ネットで有名な怖い話・都市伝説・不思議な話 ランキング

怖いお話.net【厳選まとめ】

「 kowainetの記事 」 一覧

正しい判断 rw+3,071-0131

小さな木造の家だった。 外から見れば、ただ古びただけの一軒家で、近所に並ぶ家と何一つ違わなかった。玄関の引き戸は軽く、軋む音もなかった。中に入るまでは、そこが特別な場所だとは誰も思わない。 家の中は静 ...

四十歳の私へ nw+467-0215

校庭の隅に立つ桜の木は、春でもあまり花をつけない木だった。 幹は途中でねじれ、樹皮がめくれあがり、触れると粉のようなものが指に残った。卒業を控えた冬の日、わたしたちはその木の根元に穴を掘り、「未来の自 ...

胸の上の重み rw+18,303-0131

あの地震のあと、町じゅうにサイレンが鳴り響いたらしい。 俺は遠く離れた下宿で授業を受けていて、その音を直接は聞いていない。だが、電話越しに母が取り乱して叫んでいた声だけは、今でも耳の奥に残っている。 ...

戻ってきた場所 rw+6,510-0209

中学生の頃の話だ。 あれが本当に起きた出来事なのか、眠っている間に見た夢なのか、今でも判断がつかない。ただ、触覚だけは残っている。皮膚の裏側を、微弱な電流がゆっくりなぞっていくような、あの嫌な感覚だけ ...

数字で測れぬ悪魔 rc+6,160-0105

中学時代の同級生から久々に連絡が来たのは、梅雨が長引いて空気がぐずぐず腐っていた頃だ。 電話口の声は湿っていて、息が重たかった。妹が変な宗教に入ってしまった、と切り出された。 最初は笑ってしまった。今 ...

展望台の視線 r+4,507

中学一年の春、祖父が死んだ。 あまりに唐突な、何の前触れもない死だった。 亡くなったのは、祖母と二人で行った温泉旅行から帰ってきたその日の夜だったらしい。心筋梗塞、というのが医者の診断だった。朝まで元 ...

月を喰らう鬼と、俺の生 #3,869

あの夜から、俺の生は別のものになった。 巡回の足を止めたのは、細く高い女の歌声だった。涙を含んだ声色が夜の庭に漂い、俺の耳を縫い留めた。辿り着いた先で、白い衣の女が月光を纏い、宙に戯れるように舞ってい ...

三十分前の声 r+2,020

今年になって、ずっと胸の奥に沈めていた記憶が、形を持って蘇った。 複雑で、気味の悪い出来事だ。誰かに話しておかないと、夜がやけに長くなる。 小学三年の春、無口で整った顔立ちの転校生がやってきた。この町 ...

いつまでも四階 r+2,410

怖いってほどじゃないけど、今でもふとした瞬間に思い出して、ぞわっと背中が冷える。 某県のS市で働いていた頃の話だ。 当時俺が勤めていた会社は、S市の中心から少し外れた雑居ビルの四階に入っていた。古くか ...

まだ玄関にいる rw+1,638-0220

玄関を開けた瞬間、胸の奥にあの夕暮れが貼りついた。 実家は古い日本家屋だった。間口は広く、奥へ奥へと細長い。廊下の板は痩せ、踏めば乾いた音を立てる。障子は茶色く濁り、昼でも光は薄い。梁が落とす影が部屋 ...

シューベルトの口 r+1,616

小学校三年生の秋、あの教室で見たものを、いまだに忘れられない。 四十年以上経った今も、シューベルトの顔を正面から見られないのは、そのせいだ。 当時、愛媛県の某市に住んでいた。通っていた小学校は、第二次 ...

表示の消える階 nw+313-0118

小学生の頃の体験を、今でも鮮やかに覚えている。 四年か五年の頃だった。鍵っ子で、学校が終わると一人で団地の部屋に帰っていた。七階建ての古い公団住宅で、灰色のコンクリートはいつも湿り気を帯び、雨の日には ...

立っている規則 rw+7,353-0110

アルバイトの面接なんて、気楽な気持ちで行くものだと思っていた。 だが、その日案内されたのは、古い木造の事務所だった。雨を含んだ木の匂いが鼻にまとわりつき、床は歩くたびにわずかに沈み、低く軋んだ。机の向 ...

抜いたのは誰か rw+3,449-0213

2025/09/21   -短編, r+

父は三年前、肺がんで死んだ。 最期まで、あの人は骨董の話をしていた。金があるわけでもないのに、休みのたびに骨董市へ通い、時代のつかない小物ばかりを持ち帰る。皿も掛け軸もない。根付けや櫛、名もない細工物 ...

2㎜大きい実印 r+3,793

二十五になったばかりの春、数年ぶりに実家へ帰った。 薄曇りの空の下、田んぼの水面が風で細かく震えていて、ああ、やっぱり帰ってきたな、と息をついた。茶の間では母がちゃぶ台に新聞を広げ、膝の上で湯呑を転が ...

撃つのは誰か rw+2,262-2011

射撃場で出会ったあの日から、あの人は私の師匠だった。 実の父とほぼ同じ年齢で、子どもはいるのにアウトドアには興味がないと言っていた。なのに私のことだけは妙に気に入り、北海道での猟に連れていってくれた。 ...

確認した時点で ncw+489-0108

父が亡くなった時、私は悲しむより先に、身体を動かしていた。 葬儀の段取り、役所への届け、親戚への連絡。感情が入り込む余地のない作業の連続で、気づけば火葬も終わっていた。 四十九日までの間、私に割り当て ...

地下から来たもの rw+4,818-0130

あれは、まだ俺が二十代後半で、現場作業員としてあちこちの工事を渡り歩いていた頃の話だ。 勤めていた会社が地下鉄工事を請け負って、俺はその現場に配属された。 工事開始から数日。ショベルの爪が地面を削るた ...

誕生日の前日 rw+2,782

父は若い頃、遠洋航路の船に乗っていた。 港に着くたび、ひとりは船に残る決まりだった。 その日残ったのは、少し頭が弱いと陰で言われていた男だったという。 夕暮れ、桟橋の向こうから老人が現れた。 裸足で、 ...

柔術の達人 r+3,035

子供の頃、通っていた柔道場は、近隣ではかなり名の通った場所だった。 市内の大会で上位入賞は当たり前、日本代表経験者まで指導に来ることがあり、当時の自分にとっては、それが普通の世界だと思っていた。けれど ...

発泡スチロールの高さ nrw+447-0121

中学の夏休みの記憶が、どういうわけか今でも抜け落ちない。 あの年の暑さや、扇風機の首振りの間合い、畳が昼の熱を含んでじっとりしていた感触まで、細部がやけに正確に残っている。忘れていいはずの場面ほど、時 ...

三隣亡の家~さんりんぼう信仰 #7,300-0104

さんりんぼう信仰【ゆっくり朗読】 うちの親父は水道技術者なので特に夏場は忙しく、どこにも連れてって貰えない なので、親戚の家に十日位泊るのが小学生の頃の夏休みの恒例だった。 ある時、叔父さんに卵、キュ ...

かえるのうた rw+5,255-0206

年末の寒気が、オフィスの窓ガラスを震わせていた。 先輩が、いつもの調子で肩を叩いてきたのは、仕事納めまで一週間ほど残した頃だった。 「うちの町の年越し、見てみない? ちょっと変わった行事があるんだ。今 ...

ローズマリー下宿 r+2,801

大学に入ってすぐ、最初から完全な一人暮らしはきついと考えて、下宿に決めた時のことを思い出すたび、必ず脳裏をよぎるのは亡くなった祖父の顔だ。 まだ生きていた頃、祖父は私の下宿探しを率先して手伝ってくれた ...

最初から四人だった nw+

あの夜のことを、俺は何度も思い出し、何度も思い出さないふりをしてきた。 十年以上前の出来事だ。 いまは家庭もあり、仕事もあり、あの頃のように夜な夜な車を走らせることもない。だが、時折、夢の底から引きず ...

墓地の向こう側 rw+8,067

2025/09/18   -短編, r+
 

二十年前、人口百人ほどの小さな島に、教授の民俗調査に同行する形で長期滞在した。 私は研究者ではなく、名目上は手伝いだが、実際はただの付き添いだった。 島の半分は墓地だと聞いた。子どもたちはそちらへは絶 ...

笑って応対した理由 rw+5,826-0123

あれは、私の人生でいちばん背筋の冷える出来事だった。 何か直接的な被害に遭ったわけではない。暴力を振るわれたわけでも、脅されたわけでもない。ただ思い返すたびに、どうしてあの場面で、私は笑って応対できた ...

【完全版】禁后(きんごう)~パンドラの箱 #5,921

【ゆっくり怪談】禁后(きんごう)~パンドラの箱【完全版】 私の故郷に伝わっていた「禁后」というものにまつわる話です。 どう読むのかは、最後までわかりませんでしたが、私たちの間では「パンドラ」と呼ばれて ...

数えられる参拝 nw+324-0115

境内に入った瞬間、空気が切り替わった。 京都の上賀茂神社に行った理由は単純だった。雑誌で見た八咫烏のおみくじの意匠が気に入った。それ以上の意味はない。由来も信仰も調べていなかった。 北大路のバスターミ ...

イトウを知っているか r+1,176

高校一年の夏休み明けだった。 その日、教室の空気はまだ蝉の死骸みたいにじっとりしていて、机の木目からは古い汗の匂いがした。席に着いて間もなく、前の席の男が唐突に振り向き、妙に湿った声で言った。 「イト ...

仮母女(かもめ)《ホラーテラーさん》#11,854

【ゆっくり怪談】仮母女(かもめ) 若干の脚色ありますが、友人の兄の体験を本人目線で書いたものです。 今日は、カノジョの洋子と初めての一泊旅行。と言っても、家から電車で二時間ほどの、県内北部にある温泉旅 ...

【名作怖い話】喜一じいちゃんシリーズ・全話コンプリート #5,055

【ゆっくり怪談】喜一じいちゃんシリーズ【全話コンプリート】 喜一じいちゃんの昔話をします。 家は昔質屋だった、と言ってもじいちゃんが一七歳の頃までだから私は話でしか知らないのだけど結構面白い話を聞けた ...

逆さに掛けられた面 rw+4,237-0117

私がこの話を聞いたのは、父が死ぬ二年前だった。 話の大半は、私が生まれる前の出来事だ。父の口から聞いた断片、古い記録、そして後から継ぎ足された想像が混ざっている。どこまでが事実かは分からない。だが、こ ...

普通の人たち rw+3,629-0217

先週の土曜日のことだ。 うまく話せる自信はない。ただ、あのときから胸の奥に沈んだままの何かが、少しずつ重くなっている。このまま黙っていたら、たぶん私のほうがあちらに近づいてしまう。 朝七時。灰色の空の ...

午前二時の砂利道 nw+

あれは、五年前のことだ。 練馬の外れにある、ロフト付きのワンルームに住み始めたばかりの頃だった。 前の会社を喧嘩別れ同然で辞め、社宅も失った。貯金は底をつきかけ、保証人も頼れない。無職の身で部屋を探す ...

七年ぶりのいんび rcw+8,072-0124

もう二十年近く前のことになる。 正確な年齢は分からないが、たぶん五歳くらいだった。 最初に思い出すのは、冷たい山の空気と、湿った土の匂いだ。 あの匂いは今でも、ときどき鼻の奥に蘇る。 私が育った村は、 ...

背後の女 r+5,061

あれは、真夏の夜のことだった。 仕事中に鳴った携帯の画面には「村上」の文字があった。声を聞くのは一年ぶりだ。 受話口から流れ込んできたのは、乾いた笑い声と、「……ちょっと相談があってさ」という曖昧な言 ...

袋の底から笑う声 r+4,833

あれは、まだ信仰に入りたての頃だった。 私はエホバの証人という名を知って間もなく、週に数度、王国会館へ通っていた。何もかもが新鮮で、同時に底の見えない深淵を覗くような不安もあった。 初めて聞いた怪談は ...

五歳上の従姉妹の話 【シリーズ全7話コンプリート】#3,895

【ゆっくり怪談】五歳上の従姉妹の話 【シリーズ全7話コンプリート】 第1話:せいちゃん 何だかおかしな人で、彼女と関わったことで奇妙な体験をいくつかした。 今から話すのはその中の一つ。 まだ俺が小学生 ...

入らなかった人たち rw+5,410-0209

上京して間もない頃、部屋探しをしていた。 条件は単純だった。駅から近いこと、外観がきれいなこと、家賃が手頃なこと。それだけでいいと思っていた。内見をいくつも重ね、候補を潰していくうちに、世田谷区の四階 ...

あなた達 nw+

あれは中学二年の秋だった。 教室に入るなり、女子の一人が笑いながら言った。 「ねぇ、A学院通ってるんだぁ」 聞き間違いだと思った。A学院は近所では一番有名な進学塾だ。だが俺の家にそんな余裕はない。成績 ...

掌の影 r+6,833

小学生の頃から、うちは妙な宗教をやっていた。 名前は言えないけれど、首にかける護符のようなものを与えられ、それをぶら下げて手をかざすと病気や怪我が治る、という教義だった。子どもながらに半信半疑だったが ...

見返りの神さま r+3,817

初めてここに書き込みます。これは作り話ではありません。事実をそのまま書きます。 ただ、どう説明していいのか分からない。怖い、というより、ずっと頭の中で澱のように沈んでいる、不思議な出来事です。 母方の ...

ワラスッコの宿帳 rw+3,176

中学の頃まで過ごした故郷は、岩手県二戸市金田一という小さな町だった。 山の匂いと湿った土の感触が、今でも鼻の奥にこびりついている。 この町には、昔から妙な宿がある。緑風荘。 表向きは座敷童子の出る宿と ...

言われなかった者 nw+

小学校の記憶はところどころ白く抜け落ちているのに、あの名前だけは腐らない。 陽三。 小柄で、声は細く、いつも教室の隅に立っていた。目だけが妙に静かで、誰かを見ているというより、向こう側を透かしているよ ...

同じ札 nrw+333-0108

古い畳の部屋に、十数人が正座していた。 窓はすべて新聞紙で塞がれ、外の明るさも時間も遮断されている。 裸電球がひとつ、黄色く滲んだ光を落とし、わずかに揺れていた。 線香の甘い煙に、誰かの汗の酸っぱい匂 ...

黒衣の読経 nw+322-0113

血の気が引くような出来事が、あの日立て続けに起きた。 季節は梅雨の始まりで、湿った空気がじっとりと肌に貼りつく午後だった。俺は仕事の都合で、郊外にある一軒の貸家を訪ねていた。築十五年ほどで、外見だけ見 ...

次の出演者 #和解劇場 ss+412-0219

昔、町外れに「和解劇場」と呼ばれる小さな芝居小屋があった。 そこではどんな争いも、必ず最後には抱擁で終わる。殴り合いも、罵倒も、裏切りも、照明の下ではきれいに整えられ、観客の涙と拍手に包まれて幕を下ろ ...

#誤解陸上 ss+350

今でも、あの走り出す直前の風の音を思い出すと、背中がじっとりと汗ばむ。 耳の奥で、あの奇妙な声がまだ囁いているような気がするのだ――「おまえの番だよ」と。 高校二年の秋、部活をやめてからしばらく無気力 ...

振り向くな rw+7,369-0204

これは、警察官をしている友人から聞いた話だ。 正確に言えば、彼自身は「聞いた話」とは呼ばなかった。 「あれは、関わった話だ」とだけ言った。 だから今でも、どこまで語ってよいのか分からない。ただ、あの日 ...

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