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ピペドの復讐 r+8134

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 面倒があるとダルいので創作と思ってくれ。

 俺はバイオ系の大学院を修了し、博士号を取得後、大学に勤めた。しかし、パワハラによって精神を病み、ニートになってしまった。

 "ピペド"という言葉を聞いたことがあるだろうか。まさに俺のことだ。就職先を探してもなかなか見つからず、一年間のニート生活を経て、ようやく中小企業に就職することができた。

 希望に燃えて迎えた初出勤。しかし、そこには工業系の先輩が待ち受けていた。

「お前、なんでバイオ系なんて選んじゃったの?工学系にすればよかったのに(笑)東大まで出てこんな会社かよ(笑)まあ、バイオなんてすぐになくなると思うけど、頑張ってね(笑)」

 なぜこんなことを言われなければならないのか。それなりに努力してきた自分が情けなくなった。しかし、それ以上に、今までの苦労や葛藤を嘲笑されたことへの怒りがこみ上げた。努力が無駄だったと言われたような気がして、どうしても許せなかった。俺はこの悔しさをバネにして、復讐を決意した。

 復讐の方法は、仕事を頑張ることだった。

 企画、営業、実験、報告、知財、予算管理……国の補助金を獲得し、先輩たちを巻き込んで全力で働いた。過労で吐き、体重は一時五十キロまで落ちたかと思えば、九十キロまで増加し、心臓が止まって倒れたこともあった。しかし、それでも仕事は楽しかった。

 その結果、三年後にはバイオ部門が会社のメイン事業となり、俺は責任者を任されるようになった。そして、あの先輩もバイオ部門へ異動し、俺の部下になった。

 だが、彼は周囲と馴染めず、邪魔だったので不要な資料整理をさせておいた。給料は年俸三百万円のまま、一円も上がらなかった。会社側は「成果は認めるが、バイオ部門はコストがかかるため昇給は難しい」と説明したが、他の部署では昇給が行われており、納得できるものではなかった。

 俺自身も、会社の利益に大きく貢献していたにもかかわらず、給料が全く上がらないことに違和感を覚えていた。そんなとき、後輩の女性社員が、上司(五十代女性)がトイレで話していたという内容を教えてくれた。

「ピペドさんは履歴書が汚いし、バイオ系だから転職も難しいでしょ。そういう人は安く使えていいのよね」

 後輩は悔しさで泣いていた。それを見た俺は、再び復讐を決意した。

 転職活動を開始したが、三十三歳という年齢もあり、なかなか採用には至らなかった。中には、

「お前、もう三十三でしょ?勉強はできたはずなのに、何してるの?普通は結婚して家庭を持ってる年だよ?ちゃんと生きてこなかった奴は顔を見ればわかる。なんか童顔で赤ん坊みたいな顔してるもん」

 と侮辱する面接官もいた。彼にも後日復讐したが、それはまた別の話。

 仕方なく、資格を取得した。そして、チームの仲間に転職活動を始めることを伝えたところ、後輩の女性や他の先輩たちも「もうこの会社には未来がない」と考え、転職を決意した。彼らもまた、上司の態度や会社の評価制度に不満を抱えていたのだ。みんなで励まし合いながら転職活動を進め、最終的に五人全員が転職を決めた。

 復讐の方法は単純だった。仕事を完全に放り投げて辞めること。

 上司に、五人が同じ日に一時間おきに辞意を伝えることにした。俺は三人目だったが、上司が怒鳴り始めても無表情で退職届の封筒で鼻をツンツンし続けた。約三十分間。五人目だった仲間は、ペンを投げつけられたらしい。

 偶然にも、その日は上司の誕生日だった。最後に退職の報告を終えた後、事務室に戻ってくる彼女を迎えるために電気を消し、ケーキのロウソクに火を灯し、"ハッピーバースデー"を歌ってあげた。彼女は最初は呆然と立ち尽くし、その後、顔を真っ赤にしながら唇を震わせ、怒りを堪えているようだった。手はぎゅっと握りしめられ、震えが全身に広がっているのがわかった。何かを叫びたそうにしていたが、言葉にならなかったのか、結局一言も発せず、その場を立ち去った。

 そして、俺たちは最初にバカにしてきた先輩に、五人分の仕事をすべて押し付けて去った。彼は大変そうだったが、やりがいのある仕事なので頑張ってほしい。

 数ヶ月後、彼は機械を壊して退職し、上司は離婚、会社も利益を上げられなくなったらしい。取引先に転職した仲間からは、

「もうあそこ、空気最悪っすよ」

 と笑いながら報告を受けた。

 後輩の女性には告白されたが、断ったせいで気まずくなり、仲間とも会えなくなった。

 こんなつまらない復讐話で申し訳ない。でも、今日はどうしても吐き出したかった。

 最後にひと言。

 バイオ系(生物、生化学、生理学、農学など)の大学院には行くな。マジで。本当に研究が好きで、一生を研究に捧げる覚悟があるなら別だが、安定した職を求めるなら選ばない方がいい。企業の研究職は狭き門で、待遇も決して良くない。選択を誤ると、俺のように苦しむことになるかもしれない。


コメント

250: 「ええっ!? そんなに注目されない分野だとは思えないけどなあ」

251: 「GJ!理系の分野は変な序列が強すぎて、しがらみばかりだからじゃないか?」

252: 「東大の大学院出身で、バイオ系の院生や院卒の知り合いも多いけど、そんな待遇の話は聞いたことがないな。進んだコースが悪かったんじゃないか?」

253: 「医学、獣医学、歯学は専門職だから別だけど、それ以外の理系は本当に最悪。興味があれば『ピペド』で検索してみて(笑)」
「ドクターからポスドクを経てドロップアウトする、最悪のパターンにはまる人が年々増えている。世間では高学歴と呼ばれるが、俺は『重学歴』と呼びたい。学歴が重すぎて身動きが取れないから」


[出典:241: 本当にあった怖い名無し 2013/10/30(水) 23:07:05.64 ID:SYlH7cv90]

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