短編 怪談

千葉県の某ダム【ゆっくり朗読】

更新日:

Sponsord Link

千葉県の某ダムに行った時の話。

912 :本当にあった怖い名無し:2023/07/18(火) 11:24:03.79 ID:Ti5zhY4x0.net

このダムはガキの頃にオヤジに連れられてバス釣りを覚えたダムだ。

ボートに俺と嫁を乗せて湖面を進む。

いつもの立木のポイントで早速ヒット。

かなりでかいぞ!

そのとき、

ぼっちょん

胸のポケットに入れていたiPhoneが湖へ落ちた。

げっ☆と思いつつもバスを無事取込んだ。

58センチの自己ベスト!
しかし電話兼カメラのiPhoneは湖底で記念の写真が撮れない。

だが、こんなこともあろうかと「フジカラー写るんです」を非常用に持ってきている俺に死角無し!

その日は「写るんです」で写真を撮った。

んで帰りに自宅近所のカメラ屋で現像頼んで翌日の仕事帰りに写真を受け取り自宅で見ると……

おかしい、何枚か写真が抜けてる?……

58センチを持ってる写真と笑い顔の娘の写真が無い?……

一番欲しい写真が抜けてることに憤りを感じた俺だが、とりあえずスキャナでフィルムを読み込んでみた。

写真が無い理由がなんとなくわかった。

スキャナで取り込んだ画像にはちゃんと俺の写真があった。

58センチのバスを片手に意気揚々・得意満面の俺、そして俺の背後から長い手が俺の首を絞めている?!

全身サブイボが総立ち!

さらに娘の写真には同様に謎の手が脇をくすぐってってるような……

そういえばあの時の娘は最初グズっていたが突然笑いだしたんだった。

その理由がこれか……

そしてもう一枚、立木を背景にした妻の写真。

立木の枝に身長30センチくらいの女が……

スゲー!これが心霊写真ってやつか!アナログカメラ万歳!

この写真をどうするか考えたがとりあえず近くのお寺でお祓いをしてもらうことに。

しかし寺の住職は「それはうちよりも神社でやってもらった方がいいなぁ」とのこと。

それで住職に紹介してもらってこれまた近所の神社へ。

しかし神主さん曰く

「ああ、こりゃ心配ない。
現地でイタズラされて殺されることはあってもこの写真が災いをもたらすことは無いから。一応、お祓いしとこうか?5000円かかるけど?」

万年金欠家族のうちらは丁重にお断りして神社を後にした。

ふと気になることがあり、実家によってから帰ることに。

そして実家から預かった大量のネガフィルムを吟味し、例のダムで親父と釣りに行った時の写真をスキャナにかけてみた。

するとあるわあるわ、例のダムで写したネガフィルムには必ず一点から3点くらいの心霊写真が。

それも必ず例の立木ポイント付近のやつばかり。

身長30センチくらいの白いワンピース風の女が腕をニョキーーーーーとのばして俺の首を絞めてたり親父の肩を持ってたり……

恐ろしい、私は恐ろしい……

しかし冷静になって考えてみれば俺も親父もこれまで大きな事故も大きな病気もせずに元気に過ごしてきた。

それどころか親父は昔競馬で何度も万馬券を的中させ勢いで車を二回も買い替えたことすらある。

もしかしたらダムの女は悪霊や自縛霊や妖怪などではなく幸福を呼びこむ湖の精霊だったのかもしれない。

嫁にそのことを話すと 「アホか」 と一蹴されたが

「ところで競馬って難しいの? 次の釣りはいつ行く?」

と目が輝いていた。


金山ダム/斧落隧道(おのおとしずいどう)

Sponsored Link

Sponsored Link

-短編, 怪談
-,

Copyright© 怖いお話.net【厳選まとめ】 , 2024 All Rights Reserved.