ネットで有名な怖い話・都市伝説・不思議な話 ランキング

怖いお話.net【厳選まとめ】

「n+2025」 一覧

玄関を拭く人 nw+177-0120

仕事に追われ、帰宅が深夜にずれ込む生活が続いていた頃、私は家賃四万円の古いアパートに住んでいた。 狭く薄暗い建物で、共用廊下は常に湿気を含み、壁紙はところどころ剥がれ、雨の日には黴の匂いが濃くなる。息 ...

次は二十三時三分 ncw+220-0120

山奥に帰省すると、どうしても避けられない道がある。 舗装が途切れ、雑草に覆われた坂道を下りきった先、竹藪の影に押し込められるように古い待合所が建っている。屋根は苔に沈み、雨樋は途中で折れて役目を果たし ...

気付いた瞬間 nw+

あいつがその話をしたのは、二年の夏だった。 サークルの飲み会で、店の奥の丸テーブルに座っていた時だ。まだ誰も潰れていない時間帯で、空調の音と氷の鳴る音がはっきり聞こえていた。あいつは唐突に黙り、ジョッ ...

二人分の水 nw+176+0207

今でも、あの水のぬるさだけは、はっきりと思い出せる。 夏の終わりだった。 駅前の雑居ビルの二階に入っている、小さなレストラン。外観は改装されたらしく一見すると新しいが、階段を上がった途端、古い建物特有 ...

出なさいと言われた場所 ncrw+206-0120

俺はもともとオカルトが好きで、洒落怖も相当読み込んでいた。 それに職業柄、いわゆる「説明のつかないこと」に遭遇する機会も多い。だから八百万の神という考え方も、信仰というより業界の常識として受け入れてい ...

記録できない夢 ncrw+233-0118

夢の話をすると笑われるのが嫌で、ずっと一人で抱えてきた。 子どもの頃から、何度も同じ夢を見る。夢の中では確かに「またこれだ」と分かるのに、目が覚めると内容だけが抜け落ちる。残るのは胸を締めつける喪失感 ...

水の舌、蛇の声、名のない呼び声 nc+258-0120

今でもあの夜の匂いを思い出すと、胸の奥がざわつく。 湿った石の匂い、ぬるい苔、雨を吸った杉皮。山の線が暗く膨らみ、谷から上がる風が舌の裏に金気を残した。私は調査の帰りに、村はずれの境の杭をまたいだとこ ...

同じ日に見た nw+209

大学二年の夏、祖母に頼まれてお盆の支度をしに車を出した。 午後の陽射しは白く濁り、アスファルトの上で揺れていた。信号待ちで窓を少し下げると、刈り残された草の匂いと排気の臭いが混じり合い、肌に薄い膜のよ ...

声のない坂道 nw+188-0203

今でも、あの風車の音を夢に見ることがある。 くるくると回り、風に引っかかるたびに、キィ……キィ……と紙と竹が擦れる音。どこにでもあるはずの玩具が、どうしてあれほど耳に残ったのか。理由は分からない。ただ ...

隣の家は夢だった nw+218-0121

今でも、あの夜の夢を思い出すと、体の芯がざらつくように冷えていく。 夢というものは、目覚めた途端に輪郭を失い、朝の光の中で嘘のように溶けていくはずだ。ところが、あの光景だけは違った。忘れるどころか、年 ...

右側だけが増えていく n+

今でもあの夏の午後の熱気を思い出すと、耳の奥で受話器の無音がぶるぶる震えるように感じる。 汗で指先がぬめるたび、ポケットの中の硬い紙片が擦れ合って、小さな音を立てた。小学四年の終わり頃から三年ほど、私 ...

代わりにこちらで nw+258

今でも、あの朝の車内の静けさを思い出すと、背中の奥が冷たくなる。音が消えたというより、最初から存在しなかったかのような、妙に完成された無音だった。 二年前の七月二十八日、月曜の朝。夏休みも取れず、実家 ...

襖の内側 nrw+350-0119

今でも、あの夜の匂いを思い出すと胸の奥がざわつく。 古い街道沿いの宿に泊まった時のことだ。木造三階建ての大きな建物で、瓦屋根の重みが軋みを孕んでいる。表には「創業三百年」と墨書きの看板が掲げられ、長い ...

捨て場所 nw+412-0119

もう何年も前のことなのに、未だにあの夜の記憶だけが、うまく言語化できずにいる。 思い出そうとすると、記憶の一部が水で滲んだ紙のように溶け、形を保たない。 仲間内では今でも笑い話にされるが、あれを笑って ...

峠に残った靴音 nw+291-0108

あの夜の湿気を帯びた空気を思い出すたび、いまでも背中の皮膚がじっとりと汗ばむ。 季節は夏の終わりだった。蝉の声にひぐらしの鳴き声が混じり、昼と夜の境目が曖昧になり始める頃だ。 家は山に囲まれた集落にあ ...

八年目は終わらない nw+316-0215

一九九七年六月二十六日。薄曇りで、アスファルトがぬめるような午後だった。 M町の繁華街。雑居ビルの壁面に設置された巨大スクリーンではJリーグ中継が流れ、実況がけたたましく響いていたはずなのに、俺の立っ ...

幻肢の記憶 n+

あの夜の病室を思い出すと、今でも胸の奥にひやりとした重みが残る。 私は小さな診療所を営んでいる開業医だが、入院設備も僅かながら備えており、救急指定も受けている。病棟の夜はいつも不気味な静けさに満ちてい ...

十二階の外にあったもの n+

あれは幻覚だったのか、それとも私の足が一歩だけ別の世界に踏み入ってしまったのか…… いまだに答えは出ていない。 三年前のことだ。当時の私は学生で、生活費を稼ぐために運送のアルバイトをしていた。社員の男 ...

🚨光の角度 ncw+354-0121

今でもあの夜の匂いを思い出すと、胸の奥がざわつく。 鉄と湿った土が混ざった匂い。油の膜が薄く浮いた水たまりは、欠けた月を映す皿みたいで、指先で触れると冷たさだけが残った。晩夏の夜気はぬるく、ブルーシー ...

余った糸 nw+256-0210

「ちょっと、君の手を貸してくれないかな?」 運転席から差し出されたその手は、ひどく温かかった。冬でもないのに、掌だけが体温を持っているような、不自然な熱だった。初対面の相手に触れられること自体が気持ち ...

壷の中の水底 n+

今でも、あの壷の重さを思い出すと、腕の奥にひやりとした感触がよみがえる。 ずっと昔、私が中学生だった頃、夏の終わりに起きた出来事だ。 私の実家は郊外の古い一軒家で、建て増しと補修を繰り返してきたせいで ...

つかまえた赤 nc+

先週の金曜、夕方のことだった。 職場を出て、コンビニの駐車場で煙草に火を点けたそのとき、ポケットの中で携帯が震えた。警察署からの電話。一瞬、心臓が跳ねた。事故?違反?それとも誰か……いや、俺には思い当 ...

一度、受け入れられた nw+223-0114

今でも、あのとき見た深海の青を思い出すと、胸の奥が静かにざわつく。 それは恐怖ではない。だが、安らぎでもない。 もっと厄介な何かだ。 数年前の夏、私は趣味のスキンダイビングで沖に出ていた。酸素ボンベは ...

混ざる声 ncw+379-0114

学生時代に一度だけ、口外すまいと固く決めた出来事がある。 だが年月を経ても胸の底に沈殿したまま、夜になると耳鳴りに紛れて浮かび上がってくる。黙っていれば腐るだけだと、最近になって思うようになった。だか ...

祖母もいた nw+387-0616

祖父が亡くなったことを知ったのは、葬儀が終わったあとだった。 そのころ私は引っ越したばかりで、携帯料金も払えず、親にも新しい住所を知らせていなかった。実家から何度も連絡が来ていたらしいが、私には届かな ...

いとこの子 nc+

あれは、真夏の午後だった。 陽炎が立つような暑さのなか、畳の匂いと蝉の声に包まれた縁側で、俺はぼんやりと座っていた。足元には、幼い子どもが一人。いとこの子――まだ二歳かそこらの、小さな男の子だった。 ...

火を通せ nw+321-0704

川崎は、生のトマトを食べない。 ピザの上に乗っているものは平気だし、ミネストローネも食う。缶詰のホールトマトを潰してパスタを作ることもある。ただ、サラダに入っている輪切りや、弁当に添えられたプチトマト ...

片づけてしまった夜 nw+393-0123

その晩、私は一人で酒を飲んでいた。 仕事が一段落し、特別な理由もなく、ただ缶を開けただけだった。冬の終わりで、部屋は乾いていた。換気のつもりで、寝る前に少しだけ窓を開けていたのを覚えている。 風が入っ ...

声は内側から来る nw+526

2025/10/10   -短編, 事故・事件, n+2025

あの日のことを思い出すと、今でも胸の奥が詰まる。 息を吸おうとしても、途中で止められるような感覚になる。 二〇一五年の十月末、同じフリースクールに通っていた少年が死んだ。 新聞では「自殺の可能性」と簡 ...

おい、小池、まだ隣にいる n+

中学の同級生に会ったのは、二〇年ほど前の同窓会だった。 名前はここでは伏せるけれど、彼は妙に痩せて、背広もぶかぶかで、顔色は灰色に沈んでいた。酒も進まず、ぽつりぽつりと話すばかりだった。帰り際に呼び止 ...

夢で聞いた番号 nw+355-0611

知らない番号から電話が来ると、今でも出る前に息を止めてしまう。 最初の電話は、俺の携帯にかかってきたものですらなかった。 十九のころ、俺はまだ携帯を持っていなかった。金が惜しかったわけではない。ただ、 ...

電話に出る者 nw+

実家の固定電話には、昔から妙なことがある。 家に誰もいないときに限って電話をかけると、必ず誰かが出るのだ。 呼び出し音が二回ほど鳴ると、若い男の声で「はい、○○です」と、まるで家の住人のように名乗る。 ...

位牌を持ってきた女 nw+258-0213

あれは、まだ義母と同居していた頃のことだった。 私の妊娠が分かった日から、家の空気は目に見えない刃物のようになった。義母は毎日のように腹に向かって言った。「私は跡取りをこの手に抱きたいのよ」。その声は ...

赤いひも nw+298-0217

引っ越したのは、大学を卒業してすぐの春だった。 駅から近い、小さな二階建てのマンション。築年数は古かったが、社会人一年目の私には身の丈に合っていた。契約も問題なく済み、荷物を運び入れた夜は、ようやく自 ...

封じられた夜 nrw+352-0131

俺の母は、小学校の教師をしていた。 ごく普通の公立校で、特別学級でも進学校でもない。ただ、母自身は「普通の教師」ではなかった。 母は、見える人間だった。 霊感と呼ぶのが一番近いが、本人はその言い方を嫌 ...

虹色の飴玉 n+

もう十年も経ったし、そろそろいいだろうと思って書く。 自分の記憶の中でいちばん不可解で、いまだに何だったのか説明できない出来事だ。 小学校六年の秋だった。授業を終えて、ランドセルを背負ったまま帰り道を ...

名札の裏側 nw+416-0108

今でも編集部の夜を思い出すと、湿った紙と古いインクの匂いが喉の奥に引っかかる。 その話をしたのは、地方紙から移ってきた校閲担当の女性だった。彼女はいつも名札の角を親指で擦っていた。磨くというより、確か ...

子どもの頃、金色の魚を飲み込んだ ncw+400-0206

子どもの頃から、胸の奥に沈んだままの記憶がある。 長いあいだ、それを幻覚として処理してきた。熱に浮かされた幼児が見る、ありふれた幻想だと自分に言い聞かせ、思い出さないようにしてきた。 だが、四ヶ月前、 ...

行けなかった子 nw+373-0203

この話をすると、決まって「作り話でしょう」と言われる。 だから普段は、誰にも話さない。 けれど、あの声を思い出すたび、胸の奥に残ったものが、まだ終わっていないと教えてくる。 看護学生だった頃の話だ。 ...

誰も見ていない nw+

小学生の頃の記憶だから、当てにならないと言われればそれまでだ。 けれど、あの夜のホームの匂いと、喉の奥に貼りついた鉄の味だけは、今も消えない。 家族で出かけた帰りだった。夜九時過ぎ。利用客の少ない駅の ...

挨拶は? nw+343-0209

近所のスーパーFに通うのは、会社帰りのほんの気晴らしだった。 安くて品揃えもそこそこで、アイスでも一つ買って帰る。それだけの場所だった。ところが、ある日を境に、どうにも居心地の悪い空間に変わった。 最 ...

一度食べたら戻れない蕎麦 nw+545-0213

あのときの記憶は今も舌に、いや、もっと奥に――骨の髄にまで焼き付いている。 きっかけは、一本のメールだった。大学時代の友人から届いた、題名も本文もなく、妙にぞんざいな一文だけのメールだ。 今日、本気で ...

押し入れの印 nc+351-0205

あれは小学校一年の夏休みのことだった。 思い出すたびに胸の奥がざわつき、体の芯から冷えていくような感覚に襲われる。今ではもう誰に話しても「子供の妄想だったんじゃないか」と笑われるだけだが、あの体験が作 ...

背負う役目 nrw+439-0118

高校三年の頃、古典を担当していた年配の教師がいた。 白髪をきれいに撫でつけ、動きは遅いのに、教室に入ってきただけで空気が変わる人だった。普段、授業などほとんど聞いていなかった俺が、その教師の声だけは自 ...

死後に回収される伏線 nw+

人は死んだ瞬間に、散らばっていた出来事を一本の線にまとめられてしまうのかもしれない。 生きているあいだは、どれも偶然にしか見えない。意味のない選択、軽い冗談、通り過ぎただけの機械や言葉。それらは互いに ...

四十歳の私へ nw+467-0215

校庭の隅に立つ桜の木は、春でもあまり花をつけない木だった。 幹は途中でねじれ、樹皮がめくれあがり、触れると粉のようなものが指に残った。卒業を控えた冬の日、わたしたちはその木の根元に穴を掘り、「未来の自 ...

表示の消える階 nw+313-0118

小学生の頃の体験を、今でも鮮やかに覚えている。 四年か五年の頃だった。鍵っ子で、学校が終わると一人で団地の部屋に帰っていた。七階建ての古い公団住宅で、灰色のコンクリートはいつも湿り気を帯び、雨の日には ...

確認した時点で ncw+489-0108

父が亡くなった時、私は悲しむより先に、身体を動かしていた。 葬儀の段取り、役所への届け、親戚への連絡。感情が入り込む余地のない作業の連続で、気づけば火葬も終わっていた。 四十九日までの間、私に割り当て ...

発泡スチロールの高さ nrw+447-0121

中学の夏休みの記憶が、どういうわけか今でも抜け落ちない。 あの年の暑さや、扇風機の首振りの間合い、畳が昼の熱を含んでじっとりしていた感触まで、細部がやけに正確に残っている。忘れていいはずの場面ほど、時 ...

最初から四人だった nw+

あの夜のことを、俺は何度も思い出し、何度も思い出さないふりをしてきた。 十年以上前の出来事だ。 いまは家庭もあり、仕事もあり、あの頃のように夜な夜な車を走らせることもない。だが、時折、夢の底から引きず ...

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