短編 怪談 ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間

飼育委員【ゆっくり朗読】4917

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まぁ怖い話ってもまとめサイトとかに載ってるような怖い話じゃないけど

38: 1-5:2010/06/13(日) 03:18:01 ID:zKPLaUjV0

俺的には結構不気味なんで書いておく。

「これは友人から聞いた話」なんだ

だから事実か嘘かってのには触れないでくれ。すまん

前置きが長くなったけど書きます。

友人から聞いた話をまとめて書くけど一応一人称は俺ってことで。

俺がまだ小学生の時の話なんだが

当時はバスジャックとかサカキバラとかで「未成年が危ない」って話で持ち切りでさ。

それに便乗したみたいに犯罪に手を染めるヤツもいたしマスコミも盛り上がりまくりでさ。

未成年がガラス一枚でも割ったらテレビ局が飛んでくる。

本当に異常だった。

それで学校側も躍起になって生徒達を押さえ込もうとするわけ。

それこそ万引き一つで自分のクビが危ないからね。

当然と言えば当然なんだけど。

今思うとその二年くらいかな、毒入りカレー事件とかで熱りが冷めるまで嫌にピリピリしてたような気がする。

前置きが長くなったけど「そんな異常な時代があったんだ」ってのが話したかった。

当時俺はウサギと鶏小屋の飼育委員だった。

あんまり詳しくは覚えてないけどずっと図書委員だった俺は

じゃんけんに負けて飼育員になったのを覚えてる。

インテリ気取ってたしちょっと潔癖だったから

死ぬ程嫌だった。

ウンコの掃除とかもうかなり嫌だったし生き物に素手で触るのも嫌だった。

でも怒られるのも嫌だし一人でやるわけじゃないからなんとかやってたんだと思う。

ある日当番でクラスメイトと鶏小屋の掃除をしてたら同じ当番の二人がふざけはじめた。

一人で掃除するの嫌だったし、かといってウンコまみれの小屋の中で一緒に駆け回るのも嫌だったから

「ちゃんと掃除しようよ」って言ったら、その二人はそれが面白くなかったらしく

俺を鶏小屋に閉じ込めようとした。

二人掛かりで小屋の扉を閉めてクスクス笑ってるの。

俺はもう半狂乱になって扉を開けようとガタガタやってたら一瞬扉が開いた。

二人はちょっとカンに触ったらしく体重をかけて扉を押してきた。

その瞬間

扉に飛び込んできた鶏の首が嫌な音で折れた。

その後は良く覚えてないけどその二人が一生懸命俺に罪をなすりつけようとしていたのをなんとなく覚えてる。

それで喧嘩両成敗みたいな形になって反省文書かされたんだけど。

俺はめちゃくちゃ納得いってなかったから反省文にも「僕は悪くないです」って内容の文章を書いて提出して怒られた。

そしてその数日後

小学校でウサギが殺された。

当然マスコミとかテレビ局とかが押し寄せてきた。

確か使われた凶器がコンパスとか彫刻刀とか学生しか持ってないようなものが使われたとかで。

それから数日間集団下校になったんだけど。

周りの同級生は俺の事を犯人扱いしてた。

鶏殺したのはあいつだって同じ飼育委員のやつらが言いふらしてたのもあってみんな腫れ物を触るようだった。

それから数日後自宅の前でカメラを突然向けられていきなりインタビューされた。

いきなり

「きみ鶏を殺したの?どんな気分だった?きみがやったんでしょ?悪いと思わないの?」

と聞かれた。

怖かったから「ごめんなさい。死んだのは気の毒だったけどでも僕は悪くないです」と答えた。

数日後ニュースで俺の顔にモザイクがかけられて

「衝撃、小学生はウサギの命をどう思う!?」

みたいな見出しで

「ごめんなさい。死んだのは気の毒だったけどでも僕は悪くないです」

とあたかも俺が殺したかのように編集された映像が流れた。

放送から数日後自宅の塀に「悪魔」と落書きされた。

無言電話も沢山かかってきたらしい。俺は学校に行かなくなった。

家のチャイムが鳴らされて出てみたら誰もいないというのが続いた。

両親は共働きだったので俺は一人でいることのほうが多くなった。

(なんだか書いてて思い出してしまった。嫌な気分だ。)

俺が一人で留守番をしていると誰かが家のドアを叩く音がした。

一人の時は出ちゃいけないときつく言われていたので部屋のリビングでうずくまっていると

ガサガサと庭に回る音がする。

怖くなってガタガタ震えていると窓を叩く音がする。

ビックリして振り向くとそこには灰色のトレーナーを着た太った男が立っていた。

俺は怖くなってその場でヘナヘナと座り込んでしまった。

なぜなら男がさげているビニール袋には血がべっとりとついていたから。

多分何かの肉片をビニールに入れて持ち歩いてたんだと思う。

男はゲラゲラ笑いながら俺の方を見て笑った。

俺がボロボロと泣き出すと男はビニールから肉片を取り出しリビングの窓に向かって肉片を投げ始めた。

ボン…ボン…ボン…と肉片がガラスに当たる嫌な音がする

中には何か小動物の頭だと分かるものもあった。

その後の事はよく覚えてないが俺は家の風呂場の隅でガタガタ震えてるのを発見されたらしい。

犯人は捕まった。

当時のニュースで「家宅侵入し動物の死体を遺棄した男」ってな具合に報道されたのを覚えてる。

少年犯罪じゃなかったからずいぶんあっさりとしたニュースだったような気がする。

今でも思い出す。

男が血まみれのガラス越しにニヤニヤ笑いながら。

「おまえがやったんだよォ…おまえがやったんだよォ…」

と言ってたのを。

あの男がすでにシャバに出てきてると思うと洒落にならないくらい怖い。

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