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短編 山にまつわる怖い話

霊山(りょうぜん)【ゆっくり朗読】

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私の地元に【りょうぜん】という山があります。

439 :本当にあった怖い名無し:2021/06/03(木) 00:44:27.61 ID:fg6Qj83+0.net

霊の山と書いて霊山(りょうぜん)と読みます。
数年前そこに会社の先輩とドライブに行った時の事です。
霊山は死んだ人がこの山を登って天に向かうという通り道のような場所と言われていて、心霊スポットとしても有名でした。

当時、私は車を持っておらず、仕事終わりによく先輩の車に乗せてもらっていました。
それである日、その霊山に行ってみようぜって話になって、私も心霊スポットということで興味が湧いて着いていくことにしたんです。

先輩の運転は結構荒っぽくて、山道をぐんぐん飛ばして登っていきます。それですぐに酔ってしまって凄く気分悪くなりました。
途中でちょっと車から下ろしてもらうようにお願いして、少しひらけた場所で私は車を降りました。
確か6月くらいだったんですが、とてもひんやりしてて気持ちの良い夜だったのを覚えています。
先輩が車を止めたのは三叉路でした。
左右に道が分かれていて、どちらも真っ暗な山道が続いていました。
別れ道の中央には道はありませんが開けていて、夜でなければ見通せたんじゃないかなって思います。

私はなぜかその三叉路の真ん中の景色の写真が撮りたくなって、ケータイのカメラで一枚撮りました。
カシャって音が鳴ったその瞬間に、ケータイの電源が落ちたんです。
すぐに再起動させようとしましたが、ケータイは起動したり消えたりを繰り返して、しまいには無茶苦茶な熱を持ち始めました。
私は何か取り返しのつかない事をしたんじゃないかって急に怖くなって、先輩に帰ろうと伝えました。
先輩も私の様子とケータイを見て、すぐに来た道を引き返してくれました。
帰りもガンガン飛ばすものだから、それでまた気分も悪くなってしまったのですが、それよりも早く山を出たいという気持ちが勝っていました。

山を降りきり、コンビニに車を止める頃にはケータイの挙動はいつものものに戻っていました。
一体なんだったんだろうって撮った写真を見てみたのですが、あの写真はありませんでした。
というより、その日に撮った写真全部がなくなっていました。
その時は何もなくてホッとしていました。していたと思うんです。

実はこの事を思い出したのは結構最近で、ケータイを乗り換えるからと写真データをpcに移していた時でした。
見覚えのない写真が一枚入っていたんです。
それを開いてみたら、暗闇の中に真っ赤な道が2本、ずっと向こうまで続いていました。
表現が難しいんですが、雨の日の赤信号の光が反射してるみたいな、それが延々と暗闇に伸びていました。
それを見てすぐに分かりました。
あの時に撮った写真だって。
気味が悪くなってすぐに写真は削除しました。

どうしてケータイにはなかった写真が、PCに移した時に見つかったのかはわかりませんが、それからは特に何もありません。
でも、夜に別れ道を見るたびに思い出してしまうんです。真っ赤な道のことを。
どうしてあんな場所で写真を撮ろうなんて思ったのか、今ではわかりません。

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