一つ違わなかった。玄関の引き戸は軽く、軋む音もなかった。中に入るまでは、そこが特別な場所だとは誰も思わない。 家の中は静 ...
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🚨それっぽいから信じた nc+
2026/09/22 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026, オリジナル作品
夜の研究室で、私は実験データを整理していた。 テーマは、人間の判断がどれほど簡単に歪むか。代表性ヒューリスティックと連言錯誤。人は確率ではなく、それっぽい物語で世界を理解してしまうという話だ。 作業は ...
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四十歳の私へ nw+534
2026/09/22 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
校庭の隅に立つ桜の木は、春でもあまり花をつけない木だった。 幹は途中でねじれ、樹皮がめくれあがり、触れると粉のようなものが指に残った。卒業を控えた冬の日、わたしたちはその木の根元に穴を掘り、「未来の自 ...
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胸の上の重み rw+18,437
2026/09/22 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
★人気ベスト300あの地震のあと、町じゅうにサイレンが鳴り響いたらしい。 俺は遠く離れた下宿で授業を受けていて、その音を直接は聞いていない。だが、電話越しに母が取り乱して叫んでいた声だけは、今でも耳の奥に残っている。 ...
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戻ってきた場所 rw+6,616
2026/09/22 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, 後味の悪い話
中学生の頃の話だ。 あれが本当に起きた出来事なのか、眠っている間に見た夢なのか、今でも判断がつかない。ただ、触覚だけは残っている。皮膚の裏側を、微弱な電流がゆっくりなぞっていくような、あの嫌な感覚だけ ...
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数字で測れぬ悪魔 rc+6,316
2026/09/22 -短編, r+, カルト宗教, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
中学時代の同級生から久々に連絡が来たのは、梅雨が長引いて空気がぐずぐず腐っていた頃だ。 電話口の声は湿っていて、息が重たかった。妹が変な宗教に入ってしまった、と切り出された。 最初は笑ってしまった。今 ...
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月を喰らう鬼と、俺の生 #4,244
あの夜から、俺の生は別のものになった。 巡回の足を止めたのは、細く高い女の歌声だった。涙を含んだ声色が夜の庭に漂い、俺の耳を縫い留めた。辿り着いた先で、白い衣の女が月光を纏い、宙に戯れるように舞ってい ...
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まだ玄関にいる rw+1,697
2026/09/22 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
玄関を開けた瞬間、胸の奥にあの夕暮れが貼りついた。 実家は古い日本家屋だった。間口は広く、奥へ奥へと細長い。廊下の板は痩せ、踏めば乾いた音を立てる。障子は茶色く濁り、昼でも光は薄い。梁が落とす影が部屋 ...
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まず口元を見る rw+1,928
2026/09/22 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
愛媛県小学校三年生の秋、音楽室で見たものを、四十年以上経った今でも忘れられない。 そのせいで私は、いまだにシューベルトの肖像を正面から見ることができない。 当時、私は愛媛県のある市に住んでいた。第二次ベビー ...
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🚨夜だけ応答する窓口 nc+
2026/09/21 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026, オリジナル作品
深夜に原稿をいじっていると、決まって同じ窓を開く。 クラウドの文字起こしサービスだ。音声を投げると数分で戻ってくる。機械のはずなのに、毎回どこか人の気配が混じるので妙に助かっていた。 気配というのは、 ...
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表示の消える階 nw+395
2026/09/21 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
小学生の頃の体験を、今でも鮮やかに覚えている。 四年か五年の頃だった。鍵っ子で、学校が終わると一人で団地の部屋に帰っていた。七階建ての古い公団住宅で、灰色のコンクリートはいつも湿り気を帯び、雨の日には ...
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立っている規則 rw+7,951
アルバイトの面接なんて、気楽な気持ちで行くものだと思っていた。 だが、その日案内されたのは、古い木造の事務所だった。雨を含んだ木の匂いが鼻にまとわりつき、床は歩くたびにわずかに沈み、低く軋んだ。机の向 ...
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抜いたのは誰か rw+3,525
父は三年前、肺がんで死んだ。 最期まで、あの人は骨董の話をしていた。金があるわけでもないのに、休みのたびに骨董市へ通い、時代のつかない小物ばかりを持ち帰る。皿も掛け軸もない。根付けや櫛、名もない細工物 ...
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帰る場所 rw+4,204
2026/09/21 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
二十五になったばかりの春、数年ぶりに実家へ帰った。 父が入院したからだ。 軽い胃がんで、早期だから心配はいらないと聞いていた。それでも久しぶりに見る実家は妙に小さく感じた。薄曇りの空の下、田んぼに張ら ...
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撃つのは誰か rw+2,322
2026/09/21 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
射撃場で出会ったあの日から、あの人は私の師匠だった。 実の父とほぼ同じ年齢で、子どもはいるのにアウトドアには興味がないと言っていた。なのに私のことだけは妙に気に入り、北海道での猟に連れていってくれた。 ...
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休業のお知らせ nc+
2026/09/20 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
通勤に使っている道に、小さな惣菜屋がある。 駅と住宅街のちょうど境目にあって、朝は仕込みの匂いが漂い、夕方になると揚げ物の油の匂いが歩道まで流れてくる。特別に安いわけでも、行列ができるわけでもないが、 ...
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確認した時点で ncw+489-110
2026/09/20 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
父が亡くなった時、私は悲しむより先に、身体を動かしていた。 葬儀の段取り、役所への届け、親戚への連絡。感情が入り込む余地のない作業の連続で、気づけば火葬も終わっていた。 四十九日までの間、私に割り当て ...
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🚨穴があった場所 nc+
2026/09/20 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
「底がない」という表現は、普通なら誇張として使われる。 メル・ウォーターズがワシントン州エレンズバーグに所有していた土地には、直径二メートルほどの穴があった。土地を購入したとき、前の所有者からは井戸の ...
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地下から来たもの rw+4,951
あれは、まだ俺が二十代後半で、現場作業員としてあちこちの工事を渡り歩いていた頃の話だ。 勤めていた会社が地下鉄工事を請け負って、俺はその現場に配属された。 工事開始から数日。ショベルの爪が地面を削るた ...
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誕生日の前日 rw+3,330
2026/09/20 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
父は若い頃、遠洋航路の船に乗っていた。 港に着くたび、ひとりは船に残る決まりだった。 その日残ったのは、少し頭が弱いと陰で言われていた男だったという。 夕暮れ、桟橋の向こうから老人が現れた。 裸足で、 ...
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🚨常識定数 nc+
2026/09/19 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026, オリジナル作品
「常識」が発見されたのは、二〇四一年だった。 それまで常識は、測れないものとされていた。国が違えば変わり、時代が違えば変わる。同じ家で育った兄弟でさえ、「そんなの常識だろう」と言い合うことがある。常識 ...
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🚨返却保管庫 nc+
2026/09/19 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026, オリジナル作品
【記録抜粋:第七岸壁の保管庫・聞き取り音声書き起こし】 ――録音開始。 俺があの場所と再び接続されたのは、運が悪かったからではない。事故でも災害でもない。晴れた平日の午前、会社の搬入口で足を滑らせ、金 ...
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発泡スチロールの高さ nrw+513
2026/09/19 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
中学の夏休みの記憶が、どういうわけか今でも抜け落ちない。 あの年の暑さや、扇風機の首振りの間合い、畳が昼の熱を含んでじっとりしていた感触まで、細部がやけに正確に残っている。忘れていいはずの場面ほど、時 ...
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三隣亡の家~さんりんぼう信仰 #7,578
さんりんぼう信仰【ゆっくり朗読】 うちの親父は水道技術者なので特に夏場は忙しく、どこにも連れてって貰えない なので、親戚の家に十日位泊るのが小学生の頃の夏休みの恒例だった。 ある時、叔父さんに卵、キュ ...
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かえるのうた rw+5,357
2026/09/19 -中編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, 定番・名作怖い話
★人気ベスト300年末の寒気が、オフィスの窓ガラスを震わせていた。 先輩が、いつもの調子で肩を叩いてきたのは、仕事納めまで一週間ほど残した頃だった。 「うちの町の年越し、見てみない? ちょっと変わった行事があるんだ。今 ...
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もうあんた一人だけ rw+3,303
2026/09/19 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
祖父は、私の下宿探しに誰より熱心だった。 大学に入ってすぐ、完全な一人暮らしは心細いだろうと、私は食事付きの下宿を選んだ。祖父は家賃や駅までの距離だけでなく、管理人の人柄や、ほかにどんな下宿人がいるの ...
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特定した。ありがとう nc+
2026/09/18 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
暇つぶしに、スマホで出会い系サイトを眺めていた。 特に目的があったわけじゃない。ただ、なんとなく流し見していたプロフィールの中に、見覚えのある顔があった。 写メを見た瞬間に分かった。 中学時代の同級生 ...
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最初から四人だった nw+492
2026/09/18 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あの夜のことを、俺は何度も思い出し、何度も思い出さないふりをしてきた。 十年以上前の出来事だ。 いまは家庭もあり、仕事もあり、あの頃のように夜な夜な車を走らせることもない。だが、時折、夢の底から引きず ...
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墓地の向こう側 rw+8,549
二十年前、人口百人ほどの小さな島に、教授の民俗調査に同行する形で長期滞在した。 私は研究者ではなく、名目上は手伝いだが、実際はただの付き添いだった。 島の半分は墓地だと聞いた。子どもたちはそちらへは絶 ...
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笑って応対した理由 rw+5,948
2026/09/18 -短編, r+, ほんとにあった怖い話
あれは、私の人生でいちばん背筋の冷える出来事だった。 何か直接的な被害に遭ったわけではない。暴力を振るわれたわけでも、脅されたわけでもない。ただ思い返すたびに、どうしてあの場面で、私は笑って応対できた ...
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【完全版】禁后(きんごう)~パンドラの箱 #6,700
2026/09/18 -中編, r+, 定番・名作怖い話
★人気ベスト300, ネットで有名な怖い話【ゆっくり怪談】禁后(きんごう)~パンドラの箱【完全版】 私の故郷に伝わっていた「禁后」というものにまつわる話です。 どう読むのかは、最後までわかりませんでしたが、私たちの間では「パンドラ」と呼ばれて ...
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数えられる参拝 nw+407
2026/09/17 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
境内に入った瞬間、空気が切り替わった。 京都の上賀茂神社に行った理由は単純だった。雑誌で見た八咫烏のおみくじの意匠が気に入った。それ以上の意味はない。由来も信仰も調べていなかった。 北大路のバスターミ ...
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そのまま食べてください nc+
2026/09/17 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
今住んでいるマンションから徒歩十五分ほどの場所に、個人経営のハンバーガー屋がある。 看板は色褪せ、照明も暗く、遠目には営業しているのかどうか分からない。フランチャイズではなく、手作りを売りにしているら ...
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イトウ rw+1,600
2026/09/17 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
高校一年の夏休みが明けて、まだ教室に暑さが残っていた頃だった。席に着いて間もなく、前の席の男が振り向いた。 「イトウって知ってる?」 「イトウ? 誰それ」 男はしばらく俺の顔を見ていた。 「何言ってん ...
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仮母女(かもめ)《ホラーテラーさん》#12,417
【ゆっくり怪談】仮母女(かもめ) 若干の脚色ありますが、友人の兄の体験を本人目線で書いたものです。 今日は、カノジョの洋子と初めての一泊旅行。と言っても、家から電車で二時間ほどの、県内北部にある温泉旅 ...
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【名作怖い話】喜一じいちゃんシリーズ・全話コンプリート #5,736
【ゆっくり怪談】喜一じいちゃんシリーズ【全話コンプリート】 喜一じいちゃんの昔話をします。 家は昔質屋だった、と言ってもじいちゃんが一七歳の頃までだから私は話でしか知らないのだけど結構面白い話を聞けた ...
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逆さに掛けられた面 rw+4,585
2026/09/17 -短編, r+, 家系にまつわる怖い話, 定番・名作怖い話
★人気ベスト300, ネットで有名な怖い話私がこの話を聞いたのは、父が死ぬ二年前だった。 話の大半は、私が生まれる前の出来事だ。父の口から聞いた断片、古い記録、そして後から継ぎ足された想像が混ざっている。どこまでが事実かは分からない。だが、こ ...
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普通の人たち rw+3,465
2026/09/17 -短編, r+, 洒落にならない怖い話
先週の土曜日のことだ。 うまく話せる自信はない。ただ、あのときから胸の奥に沈んだままの何かが、少しずつ重くなっている。このまま黙っていたら、たぶん私のほうがあちらに近づいてしまう。 朝七時。灰色の空の ...
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午前二時の砂利道 nw+445
2026/09/16 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あれは、五年前のことだ。 練馬の外れにある、ロフト付きのワンルームに住み始めたばかりの頃だった。 前の会社を喧嘩別れ同然で辞め、社宅も失った。貯金は底をつきかけ、保証人も頼れない。無職の身で部屋を探す ...
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ミラーの後ろ nc+
2026/09/16 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
六月の半ば、夜の十二時を少し回った頃のことだ。 その頃、俺はバイクを買ったばかりで、大学が終わると一人であてもなく走り回っていた。翌日が休みだったその日も、特に用事はなく、気まぐれに神奈川方面まで足を ...
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七年ぶりのいんび rcw+8,291
もう二十年近く前のことになる。 正確な年齢は分からないが、たぶん五歳くらいだった。 最初に思い出すのは、冷たい山の空気と、湿った土の匂いだ。 あの匂いは今でも、ときどき鼻の奥に蘇る。 私が育った村は、 ...
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後ろ姿だけが映る rw+5,437
2026/09/16 -中編, r+, 洒落にならない怖い話
あれは、真夏の夜のことだった。 仕事中、机の上に伏せていた携帯が震えた。画面には「村上」と出ていた。 声を聞くのは一年ぶりだった。大学を出てからは年に何度か会う程度になり、そのうち連絡も途切れていた。 ...
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ワラビが笑った/笑うわらび(エホバの証人伝説)rw+5,336
信仰に入って間もない頃、私は王国会館で、奇妙な話をいくつも聞いた。 最初に聞いたのは、「笑うワラビ」の話だった。 野外奉仕の帰り、何人かの姉妹が神社の境内でワラビを見つけた。長老は足を止めずに言った。 ...
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五歳上の従姉妹の話 【シリーズ全7話コンプリート】#4,553
【ゆっくり怪談】五歳上の従姉妹の話 【シリーズ全7話コンプリート】 第1話:せいちゃん 何だかおかしな人で、彼女と関わったことで奇妙な体験をいくつかした。 今から話すのはその中の一つ。 まだ俺が小学生 ...
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入らなかった人たち rw+5,569
2026/09/16 -短編, r+, 不動産・物件の怖い話
東京都上京して間もない頃、部屋探しをしていた。 条件は単純だった。駅から近いこと、外観がきれいなこと、家賃が手頃なこと。それだけでいいと思っていた。内見をいくつも重ね、候補を潰していくうちに、世田谷区の四階 ...
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あなた達 nw+442
2026/09/15 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
あれは中学二年の秋だった。 教室に入るなり、女子の一人が笑いながら言った。 「ねぇ、A学院通ってるんだぁ」 聞き間違いだと思った。A学院は近所では一番有名な進学塾だ。だが俺の家にそんな余裕はない。成績 ...
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三階は空いていたはずだった nc+
2026/09/15 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2026
二年前の秋のことだ。 月末テストの問題作成がどうしても終わらず、田舎の小学校に一人残っていた。普段なら職員室には誰かしら残っているのだが、その日は運が悪かったのか、気づけば校舎にいるのは自分だけだった ...
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お願いごとをしてはいけない rw+4,307
2026/09/15 -短編, r+, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚
初めてここに書き込みます。作り話ではありません。 怖かった、というより、今でも頭の底に澱のように残っている出来事です。 母方の祖母は、ひどく信心深い人でした。 群馬の祖母の家へ遊びに行くと、よく私の手 ...
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ワラスッコの宿帳 rw+3,176-208
中学の頃まで過ごした故郷は、岩手県二戸市金田一という小さな町だった。 山の匂いと湿った土の感触が、今でも鼻の奥にこびりついている。 この町には、昔から妙な宿がある。緑風荘。 表向きは座敷童子の出る宿と ...
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言われなかった者 nw+394
2026/09/14 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, n+2025
小学校の記憶はところどころ白く抜け落ちているのに、あの名前だけは腐らずに残っている。 陽三。 小柄で声が細く、休み時間もたいてい教室の隅にいた。友達はいなかったと思う。誰かを見ているときも、相手ではな ...