短編 山にまつわる怖い話

焚き火をしながら魚を焼いている男【ゆっくり朗読】4227

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私の体験です。

649 :あなたのうしろに名無しさんが…:03/11/18 18:01

現在大学3年で、それは大学2年になってしばらくした時の話です。

久しぶりに地元に帰り、家族に近況報告をすませると、何となく、昔よく遊んだ近所の山に行って見たくなりました。

外は少し寒かったこともあり、ウイスキーの酒瓶を片手に、軽く飲みながら出かけました。

山に入ると、昔と何ら変わってないことを確認できて、非常に嬉しかったです。

しばらくそうしてフラフラ歩いていると、少し遠くの茂みから、「こっちにきて飲まないか」と誘う男の声が聞こえました。

茂みの周りは薄く照らし出されていて、焚き火をしている様子でした。

酔っていたのも手伝い、別に怪しいとも思わず茂みに行くと、男が一人で焚き火をしながら魚を焼いていました。

ウイスキーを渡すと珍しがり、ずいぶん気に入ったらしく、私に魚を勧めながらいろんな昔話を話し出したのです。

魚は美味しかったし話も面白く、とても楽しかったのを憶えています。

しばらくすると、男は「そろそろ帰りな」と言ったので、私は「ウイスキーの残りはあげる」と言い、立ち上がりました。

すると男は、満面の笑顔で魚や山菜などをどっさりとくれました。

その時になって、はじめて私は男の顔を見たのですが、目が一つしかありませんでした。

しかし、怖さは不思議と感じず、なぜ今まで気付かなかったのかもわかりません。

その後、祖母に土産を渡しその話をすると、それは山神で、「善いものに出会ったな」と笑っていました。

私も「ああ、だから洋酒をあんなに気に入ったのか」と妙に納得してしまい、笑ってしまいました。

またウイスキーを持って行ってみようと思います。

653 :あなたのうしろに名無しさんが…:03/11/18 19:13
>>649
いい話ですね。
よろしければ、その山神様のしてくれた話の中身を聞かせていただけませんか。

654 :649:03/11/18 20:21
>>653
その男の話の内容は、昔からその山と周辺を生活圏にしていた人たちの、生活の様子でした。

山菜取りにきた親子がいて、子供が転んで大泣きするのを必死であやす親の様子だったり、本当に何でもない事ばかりだったんですが、身振り手振りをつけて親や子供を演じ分けたりと、中々の芸達者でした(笑)

話してる間は全然違和感を感じず、普通のおっさんと話してる感覚でしたよ。

だからもしかしたら、単に光の加減とかで見間違えた可能性もあると思います。酔ってたし(笑)

ただ、転んだ子供の話のときに、「着物が破れた」とか言っていたので、もしかしたら本当に神様で、古い話だったかも知れません。

そうだったらいいなあって思います。

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