N県S村に、牛ヶ首という場所があります。
69 :甘木 ◆In4ZUEi552 :02/12/26 02:10
私の祖母がその近郷出身です。
小学生の頃にその祖母から聞いた、牛ヶ首近辺であった昔々の話です。
祖母の曽祖母の弟にあたる人が、金貸しをやっていました。(江戸時代らしいです)
私にとってはご先祖さまなんですが、残念ながら名前はわかりませんので、仮に太郎さんとします。
太郎さんは、高利貸しであったらしく、あまり評判は良くなかったようです。
ある夏の日、太郎さんは小僧さん一人をお供につれ、貸した金を取り立てるため、山中の集落に出向きました。
集落の人たちに貸していたお金の取り立てが、どのように行われたかははっきりとは伝わっていません。
ただ、山の集落の人たちは酒席を用意し、かなりお酒を勧めたそうです。
そして太郎さんは酔っ払って、お供の小僧さんと一緒に、夜の山道を帰ったということです。
で結局、太郎さんと小僧さん、二人とも家にもどることはありませんでした。
そのまま行方知れずとなりました。
山の集落の人たちに尋ねても、「お金を返し、酒を飲んで別れた後のことはわからない」と、皆が答えたそうです。
残された家族は、山の集落の人たちではなく、ふもとの村人たちにお願いして、山の中を捜してもらいました。
そして、帰り道とは逆方向の崖の下で、太郎さんの遺体をようやく見つけることができたそうです。
遺体はすさまじい形相をしていました。
最終的には、夜の山道で酔っ払って落ちたんだろう、とされましたが、帰るべき家とは逆方向にある崖から落ちたなんて妙な話だと、噂になったそうです。
さらに、取り立てた(山の集落の人々が払ったといってる)お金は、結局どこからもでてきませんでした。
また、お供の小僧さんがずっと見つからないのは、神隠しだとか、主人を殺して金を奪い逐電したんだとか、いろいろと噂になったそうです。
わたしは、この話を初めて聞いた小学生の時から、きっと小僧さんも、XのXXの人たちに殺されたんだと思っています。
山の集落は過疎のため、昭和40年代中ごろに廃村となっています。
読者のコメント
新潟県三条市(旧南蒲原郡下田村)牛ケ首かな?
…………
昭和40年代に過疎で集落無くなった、って吉ヶ平くらいしかないけど牛ヶ首からは遠い。明治頃の昔の村でいっても別の村になるし……同村地域だと牛野尾っていう地区に古い商店なんかがあるから、そっちなんじゃないかと。
現在吉ヶ平集落跡地は電気供給も絶たれ、川沿いの一本道を抜けると旧小学校校舎がキャンプ場として残っていますが、確実に怖い場所ですね。何回か釣りで行きましたが、雰囲気云々然り、野生の日本サルだらけです。
ちなみに現在は遅場地区(吉ヶ平手前の集落)も限界集落で廃墟が目立ってきてますね。地図にも載っているので興味のある方はどうぞ。酒に何か痺れ薬か眠り薬、毒薬でも仕込んだんでは…ということも考えられる。とにかく酔わせて、前後不覚になった高利貸しの爺さんをわざと危険な道へ案内して…後は放置すれば勝手に転落死してくれる、というような……
宿の見つからない旅人を親切に泊めてやるフリをして、夜中に寝付いたとこを襲って殺して、身ぐるみ剥いだ挙げ句遺体はその辺の山の中へ…ってなことを村ぐるみで繰り返して食いつないでた寒村もあったくらいだから、遺体が見つかっただけ、運が良かったんじゃなかろうか。
夫婦者の旅人達が同じような村にうっかり入って泊まらせて貰ったけど、夕飯の後、壁の向こうで誰がこの夫婦を殺すか相談してるのを旅人の嫁が聞き付けて、とっさに機転を利かせて、旦那と示し合わせ、わざと「ああ、財布が無い!どっかで落っことしたんだ!どうするんだよ!あたしらスッカラカンの無一文じゃないか!ああ、村の人にお礼も出来ないよ!」と、泊まった家中に響くような大声で、ウソの夫婦喧嘩で芝居を打ったところ、翌日、無事に村から出て、旅を続けることが出来たそうな…まさに危機一髪。この夫婦は運が良かったけど…他にも同じことがしょっちゅう起こってたんだろね。…………
吉ヶ平の奥には雨生ヶ池があり二つの大蛇伝説なるものが存在するので、それが最後のXの××の人たち(地区名とは別の通称)だったりして、と想像してみました。
…………
今でも閉鎖されたムラ社会では組織ぐるみの隠蔽工作がまかり通ってるくらいだから、江戸時代以前にさかのぼれた、こういうことは全国どこででもあっただろうなあ。六部殺しや安達ケ原などの民話や伝承に形を変えた痕跡を残して……
だから由来がわからない村や山中の祠や像は気軽に拝めないよ。