-
-
雨の岩場に立つもの r+2,971
高校二年の頃、よく友達と埼玉県飯能の岩場に通った。 首都圏から近く、岩質もしっかりしていて、昔から人工登攀の練習場として知られていた場所だ。きっと六〇年代にはすでに開かれていたのだろう。僕たちは当然の ...
-
-
【厳選名作】山祭り #5,472-0201
久しぶりに休みが取れた。たった二日だけど、携帯で探される事もたぶんないだろう。 ボーナスも出た事だし、母に何か旨いものでも食わせてやろう。 そう思って、京都・貴船の旅館へ電話を掛けてみた。 川床(かわ ...
-
-
初心者の登山 rc+5,077-0205
【ゆっくり怪談】初心者の登山【山にまつわる怖い話】 2007年、5月頃。 俺は静岡にある高ドッキョウ(たかどっきょう)という山を登ろうと考えた。 まだ山に登るようになって一年程度で、1,000m以下の ...
-
-
深夜の山道で追われた話 rcw+5,022-0202
今でも、あの夜の霧の匂いだけははっきり思い出せる。 白く視界を塞ぐだけのものではなく、肺の奥にまとわりつき、吐いた息さえ自分のものではなくなるような、重たい霧だった。 夏だったが、山の標高のせいか空気 ...
-
-
犬と父の影が交わる夜に r+4,685-5,129
2025/11/22 -短編, r+, 山にまつわる怖い話, ほんとにあった怖い話
今でも、あの夜の湿った風を思い出すと胸の奥がざわめく。 仕事で通夜に参列した帰り道のことだ。ホテルのプランナーをしていた頃、十月に挙式を控えた新郎の父が亡くなった。長い闘病の末だったという。通夜の席で ...
-
-
見つけてはいけなかった場所 rw+3,998-0121
お盆休みを利用して、私は岐阜と長野の県境付近へ車を走らせていた。 山肌を縫うような細い道が延々と続き、ナビの縮尺を変えても現在地がはっきりしない。地図上では一本の線に過ぎないはずなのに、実際の道は何度 ...
-
-
置いてきた者 rw+5,159-0114
恐山は、青森県の外れにある。 灰色の山肌から硫黄の匂いが立ちのぼり、風が吹くたび、地面の下で何かが息をしているような音がする場所だ。 古くから「死者と会える山」と言われ、江戸の頃には伊勢参りと並ぶほど ...
-
-
消えぬ焔 r+3,626-4,000
これは、仲間数人と山中でキャンプをした時の体験談である。 夜も更けて、皆がテントに潜り込み寝静まった後、焚き火のそばで火を見つめていたのは彼一人だった。炎の光が揺らめき、静寂の中で火のはぜる音が微かに ...
-
-
境目に置いてきたもの rw+7,174-0117
小学生の頃のことだ。 三十年以上前になるが、冬が来るたび、あの一日の感触だけは薄れない。 私は毎年、長期休みになると父方の祖父の家に預けられていた。東北の山間にある小さな集落で、雪に閉ざされる季節にな ...
-
-
峠の匂い nc+257-0131
2025/11/16 -短編, 奇妙な話・不思議な話・怪異譚, 山にまつわる怖い話, n+2025
大学時代の深夜、俺と山根は、夜更けにラーメンを食いに行った帰りだった。 思いつきで隣の市まで行ったせいで、戻りは真夜中をとうに過ぎていた。 街灯の切れた峠道は、昼間と違って肌に貼りつくような匂いを放っ ...
-
-
闇夜に消えたサーチライト r+4,358-4,671
これは、あるバイク好きの男性が体験した、十五年経っても忘れられない奇妙な話だ。 バイクの免許を取ったばかりの若者だった彼は、林道を駆け巡ることに胸を踊らせ、地図を頼りに未踏のルートを探し求めていた。 ...
-
-
庚申原に笑うもの r+5,118-5,541
今でも、春の宵に吹き抜ける風を耳にすると、あの時の声を思い出してしまう。 それはただの風のざわめきなのか、それとも山中を歩き回る何者かの囁きなのか。判別がつかぬまま、私はこの町に生まれ、この町で年を重 ...
-
-
背後の位置 rw+3,822-0114
2025/11/12 -中編, r+, 山にまつわる怖い話
ネットで有名な怖い話, 中国地方とある夏のキャンプでの話。 あれから一年経った今でも、どこからが正確な記憶で、どこからが自分の中で歪んだものなのか、はっきりしない。 大学の夏休み直前、高校時代からの友人・江崎から電話があった。久しぶ ...
-
-
赤犬ヒサル r+2,862-3,266
2025/11/11 -短編, r+, 山にまつわる怖い話
ネットで有名な怖い話この話を耳にしたのは、山深い長野の集落に暮らす知人の口からだった。 彼の声色は冗談めかすことなく、むしろ吐き出すたびに肺の奥から冷たい風が漏れ出すような調子で、私は黙って頷くしかなかった。 彼がまだ小 ...
-
-
挨拶を返した山 rw+3,933-0121
2025/11/09 -短編, r+, 山にまつわる怖い話
ネットで有名な怖い話学生時代でも社会人になってからでも、俺には胸を張って言える趣味というものがなかった。 好奇心に突き動かされて何かを始めては、少し齧ったところで満足し、熱が冷めると同時に放り出す。その繰り返しだ。続ける ...
-
-
振り向かなかった夜 rw+6,877-0108
忘れもしない。小学三年の夏休みのことだった。 盆が近づいたある晩、父が母に「明日、連れて行く」と言った。寝る前の居間で、父の声はいつもより低く、母は何も聞き返さず、私の着替えを無言で鞄に詰めていた。 ...
-
-
また行く場所 rcw+8,166-0122
法事で実家に戻ったのは、去年の夏だったと思う。 久しぶりの帰省で落ち着かず、法要が終わった夜、親戚が全員帰ったあと、居間で叔父と二人、缶ビールを開けた。窓は閉め切っていたのに、どこか湿った匂いが残って ...
-
-
花だけが新しい rw+2,050
山に入って三日目、ようやく最初の目的地にたどり着いた。 古地図にだけ記され、国土地理院の地形図ではただの雑木林とされている場所だ。実際、道など存在しなかった。高巻きしながら枝を払い、沢を跨ぎ、獣道すら ...
-
-
誰が泊まっていたのか rw+7,315-0104
祖母の法事があり、先日、十数年ぶりに故郷の山奥の町へ帰った。 山に囲まれた小さな町で、駅前の商店街も半分以上がシャッターを下ろしている。法事のあとは決まって親戚一同で集まり、酒を飲みながら昔話になる。 ...
-
-
白帽の後ろ影 r+10,449
先週のことだ。あれが何だったのか、ようやく少し冷静に考えられるようになったので、書いてみる。 登山、というほど大げさなものじゃないが、ウルトラライトの装備で山道を歩くのが最近の趣味になっていた。地元の ...
-
-
廃村で一晩寝た結果 rw+11,480-0203
オフロードバイクに乗るようになってから、ひとりで遠くへ行くのが癖になっていた。 泥と埃にまみれた林道、誰も通らない尾根道。地図に名前のない道を走っていると、自分の輪郭だけがはっきり浮かび上がる気がする ...
-
-
山岳救助隊 r+7,650
十一月の終わり、山が雪と氷に封じられる直前の、あの独特の静けさが好きだった。 空気が肌を裂くように冷たく、吐く息の音さえも雪に吸われてしまうような、そんな感覚が。 おれの名は伏せておこう。ただ、おれに ...
-
-
おちるよぉ…… r+7,338
俺の祖父が体験した話だ。 もう三〇年近く前、九〇年代の終わり頃のことらしい。祖父は今でも九州の片田舎に住んでいて、家の周りには茶畑と、ひなびた温泉宿くらいしかない。冬になると山の霧が濃く、野良犬の鳴き ...
-
-
山の怪(やまのけ)・ヨウコウ rw+9,112
福井の山奥に、もう地図にも載らない村がある。 オレの母方の実家は、そこからさらに山を登った先の外れにあって、冬なんかは雪に埋もれて人が来るのも困難な場所だった。 小学校の夏休みになると、必ずそこに預け ...
-
-
アガリビト #49,493
山は怖い。何が怖いって幽霊とか動物とか天候とか色々あるけど、一番怖いのは人間。 お前ら山とかいって開放的になるだろ?すがすがしいな~ってなるだろ? あれは一種のボーダーラインを越えそうになってるから。 ...
-
-
二つ枕の儀 r+6,927
地元は山の奥にある集落だった。 舗装の剥げた一車線の山道を登った先にある、小さな盆地のような場所で、いまではもう、墓石と崩れかけた蔵が残るだけだ。 中学を出てすぐ県外の高校に進学し、そのまま地元から離 ...
-
-
ジンカン~人間をついばむカラスはすぐ殺せ《ホラーテラーさん》#18k
「人間をついばむカラスはすぐ殺せ」 「でも、そんなカラス見たことないよ。カラスは、人間が近づくと逃げて行くよ?」 「見たことがないなら、いい。だけど、見つけたらすぐ殺せ」 「……なんで?」 「……」 ...
-
-
山に入っただけなのに rw+14,603-0203
話しても、たぶん誰も信じないと思う。だから、最初から信じなくていい。 これは俺に起きた出来事だが、理解しようとしなくていい。ただ、読んだあとに少しだけ、周囲の気配が気になるようになれば、それで十分だ。 ...
-
-
掘った覚えのない場所 rw+7,366-0120
今から十年ほど前。 世間が妙に浮ついていて、夜の街でも昼のテレビでも同じ曲が流れていた頃、俺は西新宿の雑居ビル地下にある、いかにもグレーな店で日銭を稼いでいた。 表向きは運送や清掃の派遣だが、実態は「 ...
-
-
黄泉戸喫(ヨモツヘグリ)#10,779
【ゆっくり怪談】黄泉戸喫(ヨモツヘグリ) 昨日、裏高尾まで紅葉を見につうか、軽いハイキング気分で出かけてきたんだが、そこの山道で、キノコ取りに来ているおっさんと出会ったんですよ。 2008/10/14 ...
-
-
【18禁!!!閲覧注意】山の女 #7,591
【ゆっくり怪談:18禁】山の女【山にまつわる怖い話】 高校の頃の話。 俺の実家はスッゲー山奥で、麓の高校まで通うには片道四里(約16Km)以上の山道をチャリで下って行かなきゃならない。 当然、帰りは四 ...
-
-
順番が違う rc+7,986
2025/06/20 -短編, r+, 山にまつわる怖い話, 洒落にならない怖い話, 定番・名作怖い話
★人気ベスト300, ネットで有名な怖い話父の三周忌も過ぎたところだ。この機会に、父と山の話を書き残しておきたいと思う。すべて実際にあった出来事だ。 父が精密機械の会社を退職して2年が経ったころだった。退職金がかなり出て、年金もある。これから ...
-
-
アベック登山者 r+7,038
これは、自分の山仲間が体験したという話だ。 舞台は北海道の大雪山。季節は厳冬。彼は単独で登っていた。朝から天気は上々、登山には理想的な日和だったらしい。が、そこは冬山の気まぐれというやつだ。数時間もし ...
-
-
【語り継がれる山の怖い話】シシノケ #22,228
【ゆっくり怪談】シシノケ【語り継がれる山の怖い話】 先日愛犬と一緒に地元の山にキャンプに行ったんだけど、そこで変なものを見たんだ。 文才ないしこうやってスレ立てるのもはじめてだけど、長くなるかもしれな ...
-
-
祀の穴 r+11,075
長野の山間部に残るある儀式について、民俗学者の先生から聞いた話だ。 場所はあえて伏せるが、県境に近い盆地の奥にある小さな集落で、冬には雪が二メートルも積もるようなところだという。地図には名前だけが載っ ...
-
-
穴は埋まらなかった rw+7,293-0120
南関東の、木々が異様な密度で絡み合う山々に囲まれた場所に、ほとんど人の出入りがない小さな集落があった。 村と呼ぶのが一番近いが、地図上ではただの山間部として処理されている。空気は重く、音が吸われるよう ...
-
-
大雪山SOS遭難事件 #12,538
【ゆっくり怪談】大雪山SOS遭難事件【山にまつわる怖い話】 平成元年7月24日午後 北海道大雪山系の黒岳(標高1984メートル)から旭岳(標高2290メートル)へ縦走中の2人の登山者が行方不明になった ...
-
-
三毛別羆事件~史上最大の獣害事件:人喰い巨大ヒグマの恐怖! #14,864
三毛別羆事件~史上最大の獣害事件:人喰い巨大ヒグマの恐怖!【ゆっくり朗読】 三毛別羆事件~史上最大の獣害事件 【史上最大の獣害事件】三毛別羆事件 三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)とは、1915年 ...
-
-
福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ襲撃事件 #10,010
【ゆっくり朗読】福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ襲撃事件 【獣害】福岡大ワンゲル部・ヒグマ襲撃事件 1970年(昭和45年)7月に北海道日高郡静内町(現・新ひだか町静内高見)の日高山脈のカムイエクウ ...
-
-
ノエ君 r+7,361
2025/03/03 -短編, r+, 山にまつわる怖い話, ヒトコワ・ほんとに怖いのは人間
★人気ベスト300ノエ君【ゆっくり朗読】 俺がリア消四年の頃だから、もう二十年くらい前のことなんすけど、 一コ上の友達に、ちょっとキワイ感じのノエ君(本名は忘れた)って子がいたんですよ。 914 名前: ロンパー ◆Y ...
-
-
禍垂(かすい):封鎖されたトンネル #10,174
2025/03/02 -短編, r+, 山にまつわる怖い話, 洒落にならない怖い話
★人気ベスト300, ネットで有名な怖い話禍垂【ゆっくり朗読】 昔、十代の時で、未だやっていい事と悪い事の分別もつかない時の話。 中学を出て、高校も行かず、仕事もせずにツレとブラブラ遊び回ってた。 いつものようにツレから連絡があり、今から肝試 ...