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短編 r+ 山にまつわる怖い話

女人禁制の山 r+4134

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これは、親戚のお姉さんから聞いた話だ。

数年前、彼女は友人のAとBと一緒に「パワースポット巡り」に熱中していた時期があった。観光ガイドに載っている名所はほとんど回り尽くし、次第にネットや口コミで見つけた、あまり人の行かない場所を訪れるようになっていたそうだ。

その日、彼女たちが向かったのは、ある山だった。地元の人々の間で「女人禁制」とされるその山は、ガイドブックに載るような場所ではない。冬の寒さの中、帽子とマフラーで顔を隠しながら、3人は地図を頼りに登山を始めた。

登山道は荒れており、踏み固められた跡も少なく、人が滅多に訪れないことがすぐに分かる。しばらくすると、上から一人の男性が降りてきた。40代半ばと思われるその男性は、すれ違いざまに挨拶をしてきたが、3人は声を出すと女性だと分かると思い、軽く会釈を返すだけにした。

「ちょいと待ちな…あんたら…」
男性が足を止め、じっと3人を見つめる。冷たい空気が一層重く感じられた。しかし、彼は首を横に振ると、こう言って立ち去った。
「いや、何でもないわ。気をつけてな。」

やがて山道を進むと、開けた場所に出た。休憩しようと座り込むと、Aが「少し周りを見てくる」と言い残して立ち去った。時間が経っても戻らないため、彼女とBはAを探し始めたが、気がつくと今度はBもいなくなっていた。彼女は一人、心細い思いで山中を彷徨う。

背後に誰かの視線を感じ、振り向くと、木の陰から幼い男の子がこちらを覗いていた。薄手のシャツに裸足という姿があまりに場違いだったが、声をかけると子供は黙ったまま木の陰に隠れてしまった。木の裏を確認しても、そこには誰もいない。耳を澄ますと、どこからか子供たちの笑い声がかすかに聞こえてきた。あたりを見回すと、何本もの木の陰から無数の子供たちがこちらを見つめていた。寒気が全身を貫き、足は自然と山を駆け下りた。

気がつくと、麓でBと、先ほどの男性が待っていた。男性は一言「話は後だ」と言い残し、再び山へ向かった。しばらくすると、男性が背負ったAを連れて戻ってきた。3人は彼から山の由来を聞かされた。

その山は、かつて子供を捨てるために利用されていたという。母親を恋しがりながら息絶えた子供たちの霊が漂い、特に女性に強く惹かれるのだそうだ。女人禁制の言い伝えも、その霊障を避けるためのものだったという。

それ以来、お姉さんたちはパワースポット巡りをやめたそうだ。理由がある立ち入り禁止の場所には、絶対に近づいてはいけないと念を押された。

[出典:532 :本当にあった怖い名無し:2017/05/02(火) 13:56:58.96 ID:STOKtuNH0.net]

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