-
-
体温三七度 rw+5,068
昔、警備員をしていた時のことだ。 入社して間もない頃、俺は機械警備の担当として、ある区域を任された。昼間は先輩と巡回し、夜は待機所で警報に備える。区域内には夜間巡回が必要な物件が三つあり、その一つが元 ...
-
-
早くしろ rw+1,912
あれは、都内の外れにある、小さな居酒屋の話だ。 駅前の喧騒から一本裏へ入った場所にあり、看板も目立たない。知っている者だけが通う、十数席ほどのカウンターだけの店だった。 夕方になると、決まった顔ぶれが ...
-
-
背嚢の留め具 rw+1,704
二十代の頃、バイクに夢中だった。 休日はツーリングが定番だったが、それだけでは物足りず、横浜での仕事が終わる二十時半頃から、週に一、二度は夜間のソロツーリングに出かけていた。三浦半島を半周したり、首都 ...
-
-
慣れた rw+1,849
2026/01/31 -短編, r+, 怪談
ネットで有名な怖い話夜中に麻雀をしていたのは、大学のサークル仲間四人だった。 名前は仮に、I、O、M、そして俺だ。夏休みも半ばを過ぎ、誰かが「どこか行くか」と言い出したのがきっかけだった。 Iが笑いながら言った。「肝試し ...
-
-
映らない来訪者 rw+1,665
これは、大学時代の知人から聞いた話だ。 彼はその出来事を思い出すたび、決まって言葉を選びながら、「あれは本当に洒落にならなかった」とだけ口にする。 大学一年の夏、彼はアルバイトをクビになり、昼夜の区別 ...
-
-
川は一本しかない rw+1,954
山奥にある林業の町で暮らしている。 地元の小さな情報誌を集める癖があり、古い手記や投書欄を見つけると、気になったものを切り抜いて保管してきた。具体的な地名は伏せられているが、行間から土地の匂いが滲み出 ...
-
-
知っていた顔 rw+1,877
これは、知人が語ってくれた奇妙な話である。 彼が体験したその出来事は、今でも記憶の奥に引っかかったまま、整理されない違和感として残っているという。 五、六年ほど前の初夏、知人は地方にある別荘を借りられ ...
-
-
九人しかいなかった rw+1,746-0127
その日は、湿った霧が朝から山を包んでいた。 上海郊外にある低い山で、観光客も多く、危険な場所ではないとされている。留学中の韓国人学生たちが、気晴らしに選ぶにはちょうどいい場所だった。男女合わせて十人。 ...
-
-
笑わない村 rw+1,500
祖父の言葉を、今でもはっきり覚えている。 「にやりにやりに会わんようにな」 意味は分からなかった。ただ、語尾だけが妙に軽く、冗談とも忠告ともつかない調子だった。 あの年の夏、私は従姉妹たちと近くの神社 ...
-
-
まだ濡れている rw+1,498
これは、大学生だった頃に知り合いから聞いた話だ。 彼は特に霊感があるわけでもなく、オカルト好きという程度で、心霊体験とは無縁の人生を送っていたという。 十月のある夕方、大学の授業を終え、いつものように ...
-
-
スクエア:嵐の中の山小屋で起こった怪異(図解入り)#4,308
【ゆっくり怪談】嵐の中の山小屋で起こった怪異【山にまつわる怖い話】 トオルは山岳部所属。 101 :2006/12/08(金) 02:56:33.64 ID:EAeQzUcW0 友人三人と山登りに来た ...
-
-
蛙の宿 rw+1,096
これは、インターネットの掲示板で偶然見かけた書き込みを元にした話だ。 滋賀県に旅行に行ったとき、無計画で安宿を予約した投稿者と友人たちが体験した、奇妙な一夜の出来事である。 その民宿は琵琶湖から少し離 ...
-
-
あの夜、4人だったはずだ rw+853
これは、10年前に地元の花火大会が終わった後、友人から聞いた話だ。話の内容は、今でも心に引っかかる不可解な体験だという。 その夜、深夜2時を過ぎても、彼らは小高い丘の広場でだべっていた。人気のないはず ...
-
-
窓のない階 rw+1,644
これは、数年前にアルバイトしていた工場で実際に経験したという男性から聞いた話だ。 その工場は四階建ての古い建物で、稼働しているのは一階と二階のみ。三階と四階は倉庫として使われていたが、十数年前に施錠さ ...
-
-
配置 rw+1,225
夜中に目が覚めたのは、尿意のせいだった。 臨海学校の宿泊先は伊豆の山中にある廃校で、一階の教室に畳を敷き、四十人ほどが雑魚寝していた。窓の外にはわずかな庭を挟んで急な斜面が迫り、夏の湿気を含んだ木の匂 ...
-
-
首の重さ rw+1,622
川本という男がいる。 アウトドアが趣味だと豪語するが、その実態は、キャンプと称して女を口説き、酒と肉で場を温め、あわよくば一晩を共にするためだけに山へ入る男だった。 川本はダム湖を好んだ。人が少なく、 ...
-
-
振り向いた最後尾 rw+1,783
これは、母から聞いた話だ。 曽祖父が亡くなったのは、母が高校生の頃だった。九十八歳まで生き、背筋が曲がらず、声にも張りがあった老人だったという。だが、ある冬を境に急に衰え、近所に住む曽祖父のもとへ、母 ...
-
-
視線のない視線 rw+1,788
これは、とある男性から聞いた話だ。 話しているうちに、彼の声には次第に重い濁りが混じっていった。 最近、彼は街中で「目のない人」をよく見るのだという。盲目ではない。眼球が収まるはずの場所に、やたら深く ...
-
-
見られた山 rw+1,820
これは、千葉に住む元同僚から聞いた話だ。彼が子供の頃、まだ小さな田舎町で起きた出来事だという。 町外れの山は、子どもたちにとって格好の遊び場だった。特に夏前になると、カブトムシがよく獲れることで知られ ...
-
-
回収されたはずの方角 rw+1,559
ゴールデンウィーク、祖母の家に親戚が集まった。 庭と空き地に挟まれた場所で子どもたちが騒ぎ、誰かが「タイムカプセルを埋めよう」と言い出した。年長だった自分が穴を掘る役を引き受けた。庭は駄目だと祖母に止 ...
-
-
宛先のないメモ nc+
第一話:メモ その紙切れを初めて見たのは、コピー用紙でも便箋でもなく、レジの横に積まれている薄いレシートだった。裏返すと、鉛筆で殴り書きがある。筆圧が途中で跳ね、線が折れ、同じところを何度も擦った跡が ...
-
-
地下の喫煙者 rc+3,624
これは私が学生時代、とある総合病院の厨房でアルバイトをしていた頃の話だ。 当時、私が親しくしていた同僚のTという男がいた。彼は私よりも少し年上で、真面目だがどこか線の細い、神経質そうな男だった。 この ...
-
-
二階のロッカールーム rc+3,673
学生時代、地方都市で下宿生活をしていた俺は、夜はクラブのボーイとして働いていた。 その店は主に中小企業の重役たちが接待に使うような場で、親会社が経営を握り、その下にマスター、ママ、チーママ、そしてホス ...
-
-
【超訳】迷信とかマジ勘弁w 井上円了先生の「妖怪バスター」講座 n+
序言 わが国は今日なお迷信盛んにして、宗教もその雲におおわれ、精神界はこれがために暗黒なるありさまなれば、余は人文のため、国家のために、迷信と宗教との別を明らかにし、有害なる迷信を除きて、正しき信仰の ...
-
-
おつかれさまでーす rw+4,373-0131
母が話してくれたのは、定年退職の少しあとだった。 長く勤めた工場を離れ、ようやく仕事の話を「昔のこと」として語れるようになった頃だ。 母は短大を出てから、その食品メーカーの工場で働き続けた。準社員とし ...
-
-
隠れ里伝説 r+4,090
今でも、あの時の湿った空気を思い出す。 鼻の奥にこびりついた、土と苔の匂い。 夏でもないのに、首筋に貼りついたTシャツの感触が、いまだに離れない。 あの日、俺たちは“隠れ里”と呼ばれる山間の集落跡を探 ...
-
-
ヒダル神 #5,000
昔、ゲゲゲの鬼太郎の実写版みたいので見た…… 山を歩いてるとき急に腹が減って、動けなくなることがあって、妖怪の仕業なんだけど、何か少し食べるとすぐ治るのね。 目に見えない餓鬼の仕業だって。 159 : ...
-
-
実家の怪異譚 r+2,893
最近、異常に恐ろしい体験をしたので、記録に残しておきたいと思う。 私は普段、自営業の手伝いをしているのだが、今年の12月初旬に長めの休みをもらった。年末年始は非常に忙しくなるため、このタイミングで半年 ...
-
-
役割 rw+6,059-0109
2025/11/30 -短編, r+, 怪談, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
今でも、あの夜の匂いを思い出すと胸の奥がざわつく。 古びた木造校舎に染みついた、鶏小屋とウサギ小屋の湿った藁の臭いだ。夏が近づいていたせいか、空気は生ぬるく、埃と獣の体温が混じり合って、皮膚の裏側にま ...
-
-
【厳選名作】山祭り #5,472-0201
久しぶりに休みが取れた。たった二日だけど、携帯で探される事もたぶんないだろう。 ボーナスも出た事だし、母に何か旨いものでも食わせてやろう。 そう思って、京都・貴船の旅館へ電話を掛けてみた。 川床(かわ ...
-
-
置いてきた者 rw+5,159-0114
恐山は、青森県の外れにある。 灰色の山肌から硫黄の匂いが立ちのぼり、風が吹くたび、地面の下で何かが息をしているような音がする場所だ。 古くから「死者と会える山」と言われ、江戸の頃には伊勢参りと並ぶほど ...
-
-
谷に立つ裸の影 r+4,616-5,044
今でもあの話を思い出すと、背中の皮膚がざらつくように粟立つ。 これは下請けの現場で時々顔を合わせるコウさんから、酒の抜けきらぬ昼間にぽつりと聞かされたことだ。 コウさんは四十五歳前後、肩幅がやたら広く ...
-
-
深夜の幻影行進 r+2,915-3,179
高校三年の夏、親友と二人、自転車で百キロ先の海を目指した。 動機といえば退屈を払いたかっただけで、きっかけも気まぐれにすぎなかった。日常から逃げるように漕ぎ続け、波打ち際で砂まみれになり、夕暮れには疲 ...
-
-
閉じ込められた怨念のゆくえ r+4,638-5,106
2025/11/15 -短編, r+, 洒落にならない怖い話, 怪談
先日、私が一人で残業していた際のことだ。 時刻は夜の七時半頃であっただろうか、突然電話が鳴り響いた。 私の勤務先は街外れの山近くにある小さな町工場だ。この時間帯になると周囲にはほとんど人影がない。 「 ...
-
-
廃寺の古木に刻まれた怨念 r+4,391-4,919
2025/11/15 -短編, r+, 怪談, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
これは、ある女性が母親から聞いた話だ。 母親がまだ子供だったころ、村の近くの山道にある古びた廃寺が、夜な夜な丑の刻参りの現場として噂されていたという。何しろ丑の刻参りとは、呪いたい相手の体の一部――た ...
-
-
峠に残された声 r+4,392-4,695
この話を聞かされた時、妙に肌の下を針で撫でられるような不快感が長く残った。 木村さんがあの夜、体験したという出来事を思い返すと、ただの幻聴や空耳で片づけられない妙な歪みが潜んでいるのだ。 峠にあるドラ ...
-
-
七人の歩み音 r+1,637-2,051
学生時代、私が誰にも話せずに胸の奥へ押し込めていた出来事がある。 いや、正確には、それは私自身の体験ではない。ある男から直接耳にした話なのだが、そのときの彼の震える声と、語りながらも時折うつろに宙を見 ...
-
-
スパゲティ屋の若奥さんr+4,149-4,544
これは、あるマンションの住人から聞いた話だ。 そのマンションが建てられたのは十年ほど前。駅前の便利な立地にあり、入居者も次々と集まり、マンションの一階には店舗が軒を連ねた。洒落たカフェや雑貨店が並び、 ...
-
-
赤いランドセルの少女 r+1,500-1,700
これは、ある大学の友人たちが経験した奇妙な出来事だ。 大学は田舎にあり、遊び場が少ないため、彼らはよく車で夜のドライブに出かけていた。その日も同様に、友人たちは隣町の峠へ向かい、景色を楽しんだ後、帰り ...
-
-
水の音の家 r+4,800
ホームヘルパーという仕事を知っていますか。 年寄りの家に行って、ご飯を作ったり、掃除をしたり、時にはオムツを替える。人の暮らしに寄り添いながら、淡々と日常を維持する仕事です。 結婚を機に一度は退職して ...
-
-
二台目の受信 r+5,232
大学時代のことだ。あれは、今でも思い出すと背筋が冷たくなる。 誰かに話しても、きっと笑って誤魔化されるだけだろう。だけど、本当にあの夜を体験した俺にとっては、あれ以上の恐怖はない。 当時、友人の迫田に ...
-
-
向かいに建っていた家 rcw+5,522-0107
物心ついたころには、すでにその家はあった。 いつ建ったのかは誰も知らない。少なくとも、僕が小学校に上がる前から、あぜ道の先にそれは立っていた。田んぼを埋め立て、川を直線に引き直し、新しい分譲住宅が少し ...
-
-
藤原くんシリーズ【全話コンプリート】r+4,722
2025/10/12 -長編, r+, 怪談
ネットで有名な怖い話【ゆっくり怪談】藤原くんシリーズ【全話コンプリート】 藤原君はおかしい .クラスメイトの藤原君はどうもおかしい。 と気付いたのは、半年前くらいに、たまたま席替えで隣りの席になったときのことだった。 ど ...
-
-
匂いを嗅ぐ女 rc+11,713-0105
これは、実際に自分が体験したことだ。 今でも鮮明に思い出せるが、同時に思い出したくない夜でもある。 鶯谷という街をご存じだろうか。山手線の駅のひとつだが、観光客で賑わうわけでもなく、ビジネスマンで混雑 ...
-
-
神の子と呼ばれた島の兄 r+8,457
私が生まれ育ったのは、地図にやっと載るくらいの小さな島だ。 海は澄んでいるが、底の暗がりはいつも濁って見える。幼い頃、島の人々が「神の子」と呼ぶ中学生がいた。私の家のすぐ近くに住む、背の高い、日に焼け ...
-
-
配達先は、もうない rc+17,481-0105
大学時代、俺は小さな定食屋で出前のバイトをしていた。 谷古田屋って名前の、老夫婦がやってる店で、本格的なデリバリーというよりは「気が向いたらやってます」くらいのユルさだった。調理以外の仕事――電話応対 ...
-
-
禁断のHDDと、呪いのお札 r+4,339
2025/06/29 -短編, r+, 怪談
ネットで有名な怖い話これは、俺の古くからの友人、仮にアキラと呼んでおこうか、彼が体験した、背筋が凍るような話だ。 アキラは、その頃、とあるパソコンリサイクルメーカーに勤めていた。古びたり、壊れたりして持ち主の手を離れたパ ...
-
-
失われた刻、狐の贈り物 r+4,792
戦後の混乱がようやく収まりを見せ始めた頃、木々の深い緑に囲まれたとある地方の農村。 そこには、代々続く旧家があった。その屋敷の主となるべき跡取り息子が、ある日忽然と姿を消したという報せは、静かな村に重 ...
-
-
六部殺し(ろくぶごろし)#6434
【ゆっくり怪談】六部殺し 六部殺し(ろくぶごろし)は、日本各地に伝わる民話・怪談カテゴリーの一つ。 ある農家が旅の六部を殺して金品を奪い、それを元手にして財を成したが、生まれた子供が六部の生まれ変わり ...
-
-
信じることの向こう側 r+11,958
これは、ある知り合いから聞いた話だ。 その知り合いの家族は、ある時期○○○会という宗教団体に入信していた。 信仰に没頭し、日々の生活にも変化が現れたという。しかし、しばらくしてその家族は団体から離れる ...