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中編 心霊ちょっといい話

ボス犬コロの不思議な話

更新日:

俺のじいさんの家に犬が居たんだ。名前はコロ。柴犬の雑種だと思うんだが、真っ白な綺麗な毛並みの犬だった。

コロは町中の野良犬の大ボスで、コロの後ろには5~9匹、多いときは14、5匹の犬がついて回ってた。

それ位すごい犬だった。

そんな大ボスがなぜじいさん家に居たのかは変な話で……

俺のじいさん教師をやってたんだが、ある日いつもの駅に通勤のため行くと、コロが居たそうだ。

取り巻きなし、たった1匹で。

コロは近所じゃ有名。野良軍団のボスだからね(笑)

で、じいさんが「どうしたコロ?このあたりはお前の縄張りじゃないだろ?」って聞くと、コロはじいさんをじっと見つめて「クゥ~~ン」って甘え声を出したそうだ。

なにかおかしいなと思いつつも、じいさんは電車が来たんで仕事に行った。

で、仕事終わってその駅まで帰ってきたんだけど、まだコロが居たそうだ。

で、じいさんまたコロに声かけたそうなんだが、そのとき何故だか分からないけど、「コロは俺の娘に会いたがってる」って思ったそうなんだよ。(娘ってのは俺のかあちゃんな)

ほんとに何故かはまったく分からず、ただ今日コロに娘を会わせないといけないって強く思ったらしい。

で、家に帰って、当時高校生だった俺のかあちゃんを連れて行ったんだって。

コロはかあちゃんに会うなり、飛びついてじゃれてきた。

かあちゃんが「家に来る?」って言うと「ワン!」って鳴いて、そのまま家まで付いてきた。

そして近所のボス犬は俺のじいさん家の住人になった。

で、家に来た次の日、どこで召集を掛けたのか野良犬軍団もじいさんの家の庭に大集合してたそうだ。

じいさんもばあさんもかあちゃんもかあちゃんの姉さんも驚いたのは、コロは家の中に入って飯とか食べるんだけど、取り巻きどもは決して家の中には入ってこないってこと。

すごい統率が取れてるらしく、庭には来るけど決して家の中には入ってこなかったそうだ。

朝になるとコロを先頭にして大名行列、街中を歩き回って夜には帰ってくる。そんな生活がしばらく続いたんだってさ。

で、半年ほどその犬軍団が庭に居ついたんだけど、ある日の夜中に犬達がキュンキュン鳴いてたんだって。

夜中ずっと犬がキュンキュンワンワン……遠吠えまで。うるさくて寝られなかったらしい。

そして翌朝、コロ1匹残して取り巻き軍団が綺麗さっぱり居なくなってた。

たぶんボスの座を渡したか奪われたかしたんだろう。

実際、No.2と思しき犬が翌日から軍団率いてたらしい。

コロはじいさん家にそれからも居ついた。

じいさんはそれからコロに首輪を買ってきてやったんだって。

で、嫌がるコロに着けてやった。

でもね、コロはふらふらっと昼間は出かけてるんだけど、夜になると首輪は外れてたんだって。

最初は偶然外れたんだろうって思ったんだけど、何度首輪をつけてもその日の夜になると外してくる。

それでもじいさん意地になって、何度も首輪を着けたんだけど、夜になると……(以下略

さすがにじいさんもあきらめて、「まぁ今までこんなものつけずに生活してたんだもんな、すまんかったな」ってコロに言ったら、「ワン!ワン!」って2回吠えたらしい。

で、次の日にコロはどこかで外してきた首輪を持ってきて、俺のかあちゃんの前にポトっと落とした。

なんとなくコロが着けて欲しそうな顔してたように見えたらしく、かあちゃんが首輪を着けてやると、その首輪は外さなかった。

それからず~~っとその首輪は外さなかったんよ。

かあちゃんが俺を産んでからの話になるんだけど

コロは俺のいい遊び相手だったんだ。

耳を引っ張ってやったり、鼻の穴に指を突っ込んであげたり、俺が上に乗っかって走ってもらったり、オチンチン引っ張ってみたりとか。

そういう乱暴なこと俺がやっても、全然コロ怒らなかったんだけど、首輪は違ったんだよ。

とにかく首輪に俺が触ろうとしたら、怒るんよコロ、ウ~~~!って。

それ以外は絶対怒ることなんて無いのに、首輪を触ろうとすると怒る。

……変な犬だった。

だから俺はコロの首輪には触らなかった。

俺が小2の時

コロもいよいよ寿命なのかあまり動けなくなってきたんだ。

その時点で恐らく20年近くは生きてたんじゃないかってじいさん言ってた。

ビックリするほど長寿な犬だ。

で、いよいよやばいなって日があって、みんなでお別れしとこうってことになって、みんな泣きながらコロの頭撫でてバイバイ言ったんだ。

で、今でも思い出すんだけど、一人一人頭を撫でてやると、コロは動くのしんどいはずなのに、頭を起こして一人一人をじーーっと見つめるんよ。

まだ死ぬってのがどういうものか良く分からんかった俺も、その時初めて死ぬってのはこういう事なのかって、コロにじっと見つめられながら分かったんだ、泣きながら。

その日の夜

何故か俺のかあちゃんは、「玄関開けといていい?コロが玄関開けといて欲しいっていってる気がする」って言ったんよ。

俺もそんな気がしてた。5歳の妹もそういってた。じいさんもそうだなって、ばあさんも同じ。

だからその日は玄関開けたまま寝た。

朝起きたらコロ居なかった。動けないはずなのに居なかった。

コロがいつも使ってたお皿の上に、コロの着けてた首輪が置いてあったんだ。

コロのさよならの印だったんだろうね。

2日後、夢見たんだ。

もちろんコロの夢。

しゃべったりとかそういうのは残念ながら無かったんだけど、俺の顔をペロペロ舐めて、テクテク歩いて行ってしまった。

俺は夢の中でバイバイって手を振ってた。

家族みんなのトコにも挨拶に行ったみたい。母ちゃんも妹も言ってた。

じいさんはもともと夢見ない人なんで覚えてないって(笑)

でも多分見てたと思う。

その日に亡くなったんだろうなぁ……

(了)

[出典:http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1454518647/]

 

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